蟹工船・党生活者

蟹工船・党生活者

小説・文芸
572円 (税込)

2pt

海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。“国策”の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキを扱い、帝国主義日本の一断面を抉る「蟹工船」。近代的軍需工場の計画的な争議を、地下生活者としての体験を通して描いた「党生活者」。29歳の若さで虐殺された著者の、日本プロレタリア文学を代表する名作2編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    蟹工船・党生活者
  • タイトルID
    :
    133891
  • ページ数
    :
    281ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年10月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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蟹工船・党生活者 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ──何時でも会社は漁夫を雇うのに細心の注意を払った。募集地の村長さんや、署長さんに頼んで「模範青年」を連れてくる。労働組合などに関心のない、云いなりになる労働者を選ぶ。「抜け目なく」万事好都合に! 然し、蟹工船の「仕事」は、今では丁度逆に、それ等の労働者を団結組織させようとしていた。いくら「抜け目のない」資本家でも、この不思議な行方までには気付いていなかった。それは、皮肉にも、未組織の労働者、手のつけられない「飲んだくれ」労働者をワザワザ集めて、団結することを教えてくれているようなものだった。

    0
    2026年02月21日

    Posted by ブクログ

    死と隣り合わせなほどに劣悪な労働環境に身を置かれた当時の労働者を想像しながら読んだ。資本家(浅川)から搾り取られるような残忍な扱いには怒りを感じた。

    近代小説で過去の話と片づけたいところだが、今でも残業時間は限界突破し、働いていく中で幸せより無力感が先行してしまう今日の世の中に重なる。

    AIが発達すればするほど、ホワイトカラーとブルカラーともに切り捨てられ、資本家だけが巨額の富を得る格差構造が再び広がっていかないか、今こそプロレタリア文学が読まれるべきでは。

    0
    2026年01月19日

    Posted by ブクログ

    小林多喜二「蟹工船・党生活者」
    国家体制として、今や手練手管を尽くした独裁的な手法になりつつある共産主義は、この2作品と登場人物(作者の生涯も含めて)で如実にわかるように、もっと切実な思いと公平な理論から提唱された主義だっただろう。そこには確かに、プロレタリアの悲痛な叫びと清貧な生活とが描かれている。
    物語中途でもあるように、資本家と労働者は、切っても切りはなせない関係だ。労働者がいなければ資本家は存在しない、というか存在しても意味がない。だから手を取り合って、それぞれの特徴や強みを発揮した対等な関係が理想だ。しかしそうはいかない。死ぬまで駒として利用され、死んだら経費が浮くと考えるか、新しい駒を使う。この搾取体制の本質的な部分は、現代にも通底すると感じる。彼ら共産主義者の働きも少なからずあっただろう、ようやく正当な賃金を受け取るようになった日本人労働者は雇われず、安い賃金で働く外国人を雇用する。あるいは派遣労働という形で利益のためには簡単に首を切られる人材方針を取る。人が変われど根底は変わっていない。国について言い変えれば、住民がいなければ国など存在しないのだ。

    僕は会社経営や政治運営について全くの門外漢だが、プロレタリアこそ、そういった虐げられた先人たちが腐らず働いてきたからこそ、戦後日本の経済成長は実現した。それだけは明言できる。

    0
    2025年04月09日

    Posted by ブクログ

    この時代の労働者がどんな感じで働いてたかめっちゃ細かく書かれていて、読んでて面白かった。
    あと、書かれていて面白かったところです。蟹工船は船舶じゃなく、工場だからということで航海法が適用しないが、工場法も適用されないのである。

    党生活者では、主人公の共産党員が、工場などで工場労働者を奮起させて、ストを起こそうとしている。治安維持法下での共産党員の生活がありありと分かる作品だった。


    両作品とも、読むことで1番得られるものとして大きいのは、その当時がありありとわかる事だと思う。

    0
    2024年12月21日

    Posted by ブクログ

    最初はプロレタリア文学として、その思想的背景が嫌であえて避けていた。
    間違いだった。

    少なくとも「蟹工船」は、共産主義やその周辺の思想的な記述はポツポツと出るだけ。
    しかも見かけ上は過度の共産主義賛美な箇所は見当たらなかった。
    作者の意図を度外視すれば、この小説の面白さはイデオロギー(団結、反権威など)とは別のところにあると思う。
    現代に生きる我々としては、例えば多彩な人物の登場であるとか、セリフを多用した臨場感や濃密な空間を設定し、そこで起こる出来事や感情の動きを一つ一つ追うとかといったいわばオーソドックスな手法から、小説的面白さを汲み取ることができるのではないか。

    そもそも「蟹工船」の設定は古臭いものなのか?
    船内の狭い空間に何百人という漁夫たちが押し込められた描写は満員電車でもみくちゃになった通勤風景を想起させ、死ぬ寸前までの労働者の酷使は過重な残業を思い起こす。
    蟹工船の労働者と現代のサラリーマンとが、私のなかであまりにも重なり、古さを全く感じなかった。
    だからと言って「サボ」を現代人にも薦めるつもりは全く無いけど…
    我々の過酷な労働環境をどう改善すべきかはまた別の機会に考えるとして。これを共産主義文学や革命文学というくくりで読もうとするから話がこじれるのであって、純粋に多喜二の小説的技法を味わう、といったノリでいいんじゃないか。
    (2007/2/8)

    0
    2024年12月03日

    Posted by ブクログ

    蟹工船では、超ブラックな労働環境で働かされる労働者が一致団結して、監督や軍との闘争を描いている。
    死人が出るような労働環境が生々しく描かれており、教科書で作品名は知っていたが、こんなにエグい内容とは思わなかった。
    序盤に蟹工船の説明があり、ボロボロの船を梅毒患者に例えているところは、今からそんな蟹工船でデスゲームが始まることを暗に告げているようでゾクゾクした。

    党生活者では、非合法な組織とされていた共産党主義者が、資本家や国家の目をかいくぐり、工場内の労働者を煽動する様が描かれている。
    今の時代、残業規制などの労働者を保護する法整備があるが、昔はそんな法整備はなかったはず。法による労働者の保護がない中で、資本家と闘っていくことがどれだけ難しいのかを読んでて感じた。

    0
    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

     プロレタリア文学の名著として知られた『蟹工船』よりも、『党生活者』の方が個人的には面白かったし、何より読みやすかった。プロレタリアートを奮起させようと、スパイのように過酷な生活を送る主人公たちの姿からは、当時の社会における思想統制の苛烈さをまざまざと感じた。『蟹工船』に関しては、終始想像したくもない汚らしい描写が続く故、読むのを止めたくなる。それと同時に、実際にこのような環境で働かされた人々がいたことに着目すると、現代の労働環境がいかに恵まれたものであるかを考えさせられる。

    0
    2026年06月09日

    Posted by ブクログ

    学生の時分に読んでおけばよかったと後悔する作家の一人。
    日本の民主化への道のりがどれほど困難だったか、「私たち」の戦いを通して、当時の現実を垣間見れる。

    0
    2026年04月17日

    Posted by ブクログ

    かつての共産党員は、共産主義活動に走った人としてだけでなく、民主主義の礎を作るために奔走したと捉え直すと深みが増す。小林多喜二はその最中で殺されてしまったが、この作品は共産党員の魂が殺されない終わり方で彼のメッセージがビンビン伝わってくる。その置かれた境遇を考えれば、感情を排してなるべく起きたことにフォーカスした淡々とした語り口であることも評価できると思う!

    0
    2025年11月11日

    Posted by ブクログ

    昔、三浦綾子の「母」を読んでから、心にあった「小林多喜二」。
    以後、時折、瞬間的なブームになる「蟹工船」を、ついに読んでみた。

    著者の最期が頭にあるから、よくこういうことを書けたなと、緊張感を持って読み進める。内容的にも息が詰まる。

    当時の季節労働者。自らの志願や、斡旋屋からの騙し、農村の長男以外の過酷さ。階級的社会活動。
    そして、非合法の政党?の活動が、どのような下で進められ、活動者を増やしていったのか。。
    息が詰まる。

    0
    2025年10月19日

蟹工船・党生活者 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    蟹工船・党生活者
  • タイトルID
    :
    133891
  • ページ数
    :
    281ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年10月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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