蟹工船・党生活者

蟹工船・党生活者

440円 (税込)

2pt

海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。“国策”の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキを扱い、帝国主義日本の一断面を抉る「蟹工船」。近代的軍需工場の計画的な争議を、地下生活者としての体験を通して描いた「党生活者」。29歳の若さで虐殺された著者の、日本プロレタリア文学を代表する名作2編。

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蟹工船・党生活者 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    小林多喜二「蟹工船・党生活者」
    国家体制として、今や手練手管を尽くした独裁的な手法になりつつある共産主義は、この2作品と登場人物(作者の生涯も含めて)で如実にわかるように、もっと切実な思いと公平な理論から提唱された主義だっただろう。そこには確かに、プロレタリアの悲痛な叫びと清貧な生活とが描かれている

    0
    2025年04月06日

    Posted by ブクログ

    この時代の労働者がどんな感じで働いてたかめっちゃ細かく書かれていて、読んでて面白かった。
    あと、書かれていて面白かったところです。蟹工船は船舶じゃなく、工場だからということで航海法が適用しないが、工場法も適用されないのである。

    党生活者では、主人公の共産党員が、工場などで工場労働者を奮起させて、ス

    0
    2024年12月21日

    Posted by ブクログ

    わかりにくい部分もあったものの、引き込まれる内容のプロレタリア文学。
    構成が秀逸。
    方言や時代の前提(川崎船など)が一部わからない部分もあったものの、徐々に労働者の状況が説明され、自然と共産思想に近づいていく様が段階的に描写されていた。
    人を使う側/使われる側という構造は今の時代にも通じるものを感じ

    0
    2024年10月07日

    Posted by ブクログ

    プロレタリア文学というものを初めて読んだ。文学というものの存在意義、文学の持つ力、芸術性、それら全てを感じられる作品であった。文学とは、芸術とはこうあるべきであると思う。

    0
    2024年06月02日

    Posted by ブクログ

    プロレタリア文学の代表作。

    行き過ぎた資本主義への抑制、という観点では、現代社会においても、共感できるところ、学ぶべきところはあるのだろう。
    最後に監督が解雇され、自分もまた大きな社会構造の歯車でしかないことに気づかされる。
    厳しい労働環境を具体的に描く一方、この終わり方を以って社会構造全体の問題

    0
    2024年01月21日

    Posted by ブクログ

    最初はプロレタリア文学として、その思想的背景が嫌であえて避けていた。
    間違いだった。

    少なくとも「蟹工船」は、共産主義やその周辺の思想的な記述はポツポツと出るだけ。
    しかも見かけ上は過度の共産主義賛美な箇所は見当たらなかった。
    作者の意図を度外視すれば、この小説の面白さはイデオロギー(団結、反権威

    0
    2024年12月03日

    Posted by ブクログ

    かつての共産党員は、共産主義活動に走った人としてだけでなく、民主主義の礎を作るために奔走したと捉え直すと深みが増す。小林多喜二はその最中で殺されてしまったが、この作品は共産党員の魂が殺されない終わり方で彼のメッセージがビンビン伝わってくる。その置かれた境遇を考えれば、感情を排してなるべく起きたことに

    0
    2025年11月11日

    Posted by ブクログ

    時代の緊張感が感じられた。太平洋戦争というものが、前線の軍人・銃後の国民以外にも悩み戦い、命をかけることになっていたという事実を知ることができた。官民以外の切り口からの戦争を感じられる作品。個人的には「党生活者」の方が没頭できた。

    0
    2025年10月22日

    Posted by ブクログ

    昔、三浦綾子の「母」を読んでから、心にあった「小林多喜二」。
    以後、時折、瞬間的なブームになる「蟹工船」を、ついに読んでみた。

    著者の最期が頭にあるから、よくこういうことを書けたなと、緊張感を持って読み進める。内容的にも息が詰まる。

    当時の季節労働者。自らの志願や、斡旋屋からの騙し、農村の長男以

    0
    2025年10月19日

    Posted by ブクログ

    蟹工船の情景描写が凄い。
    その時代を生に表す小説って感じがして、読んでるだけで昭和初期を生きている感覚がする。

    0
    2025年07月24日

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