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結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。
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Posted by ブクログ
先入観全く無く読んだら、ラストに衝撃が走る。結核を患うふじ子の身に何か起こるかも?と思ったけど、まさかまさかの信夫が列車事故に遭い、多くの乗客を助ける為に犠牲になる。キリスト教に入信してゆく様はちょっと胡散臭いと思ったのが恥ずかしくなる。
よりによってなんで大事な日に客車が離れる事故が起きるんだよ!と、その見えない運命が憎すぎて腹が立った…。 主人公の永野と友人の吉川兄妹の関係は彼らが小学生のころから知っている(大半のページにわたり書かれている)ので、この悲しすぎる結末に胸が痛くなり泣けた。とくにふじ子さんを想うともう…切なすぎる。 ...続きを読む 最初からすーっと物語に入り込め、読む手がとまらず、しまいには居眠りしたときの夢の中でも物語が展開されるほど夢中になれる。 「塩狩峠」はわたしが中学のころに母から教えてもらった本で母に借りたけど結局読まずに返却。あれから数十年、やっと読めた。読んで本当によかった。 「不朽の名作」に納得です。
読んでよかった。 自分の尊敬する人がキリスト教だけど、あの人はこういうことを考えて人と接していたのかなあとか考えた。 確かに何百年も前の教えが時代も文化も言語も超えて、色褪せず人の心に在り続けるのすごいな。売ることを目的とせずに。だから正しいとか絶対ではないけど、それだけ響くんだろうな。 主人公の幼...続きを読む少期の純粋な疑問が自分の思いと重なった。自分は日常に流してしまうけど時々掘り起こして自分の正義を見つけたい。
明治時代の北海道を舞台に鉄道会社に勤める青年・永野信夫の生涯を描いた物語。モデルとなる人物がいたということに驚き。 少年時代はキリスト教に否定的だったけど、そこから教会学校の校長になり周りから信頼され尊敬される存在になるまでの心境や成長が丁寧に描かれているので洗礼を受けるということが自然と受け入れら...続きを読むれた。 自責や葛藤を抱えつつも「自分がどう生きるべきか」「本当に自分が信じるべきもの」を問い続けていく信夫。 後半の揺るぎない信念を得て周りから信頼を得ている君子のような信夫より、私は前半の人間味のある信夫の方が共感できるなぁ。 私は信夫のような行動なんて到底できないし、自己犠牲は美徳といわれても残された家族の立場にたったらたまらないと思うしその自己犠牲に対しては感動はできないんだけど、でも信夫が「自分にとっての正義とは何か」を長年問い続けてきた結果、その答えが自分にとっては自分の命を使うことであり、その特別な使命を背負ってこの世に生まれて来たのかもしれないなと思った。
傑作です。キリスト教の記述が出てきますが、これは宗教がテーマの話しではありません。人がどのように生きていくか、考えさせる本です。何回か読んでいますが、この本を読む度に心が洗われます。
昭和43年に刊行された本だという事にまず驚きました。少しも古臭さを感じる事がない、文学って普遍的なんだなと。 この本を手にとったきっかけは、本の紹介の所に、実際にこのような鉄道事故があった事という内容へのざっくりとした興味からでした。 いつ事故が起きるのか、その鉄道事故が起点になり、物語が進んでいく...続きを読むのかと読む前は勝手に思っていましたが、進めど進めどそんな描写は出てこず、9割読み終わったラストシーンだったのですね。 長編小説ですから、すっかりその世界に浸って読み進めていたので、鉄道事故のシーンは衝撃的過ぎました。号泣して目が真っ赤になってしまった。 自分だったらこんな生き方をする事が出来るのか、、、もちろん、電車に飛び込んででも人を助けるとか、そういう表面的な事では無く、どんな人生を選び取って自分は生き進むのか、今後も何度も何度も考えずにはいられない読書体験となりました。
とてつもなく魂が震える作品である。人生の意味、誠実に生きること、死とは、信仰とは何かを読者に突きつける傑作。一人の人間として、悩み、苦しみ、ひたむきに生き抜いた永野信夫。強い絆で結ばれた幼馴染み、吉川。彼との愛に生きる、のぶ子。そして、三堀の変化。まさに人生のバイブル!
昭和43年に刊行された、明治時代のお話。 読み始めは表現や時代の古さになじめないところはあったけど、すぐに慣れてぐいぐい引き込まれた。 キリスト教について、深く考えたことが無かったし接点もなかったけど、この小説を読んでもっと深く知ってみたいと思った。 信夫のようには生きられないけど、少しでも恥ずかし...続きを読むくない生き方をしたいと思った。 それにしても、50年以上前の作品が今だに売れている、読まれているのはすごい。読んでみて納得したけど。
中学生の時によみ、 目が腫れて次の日学校に行くのが恥ずかしいくらいに号泣した本。 細かな内容は覚えていませんが、 とにかく泣いた記憶があり、忘れられない一冊。 優しさに泣きまくってしまった思い出... 大人になった今、また買い直しました。 改めて読み直すつもりです。
三浦綾子『塩狩峠』。 一度読まないと、と思っていた作品。 祖母・トセの影響からキリスト教嫌いだった永野信夫。トセから亡くなったと聞かされていた母・菊だったが、父・貞行が菊と別れることができず、別のところに家庭を設け、妹・待子も設けていた… 真実を知り、母・菊にもキリスト教にも反感を覚える信夫だった...続きを読むが… 小学生時代からの親友・吉川の住む札幌に移り住んで、吉川の妹・ふじ子と再会し、ふじ子が肺病とカリエスに侵されてながらも… 信夫は本当に純粋でまっすぐな人間だった。 祖母・トセの教えを守り、親友・吉川との約束を守り、お坊さんになろうとしたり、他人の給料を盗んだ同僚・三堀の救おうとしたり… トセの教えも当時であれば間違いではないが… キリスト教とは正反対の教えだった。 そんな信夫だからこそ、キリスト教や母・菊に反感を持ってしまうのも当然だろう。が、優しい人間だけにそれを言葉に出してしまえない。 苦しい時であったであろう。 ふじ子を待ち続ける信夫。 そこまでできるだろうか… 自らを犠牲にして、他の乗客を助けることができるだろうか… それを目の当たりにした三堀の人間性まで変えてしまうのだから。 ふじ子が不憫でならない。お互い待ち続けたにもかかわらず、このような結末になって… 『塩狩峠』という題名にもかかわらず、『塩狩峠』の場面、信夫の決死の行動の記述は… ちょっとがっかり。
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