あらすじ
結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。
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Posted by ブクログ
人を愛するとはどういうことか。キリストの教えを交えつつ少年時代からの信夫の心情や考えの変化が描かれる。信夫は立派で、ふじ子さんは美しくて大変癒された。人間なかなかこうなれるものではない。信仰心の強さを感じた。
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こういう作品に出会うために読書をしてるのかもしれないと思わされた。
信仰と共に主人公の葛藤が丁寧に描かれていている。悲しすぎるが、光が見えるようなラストは涙が止まらない。
主人公永野と吉川の友情、ふじ子への愛情、母への愛情と葛藤、キリスト信仰...全ての描写に胸を打たれる。
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面白いとか面白くないとかじゃなく、「読んで良かった」と思える作品。誇張でもなんでもなく、死ぬまでに読めて良かった、出会えて良かったと思える作品でした。
時代背景が、家父長制の色濃く残る明治だったり、キリスト教の話が全体を貫いているので、馴染みがない人にはやや理解し難い部分もあるかもしれないですが、多くの人に読んでもらいたい小説です。著者のプロフィールを改めて読むと、まさに三浦綾子さんにしか書けない作品なんだなということが、よくわかりました。
表紙絵も、読後に見ると一際胸にくるものがあります…
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再読。ン十年ぶり。カトリック女子大に通っていたころ、三浦綾子さんにはまってよく読んだ。
すっかり日焼けした、小さな文字の文庫本の奥付には平成2年とある。
実話をもとに書かれた小説であるが、まあ、そんなことはどうでもよい。とにかく純粋な主人公永野信夫という人とその人生にひきこまれる。
明治の時代、不治の病と思われていた脊椎カリエスを患っている恋人を長年見舞い、一途に愛し続ける。それだけでもありえないような話なのに、その大切な人たちを置いて、縁のない偶然に客車に乗り合わせた人々のために自らのからだをもってその多くの命を救う。
この人のなしえたことのただひとつも自分はできないであろう。
多くの三浦綾子作品を読んだが、深く感銘を受け何度も読み返したのは『ひつじが丘』と『水なき雲』である。
いずれももちろん深いキリスト教の教えが柱ではあるがこの塩狩峠に比べると物語性がある。塩狩峠は真正面からキリスト教の教えとただひたすらに「犠牲」を描いた作品
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なんとなく結末は知っていたものの、主人公にモデルがいて、実際の事故を元にしたお話だとは知りませんでした。
『氷点』シリーズを読んだ後だったので、信夫と、海難事故の際の牧師さんの姿が重なりました。
他者のために自己犠牲が出来るかと自分に問うと、無理だと即答してしまいます。
また、宗教心も全く持ち合わせていません。
だからこそ、自分とは異なる信夫を通して、「生き方」「信仰」について考えさせられました。
幸せの絶頂手前で、婚約者を失ったふじ子さんの、ラストの慟哭が涙を誘いました。
が、あのふじ子さんなら、ひとしきり泣いた後は、信夫を誇りに思い、変わらず清廉に生きていくのではないだろうかとも思います。
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人はなんのために生きるのか。生と死、そして宗教観を考えさせられた作品。宗教的な部分については、いろいろな考え方があるだろう。私はキリスト教ではないので、完全に共感できたわけではないが、こういう考えもあるんだと勉強になった。否定も肯定もしながら読み勧めた。読めて良かった。
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道徳的な、読むと自分も立派な人間になれる気がするようなお話。また読みたい!
信夫という1人の人間の幼少期から、大人になっていく中で色々な価値観が変わっていくのを一緒に感じることができた。その中で出る悩みに共感したり、不思議に思ったりと楽しかった。
祖母と父の最期を見てあんなに急死を恐れていた信夫が、一瞬で自分が犠牲になってでも周りを助ける道を選んだんだなあと思うと…
あんなに想っていたふじ子とせっかく一緒になれるところだったのに。幸せになってほしかったけど、信夫に迷いはなかったんだと思った。
聖書を読みたくなりました。
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高三の時担任から勧められたのがキッカケで読んだ本。久しぶりに再読。一番好きな小説かも。めっちゃ悲しくなるけど。
18歳の俺よりも29歳の俺の方が思うことはやや多かった気がするけど、芯にある感情は全く同じだったと思う。終盤の主人公のような人間になりたいって強く思う、キリスト教への信仰関係なく。やっぱ筋通ってる人間ってカッコいいんだよなとにかく。
別の本で「『信仰』の信仰」って概念出てきて、俺は結構それを支持してる。信仰ってなにも宗教に限らないと思ってて、自分が思う正しいことに邁進できる人生を送りたいと常日頃多少思ってるし、この本を読んでその気持ちを強く思い出した。ただ隣人愛ってほんと難しいな、今の方が出来てないかも。
信夫の三堀への信仰告白文はあまりに刺さり過ぎる。隣人愛や謙虚のつもりが、実は相手を見下していたこと、それを誠実に自認すること、素直に頭を下げること。キリスト教関係なく、自分が信じるものへの信仰の深さが最も大切なものの一つだと思わされる。
自分にとってクソ魅力的なキャラの隆士にいさんが終盤信夫と結婚について話し合って涙ぐむ場面、何がそうさせてるか分からなくて自分の感受性の低さに震える。信夫に話が通じないことが悲しいのか、信念を持っている信夫に感激しているのか。前者だと隆士にいさんちょっと理知的じゃないかもって思うけど、当たり前か。
ただほんと一点、信夫も(恋愛的な)愛を知ってるんだよなー。ここだけが、短いけど29年間ずっと謎。人類への愛はあるつもり。ただ個人への愛とは果たして。
解決した時の自分の顔を見たいです。
Posted by ブクログ
学生の頃はあまり刺さらず、美しい自己犠牲を称賛しすぎている、とだけ思ったことを読みながら思い出した。しかし、この話の本質は自己犠牲することではない。信仰するとはどういうことなのか。信仰を持つとは一体どんな人生なのか。それが美しく静謐に雪のように厳しく書かれてると、今読み直して分かった。
信仰があれば、自ずからやることは決まる。そういう話だと思った
Posted by ブクログ
ラストが悲しすぎました。
時代背景から異国の宗教が
煙たがられていた頃に
主人公の生い立ち、
環境(母親がキリスト教信者)
少年から成人した大人に
なるまでの心の葛藤が
繊細に描かれていました。
偉大だと思っていた父親にも
心に抱えていたものがあり
本人も自問自答しながら
大人になり、無宗教の自分には
(神社に祈るくらいで)
1つの宗教を持つ事で
あらゆる苦難や人生の
苦しみからそんなに
救われる事が驚きでした。
人としてそこまでへりくだり
相手を受け入れてゆるす事は
とても出来ない。
Posted by ブクログ
心打たれる名作だと思います。崇高な生き方を見ました。
ただ、この作品のテーマが「キリスト教的自己犠牲」に則ったものと感じてしまった場合、キリスト教への過度な評価に繋がる恐れがあるため、自分自身の「軸」が定まっていないタイミング(その時々の心持ちやあまりに若い世代)がお読みになる場合はある程度の距離感を持ってお読みになった方が良いと感じました。
Posted by ブクログ
最後のあの事故があまりにあっさりと終わってしまって、それだからこそ尚、あの一瞬で自分を犠牲になどと考えて行動する信夫を尊敬する。
最初からずっとキリスト教の教えを信夫がどう受け取るか書かれているけど、無宗教の私でも非常に胸打たれる教えがキリスト教にはあるのだなと、楽しく読ませて頂きました。
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人間には邪な気持ちや、邪悪な心が潜んでいると思っている私にとって、伸夫の清廉潔白さは受け入れがたい。
でも、物語としては読んでよかった。ふじ子が事故現場に向かうところはウルッときた。
Posted by ブクログ
祖母、父を子供時代にあっけなく亡くして、生と死に向き合いだす。
尊敬できる友人と出会い、影響を受け成長し、自分自身にも正直になっていく。
執着せず、フットワークも軽く、変化していく。
主人公の変化、成長していくさまの描き方がよかった。
人の生き方、幸せとは、自分を満たすことだけではない。
現代の生き方や幸せは、お金に集中しすぎているけど、いろんな生き方、考え方があると思えれば、もう少し生きやすいのかもしれない。
内容とはそれるが、宗教の教えに忠実に生きる人が聖人のようになる一方で、戦争の原因になるのも宗教で、
どうしてこんなにも両極になるんだろうと思う。
Posted by ブクログ
久しぶりの再読
名作ですね
どうしても信仰や犠牲が取り上げられるけど、なにより信夫が幼少期から思慮深く考えを巡らせながら成長していく姿の描き方が素晴らしいと思った。
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自分の命を隣人のために犠牲にすることは常に善と言えるだろうか。と思いつつ、このラストの善悪を議論するのはナンセンスだろうな。信夫にとって善であれば、世がなんと言おうと善。多分、信仰や神に仕えることって他人の評価に左右されるものではないから。
吉川とか中村春雨とか、否定もせず肯定もせず自分の芯を保てる人ってカッコいい。そんな人たちに信夫は憧れたんだろうね。キリスト教徒ではないけれど私も素敵だなって思う。人は1人で生きているわけではないから、いろんな人の考えに触れて思考が深まって芯が固まっていくんだと思う。
それにしても深く考えたいことが山ほどある本だなぁ。消化するまでに時間がかかりそうだ。
Posted by ブクログ
宗教・信仰・死生観・性、主人公の永野信夫の生涯を通じて考えさせられる作品でした。
決して明るくはない作品ですが、登場する人物は共通して真っ直ぐな人物に描かれていて、捻くれた者にもそれは感じました。
それが登場人物の信仰の影響なのか、作者自身の人に対しての想いなのか。
私自身は何かに信仰はないが、宗教そのものが究極の依存であり生き方の指針になり得るものなのだろうと感じることはできました。
時代背景はかなり前ですが、史実を踏まえていることを含め、貴重な読書体験でした
Posted by ブクログ
長年想ってきたふじ子との結納の日に、自らの命を犠牲にし、多くの乗客の命を救って死んでいった永野信夫。
信夫にそこまでの行動をさせるキリスト教、宗教、もっと大きく信仰とは何だろうと思った。
正直、神や仏に対する「信仰」は私にはピンと来なくて…。絶対的な存在に対する「崇拝」も理解し難いなぁと思う。
でも、神や仏ではなくて、家族に対する「家族愛」、幼い頃、古くからの友人を大切に想う「友愛」など、目に見えないものを(家族愛や友愛など)存在すると信じ、支えにし、必要に感じることは「信仰」に近しいんじゃないかなと思ったり…。
"家族とはこうあるもの、こうありたい"などのように、信仰は目に見えないものに対する願いのような、祈りのようなもの。そして希望でもあるのかな。
また「信仰」するってことは信仰対象に「依存」するってことになるのかな。
など、ぐるぐると色んなことを考えるのが楽しかった。
久々に良い作品読んだなぁと余韻に浸っています。
Posted by ブクログ
宗教色が強かったものの読みやすかった。物寂しさがのこる儚い終わり方であったが、信夫の人生について考えてしまった。実際のモデルになった人物についても夜中に調べるなどした。
なぜかxxxHOLiCの登場人物で頭の中で情景を浮かべながら読んでいました
Posted by ブクログ
伸夫の人生にはとても感銘を受けた。
キリスト信者ではないが、人生の教訓を得た気がした。
彼自身になった時果たして自分は同じことができるだろうか。
実話だったと聞いて尚更衝撃を受けた作品。
読み応えがあり、ふじ子のことを思うと胸が痛くなった。
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一人の青年の生涯を丹念に描かれた静かな一冊。若さ故の反発や不安定さを経て、人生の岐路に直面し、何が大切かを考え信じる道を見出していく。塩狩峠での出来事は一瞬だったが、その一瞬がいかに訪れたのかがそれまでの生涯で分かる。
Posted by ブクログ
すごく読みやすかった。
泣ける本、と聞いて読んでみたけど泣けるというより突然起こった出来事に そんな………………とショックを受けた。
主人公、すごいな〜そうは生きれないな………
聖書に全く興味なかったけど、読むと面白そうだな〜!と思った。
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1909年(明治42年)、塩狩峠で列車暴走事故が発生し乗員を救うために身を呈して列車を止め殉職した鉄道職員 の人生を描いています。 モデルとなった故長野政雄氏がクリスチャンでしたので本書全体に宗教色があります。苦手な方にはお勧めしませんが、偏見は無理解から生まれると言いますし、読んでも決して損にはならないと思います。私自身はクリスチ ャンではありませんが、自分の身を犠牲として多くの人たちの命を救った行為に強い感動を覚えました。
Posted by ブクログ
生き方を学ぶ
主人公永野信夫がとにかく思慮深く、自分自身にとことん正直な人間で、そこに惹かれるものがある。
とにかく馬鹿正直で、誰しも経験し得る感情でありながらも言葉にする程の事でもないようなことを、丁寧に気持ちを紐解いて赤裸々に語る場面がたくさんあり、良い意味でなんだかむず痒い気持ちにもなる。
キリスト教の考えについては正直よくわからないのだか、信夫の生きる道、死生観というのは、自分ごととして深く考えされられた。
個人的には、父の貞之の遺書が泣けた。
私の読書家としての経験の少なさ故か、後半は疲れて読み飛ばしたくなるようなところもあり、感動も何故か薄れてしまった。
Posted by ブクログ
自己犠牲って、独りよがりだなと思っていた。偽善とまでは言わないが、主人公の選択は良いことだったのだろうか。でもそうしたら、どうするのが善だったのかという話にもなってくる。何もしない人間が口を出せる領域ではないなと思った。
Posted by ブクログ
決して明るい作品ではないけれど、登場人物はみんな根が真面目で、ひねくれた人もどこか真っ直ぐなひねくれ方をしている。
物語が進む中で「人を許す」ということを身につけた主人公を見て、「人としてすごく強くなったんだなぁ」と少し置いていかれたような感覚になった。
Posted by ブクログ
SNSで泣ける本と見たため読んでみました。
時代的に前のお話で宗教に対する知識が欠けていたため難しかったです。
ただ人間の欲は不変だなぁと感じました