【感想・ネタバレ】塩狩峠のレビュー

あらすじ

結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。

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ネタバレ

素直に人の言葉に耳を傾けて、ものごとの表面だけではなく内面を理解しようとする信夫
とことん真面目で、人の弱い部分に寄り添う深い愛情を持つ吉川
豪快かつ自由、それでいて柔軟で優しい隆士
彼らに気付かされることがたくさんあった

信夫はやっぱり貞行と菊の子だな、と思った
素敵な夫婦だった
幼少の待子、可愛い

信夫が最期に頷きかけた三堀はこの先どう生きていくのだろう
結末が切なくて涙が出た


▪️印象に残った言葉

「『おかあさま』
信夫は、その喜びをいいたいような気がして母を呼んだ。だが、ひとことおかあさまと呼んだだけで、何もいわなくてもいいような、そのままそっくり自分の気持ちが母に流れていっているような、そんな気持ちがした。」
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「いいえね、たった一年二ヶ月でも、何だかわたしの過ごしてきた十何年の楽しかったことを全部集めても、この楽しさにはくらべられないと思ったの」
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「とうの昔に、こんな死を、吉川は知っていたような気がした。激しい衝撃と共に、心のどこかに、揺らがないひとところがあった。全身をゆさぶられるような衝撃のはずなのに、心のひとところだけは、きわめて静かだった。それは、信夫を知っている吉川の友情であったかもしれない。」



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2026年08月30日

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ネタバレ

裏表紙に「自らの命を犠牲に」という言葉があったので結末の想像は出来ましたが、それでも泣いてしまいました。信夫の幼少期からの心の動き、悩み、成長や信夫の家族・友人達との交流が丁寧に描かれています。温かなその描写を読んだ後、残りの50ページほどで予想している結末が来るのだと思うと辛くて一旦読むのを止めてしまいました。心を打たれる作品です。

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2026年08月23日

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ネタバレ

あらすじからするに、暴走列車と格闘するようなパニック小説の類かと思っていましたが、タイトルにも出ている塩狩峠での列車のシーンは物語の最終盤にサッと出てくるだけで、基本的には信夫の生涯について、誠の愛と信心の話でした。
その犠牲の死という最終的な結末に至るまで、この永野信夫という大人物がどのように生きてきたのか、胸に深く沁みる物語でした。

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2026年08月17日

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1909年(明治42年)、北海道にある塩狩峠で、若い鉄道職員(長野政雄)が自らの命を犠牲にして多数の乗客の命を救ったという鉄道事故があり、その実話をもとに文学的に脚色して、彼の生涯を描いた小説です。

主人公の永野信夫は、明治時代の東京で育ち、父と妹と祖母の4人で暮らしていました。

母親は自分が生まれた2時間後に亡くなったと祖母から聞かされていて、祖母からは士族の子どもとして厳しく育てられてきましたが、その祖母が亡くなった後、実は母親がキリスト教を信仰していたことで(父親はそのことを知っていた上で結婚した)、結婚後にそれを知った祖母曰く、
「日本古来の神仏があるのに、なにも毛糖の拝む神を拝むことは要りません。それが日本人としてどんなに恥ずかしいことか分からないのですか」と、
祖母の怒りをかい、信仰をやめるか、家を出るかの選択を迫られた結果、家から追い出されていたことを知ります。

そんな昔ながらの考えの祖母に育てられてきた信夫は、母親を追い出した祖母ではなく、キリスト教への信仰を全うし自分を捨てて家を出た母親と家庭崩壊の原因となったキリスト教に強い反感を抱きます。

祖母が亡くなってから、母親は家に戻ってきましたが、信夫は成長するにつれて、母親の生き方や愛情に触れて、またさまざまな人との出会いや苦難を経験して、次第にキリスト教の教えに関心を持つようになりました。しかし当初のそれは反感や抵抗を含む関心でした。

やがて信夫は、親友の妹で、足に障害を持ちながらも心優しい吉川ふじ子に深い愛情を抱くようになり、彼女も足の障害や肺の病などの苦難を経験してキリスト教を信仰するようになったことを知ります。

彼女の家はもともと仏教を信仰する家でしたが、ある日、彼女は信夫にこんなことを言いました。

「お先祖様を大事にするということは、お仏壇の前で手を合わせることだけではないと思うの。ご先祖様がみて喜んでくださるような毎日を送ることができたら、それが本当のご先祖様への供養だと思うの」

足の障害で幼い頃からつらい思いをし、今では肺の病で寝たきりの闘病生活でも、明るく振る舞う彼女と接しているうちに、信夫自身もキリスト教への信仰を深めるようになり、「他人のために生きること」の意味を見いだしていくようになります。

そして、いよいよ信夫とふじ子との結納の日、悲劇が起こります。

今「悲劇」と書きましたが、これは俗世間にとっては悲劇であっても、キリスト教を深く信仰していた信夫にとっては、キリスト教の教えである「自己犠牲」を実践したものだったのだと思います。

この文庫本の解説にも書いていましたが、「犠牲」という言葉には、
人の犠牲になろのは嫌だ、とか、
そんな犠牲的な精神はつまらない、
というように、どうしても否定的な言葉が続き、否定的に用いられるのが通常です。

しかし、自らの命を棄てて、人間の罪のために、永遠の犠牲となった十字架のイエス・キリストが、そこで指し示したように、

『人がその友のために自分の命を捨てること。これより大きな愛はない』

これこそが、この「塩狩峠」という小説のテーマであったように思います。

ご存知の方も多いと思いますが、作者の三浦綾子さんは、24歳の時に肺結核を発病し、脊椎カリエスも併発して、長い闘病生活を送り、病床でキリスト教に目覚め(まさにこの点は、小説の中の吉川ふじ子と同じです)、30歳のときに洗礼を受けたクリスチャンです。但し、読者である私は、全く宗教への信仰心はありません。

三浦綾子さんのキリスト教への信仰心が、この作品に影響したことは間違いありませんが、全く信仰心のない私でも、主人公の犠牲的な精神とその行為に感動するのは、やはり宗教を超えた人間としての根本的な感情・精神に心の琴線が触れたからだと思います。

実話を元にした愛と信仰の物語。人間のあるべき姿、存在の意味を問う崇高な小説であったように思います。

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2026年08月17日

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実話に基づく話とは知りませんでした。
キリスト教賛美みたいなところはありますが、純粋に人としてこれだけ自己犠牲の精神で生きられる人はあまりいないのではないでしょうか。
最後、結婚する予定だった女性の気持ちを思うと泣けました。

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2026年08月10日

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ネタバレ

(傑作)50年以上前の発行。以前から読みたかったが、新しい本を追うのに夢中で後回しになっていた。ご縁があって出先の図書室で発見。集中して一気に読んだ。言葉の力を信じる。良い言葉は人を強く支え、幸せにすると思う。自分もそういう言葉を見つけようと思う。ふじ子さんが不憫でならないが、信夫はこれ以上ない尊い死であった。

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2026年08月05日

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キリスト教がどうというよりかは、
宗教を信仰することの認識をした気がする。
人がどのように拠り所を見つけて生き方を模索するのか、というか。そんなことを感じた。

小難しい宗教混じりのお話と思っていたが、読むと登場人物は少年少女、成長した若者あたりで、宗教観を通じて世の中の白黒つかないものに対して思考をする進行だった。言葉にできない蟠りやモヤモヤしたものをそのまま感情として言葉にされていたり、聖書や周囲の人間を喩えに考えを形成する感覚に、どこか懐かしさを感じた。

私は特段キリスト教に思い入れがあるわけではないが、幼稚園での教育がキリスト教だった。言葉や人はわかりやすい表面的な要素で、本質は主に考え方や概念について捉えることが宗教だと思う。(無形物)
本書ではキリスト教徒としての心得や考えが書かれていたが、仏教徒やその他宗教での概念の違い自体も気になった。

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2026年07月16日

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信夫が塩狩峠で、殉死するまでの人生に運命を感じてしまう。死んだと聞かされていた母が生きており、キリスト教信者であったこと。父親に約束の大切さを説かれ、雨の中級友との約束を果たすために出掛けたことで吉川と親友になる。その吉川の妹ふじ子との出会い。障害のあるふじ子にかなり早くから惹かれながらも、ふじ子が病気になり、そのふじ子を支えているものがキリスト教だと知っていよいよ信夫もキリスト教の道を進むことになる。幼い信夫を育てた祖母はキリスト教を嫌い遠ざけていたのに、祖母の突然死からどんどんキリスト教が近づいてくる。そして、祖母や父の突然死を目の当たりにして、どのように人は生きるべきか漫然とはしていられないのだという気付きもあった。元々真面目な信夫はキリスト教から、利他の精神を学んでいく。命を犠牲にしても、多くの命を助けられるならそこに意味はあり、その自分の決断をふじ子や母なら分かってくれるという信頼があった。幼かったあの日、父と出掛けて偶然妹に出会わなければもしかして祖母も死ななかったかもしれず、そうしたら違う生き方になっていたかもと思うと運命を感じてしまう。そして一人の青年の運命が、結果的に多くの人を助けその人達の運命に繋がっていく。鉄道事故と青年の殉死があったことは事実と知り、感動が深まった。

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2026年07月15日

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ネタバレ

最後の最後で、ふじ子は果たして救われたのだろうか。生まれつき足が悪く、肺を患い、回復してからいよいよ恋人と結納だというタイミングでその相手を失い。この後、ふじ子はどうなったのだろう。時代背景とかを考えるとこれ以降の結婚は難しいのかな。今の時代だったら、結婚だけが幸せじゃないって考えもあるけど、当時はそうもいかないだろうし。キリストへの信仰が心の支えにはなるだろうけど、それがどこまで大きな力となってくれるのかな。不憫でならない。吉川と信夫は良い関係性の友達になれて良かった。小学校時代の、唯一、夜間に学校に集まろうという約束を守ったもの同士。それがきっかけで仲良くなって、あろうことか義理の兄弟にもなって。信夫は父親に促されたから学校に行ったとあるが、『僧侶になろう』という小学生の頃に交わした約束を10年程引きずった信夫も義理堅い人であって、この2人はなるべくしてなった友人なのだろう。
和倉は、イメージはとても豪快で義理堅い感じの人。信夫の嫁にと、娘を提案したが、信夫に想い人がいる事を知ると心から応援してくれて、後腐れないとても素敵な人だった。

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2026年07月09日

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先入観全く無く読んだら、ラストに衝撃が走る。結核を患うふじ子の身に何か起こるかも?と思ったけど、まさかまさかの信夫が列車事故に遭い、多くの乗客を助ける為に犠牲になる。キリスト教に入信してゆく様はちょっと胡散臭いと思ったのが恥ずかしくなる。

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2026年06月01日

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よりによってなんで大事な日に客車が離れる事故が起きるんだよ!と、その見えない運命が憎すぎて腹が立った…。
主人公の永野と友人の吉川兄妹の関係は彼らが小学生のころから知っている(大半のページにわたり書かれている)ので、この悲しすぎる結末に胸が痛くなり泣けた。とくにふじ子さんを想うともう…切なすぎる。

最初からすーっと物語に入り込め、読む手がとまらず、しまいには居眠りしたときの夢の中にも出てくるほど夢中になれる。

「塩狩峠」はわたしが中学のころに母から教えてもらった本で母に借りたけど結局読まずに返却。あれから数十年、やっと読めた。読んで本当によかった。

「不朽の名作」に納得です。

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2026年05月28日

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読んでよかった。
自分の尊敬する人がキリスト教だけど、あの人はこういうことを考えて人と接していたのかなあとか考えた。
確かに何百年も前の教えが時代も文化も言語も超えて、色褪せず人の心に在り続けるのすごいな。売ることを目的とせずに。だから正しいとか絶対ではないけど、それだけ響くんだろうな。
主人公の幼少期の純粋な疑問が自分の思いと重なった。自分は日常に流してしまうけど時々掘り起こして自分の正義を見つけたい。

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2026年05月19日

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ネタバレ

永野信夫の人生録
父と母がめっちゃいい人
信夫の成長ぶりがすごい
なんでこんなに真面目なの
キリスト教の話が出てきて新鮮だった!

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2026年05月18日

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明治時代の北海道を舞台に鉄道会社に勤める青年・永野信夫の生涯を描いた物語。モデルとなる人物がいたということに驚き。
少年時代はキリスト教に否定的だったけど、そこから教会学校の校長になり周りから信頼され尊敬される存在になるまでの心境や成長が丁寧に描かれているので洗礼を受けるということが自然と受け入れられた。
自責や葛藤を抱えつつも「自分がどう生きるべきか」「本当に自分が信じるべきもの」を問い続けていく信夫。
後半の揺るぎない信念を得て周りから信頼を得ている君子のような信夫より、私は前半の人間味のある信夫の方が共感できるなぁ。

私は信夫のような行動なんて到底できないし、自己犠牲は美徳といわれても残された家族の立場にたったらたまらないと思うしその自己犠牲に対しては感動はできないんだけど、でも信夫が「自分にとっての正義とは何か」を長年問い続けてきた結果、その答えが自分にとっては自分の命を使うことであり、その特別な使命を背負ってこの世に生まれて来たのかもしれないなと思った。

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2026年05月16日

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傑作です。キリスト教の記述が出てきますが、これは宗教がテーマの話しではありません。人がどのように生きていくか、考えさせる本です。何回か読んでいますが、この本を読む度に心が洗われます。

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2026年04月24日

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昭和43年に刊行された本だという事にまず驚きました。少しも古臭さを感じる事がない、文学って普遍的なんだなと。
この本を手にとったきっかけは、本の紹介の所に、実際にこのような鉄道事故があった事という内容へのざっくりとした興味からでした。
いつ事故が起きるのか、その鉄道事故が起点になり、物語が進んでいくのかと読む前は勝手に思っていましたが、進めど進めどそんな描写は出てこず、9割読み終わったラストシーンだったのですね。
長編小説ですから、すっかりその世界に浸って読み進めていたので、鉄道事故のシーンは衝撃的過ぎました。号泣して目が真っ赤になってしまった。
自分だったらこんな生き方をする事が出来るのか、、、もちろん、電車に飛び込んででも人を助けるとか、そういう表面的な事では無く、どんな人生を選び取って自分は生き進むのか、今後も何度も何度も考えずにはいられない読書体験となりました。

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

ずっと読みたかった一冊。聖書の言葉や昔の言い回しが難しい所もあったけど調べながら夢中になって読んだ。
重い話ではあるけど久しぶりに読み応えのある名作だった。多くの人が心に残る読むべき本と言っている意味がわかった。

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2026年09月03日

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小さい頃から手話が第一言語のため、本を読むのは苦手だった。高校で読書発表会があったので、悩む時に母からこの本に勧められた。読んでみたらびっくりするほど日本語が分かりやすく、イメージもできた。

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2026年08月09日

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ネタバレ

主人公である信夫の生涯を追いながら、この作品は描かれている。幼い頃から信夫やその周りで起こった出来事、信夫が経験した事が全てあのラストに帰結しているように感じられ、読後の胸を打つような感覚はなかなか消えなかった。それほどの結末だったと思う。結末の部分は本編中では僅かなページ数である。しかし、その僅かなページ数に自分が読みながら追ってきた信夫の人生の積み重ねが果たされたということに圧倒されてしまったのだ。
私自身はこの小説を読んで、これほどまでに人を変える信仰とは何なのかという疑問が生まれ、信仰そのものの意味やあり方が問われていたのかと感じたが、あとがきや解説にあるように、著者自身は「犠牲」をテーマとしてこの作品を描かれたそうである。まさしく信夫のラストは自身の命すらも顧みない「犠牲」そのものである。ここに至るまで、そして覚悟ある行動に身を移した信夫の心の純粋さの美しさが私には印象深かった。
ただ私には、信夫をしてそこまでさせた「信仰」というものは一体何なのか、ということが引っかかっている。

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2026年08月08日

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史実を元に書かれた小説。昔の小説は読んだことがなかったがなんというかこれが文学作品というものなのかと感じさせる面白さがあった。三浦綾子さんの他の作品も読んでみたくなった。

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2026年08月08日

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感銘を受けました〜と言いたくなる作品。

私がふじ子さんなら 私の周りには神なんていない~と言って信仰をやめそう〜

信夫の様な真っ直ぐな人間
自分の身体を使って列車を止めるという正義感ってどうやったら生まれるのか…

私なら みんな生きたいなら 飛び降りろーーーって叫ぶぐらいしかできないなああ
これが実話とし知って 益々 驚きで~
塩狩峠に行ってみたくなる。
信夫さんに雪柳を持って行き また生まれ変わって来てくださいって祈りたい。

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2026年06月23日

Posted by ブクログ

三浦綾子『塩狩峠』。
一度読まないと、と思っていた作品。

祖母・トセの影響からキリスト教嫌いだった永野信夫。トセから亡くなったと聞かされていた母・菊だったが、父・貞行が菊と別れることができず、別のところに家庭を設け、妹・待子も設けていた…
真実を知り、母・菊にもキリスト教にも反感を覚える信夫だったが…
小学生時代からの親友・吉川の住む札幌に移り住んで、吉川の妹・ふじ子と再会し、ふじ子が肺病とカリエスに侵されてながらも…

信夫は本当に純粋でまっすぐな人間だった。
祖母・トセの教えを守り、親友・吉川との約束を守り、お坊さんになろうとしたり、他人の給料を盗んだ同僚・三堀の救おうとしたり…
トセの教えも当時であれば間違いではないが…
キリスト教とは正反対の教えだった。
そんな信夫だからこそ、キリスト教や母・菊に反感を持ってしまうのも当然だろう。が、優しい人間だけにそれを言葉に出してしまえない。
苦しい時であったであろう。

ふじ子を待ち続ける信夫。
そこまでできるだろうか…

自らを犠牲にして、他の乗客を助けることができるだろうか…
それを目の当たりにした三堀の人間性まで変えてしまうのだから。

ふじ子が不憫でならない。お互い待ち続けたにもかかわらず、このような結末になって…

『塩狩峠』という題名にもかかわらず、『塩狩峠』の場面、信夫の決死の行動の記述は…
ちょっとがっかり。

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

現実に合ったことをベースにした物語であることは何となく知っていたのだが、まさか最後の最後に塩狩峠の事故が起きるとは思っていなかったので意表をつかれた。
士族の子として男たるものこうあるべきと育てた祖母、
信仰のために子を捨てた形になってしまった母、
その間で自分なりの形で家族を愛し、人間は平等と教えた父
に囲まれて育った信夫を通して、明治の頃のキリスト教と仏教、時代と人権、生きること死ぬこと、自我と欲望、友との約束、神、愛、赦し、色々なテーマが展開されて一気に読んだ。
キリスト教信者ではないが、押し付けがましい宗教的なものではなかったので読み進めやすかった。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

最後は読むのが辛かった。震えた。

昭和43年に新潮社から刊行。手元の文庫版は令和3年発行の101刷で、時代を越えて多くの方に読まれたことを感じます。偶然見たSNSの投稿で知った作品でしたが、読むことができて良かったです。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

懐かしい1冊。
私は中学生の時、全寮生の学校だった。
同じ部屋だった中3の先輩が、良い本だからと押し付ける様に貸してくれた。私はまだ中1だった。今考えると、よく読み切ったと思う。

主人公は、列車の運転手。そして、桁外れな意志の持ち主だった。それが、彼を
大変な行動へと・・・・
・・・・何と言い表わすのがふさわしいのだろうか。このままだと、悲惨な大事故になってしまうと判ったからといっても、彼の精神力は並大抵ではないと思う。
・・・・これから待っていたであろう未来は彼の頭を掠めなかったのだろうか。
そんなはずはない。
もしも、彼があのような行動を起こさなかったら、列車はどうなっていたのだろう。やはり、思わずにはいられない。

本屋で「塩狩峠」を見つけると、あの時の先輩の姿を思い出す。
・・・・それは、中1と中3の姿のままで。

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2026年05月26日

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明治時代。キリスト教の話が強い。鉄道の話はあまりない。事故のシーンが印象的だが、その文量は少ない。最後だけ。

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2026年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでよかったとけど難しかった!キリスト教の教えの文章がちょくちょく入ってくるけど、よく分かんなくてスルーした
私がキリスト教を信仰していたとしても、自分の目前の幸せよりも、多くの人を救うことを優先できるとは思わない!
前半 信夫を置いていくくらい信仰の深い母親理解できなくて苦しかった
やっぱりまだ宗教よくわかんない

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2026年07月18日

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ネタバレ

 明治時代、東京本郷生まれ、士族の家系に生まれた永野信夫の一生。おばあさんに厳格に育てられた信夫の友情や恋愛の話から、最後の事故まで。実際に起きた事故、実在した人物をもとに創作された小説。
 (ここからはネタバレになります。)ネタバレというか、何がネタバレなのかすらよく分からないけど、本の後ろに「結納のために札幌に向かった鉄道職員永野信夫の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ、暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を通して、人間という不確かな存在の真の意味を問うた不朽の名作」。と書いてあるから、要するに信夫が事故で死ぬ、というのはもう分かっている前提で読むことになる。「高校生に読んでほしい50冊」という、新潮社がたぶん毎年出しているリストの中にこの本があって、この説明を読んで、読んでみたいと思ってついに読んだ。
 まず「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの果を結ぶべし」という、ヨハネによる福音書のとても有名な一節が出てきて驚く。キリスト教の関係する小説だとは全く思っていなかったが、結局は、本当に敬虔なキリスト教徒の信仰に生きる物語、ということだった。宗教とか倫理の勉強には興味があるし、遠藤周作とか読むのが好きだったので、なんかキリスト教の小説と縁があるなあと思った。
 で、おれはその「塩狩峠」の事故の話がいつ出てくるのかと思って、それをモチベーションにしてずっと読んでいったが、440ページくらいある小説の中で、その事故の場面に差し掛かるのが410ページ。つまりそこまでの400ページ近くは、全部最後の30ページのハイライトをよりハイライトにするための壮大な助走だった、ということを読んでて思った。ただその助走の分、「それはやめて!」と本当に思いながら事故の部分に差し掛かり、そしてものすごい悲しい感じになって終わった。全然違うけど、同じ悲劇という意味で、ロミオとジュリエットとかは、なんか展開が早すぎて最後もなんかそんなに感情も動かせないまま終わってしまう感じだが、これはその逆。途中はずーっと一青年の思春期的なうじうじした悩み、恋愛もそうだし、性欲もそうだし、死への恐怖とか興味、という青臭い部分が多い。でもそれをひたすら読んだ分、登場人物たちへの感情移入もしやすくなったところで、最後の最後での事故の悲惨さが大きくなった。
 「あとがき」で全てを知ったけど、これは1909年の2月28日に実際に塩狩峠で起こった鉄道事故で殉職した長野政雄という人がモデルになっているということで、実際に北海道の鉄道界にキリスト教を広めた人らしい。塩狩峠には「塩狩峠記念館」もあるらしいから行ってみたい。ちなみに1973年にはこの小説は映画化もされたということなので、観たいような観てみたくないような…。
 この小説の中で、唯一なんか心に響いた言葉は、「お先祖様を大事にするということは、お仏壇の前で手を合わせることだけではないと思うの。お先祖様がみて喜んでくださるような毎日を送ることができたら、それがほんとうのお先祖様への供養だと思うの」(p.322)っていう部分かな。「善く生きる」というのはお先祖様のためにも大事。あとは、あとがきの部分で、どれだけ実在の長野氏が立派だったのかという証言が出てくるが、「自己に対しては非常に厳格でしたが、他に対しては寛大でした。長野氏がかつて人を非難し批評したことを私は知りません」(p.451)という部分で、立派な人は人を評価しない、ということなのか。ある意味憧れる。
 少なくともそこまでの強い信仰をなんで持てるのだろう、信仰に生きるとはどういうことなのか、ということを考えると、実は最初の祖母の教育のせいがあるのではないかとか、あるいは立派な父親の性格を引き継いでいるのかとか、色々考えながら味わった悲劇だった。(26/06)

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2026年06月11日

Posted by ブクログ

1909年に起きた列車事故。自らの命を犠牲に他の乗客全員を助けた青年の一生を描いた一冊。
まだキリスト教が嫌悪されていた明治時代に信仰を貫き、その信仰のもと犠牲になった主人公。愛とは何か、信仰とは何か、人はどのように生きるか考えさせられた。
「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん。もし死なば、多くの実を結ぶべし。」新約聖書中にあるこの言葉を体現した勇気ある姿に心打たれた。
「日常での言動が遺言となる生き方をする」。この考えめっちゃ好きだしこんな確かな生き方を貫きたいと思った。

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2026年05月19日

Posted by ブクログ

昨日の試験の待ち時間がながーくて一気に読んでしまった。最初、氷点探したけどなかったから買ったのだが、前から読みたかった三浦作品デビューとしては、なかなか良かったです。

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2026年04月13日

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