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辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた――。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。
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Posted by ブクログ
本棚の整理をしていて、古い氷点を見つけて読みたくなった。 改訂版が出ていると知り、そちらを購入して読んだ。 平成の改訂版ては、フォントサイズが大きくなり、改行も多くなっていて、全体に読みやすくなっている印象。 言葉遣いなどは現代にそぐわないものはあるけど、時代背景を考慮し、修正はされずに発表当時のま...続きを読むまが使用されている。 さて内容は記憶に残っている通り。 何十年も経っているのに、よく覚えていることに感心する。それだけの文章力。 妻の裏切り、失った子供、その復讐に犯人の子供を引き取る。という夫の心の動きを中心に、キリスト教の「汝の敵を愛す」が繰り返し問いかけられる。 何十年経って読んでも、再び引き込まれる氷点の世界観。 これがデビュー作なのだから、やはりすごいと思う。 三浦綾子の氷点と塩刈峠は、時々読んで考えたい。 今読むと、内容的には韓ドラにありそうな感じなので、三浦綾子さんって、すごい時代の先取りだったのかも。 下巻も続けて改訂版で読もうと思う。
時代背景が古い故に最初は物語に入り込むのに時間がかかってしまったが、後半から怒涛の展開。一気に読み進めてしまった。 『塩狩峠』ではキリスト教の教えが重く心に残ったが、こちらはドロドロの展開のせいかそこは薄まっており、それぞれの心情に理解できる部分もある。ドラマも観たくなった。
時代が違うせいか中盤はややスローテンポに感じたが、後半で怒涛の展開。早く下巻を読みたくなった。 妻を復讐するために娘を殺した犯人の子を引き取るが、かえって苦しめられることになる啓造と、夫の行いに気づき復讐しようとする妻夏枝の描写が秀逸でゾクゾクする。 60年前の北海道を想像し、時代劇か何かを見ている...続きを読むような気分で読んだ。
まじで面白い。全部面白すぎて一気読みした。サスペンスさと、人間関係の気持ち悪さと、全てが絡み合って、全員にイライラしながら全員に愛着が湧いて面白かった
面白い。面白い。読み始めてから一気読みしてしまった。 辰子は綾子自身のイメージなんだろうな〜 罪を犯そうとすると重すぎる罰が下る… 継子いじめは胸が痛くて読んでられん
啓三と夏江を中心にそれぞれの感情がリアルに描かれていて興味深かった。 ルリ子の衝撃の死から陽子を引き取るという決断までハラハラする内容が続いて気づいたら読み進めていた。啓三の「汝の敵を愛すことを一生の課題にする」という考えが面白いと思った。 ラストの啓三の船の事故は読んでいるだけでつらくて涙が出た。...続きを読む若者にライフジャケットをあげた宣教師がとても印象的だった。
面白すぎる… 重いテーマだけど、ページを繰る手が止まらない。 ものすごい緊張感とサスペンス性。 何かに傷つくと、自分が世界で1番不幸なんだという気になって、こんな目に合わせた犯人を無理やり探し出して、仕返しして傷つけてやろうとする。 誰もが自分の思う正しい人間でありたいと思っているのに、どうして...続きを読む罪を重ねてしまうのか。 傷ついた人間は、自己中心的であることを自覚できないようだ。 上巻のラストは、海難事故から急死に一生を得た啓造が家族のもとへ帰るシーン。そのことは夏枝に知らせてない。 嫌な予感しかしない。
これほどまでに激しく、生々しい感情を揺さぶられた小説は、かつてなかったかもしれない。物語を貫くのは、人間が抱える「邪悪さ」だ。 まず、母・夏枝の姿に戦慄する。自分の欲望を優先し、何も知らない養女・陽子を復讐の道具にするその姿。美しく成長する陽子に女として嫉妬し、彼女の想い人を誘惑し、最悪の形で出自を...続きを読む暴露して嘲笑う。何より恐ろしいのは、彼女が常に「自分は被害者だ」と言い聞かせ、自らの醜悪さを一切反省しないことだ。まさに、「吐き気を催す邪悪」がそこにある。 一方、夫・啓造もまた救いようがない。彼は「隣人愛」という高潔な言葉を盾に、陽子を復讐の道具として家庭に招き入れた。理性的に自らの卑怯さを自覚していながら、それを止めることができない。難破船での宣教師の自己犠牲という、人生観を一変させるような出来事に遭遇してもなお、日常の渦に引き込まれ、何も変わることができなかった。理性は、感情と日常の前になんと無力なことか。 この夫婦の「邪悪」の板挟みになったのが、純真無垢な陽子だった。 彼女は、外部からのどんな悪意にも屈しなかった。彼女は他人からどんなひどいことをされても、自分が潔白であるという信念さえあれば、自分は胸を張って正々堂々と生きていけると思っていた。しかし、自分の父が人殺しだと知り、自分は潔白だという信念、精神的支柱が崩れ去った。血のつながった家族がいない(と思っている)彼女は、精神的支柱が無くなったことで、生きていくことができなくなった。 彼女は死を前に、自分の存在という罪をはっきりと赦してくれる権威ある存在を欲した。行為に対する罪は人が許す。しかし、存在という罪はだれが赦せるのか。そもそも存在自体が罪であることがあり得ようか。殺人犯の血を引いていることは、殺人の可能性を持っていることだと彼女は考えた。悪をなす可能性があること自体が罪なのだとしたら、誰しも罪を背負っているのではないか。それが原罪なのだろうか。存在への罪は、赦す主体が存在しない。だから、神というすべてを赦すことのできる超越者が必要なのだろう。
人間という生き物は刹那的な欲望のために人生を棒に振るこをいとも簡単に出来てしまう。 心に思い描いた一見些細な情欲の一つが、大きく人を傷付ける火種となってしまうこともある。 夏枝の自惚れのハンパなさに呆れ、登場人物の身勝手さに腹立たしさを覚えつつも、自分だってそうだろう、と身につまされる思いで上を読み...続きを読む終えました。 「道ありき」の前川正が出てきた辺りは少しニヤリとしました。
人間の奥深さがありありと描かれている 面白い。展開がポンポン変わる、ってのもあるけど、それに合わせて登場人物の心情および状況も変わっていく。本心を隠しているので、実のところは相手に隠して過ごしている、これが苦しみを生む。 醜い感情、それと反対にある愛情。誠実さ、素直さ。いろんな感情が渦巻いているのが...続きを読む、まさに人間を表している。
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