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遊女屋の愛娘ゆうは大勢の花魁や男衆の中で、華やかな郭の裏も表も見て育った。ある日、芝居見物に出かけたゆうは、升席にいる男を見て衝撃を受ける。五年前、雑踏で途方にくれていたゆうを救い、優しさで包み込んでくれた旅役者だった。一緒になれるなら滅びてもいい――。そう心に刻んだ幼い日の記憶を頼りに、無名の役者に縋りついていく女の情念の世界を描く、直木賞受賞作。
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Posted by ブクログ
第95回直木賞。
江戸末期から明治にかけての、遊郭と芝居の世界を描いた時代小説。
主人公は遊女屋の娘・ゆう。たまたま見かけた三流役者による芝居に魅せられ、遊女屋のおかみとして生きる道を捨てて、旅芸人と結ばれる。
本筋は、ゆうの恋愛、成長の記録であるが、他に裏テーマというか、さまざまな対立の構図が描かれている。遊女屋の娘・ゆう(使用人)と花魁(雇用人)、ゆうときつ(かむろ)、三流役者・福之助と大名題役者・田之助、吉原と深川、劇場と旅芝居などなど。みなそれぞれに自分の立場を理解し、また、自分の立場をあきらめ嘆き、それでも意地を張って生きていく。
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