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Posted by ブクログ
「風」★
「悦楽園」
「猫の夜」★
「人それぞれに噴火獣」★
「舟唄」★
「丘の上の宴会」
「復讐」
「暁神」
解説 服部まゆみ
編者解題 日下三蔵
語り手あるいは視点人物が実は@@だった、という私好みの叙述でもあり。
皆川博子独特の、デストルドーというかタナトスというか、が、ひたひた。
中年女性(生活)の挫折=少女性(夢想)の勝利、というラインが、嗜虐被虐の一点に押し込められていくという……これはもう立派な文芸批評の対象になりうる作家性だ。
中年女性については「舟唄」、少女については「人それぞれに噴火獣」、そして少女性を離れた寓話としては「猫の夜」。
凄まじいの一言に尽きる。
Posted by ブクログ
「実際、毒のない文学、毒のない話が面白かろうはずがない」…解説の服部まゆみさんの言葉に深く頷きます。
毒が満ち満ちていました。好きです。
犯罪を犯すお話が多かったですが、それに至る心情が一筋縄ではいかず…人の心って割り切れないし、こう!と周りが表現できるものでもないけれど、皆川さんの描く人々は、心に溜まっていく澱がよくわかります。
だんだん溜まっていって、もう無理…戻れない、となったところで、妹のお臀を押したり、近所の兄さんを灰皿で殴ったり、鈴蘭入りの水を飲んだりするんだ。。
犯罪を描いても、どこか幻想的で良かったです。「猫の夜」は犬好きにはかなりキツイですが、これが1番残ります。壊れた秩序はこれからどうなるの。。
復刊なので生まれる前とか1桁の年齢だった頃に書かれたお話ばかりでしたが、今でも読めるの嬉しいです。
Posted by ブクログ
最近初期作品の復刊が多くて、いちファンとしてはうれしい限りです。この作品集は、1970年代からの幻想小説が収められたものですが、時代の違いを感じる単語はあろうとも、作品そのものに漂っている世界の描きかたには古さがありません。
夢と現のあわいを漂わせる、艶めいた毒気漂う筆致で綴られる物語は、「お話」の魅力がけして起承転結だけにとどまらないことを改めて感じさせてくれます。ミステリ要素があろうと、恋愛を絡めた悲喜劇であろうと、作者の手わざにかかればそれは要素のひとつに過ぎない、と思うのです。あくまで、描く人々の愚かさ脆さ美しさ醜さや、世界の残酷さ哀れさ滑稽さ、その感触をつぶさに楽しむのが本質、などと思ったりするのです。
この作品集で一番好きなのは「復讐」です。全体像がラスト二ページで鮮やかに翻った展開はまぎれもなくミステリ要素なのでしょうが、そこで見えてくる「復讐」のほんとうの意味の闇深さがたまらなくぞくりとさせられたのでした。
甘い毒、などといっては稚拙な比喩になってしまいますが、まさにそのようなわかっているのにやめられない、そういう感覚を抱かせる一冊でした。
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