◾️record memo
20歳までは、困れば誰か助けてくれるかもしれない。でもそこから先は、自分で道を切り開いていくしかない。若さや美貌は、あっという間に資産価値がゼロになってしまう。仕事のスキルや人としての優しさ、正しい経済観念。ゼロになる前にやっておかなければならないことはたくさんあります。自立するって、簡単なことじゃないからね。
結婚したからって、そこがゴールじゃない。相手が病気になることもあれば、リストラされちゃうことだってある。どんなに立派な人だって、壊れてしまうことがある。つぶれない会社、病気にならない夫はこの世に存在しません。そうなってから「やだ。私、なんにも悪くないのに...続きを読む 」じゃ、通らない。
だから、娘に言っています。
「王子様を待たないで。社長の奥さんになるより、社長になろう」
女磨きって、エステやネイルサロンに通うことじゃないからね。お寿司も指輪も自分で買おう。その方が絶対楽しいよ。
最低限、家賃だけは自分で払わないと。
そう思うからこそ、カツカツの生活でも頑張れるわけで、最初から家賃の分さえラクをしようと思っちゃったら、スタート地点を抜け出せない。まして、男のところに転がり込んで、働かなくなっちゃったら、あとは落ちていくだけ。自分の足で歩くことを放棄したら、誰かに依存するしかなくなってしまう。
いいですか。最低限の家賃4万円を、男とシェアするべからず。
ひとり暮らしの家賃とそれに見合う月収っていうのは、自立のバロメーターです。
エロ本でカット一枚描いて500円。水商売なら時給1400円。水商売はラクしてオイシイっていうのは、ウソ。よっぽど機転がきいてかわいくなきゃ、お店にもお客さんにもバカ女扱い。プラスずっとセクハラ。水商売の時給がいいのは、我慢料だからね。
毎晩、酔っぱらいでぎゅうぎゅう詰めの終電に乗って、帰ってくると、ぐっちゃぐちゃに散らかされた部屋でずっとテレビを見ていた無職の彼氏から「ねえ、靴下どこ?」って言われちゃう、そんな生活。今、あの頃のあの彼氏をぶん殴るんじゃなくて、そんな男を捨てられないあの頃の私をぶん殴りたい。とにかく一人が怖かった、情けなさすぎる自分。
絵の仕事だけで月収30万円を達成したのはその5年後のこと。
嬉しくって、いつも行く定食屋で上エビフライ定食、頼んじゃった。
エビフライが5本もついてる、贅沢すぎて、普段は絶対に頼まないヤツ。この際だから、ビールもつけて、ひとりでカンパイ。
あの嬉しさは、今でも覚えてる。
今、理不尽な暴力に立ちすくんで、身動きができずにいる人は、もう分からなくなっているんです。だからそうなる前に、逃げていいんだという知識を先に入れておくしかないんです。
私は、逃げ遅れてしまったから。
心が壊れてしまう前に、逃げ遅れる前に、前もって、どうか知っておいてください。
逃げてください。
全部うっちゃって、あとさき考えなくていいから。
暴力から逃げるって、そのくらい大切なこと。
ダメな男とつきあってもそれを学習してね(でもすぐ別れてね)。
そうすれば、優しい人のありがたみがわかるから。
「天下とるぞ」って言うなら、自分でやれ。
糟糠の妻にはならないこと。
彼の夢を支えるんじゃなくて、自分の夢をかなえてください。
人に頭をさげるくらい、なんだ。
プライドなんかでめしが食えるか。
そんなものをかなぐり捨てた先に、もっとほしいもの、守りたいものができたとき、人はうんと強くなれるんだと思う。
いい子にならなくていいんですよ。
いい子は、幸せを人に譲っちゃうから。
いい嫁なんかになっちゃダメ。
いい嫁っていい女中。
あなたが笑うとあなたの大切な人が笑うよ。
何十年ぶりかで同窓会に出たら、旦那さんがリストラで会社をクビになって、熟年離婚をしてしまった人が、何人かいました。
結婚25年後、夫の仕事がなくなって、お酒を飲むようになって、いきづまってて狭い部屋で顔つきあわせて、奥さんを殴る。
真面目に勤めていた旦那さんでも、そうなるんです。人は変わるし壊れます。
「この人は大丈夫」と思っていても、先のことはどうなるかわからない。
気づくには、先に知っておくしかない。
人格を否定されたり、お金をわざともらえなかったり、見えないところで、ちくちくとひどいことを言われたりしたら、殴られていなくても、それは「暴力」です。
女の子たちに、まず知識として知っておいてほしい。あなたの人格を否定してはいけないということ。誰もそんなことをしていい人なんていない。
覚えておいて。もしそういうことがあったら、世間体も何も気にする必要はない。
行政には当日に入れるシェルターがあることや、いざという時の生活保護のうけ方。
先に必ず知識として入れておいて下さい。
とにかく逃げて。我慢しないで、頑張ろうと思わなくっていいから、一刻も早くそこから逃げて下さい。
どん底ってね、まだ底が割れるんですよ。もう、これ以上ひどいことはないだろう。そう思っても、まだ、その下に底がある。そういうどうしようもない時は「はいっ。ココ、笑うとこ!」。
どんな時でも、次の一手は、自分で考えて、自分が選ぶ。
王子様を待たないで。
幸せは、自分で取りに行ってください。