透明な迷宮

透明な迷宮

572円 (税込)

2pt

深夜のブタペストで監禁された初対面の男女。見世物として「愛し合う」ことを強いられた彼らは、その後、悲劇の記憶を「真の愛」で上書きしようと懸命に互いを求め合う。その意外な顛末は……。表題作「透明な迷宮」のほか、事故で恋人を失い、九死に一生を得た劇作家の奇妙な時間体験を描いた「Re:依田氏からの依頼」など、孤独な現代人の悲喜劇を官能的な筆致で結晶化した傑作短編集。

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透明な迷宮 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年04月05日

    記憶の連続
    寝て起きたときの自分は、昨日の自分の続きである。疑いもなく信じている。その人が、その人であることを支えるものとは何なのか。記憶なのか、記録なのか。
    日常のすぐそばに紛れている非日常を描くことで生み出されるリアリティ。人にはどこか思い当たることがあるのではないかなぁ。短編6話。

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    Posted by ブクログ 2017年02月13日

    一つの体験を複数の人間が体験した時に、それぞれがどう感じ、どう行動するかの違いとか、自身の選択の結果で人生が決まっていること、他人の影響が自分の人生に関与してくることを、複数の短編を読みながら考えた。

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    Posted by ブクログ 2024年04月21日

    依田さんの話はインテリ過ぎてよくわからんかったけど、火しか愛せない彼と、書写の天才の彼の話がお気に入りでした。

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    Posted by ブクログ 2023年07月20日

    久しぶりに本屋(蔦屋書店)でジャケ買いした
    本です。
    平野啓一郎さんという作家も初めてだったので
    予備知識もなく、ちょっとワクワクしながら
    読み始めました。

    「透明な迷宮」は短編小説で、どの話も少し奇妙で妖しい世界観が感じられて自分的に大好きな作品でした。

    表題にもなっている「透明な迷宮」はまさ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月25日

    平野啓一郎短編集。「冒頭〜消えた蜜蜂」と「火色の琥珀」がとくに耽美で好みでした。とても。妖艶さを感じる。

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    Posted by ブクログ 2021年05月27日

    透明な迷宮。

    忘れられない辛い記憶、消えない後悔、トラウマ、完治しないキズ。
    多くの人がある段階で生涯に引き連れてきてしまう痛みを、文学という方法で癒そうとしてくれるように感じました。

    「マチネの終わりに」と同じように、過去の捉え方に、平野啓一郎さんならではの哲学が見られました。

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    Posted by ブクログ 2021年02月09日

    世界が壊されて、また再構築されるような感覚を得られる短編集。

    なかでも私が気に入ったのは、「火色の琥珀」。
    火にしか恋愛感情や性欲を抱けない男の独白である。平野さんの好きな、三島由紀夫の「仮面の告白」に似ている。
    あちらが同性愛なのに対し、こちらは無生物への愛。そんな本作は火に関する描写がとても緻...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月04日

    久しぶりに、同時代の作家で、文学らしい作品を読んだ。という印象。
    わたしの言う「文学らしい」とは、ストーリーを追うのではなく、じっくり細部を読み込みたくなる、という意味。あらすじに還元してしまったら、もったいない感じ。

    0

    Posted by ブクログ 2017年04月06日

    いやー、面白かった!

    どれも不思議な感じのする短編ばかり。
    とにかく最後の「Re:依田氏からの依頼」がすごかった。
    表題作「透明な迷宮」も結構好き。

    「Re:依田氏からの依頼」の中の気に入ったフレーズを少し。
    「受信したメールの返事を書きそこなって過ぎた二日間は、あっという間に感じる。しかし、送...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月04日

    世にも奇妙な物語のような、行き場のない不思議な感覚になる6話が詰められた作品。登場人物はその後どうなってしまったのか、じわじわと考えてしまう。
    父の遺品から拳銃を発見してしまう「family affair」と性的対象が火である男の「火色の琥珀」が特に好きだった。

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