江國香織の作品一覧
「江國香織」の「竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記」「Yuming Tribute Stories(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
利発でハチワレの美しい猫、ダルシー。
子猫だった彼女と彼女を見初めた女性との17年と4ヶ月にわたる暮らしが猫の目線で語られる。
年月の中でダルシーの愛は波のようにかたちを変えながらも痛いほどまっすぐにただひとりの人間に注がれ続ける…
江國さんの美しい訳にも注目。
これは久しぶりに心ゆさぶられる本に出会ったという感じ。表紙だけで「この本は買おう」と思った。
猫らしく、プライドが高くて高飛車なダルシー。
でもいつでも「あたしの人間」に向かう愛情は切ないほどまっすぐで健気で…痛いほどだ。思い出すと胸がぎゅっとなる。
愛しくて懐かしい大好きな人を思い出す時の気持ち.…。
子供が母親を求めるような愛でも
Posted by ブクログ
自然の描写の美しいこと。ほんとうにこれ同じ日本?と思うほど。平安は古代なのでまだ神話の時代が続いているようなロマンティックさがある。
人と人との確執にだけ特化した源氏物語より更級日記のほうが好きかも。
人はでてくるけれど名前はでてこなくて、他人はさらっと扱われつつも、
旅には時間がかかり、病気などで簡単に人が亡くなってしまう時代なので、心の底から別れを悲しんだり、再会を喜んだり。
何もかも欲しいって無理なんですよね。
生きることが切実であった代わりに、美しい自然に触れられる時代であったというか。
今は死なない方法はたくさんあるけれど、無くしてしまったものもたくさんある気がする。
そして神仏
Posted by ブクログ
物語を愛し、光源氏に憧れる夢見がちな少女時代から、夫に先立たれた晩年までを記した日記文学。古典は「教養」というイメージが強いためすこし抵抗があったが、本作は非常に読みやすく、江國さんの訳者としての手腕を感じた。少女から大人になるにつれ、夢から醒めるように「物語は所詮絵空事なのだ」と悟る瞬間がなんとも切なかった。
乳母と姉、夫を先に亡くし、一時は遠方の地に出向く父を見送った作者。『更級日記』は、別れの哀しみを詠む歌が多かったように思う。「歌」というのは日常の一場面や想いを切り取った写真のようなものかと思っていたが、この作品を読み、心が大きく揺さぶられた一瞬の「感情」なのだと知った。
江國さん