あらすじ
菅原孝標女の名作「更級日記」が江國香織の軽やかな訳で甦る!東国・上総で源氏物語に憧れて育った少女が上京し、宮仕えと結婚を経て晩年は寂寥感の中、仏教に帰依してゆく。読み継がれる傑作日記文学。
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Posted by ブクログ
物語を読みたくてたまらないけど
簡単に手に入る時代ではないから
どうすればいいかわからなくて祈った、
という一文が可愛らしい。きゅん。
現代と通ずる感情と、現代とは相反する文化が
混ざり合っているのが不思議で面白く、
そんな平安時代の文学を楽な気持ちで楽しめたのは
瑞々しい江國香織さんの文章のおかげであるから
本当に有難いことです。
Posted by ブクログ
約千年前の平安時代のある女性の
幼少期から晩年の回顧録
その喜怒哀楽が、
江國さんの現代語訳で蘇る
タイトルは日記だけど、晩年の回顧録のようで
若い頃に、源氏物語や伊勢物語を入手して
有頂天になったり、
現代の読書好きと変わらないなぁ〜と
ほっこりしてしまった
よく、詠んだ詩が出てくるのだけど、
ナンパも詩でされ、返しも詩で、
オシャレだな〜と 返し方とかも
仲の良かった同僚から、手紙がこなくなり、
それを詩で伝えたら、返しの詩が良すぎて!
離れ離れになった父との
詩のやりとりも良かった〜
元々良いのだけど、江國さんの古典を残しつつの
江國風味が、また良い〜
何か凄いものを読んだ気がするなぁ
更級日記✕江國香織コラボとか
千年前の古典を、現代を代表する作家が訳すとか
激熱企画すぎました!
Posted by ブクログ
とても面白かったです。菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の「物語が読みたい~!」という気持ちや、念願の源氏物語を昼も夜も夢中になって読みふける姿は、すごく共感しました(「源氏物語」への情熱というより「物語」への情熱に)。
いろいろな思いを和歌に託すと、なんでもないようなこともとても風流に聞こえますね。(当時としては当たり前のことだったとは思いますが……)
更級日記がこんなに面白いなんて、もっと早く知りたかった、という気持ちを和歌にしようと、(現代の私は、さらっと和歌を詠めないので)ChatGPTで試してみたら、とてもそれっぽいのができました。恐るべしテクノロジー……
知らずして 年を重ねし 詮なさや
更級の夢 もっと早くに
更級日記の内容をサクッと知りたい方には小迎裕美子さんのコミック『胸はしる 更級日記』がおすすめです。
Posted by ブクログ
自然の描写の美しいこと。ほんとうにこれ同じ日本?と思うほど。平安は古代なのでまだ神話の時代が続いているようなロマンティックさがある。
人と人との確執にだけ特化した源氏物語より更級日記のほうが好きかも。
人はでてくるけれど名前はでてこなくて、他人はさらっと扱われつつも、
旅には時間がかかり、病気などで簡単に人が亡くなってしまう時代なので、心の底から別れを悲しんだり、再会を喜んだり。
何もかも欲しいって無理なんですよね。
生きることが切実であった代わりに、美しい自然に触れられる時代であったというか。
今は死なない方法はたくさんあるけれど、無くしてしまったものもたくさんある気がする。
そして神仏に帰依するなんて言いつつ、現世利益を求め過ぎで笑ってしまいました。ゆるいな!
お金持ちになって子供を贅沢に育てられますように。なんて。
うた恋いでも異母兄弟の結婚はオッケーだったとあって衝撃だったのですが、倫理観が根底から違う。
親の苗字が菅原さんなので、藤原氏が幅を利かせた宮中で負けていった貴族の一族なのかと思うと、父親が転勤族なのも頷ける。
転勤族なので旅をたくさんして、美しい景色に出会い、京に籠っているだけのお姫様より楽しそう。
神仏参りの帰りに泊めてもらった家が盗賊の家だった、のところも好きです。大冒険。
血なまぐさいものばかり、こわごわ読んでいたので、個人的生活を中心にしたものにしよう、と思い日記を読みました。日付をつけた日記ではなく、自分の人生の振り返りだったけど。素敵な感性。作る歌も好き。この人の一生は幸せだったと思う。
Posted by ブクログ
物語を愛し、光源氏に憧れる夢見がちな少女時代から、夫に先立たれた晩年までを記した日記文学。古典は「教養」というイメージが強いためすこし抵抗があったが、本作は非常に読みやすく、江國さんの訳者としての手腕を感じた。少女から大人になるにつれ、夢から醒めるように「物語は所詮絵空事なのだ」と悟る瞬間がなんとも切なかった。
乳母と姉、夫を先に亡くし、一時は遠方の地に出向く父を見送った作者。『更級日記』は、別れの哀しみを詠む歌が多かったように思う。「歌」というのは日常の一場面や想いを切り取った写真のようなものかと思っていたが、この作品を読み、心が大きく揺さぶられた一瞬の「感情」なのだと知った。
江國さんの現代語訳のおかげで、平安時代の人々を少し身近に感じることができた。お気に入りの一冊。
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源氏物語を読み終わったら読みたいと思ってたからやっと読めて嬉しい!
平安時代の暮らしを垣間見られるようなこの日記が、時を超えてずっと残っているということがどれほど歴史的価値があるだろう!日本最高!
お参りに行けばよかったのに行かなかった、が多すぎて、若い頃の高標女出不精すぎるだろと愛おしくなった 気持ちわかるよ〜
私も物語に夢をみる自分をいつか顧みるときが来るのだろうか…全然夢見っぱなしだが…
Posted by ブクログ
有名な古典で名前は知っていましたが、読むのは初めて。物語好きな女の子の旅と好きな物語を存分に読む生活が描かれていると思っていましたが、半分も当たりませんでした。そもそも日記と言いながら老境に入ってからの回想録。だから、当然、最後は作者が老いてからの話。夫を病気で亡くして、こんなことになるのはまだ若かった頃の自分の心掛けがよくなかったから、と後悔する場面など、ちょっと身につまされました。
途中、都に戻ってからの日々のちょっとした出来事の表現や人とのやりとりが、みんな和歌でなされています。この頃のコミュニケーションが和歌で成り立っていたことが改めて実感できたのも面白かったです。
最後に、江國香織さんの現代語訳がとても読みやすかったです。
Posted by ブクログ
ブックカバーのイラストと現代語訳が江国さんだったので、普段あまり読まない本なのに購入しました。
最初は「無理かも⁉︎」と雲行き怪しかったのですが、読み進めると面白かった。
すっかり日記の中に入り込めました。
人の生活は便利さの分は違えど、今も昔もそう変わらないとニヤニヤしながら楽しめました。
Posted by ブクログ
江國香織さんによる現代語訳
平安中期、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が書いた日記文学
作者13歳から始まり、父の任地であった上総国(現在の千葉県)からの帰京の道中の描写が前半の多くを占める
それから40年に及ぶ半生を回想して記したとされる自伝的な文章
大人は源氏物語がいいという話をしてくるけれども、本文に何が書かれてあるかは教えてくれない
写本が上総国までは広まっていない
読みたいシリーズがあるのに読めないもどかしさは現代の読書民の思いに通じる
父の任期が来て帰京の道程の詳細
京に戻ってから、伯母さんが源氏物語とその他の書物をくれて耽溺することになる
物語の恋愛への憧れ
その後、親しかった継母との別れ、慕っていた乳母や姉の死、家の火事などの厳しい現実
本のような恋愛に憧れていたが、現実は父の命で宮仕えをする事になる
歳を取ってからの宮仕えは、現代で言うキャリアを積んでいない派遣社員のようなもの
いいなと思う男性がいたものの、恋が実ることはなく
そしてまた望まぬ結婚を経て、物語の世界と現実の違いを認識し、夫や子どもの将来を願うようになる
しかし、信濃守になった夫が急死し、孝標女は悲しみに暮れる
役に立たない物語や和歌に没頭するのではなく、若いころから仏道に励み、信仰を深めていればこんな惨めな老後にはならなかったのではないかと嘆く
そんな自分の境遇を頼りのない知人に宛てるが
かつての知人は「ありふれたこと」と一蹴する
ただ、この本位は書かれていないが
実際の菅原孝標女は、『更級日記』だけではなく、物語『浜松中納言物語』『夜の寝覚』の作者ではないかと推定されている
どこからどこまで事実か創作かわからないのは現代でもモキュメンタリーという言葉がある
子供の頃、京に戻る際の途中の地名の由来などの逸話まで書いているにもかかわらず、人生の中で重要と思われるイベント、結婚や出産の描写がさらっと流されている
彼女にとって、それらが人生の中で重要な要素ではなかったという事なのだろうか?
それにしても、昔の人は事あるごとに歌を詠む
感動や気付きがあったら詠む
石碑を見ては返歌
手紙や歌を貰ったら返歌
韻を踏んでいたり、一つの単語に複数の意味を持たせる掛詞
まるでラップバトルのようだ
ちなみに、この現代語訳
池澤夏樹の個人編集による日本文学全集の一部
更級日記の訳を江國さんが担当した分だけを文庫化したもの
訳にも江國さんらしさが漂う
――でくくって文中に言葉の詳細を入れるところとか
女性の生き方が何となく江國さんの物語っぽさを感じる
本好きっぷりもそうだし、こうして記録を書き綴るところも
和歌の現代訳が詩のようになっているのでわかりやすい
江國さん訳じゃなければ読んでなかったし、読んで良かったと思う
Posted by ブクログ
「更科日記」を江國さんの現訳で読めるなんて!大河から始まった古典への関心が高まって、手に取ったら面白かった。
平安の人の暮らしが垣間見えるのも面白かったし、悩みも今の私たちと差ほど変らなくて親近感が沸いたり、その時の心境を自然や風景に重ねて詠む和歌は、やはり情緒があって素敵だし、そういう自然や季節を感じる観察眼は平安の方が優れていて、豊かだなと思ったり。こういうものが、何人もの人が書き写して現代まで残っていることに、「積み重ね」ということに弱い私は、ぐっとくるのでした。
河出文庫の古典シリーズいいなぁ。町田康さんの「古事記」も読んでみたい!
Posted by ブクログ
末法思想の流行った時代。物語に耽溺した自分と仏への葛藤はさぞかし苦しかったと思いきや、仏への願いが案外現生的で、成る程バランス感覚を取った生き方で共感した。
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読みやすい訳だった。日記というよりは、源氏物語に憧れた箱入り娘が、晩年に生涯を振り返って書いた随筆という感じだ。頻繁に和歌が入るのが平安時代らしい。
当時はやっぱり父親や夫が出世するか、高貴な人物の後ろ盾を得るのが多くの女性の望みだったのかな。こういう感覚は時代の違いを感じるところ。でも共感できるところもたくさんあった。なにより当時の暮らしが垣間見えて面白い。64ページの和歌のやり取りなんかは、今でいうナンパみたいなもの?
Posted by ブクログ
物語へ憧れて、ぼんやりと生きてしまったと現実の辛さを知る。
でも物語を捨てきれぬまま仏の夢などを見て、お詣りにハマる。
「物語なんて意味ない!でも好き」と揺れるなかで日記を連ねて自分の物語への想いを形に残そうとした様に思えた。
記すことの取捨選択の視点が不思議で素敵でした。
物語が好きで夢中になるのにも共感したのですが
ぼんやり生きてきてしまった。
仕事では若くもないので可愛がられるわけでもなく、ベテランの様に重宝されるわけでもなく都合よく過ごしている。
と嘆くあたり、何だか自分も思い当たります…
Posted by ブクログ
高校古典で序盤の一節を学んだ影響で、作者は源氏物語がめちゃくちゃ好きなひと、という印象ばかりだった。しかし実際に読んでみたら、物語に耽っていたことをなんだか悔いているようだったので驚いた。
だが、やはり物語はお好きなようである。訳者あとがきで指摘されていた「旅行中に伝え聞いたお話に文章を多く割いていて、どれほど物語が好きなんだと思った」という指摘は成程で、物語好きな江國さんらしい着眼点だと思った。
Posted by ブクログ
1300年前の平安時代に書かれた本。光源氏ってどれくらいイケメンなんだろうとか
光源氏みたいな人に山奥に囲われてときどき文とかもらうような暮らしにあこがれるとか。そういうとこに共感と驚き。
江国香織の解説も良い。なにかにつけ涙を流す、夜中まで遊ぶ、パワースポット巡りに精を出す、そんな面白い人たちの話、とのこと。
源氏物語も読むことにした。
Posted by ブクログ
小説ともエッセイとも言いがたい、本当の、昔生きた人の日記を見させてもらいました。
ただそれがつまらないと言うことは無かったです。
昔の人の娯楽の一部を学ばせてもらった感じがしました。
Posted by ブクログ
およそ千年前に生きた人の息吹が、江國さんの訳のおかげで本当に身近に感じられた。
現代に生きている夢見る少女が成長して、現実と夢のギャップを人生の終盤において回顧している物と言ってもほぼ違和感ない。
自分に詩心がないので、せっかくの和歌が楽しめないのが残念であった。
解題も作品の理解をよく助けてくれるもので分かりやすかった。
Posted by ブクログ
平安時代の文学を初めて読みました。
遠い昔のことのように感じていたけれど、本を読むことが好きな少女がいたこと、神頼みをすること、恋をすること、富士山が心に残ること、夢占いがあったこと、今と変わらないことがたくさんあるのだと感じました。
一方で、今は東海道新幹線で簡単に往来できてしまう距離を移動することが、この頃はどれだけ難しいことかも伝わってきました。
江國香織さんの訳のおかげで、和歌が理解しやすいことは大変ありがたかったです。
百人一首をある程度覚えているのですが、これまで意味を調べようと思ったことがなかったので、ああ、この言葉はそういう意味なのか、と知ることができ勉強になりました。
元の和歌の言葉の美しさも覚えたいので、これからも読み返したいなと思う本です。
Posted by ブクログ
『胸はしる 更級日記』を読んでからこちらを読んだためとても読みやすかった。
幼少時から恐らく本が好きでちょっと浮き世離れしている感性の(私のイメージです)江國香織が訳すとは、なんとぴったりな人選ではないか。
あとがきでは、江國香織の感じる『更級日記』の魅力が読めて面白い。月の夜の姉のエピソードが現代小説のようだ、ということや、絵に描いた屏風をつなげたような景色だ、という逆転の風景描写(まるで絵はがきのようだ、みたいな感覚か)や姉の墓の場所についてのやりとりなど。
Posted by ブクログ
菅原孝標娘の生涯はそこそこ波乱万丈なのに、本人はまったくそう思っていないようで「都会の女子たちはあんなにキラキラした人生を送っているのになんでわたしったらこんなにさえない人生なのかしら」ってぶつぶつ言いながらブログを書いてるオタク女子のにおいがする。
孝標娘の夢見る理想の生活は「見目麗しきやんごとなき殿方にどこかの山里にてひっそりと囲われて、紅葉や月などをみて過ごし、その人からの四季折々織の歌をしたためたお手紙などを心待ちにして過ごす日々。年に1度は会いに来てくれるとうれしいな」みたいな感じでなかなかメルヘンの世界の住人。
江國香織の現代語訳によってモノクロの写真にうっすらカラー加工を施したような鮮やかさが生まれた更級物語。
古典が身近に感じられていいなって思えた一冊。
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江國香織さん訳の更級日記
日記というよりも、いまでいうエッセイみたいな感じなのかな。
源氏物語に憧れて、書物を手にするシーンとかかわいいなって思う。
Posted by ブクログ
平安乙女の半生記。ビビッドな感性の溢れる内容に、現代のラノベを彷彿とさせるものを感じる。そう考えると、よくこの作品が千年を超えて生き残ったものだとも思えてくる。
Posted by ブクログ
現代的で読みやすく、千年前とは思えない
ある一人の女性の人生の踵を細やかに
刻んだ日記である。
少女時代の旅の描写は京への憧れと不安
旅の道中の珍しいその土地の話し、旅の中
で印象に残った風景を目に映したまま
自然と描写している。
その当時は大変な旅だと思うが少女時代の思い出
として輝く様な旅であった事が分かる。
源氏物語に憧れ、横になって夢中に読む
姿も微笑ましい。
神仏にこの時代の人々は心の拠り所や
願望を心から願い信じて居たのだろう。
ちゃんと拝まなかった事を時々に反省
している所もある。
自然が日々の生活を彩り日本の四季が
新ためて美しいと感じさせる。
Posted by ブクログ
知識として、でも流石に原書は読めないのでこちらを。
平安時代の人ってちょっとしたことで泣くし、酷いと恋煩いで死んでしまう。
こちらも景色を見ては泣き、人とお別れしては泣く。
ちょっと違和感があったのは、日記と言いながらも夫や子供たちとのことがほとんど出なかったこと。
源氏物語に憧れていながら、「結婚させられた」とあってもそれには全く触れず、しばらくしてから「子供たち」と出てきたから、あぁやっぱり結婚したのかと納得。
あとがきや解説を読むとストンと落ちた。
Posted by ブクログ
あとがきにも書かれている通り、自分の人生の一代記(作者13歳(数え年)の寛仁4年(1020年)から、52歳頃の康平2年(1059年)までの約40年間が綴られているそう)を書こうとするときのエピソードの取捨選択などが現代の私たちとは違って、面白いなと思った。
とは言え、約1000年前の人が書いたものなのに共感ができる部分も多くて、根本的に人の考えることは昔も今も変わらないのだなと思ったり。
時ならず降る雪かとぞながめまし 花たちばなの香らざりせば (33頁)ー和歌はたった31文字の中に本当に豊かな情感が込められていて、いつも感心してしまう。と同時に、1000年前に生きた人達と時空を超えて繋がるような感覚も持てて、好き。この歌は当時の作者の純粋さが眩しく、愛らしくて、とても気に入った歌。
Posted by ブクログ
江國香織さんの訳、すごーく読みやすかった!!
平安時代中期に書かれたもので、夫の死を悲しんで書いたとされる回想録。
作者は菅原孝標女(すがわらたかすえのむすめ)
時代的に源氏物語のが先?だから、源氏物語から読んだら良かったかな。