文春文庫作品一覧
-
4.1著者の新境地・ネオ江戸ファンタジー小説 謎の存在「金色様」を巡って起こる不思議な禍事の連鎖。人間の善悪を問うネオ江戸ファンタジー。第67回日本推理作家協会賞受賞作。
-
4.4世界恐慌の煽りをうけ、日本が深刻な不況に見舞われていた昭和七年(1932年)。カリスマ的な日蓮主義者、井上日召が率いる集団「血盟団」の若者たちが連続テロ事件を引き起こし、元大蔵大臣・井上準之助、三井財閥総帥・団琢磨が凶弾に倒れた。 茨城・大洗周辺出身の青年や、東京帝大を中心としたエリート学生たちは、なぜ井上に心酔し、凶行に走ったのか。その背景には格差社会、漂う閉塞感、政治不信という現代日本と酷似する状況があった。 最後の血盟団員へのインタビュー、中曽根元首相の証言、裁判記録などから「昭和史最大のテロ」の謎に迫る。
-
5.0写真も、イラストもない、読むゴルフレッスン書。 42歳でゴルフと出会った著者は、やみくもに球を打ち、苦労するのではなく、理論的にゴルフスウィングを理解したい! と思い立つ。それから20年。日々の練習やラウンドの合い間に書きためたメモをもとに、ゴルフスウィングを「立つ」「ねじる」「遠心力」「管理」「連動」という5つの言葉で解析することに成功する。その結果、64歳の今、著者はハンディ5を維持している。 「タメ」「コック」「リストターン」「叩く」「飛ばす」という単語はゴルフに必要ない。 多くのレッスン書で多用されている写真やイラストは、誤解や混乱を生んでいることもある。 正しく言葉でスウィングの基本を理解すれば、写真やイラストよりも頭の中でイメージが広がり、結果として頭と身体にしみこんでいくはずだ。 好評を博した『ゴルフに深く悩んだあなたが最後に読むスウィングの5ヶ条』『ゴルフに泣かされた夜あなたが心にきざむスコアメイクの具体策』『あなたがもう迷わずにゴルフを上達するための意識改革と練習方法』の三部作を一冊にまとめ、徹底的に加筆、削除、修正をほどこしたレッスン書の新定番。
-
4.4
-
4.7井上成美が統率した日米、世紀の海空戦! 史上初めての空母対空母の決戦「珊瑚海海戦」の5日間の攻防。人間井上の戦略観を基底に日米文明の対決を描く。錯誤の海戦の全貌とは
-
4.2
-
4.1映画より面白い映画評論がここにある! 町山智浩&柳下毅一郎による、伝説の映画活字漫談が1冊になって堂々復活。映画へのほとばしる愛ゆえに怒り、ツッコむ2人が、ときに対立も辞さず語り尽くす。『千と千尋の神隠し』のアンタッチャブルなテーマを喝破し、『スター・ウォーズ』を『巨人の星』に、『チャーリーズ・エンジェル』を「通いたい店」に喩える掛け合いは、まさにこのコンビならではのもの。傑作はもとより、クサしている映画までつい観たくなること請け合いの、怒濤の91本。
-
3.6現代最高のミステリー作家が初めて歴史サスペンスに挑んだ! 1936年、オリンピック開催に沸き立つベルリン。アメリカ選手団にまぎれてニューヨークの殺し屋が潜入する。米国海軍情報部からナチス・ドイツ高官暗殺の使命を帯びたその男は、現地工作員との接触の際に誤って人を殺してしまい、刑事警察(クリポ)から追われる身となる……。リンカーン・ライムシリーズで人気の著者が初めて挑む歴史サスペンスは、懐旧的雰囲気のなか、タフな主人公(ヒーロー)が活躍するという新機軸。もちろんどんでん返しも盛りだくさんの上級エンタテインメントです。CWAイアン・フレミング・スティール・ダガー受賞作。 2005年週刊文春ミステリーベスト10第5位、このミステリーがすごい!第5位。
-
4.4天測を学び、犬を育て、海象に襲われた 本屋大賞ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞をW受賞した超話題作『極夜行』。その「エピソード1」といえる350日のすべて。 ノンフィクション界の話題をさらった『極夜行』。この旅を遂行するには3年の準備期間があった。何度も北極を訪れ、重ねた試行錯誤。これもまた命懸けの探検だった。この準備行がなければ極夜の探検は成功しなかったのかと思うと、起こった全ての試練が命を繋いだとも言える。『極夜行』と併せて読みたい。 特別寄稿・山口将大 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.3あまりに美しく激しい愛の物語 〇本屋大賞3位、島清恋愛文学賞受賞の話題作がついに文庫化! ――切ないほど美しく、激しい愛の物語 うらぶれた団地の片隅で出会った 小学2年生の結珠と果遠。 正反対の境遇に育ちながら、 同じ孤独を抱えるふたりは強く惹かれ合うも、 幸せな時間は唐突い終わりを迎える。 8年後、名門女子校で思わぬ再会を 果たしたふたりは――。 人がひとを想う気持ちを最高純度で描く、 本屋大賞3位、キノベス2位、直木賞候補、 島清恋愛文学賞受賞と、 大きな話題を呼んだ傑作長編が文庫化! 単行本の初回特典だった掌編「青い雛」収録。 解説:村山由佳 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2025年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.2
-
4.0才能を決めるのは、遺伝子か環境か? 棋士一家に生まれた京介と、母子家庭で育ったライバル・千明。二人の“天才”は同じ病院で一日違いに生まれ、直後に不審な火事が起きた。「僕たちは取り違えられた子どもなんだろうか」。芽生えた疑念の果てに、彼らが辿り着く真実とは? 将棋界を舞台に描かれる、才能と運命、青春の光と影、そして家族の絆を問う感動作。 天才棋士の 才能は遺伝か環境か? そして愛はどこにある? 第一回「けんご大賞」作家 最新刊文庫 文庫版特別篇 「After Story 女の戰い」収録 「正直に答えてくれ。お前は、あの人と、母さんと、家族になれるか?」 彼らの人生を狂わせたのは、15年前の病院火災と「赤ん坊取り違え疑惑」。切ない選択の先に、希望の光は見えるのか。涙なしには読めない家族と友情の物語。 単行本 2022年7月 文藝春秋刊 文庫版 2025年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.0※このコンテンツは、2008年11月に配信を開始した電子書籍の表紙を新たにし、文庫版解説と追記を加えたものです。本文内容に変更はありません。 名探偵は、せつないホームレス マンションで親子三人が惨殺された。一人残された美少女が心を開いたのは、デカ上がりのホームレス探偵! 傑作書き下し長篇 現住所=代々木公園の西門そば。仕事=リヤカーでの廃品回収。主食=焼酎。煙草=原則として路上で調達。ホームレスで元刑事の椎葉明郎は、かつて指導した女性刑事・吹石夕子に雇われる。日当は二千円。依頼は、事件の真相解明。両親と次女の一家三人が殺された事件だ。物証からは犯人像が浮かばず、怨恨でもなさそうだ。では犯人の狙いは何か。その夜、外泊していた長女は事件に関係があるのか? モテない女性刑事とホームレス探偵の捜査の行方は……。 解説 池上冬樹 単行本 2003年10月 文藝春秋刊 文庫版 2006年10月 文春文庫刊
-
4.1デビュー35周年記念! 一度限りの豪華トリビュート作品集 予想をはるかに超える名編ばかり それにしても、ここまでやりますか!? ――有栖川有栖、思わず脱帽 レジェンドへのリスペクトを胸に 人気作家7名が全力執筆! 真正面から挑戦する超絶技巧の本格ミステリから、 女子高に潜入する火村とアリスや 不可解なダイイング・メッセージに挑む 江神たちEMCの面々まで。 「気鋭の作家が本気で遊んだら、 こんなものを書いてしまうのか!?」と 有栖川有栖を感嘆させた一度限りの豪華トリビュート。 有栖川有栖による解説を収録。
-
4.0人気ミステリ作家の頭に詰まっているのは? 魅力的な謎を次々と生み出す米澤穂信。その頭の中にあるものは? 彼を形作った本たちを一挙公開。素顔が垣間見える脚註も大幅加筆! 読者を夢中にさせる“謎”を次々と生み出し、新作のたびにミステリーランキングを賑わせる米澤穂信。彼の頭の中には、何が詰まっているのか? 学生時代から現在まで、米澤が呼んできた本をめぐるエッセイや書評、対談を一堂に集めた、本好き必読の書。本音満載の、本人による脚注を文庫化で大幅加筆、巻末に直木賞受賞エッセイも収録。 単行本 2021年11月 文藝春秋刊 文庫版 2024年11月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.0ぶつかり合う二人の医師の志。命を救えるのはどちらの正義か 大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。 あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。 「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。 そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。 大学病院の暗部を暴こうとする記者が、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。 二人の医師の「志」がぶつかり合い、大学病院の闇が浮かび上がる。 命を救うための、正義とは――。 気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。 ------------ 単行本 2021年10月 文藝春秋刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.0標的は国際マラソンレース。 多国籍テロ集団と警察庁特別チームの壮絶な戦いを描く 世界規格のノンストップ・サスペンス。 東京で開催予定の国際マラソンレースが多国籍テロ組織の標的となった。 警察庁特別チーム〈MIT〉の班長に抜擢された下水流悠宇(おりづる・ゆう)は、 日本人トップランナーの警護に当たる。 テロの背景にあるのはスポーツ利権と絡み合う大国の思惑。 果たして悠宇はアスリートと国家の威信を守ることができるか。 怒涛のノンストップ・サスペンス開幕! 映画化された『リボルバー・リリー』や直木賞候補作『アンダードックス』など、 特大スケールの作品を次々と発表する長浦京さんが本作で描くのは、 公営ギャンブルの対象となったマラソンレースと、 その利権をめぐる大国の思惑が生んだテロ計画。 東京に潜むテロリストたちに立ち向かうのは、 選抜された刑事たちによる特別チーム。 その班長に抜擢された下水流悠宇は、 はみ出し者ぞろいのチームをまとめあげ、 アスリートと国家の威信を守ることができるのか!? ※この電子書籍は2022年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.7感染症と戦う北里と鷗外、その栄光と蹉跌! 民の命を守るため「医療の軍隊」を夢見た北里と鷗外は、なぜ道を違えて対立したか。医師でもある海堂尊が描くライバル物語! 明治時代のニッポンに、感染症との終わりなき闘いに挑んだ男たちがいた。「細菌学の父」北里柴三郎と、陸軍の軍医総監にして文豪の森鷗外。ふたりは同時期にドイツで学び、「感染症から国民の命を守る」という同じ目標に突き進んだ。それなのになぜ道を違え、対立したのか。誰も描かなかったライバル物語。解説・本郷和人 ※この電子書籍は2022年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本とし、「作品相関図」などの電子版特典を付したものです。
-
4.3明の海賊と日本人の間に生まれた少年は海へ――。 「国性爺合戦(こくせいやかっせん)」のモデル・鄭成功を描く 闘いと冒険の物語。 鎖国時代の平戸。孤独な少年・福松を迎えに来た母は、 台湾を根城にする大海賊の頭だった―― 明に渡った福松はやがて鄭成功となり、清と闘う道を選ぶ。 日本と中国の血を持つ男が台湾の民族的英雄に、 後に「国性爺合戦」主人公として江戸の人々を熱狂させる。 生きる場所を求め闘う魂を描く大スペクタクル長編! 解説=仲野徹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.1日本初のイコン画家・山下りん その情熱と波瀾の生涯! 明治13年にロシアに留学しイコンを学ぶ。一途さゆえ周囲と衝突し芸術と信仰のはざまでもがきながら生きた女性を描く感動長編。 「絵師になりたき一念どうにも抑え難く」茨城県笠間を飛び出した15歳の山下りん。東京で工部美術学校に入学を果たし、西洋画の道を究めようと決意する。ロシヤ正教の宣教師ニコライに導かれ、明治13年、聖像画制作を学ぶため帝政ロシヤに渡るのだが――情熱に従って生きた日本初のイコン画家を描く圧巻長編。解説・酒井順子 ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.7天に臆せず胸を張って生きる男たちを描く 唐・玄宗皇帝の時代。絶対的権力者に抗おうとする若者と、人に人らしからぬ生き方を強いる体制を糺そうとする若僧の、心熱き戦い。 時は玄宗皇帝下の唐、陽物を欠いた名家の貴公子・崔子龍(さいしりゅう)は、辺境民族の征伐に赴く唐軍に従軍し、宦官・辺令誠(へんれいせい)の策略にはまる。心酔する上官・高仙芝(こうせんし)を陥れた辺への復讐を誓う崔の前に現れた僧侶・真智(しんち)。権力闘争に翻弄される男達と、虐げられても強かに生きる女達が安史の乱を機に躍動する歴史大河小説。解説・瀧井朝世 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.6若き臨床心理学者の冒険譚にして青春物語 われらがカウンセラー、東畑開人の一般書デビュー作、文春文庫版の電子書籍化。 文庫版あとがき「8年後の答え合わせ、あるいは効果研究」を付した完全決定版です。 人生に痛めつけられたからこそ、 人を癒やす力を得た野生の医者たち。 彼女・彼らと共に過ごした 灼熱のフィールドワークの記録! 気鋭の心理学者にしてカウンセラーは、精神科クリニックを辞め、学界を揺るがすこと必至のフィールドワークを開始。沖縄で人々の心を癒やし続ける謎のヒーラー達を取材しながら自ら治療を受け、臨床心理学を相対化しようと試みた。「野の精神医療」と学問の狭間で辿り着いた驚愕の発見とは? 涙と笑いの学術エンタテインメント。 単行本:2015年8月 誠信書房刊 文庫版:2023年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
3.7
-
3.7日本銀行本店や東京駅など、近代日本を象徴する建物を矢継ぎ早に設計した、 明治を代表する建築家・辰野金吾。 下級武士から身を立てるべく学問に励み、洋行して列強諸国と日本の差に焦り、 帰国後はなんと恩師ジョサイア・コンドルを蹴落として 日銀の建築を横取りする……! 周囲を振り回しながらも、この維新期ならではの超人・金吾は熱い志で 近代日本の顔を次々を作り上げていく。 日銀の地下にある意外な仕掛け、東京駅の周辺にかつて広がっていた海の 蘊蓄など、誰もが見慣れた建築物の向こうに秘められたドラマを知ることもできる。 ベストセラー『家康、江戸を建てる』の著者が 「江戸を壊して東京を建てた」辰野金吾を描く、大きく楽しい一代記! ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.3ネットで知り合った男性との交際から8カ月。ありふれた別れ話から、恋人は突然ストーカーに豹変した―― 執拗なメール、ネットでの誹謗中傷……「週刊文春」連載時に大反響を呼んだ、戦慄のリアルドキュメント。誰にでも起こり得る、SNS時代特有のストーカー犯罪の実体験がここに。 【ストーカー規制法が定める「つきまとい等」の行為】 ・あなたを尾行し、つきまとう。 ・あなたの行動先(通勤途中、外出先等)で待ち伏せする。 ・面会や交際、復縁等義務のないことをあなたに求める。 ・あなたが拒否しているにもかかわらず、携帯電話や会社、自宅に何度も電話をかけてくる…etc 別れ話がこじれて元恋人が「ストーカー化」した分かれ道とは ストーカー被害にあったらまずどこに相談に行けばいいのか まだ傷害事件にはなっていない場合、警察はどこまで動いてくれるのか 警察に被害届を出したらその後どういうプロセスを踏むのか 示談交渉に持ち込まれたさいの様々な落とし穴 ネットでの誹謗中傷の書き込みは消せるのか 加害者の起訴・逮捕後に被害者がしなければならないこと ストーカー行為は医学的な治療でやめさせることができるのか? ストーカー対策の海外での先進的な実例 知らないことだらけのストーカー被害の全容と問題の本質が理解できる、かつてない異色のノンフィクション。 ※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.5日本人特派員、土井垣が降り立ったソ連は“特ダネ禁止”の地だった。 謎に包まれた帝国で監視の目を潜り、取材を開始する土井垣。しかし、その周囲では次々に不可解な出来事が起こる──。 ソ連崩壊という世界的スクープを報じた斎藤勉をモデルに、魑魅魍魎が蠢くソ連崩壊前夜を圧倒的リアルで描き尽くす。 今、読むべき本物のインテリジェンス小説! 諜報、盗聴、罠、駆け引き、裏切り…… “ソ連崩壊”を世界に先駆けて報じた 日本人記者が見た「真実」とは? 「どうやら、この国のことを少し甘く見ていたらしい──」 吉川英治文学新人賞を受賞した『ミッドナイト・ジャーナル』、直木賞候補となった『傍流の記者』。 気鋭の著者が放つ、極寒の氷をも溶かす熱き闘いの物語! 解説は、保守派に換金されたゴルバチョフの生存情報の第一報を伝えた、当時、在ソ連日本国大使館の三等書記官だった作家の佐藤優さんです。 ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.5ノーベル化学賞受賞の科学者、唯一の手記 ゲノム情報を意のままに編集できる「CRISPR-Cas9」。 人類は種の進化さえ操るに至った。科学者自ら問う、科学の責任とは。 「君の技術を説明してほしい」 ヒトラーは私にこうたずねた。その顔は豚である。 ――恐怖にかられて目が覚める 。 ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し、修正するという離れ業ができる、その技術CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)。2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス」誌に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が、遺伝病の治療のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。 豚の内臓を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行なわれた。 人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか? 解説・須田桃子(毎日新聞科学環境部記者) ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.5名手・倉知淳がフェアプレイ精神で贈る奇妙奇天烈な三つの殺人事件。 ユーモアあふれる本格ミステリ中篇集。 女子高生ミステリ作家(の卵)灯里は、小説のネタを探すため、 警視監である父と、キャリア刑事である兄の威光を使って事件現場に潜入する。 彼女が遭遇した奇妙奇天烈な三つの事件とは――? ・密閉空間に忽然と出現した他殺死体について「文豪の蔵」 ・二つの地点で同時に事件を起こす分身した殺人者について「ドッペルゲンガーの銃」 ・痕跡を一切残さずに空中飛翔した犯人について「翼の生えた殺意」 あなたにはこの謎が解けますか? ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.8一件落着――そう思ってからが本番です。 ニューヨークまで逃げ場なし。豪華客船に渦巻く謎また謎。 amazon(ドイツ)でレビュー数1,400超、評価平均4.2。 ドイツ・ミステリーの最終兵器セバスチャン・フィツェックの代表作登場。 事件解決のためなら手段を選ばぬ囮捜査官マルティンのもとに、5年前に豪華客船「海のサルタン号」船上から忽然と姿を消した 妻子にまつわる秘密を明かすという連絡が届いた。相手がマルティンを呼びだしたのは、因縁の客船。そこでは2か月前に 船から姿を消した少女が忽然として出現。さらなる事件が次々に起きていた。 ニューヨークへ向かう客船の中で走り出す複数のプロット――。船の奥底に監禁された女と、彼女を詰問する謎の人物。 娘の忌まわしい秘密を知って恐慌を来たす女性客。何者かとともに不穏な計画を進める娘。船室のメイドを拷問する船員と、 それを目撃した泥棒。船の売却を進める船主と、船の買い手である中米の男も乗船しており、マルティンを呼びだした富豪の老女は 「この船には恐ろしい秘密が隠されているのよ……」とささやく。 この客船の中で何が起きているのか? からみあう嘘と裏切りと策謀――真相はめくらましの向こうにある! そしてあなたが「一件落着?」と思ってから、ドイツ・ミステリー界最大のベストセラー作家が腕によりをかけて仕掛けた意外な真相のつるべ打ちが開始される! ※この電子書籍は2018年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.9ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした 前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー! 本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。 娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。 しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った……。 だが読者よご用心。全ては見かけ通りではない。章ごとに物語は時間軸をさかのぼり、あなたの知らなかった「事実」が次々に明かされ、 白は黒に、黒は白に反転をくりかえす。謎のオクトーバー・リスト。それを狙う者たち。迷路のようなニューヨークの街で展開される人狩り。 正解最強のサプライズの魔術師ディーヴァーが繰り出すサスペンスとサプライズ。そして全ての真相が明かされるのはラスト2章! 『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある。
-
4.3私だって恋してみたい。と娘(二十歳)は思っていた。 でも、漫画は次々に新刊が出るし、コミケに向けてコスプレの準備もしなきゃだし。 オタクの私はそれでも結構忙しいのだ。 なんていうか、“ご縁”もなかったし。 そんなことより心配なのはウチの母! いい歳して天然、暴走、世間知らずなかーちゃんを放っては置けない。 そんな時、二人に突如吹きつけた恋の春一番! 娘にとっては人生初の、母にとっては久々の、恋! 少女のような天然母・碧と、しっかり者のオタク娘・空。 トモダチ母娘のエキサイティングラブストーリー。 2021年1月クール、日テレ系列で放送の水曜ドラマを小説化。 出演:菅野美穂、浜辺美波、岡田健史、川上洋平(Alexandros)、東啓介、沢村一樹、有田哲平、豊川悦司ほか
-
4.3みうらじゅんの清張愛炸裂! 人間の業や深い闇を暴き出す清張は、ホラー作家だ! 押したら最後、底無しの「生き地獄」へ転落してしまう「清張ボタン」とは? 松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、 「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。 数多くの清張原作作品に出演している岩下志麻、船越英一郎のインタビューや対談をはじめ、 佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫、泉麻人、春日太一……ほか、著名な作家の再録記事も多数掲載。 清張原作のNHK土曜ドラマの演出家だった和田勉の随筆、『砂の器』など清張原作映画の脚本家である橋本忍のインタビュー、 清張が井上ひさしや女性ファンに書いた手紙、清張による江戸川乱歩への弔辞、直子夫人へのインタビュー、 朝日新聞勤務時代の同僚による清張の思い出、清張が描いたエッセイ漫画や絵など、貴重な原稿や写真も収録。 松本清張の小説世界、人柄、映像作品の魅力がよくわかるので、清張ファンはもちろん、未読の人の入門書としてもおすすめ。 「清張地獄」に堕ちたくない人はぜひ! *巻末に文庫特典としてみうらじゅんのインタビューを収録。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行されたムック『みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』を文庫化したものを底本としています。
-
4.0
-
4.5文学賞三賞に輝いた前作『ダブル・ファンタジー』に続く、魂と官能の傑作長編小説。 脚本家・高遠奈津は、創作の鬼に導かれるようにして夫との穏やかな暮らしを捨てた。 いくつかの恋を経て、現在は物書き志望の恋人・大林一也と暮らしているが、 大林もまた奈津の心と身体を寂しくさせる男だった。自分に触れず、遊び歩くばかりの 大林に気を遣いプレゼントを捧げ続ける日々の中で、元恋人たちと逢瀬を重ねる奈津だったが―― 自由と官能、孤独と愛憎の果てに、奈津がたどり着いた果てとは? 「週刊文春」連載中から「面白過ぎる」と多くの読者・執筆者を夢中にさせた強烈な吸引力のある一冊。 解説・辻村深月 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.1モダン・ホラーを生み出したスティーヴン・キングのデビュー第2作。 恐怖の帝王のすべてはここから始まった。伝説の名作が装いを新たに復活! 「友達にも恋人にもならない。死と恐怖の王たる吸血鬼。その偉大なる碑」――小野不由美 荒れ果てた屋敷が丘の頂から見下ろす町、セイラムズ・ロット。そこに幼い頃住んでいた小説家ベンが帰ってきた。町は平穏に見えたが、ある夜、ベンは丘の上の屋敷に灯が点っているのを見る。あの屋敷を買った者がいるのだ。そしてある日、幼い少年が忽然と姿を消した……。 デビュー長編『キャリー』を刊行し、ベストセラー作家となったキングが、専業作家として初めて書き上げた作品が本書。吸血鬼譚を現代に甦らせ、現代ホラーに巨大な影響を及ぼした。「モダン・ホラー」を生み出した普及の名作。 ※この電子書籍は2011年11月に集英社文庫より刊行のものを、文春文庫より刊行した新装版の文庫を底本としています。
-
4.4〈津波監視システム〉は実現できるのか? はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ! 「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」。 東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学会で異端視されている武智に誘われる。 海洋工学や観測機器などのエキスパートだが個性が強すぎて組織に馴染めない“はみ出し者”たちと、準平は前人未到のプロジェクトに挑むか……。 研究者の情熱ほとばしる科学エンタメ! 解説・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています
-
-世にも不思議な「毒々生物」の知られざる姿とは? 「毒」は人類を救う!? ある日突然、皮膚の一部が青、赤、紫、黒と変色し、やがて壊死する。驚きの症状の原因は小さな蜘蛛だった! この世には想像を絶する「毒々生物」たちが生息している。ゴキブリの脳を乗っ取るハチ、体長3メートルの肉食トカゲ、赤血球を破裂させるクラゲ……。 読めば読むほど「毒々生物」に夢中になる禁断の書! ・インフルエンザ予防のためにヘビ毒を注射する男 ・「刺されると痛い昆虫ランキング」のために78回刺されまくった昆虫学者 ・ペットのヒルを持ち歩き、自分の血を吸わせている寄生虫学者…… 「毒々生物」に魅了された人間たちもこんなにヤバイ! 解説は『ざんねんないきもの事典』監修の今泉忠明。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
5.0単行本刊行時に賞賛と非難の十字砲火を浴びた「UWF本の発火点」。 「プロレスから格闘技へ」の過渡期を描く傑作ノンフィクション! 1984年、UWF誕生。新日本プロレスへの復讐のために誕生した団体は 元タイガーマスク・佐山聡の大胆な構想のもとプロレスから逸脱していく。 若者はUWFを真剣勝負のプロレスとみなして熱狂した。 しかし――。 プロレスから総合格闘技への過渡期に痛烈な一閃を浴びせ、 大反響を呼んだ迫真のノンフィクション、渾身の文庫化。 文庫特典「クリス・ドールマンとの一問一答」収録。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.0ひねりにひねった短篇16連発。原題もズバリ“Twisted”。これぞ「どんでん返しの魔術師」ディーヴァーの真骨頂だ! スーパーモデルが選んだ究極のストーカー撃退法、オタク少年の逆襲譚、未亡人と詐欺師の騙しあい、釣り好きのエリートの秘密の釣果、有閑マダム相手の精神分析家の野望――。ディーヴァー・マジックが次々に炸裂するミステリー短篇集。お馴染みリンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」は本書のための書き下ろし。2006年週刊文春ミステリーベスト10第8位、このミステリーがすごい!第2位。
-
4.0「一億総懺悔」を説いた宮さま宰相は、いかなる人だったのか――。 太平洋戦争を終戦に導いた鈴木貫太郎の次の内閣を引き受けたのが誰か、ご記憶でしょうか。わずか50日間ですが、重責を担ったのが皇族の東久邇宮でした。日米開戦直前の昭和16年秋、総辞職した近衛内閣のあと、東條英機の対抗馬と目されたのも実はこの宮さま。日本の危機に「切り札」として期待された宮さまの実像は、しかしあまり伝えられていません。著者の浅見さんが新史料を駆使して明かすのは、波乱万丈の生涯、痛快無比の個性、勝手放題の実力者ぶり。臣籍降下騒動、女性問題、右翼との危険な関係などなど、興味津々の破天荒人生が初公開されます。
-
4.120世紀最後にして最大の家電商品・ホームビデオ。VHS方式とベータマックス方式、二つの規格をめぐって、日本ビクターとソニーが死闘を繰りひろげる。規格統一はあるのか。欧州市場は、どちらを支持するのか。そしてついに、高野鎭雄という一人の男の信念が、技術者集団を引っ張り、井深大、盛田昭夫率いる巨人・ソニーとの闘いを制し、世界を相手にひとつの時代の幕を開く。NHKの「プロジェクトX」や映画化で話題をよんだ痛快無比の傑作ビジネス・ノンフィクション。
-
4.5特攻、これだけは伝えたい。 生還した11人からのメッセージ。 多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。 その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。 四式重爆撃機「飛龍」、 百式重爆撃機「呑龍」、 四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、 九七式艦上攻撃機、 九七式戦闘機、 人間機雷「伏龍」、 零式艦上戦闘機、 一式陸上攻撃機、 四式戦闘機「疾風」、 九三式中間練習機。 心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。 平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。 写真・図版多数。
-
5.0「ええ声」を持つ「なにか」はいかにして「悪声」となったのか――。 ほとばしるイメージ、疾走する物語。著者入魂の長編小説。 「なにか」は、ある重みをもって、廃寺のコケの上にそっと置かれた――。 京都のはずれの廃寺に捨てられたみどりごは、コケに守られながら生をつなぎ、やがて犬のブリーディングと桜の剪定を生業とする花崎さんに引き取られる。 「なにか」の声は、居合わせた誰もがはっと振り返るような特別なものだった。 長じて歌うことを覚えた「なにか」は、アムステルダムからやってきたサックス・プレイヤーの「タマ」と「あお」の父娘といっしょに、生駒の方舟教会でライブを行う。 奔放な想像力が魅力の、現代を代表する物語作家いしいしんじが、筋立ても分量も、あらかじめ何も決めずに想像の赴くままに書き進めた、少年の一代記。 第4回河合隼雄物語賞受賞作。 解説・養老孟司 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.5アフリカの最貧国・マラウイを食糧危機が襲い、ウィリアム少年は食べていくために中学校を退学せざるをえなくなる。。 しかし、知的好奇心にあふれた彼はNPOがつくった図書館に通い、そこで風力発電について書かれた一冊の本と出会います。 電気があれば暗闇と空腹から解放される――ウィリアム少年は発電の仕組みを独学し、廃品を集めて作った風車で発電に成功、そこから大きなチャンスをつかみます。 池上彰さんも「学ぶということが、これほどまでに人生を豊かにしてくれるとは」「私たち日本人が忘れていたことを、この本は教えてくれます」と解説で太鼓判を押す、感動の実話。
-
4.0「恐怖の帝王」がデビュー40年目にして初めてミステリーを書いた! 暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終わった。 そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。 「こいつをこの手で捕らえてやる」。決意したホッジズは、孤独な調査を開始する――。 退職刑事VS卑劣な殺人鬼。米最高のミステリー賞・エドガー賞を受賞した巨匠の傑作。
-
3.92020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより愉しむために! 光秀の運命は尽きず、秀吉、家康の生涯を左右する。 美濃国主・土岐氏に連なる家に生まれた明智光秀。 浪々の身となり諸国を流れ巡り、やがて尾張の織田信長の家臣となる。 歌道や故実式目、軍学を究めていた光秀は瞬く間に織田家の出世頭となる。 やがて城持ち大名にまでなるが、比叡山焼き討ちをきっかけに信長と対立、ういに信長を討つべく立ち上がった。 本能寺の変の後、光秀は秀吉に破れ死んだと思われたが、じつは……。 光秀は生きていた! それからの光秀は秀吉と家康、二人の天下人の運命に決定的にかかわっていくのだった。 光秀の知られざる波瀾の生涯を描く、伝奇歴史小説の傑作が待望の復刊。 解説・縄田一男
-
3.92018年秋から2019年にかけて、日本史上最大規模のフェルメール展が東京と大阪で開催される。代表作「牛乳を注ぐ女」を筆頭に初来日の作品もあり、大きなフェルメール・ブームとなりそうだ。 オランダのデルフトという小さな街に生まれ、当初はまったく注目されていなかった寡作な画家が、なぜこのように人気を集めるのか。その魅力はどこにあるのか。日本におけるフェルメール展の企画プロデューサーであり、ノンフィクション作家でもある著者が、その謎に迫る。 本書では、フェルメールの評価の変遷を全作品の解説と共に紹介し、作品を動かす「フェルメール・マン」と呼ばれる15人の男たちのシンジケートの存在を初めて公開する。世界的に知られた美術館の花形学芸員たちが虚々実々の交渉を繰り広げ、ある条件が揃ったときにだけ、フェルメールは旅に出る……。読めば、展覧会を観る目が180度変わる画期的なドキュメント。全作品をカラー写真で掲載。全点踏破をめざす人に、保存版ルートガイド付き。
-
-徹底した現場取材で、長期政権への内幕を暴露! 中国共産党の原動力は権力闘争だ。地方政治家から国家主席に上り詰め、闘う宿命を背負う男の真実。『十三億分の一の男』を改題増補。 【目次】 序 章 「習近平新時代」 第一章 愛人たちが暮らす村 第二章 習近平の一人娘を探せ 第三章 紅く染まった星条旗 第四章 ドキュメント新皇帝誕生 第五章 反日狂騒曲 第六章 不死身の男 第七章 サラブレッドの悲劇 第八章 クーデター 第九章 紅二代 終 章 宿命 特別収録 エズラ・ボーゲル インタビュー 「習近平は最強の独裁者なのか」 あとがき 文庫版あとがき
-
3.5圧倒的リアリティで描かれる深海の激闘! メルヴィル『白鯨』へのオマージュ的SF海洋冒険小説 マリアナ諸島海域の深海で米海軍の攻撃型原潜が襲われた。 原潜自体に傷はないのに、中の乗組員が半数以上死亡。 米海軍は海底基地に調査員を派遣する。 日本では、アル中の鯨類学者・須藤は未知の巨大クジラの骨を発見するが、採集した骨は何者かによって盗まれ、採集場所の深海は荒らされてしまう。 失意の須藤に、米バイオ企業からグアムでの研究援助の手が差し伸べられた。 グアムに飛んだ須藤は、深海調査船のパイロット・秋道炎香と性格的に反発しあいながらも力をあわせ、クジラを追う。 米海軍は事件には未知のクジラがかかわっていることを突き止め、そのクジラの能力を研究するために、米兵器メーカーが中心となってヨーロッパ、カナダの石油会社、鉄鋼メーカーなどと組んで建設した西マリアナ海領の海底熱床探査基地で調査を始める。 さらには、クジラから取れる高価な龍涎香を狙う中東のテロ組織が須藤たちに近づく。 欲にまみれ、思惑が入り乱れる人間たちに、クジラの群れが反撃に出た。 深海の巨大生物ダイマッコウ対人間のかつてない死闘が繰り広げられる! 解説・加藤秀弘
-
4.0清水湊から父島、そしてアメリカへ! アメリカに憧れ、アメリカを旅した時代小説作家・山本一力のウェスタン小説登場 江戸末期の文政年間、小笠原の父島に漂着した娘とアメリカ人の元捕鯨船乗りの間に生まれた兄弟、丈二と子音。 彼らはアメリカの捕鯨船フンラクリン号の副長だった若き日本人ジョン・マンと出会ったことで、大航海への夢を募らせていく。 当時、海の向こうのアメリカ西部はゴールドラッシュに沸き、一攫千金を夢見る人々が殺到。 シャンハイの大富豪チャンタオも事業拡大を狙ってサンフランシスコへ向かう。 途中立ち寄った父島で、丈二と子音の兄弟を船に乗せ、たどり着いた新天地で作業着店を開業。 そこにやって来たのが、妻を殺したサントス一味への復讐を誓うリバティー・ジョーだった。 日米中を股に掛けた、男たちの死闘必至の大作戦が始まった――。 週刊文春に一年以上をかけて連載された、山本一力版の大西部劇。超弩級の作品がついに文庫化! 解説・縄田一男
-
4.0旧幕府軍とともに戊辰戦争を戦い、映画「ラストサムライ」のモデルになった男・ブリュネ! 幕末、日本に軍事顧問としてやってきていたフランス陸軍士官、ジュール・ブリュネ。いわゆるお雇い外国人だった彼は、徳川幕府の精鋭部隊、伝習隊の指導にあたっていた。 大政奉還が行われ、江戸幕府の終焉とともにブリュネらも解任されるが、このあと明治新政府軍と旧幕府軍の衝突があることを知った彼は、日本に残り、自らが育てた伝習隊を指揮して新政府軍と戦うことを決心する。 陸軍士官を辞任するという手紙を残し、土方歳三、榎本武揚、大鳥圭介らとともに箱館に向かうブリュネ。彼を動かしたのは、土方歳三や伝習隊の教え子に教えられた、士道(エスプリ)だった。 後年、フランス陸軍官房長まで務め、日清戦争時の日本への貢献を認められて勲二等旭日瑞宝章を授けられた希代の軍人の精神を描いた感動大作。 解説:本郷和人
-
4.2「二度読み必至」を超えた、三度読み推奨ミステリー! あなたはこの企みを見抜けるか!? 年齢を偽ってスーパーでアルバイトする中学生の大和。バイト仲間の高校生・三千穂といい雰囲気になったが、正社員の宗像主任が露骨に2人の邪魔をする(「ずっとあなたが好きでした」)。 脱サラして立ち上げた会社が倒産、妻にも逃げられた五十嵐は、富士の樹海でネットの自殺サイトで知り合った男女と集団自殺をはかるドライブに出る。しかし、自殺仲間の一人、仁木智子に恋心を抱いていることに気づき(「黄泉路より」)。 弓木が通う小樽の小学校に東京から転校生がやってきた。人形のようにかわいく、裕福な生活を送る有坂弥生。風邪で休んだ弥生にプリントを届けにいった弓木は、彼女の部屋にも入る機会を得たのだが、思いがけずネックレスを持ち出してしまい……(「遠い初恋」)など13作を収録。 恋をめぐる小説集……だが? サプライズ・ミステリーの名手が書く恋愛小説集が一筋縄でいくはずがない! この企みに気づいた瞬間、あなたはまた最初から読み直したくなる。 解説:大矢博子
-
4.0ディーヴァーの後継者、カーリイの超絶ミステリー登場。まったくつながりのない連続殺人の謎を解け。 街で連続殺人が起こっていた。しかし凶器も手口もバラバラ、被害者同士にもつながりはまったくない。ただ現場に1セント硬貨が残されていることだけが共通していた。被害者をランダムに選ぶ動機なき殺人なのか? やがて犯人がカーソンを名指しで警察に挑戦状を送りつけてくるに及び、事件は警察の威信をかけたものとなる。過去の経験から「動機なき無差別殺人」などないと信じるカーソンだったが、突破口は一向に見えてこず、被害者の遺族の悲しみに向き合うことしかできなかった。 一方、殺人犯は微細な証拠も残さぬように細心の注意を払って殺人を遂行していた。ルーマニアの独裁政権下で心理実験のモルモットとされた過去を持つ男の狙いはいったい何か。 「このミス」「週刊文春ミステリーベスト10」などランキング常連のミステリー作家が超絶技巧で放ったシリーズ随一のはなれわざ。意外な動機は、巧妙に敷かれた伏線とエピソードの網の目に隠されて、あなたの目の前にある!
-
4.1“二十一世紀最大の謎”を描ききった事件ルポの白眉! まさに未曾有の怪事件。発覚当時63歳の女を中心に、結婚や養子縁組によって複数の家庭に張り巡らされた、虐待し搾取する者とされる者が交錯する人間関係。その中で確認された死者11人。この複雑きわまる尼崎事件の全容を執念の取材で描いた、事件ノンフィクションの金字塔。文庫化にあたり70ページ大幅増補。 解説・永瀬隼介
-
3.3島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。
-
3.8
-
4.0マッドサイエンティストの世界へ、ようこそ 性病、コレラ、放射線、毒ガス……。人類の危機を救った偉大な科学者たちは、己の身を犠牲にして、果敢すぎる人体実験に挑んでいた! 自身も科学者である著者は、自らの理論を信じて自分の肉体で危険な実験を行い、今日の安全な医療や便利な乗り物の礎を築いた科学者たちのエピソードを、ユーモアたっぷりに紹介します。 解剖学の祖である十八世紀の医師ジョン・ハンターは、淋病患者の膿を自分の性器に塗りつけて淋病と梅毒の感染経路を検証しました。十九世紀の医師ウィリアム・マレルは、ニトログリセリンを舐めて昏倒しそうになりますが、血管拡張剤に似た効果があると直感。自己投与を続けて、狭心症の治療薬として確立するもとになりました。二十世紀、ジャック・ホールデンは潜水方法を確立するために自ら加圧室で急激な加圧・減圧の実験を繰り返し、鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発したといいます。 その他にも放射能、麻酔薬、コレラ、ペストなどの危険性の解明に、自らの肉体で挑んだマッド・サイエンティストたちの奇想天外な物語が満載。その勇気と無茶さに抱腹絶倒するうち、彼らの真の科学精神に目を開かされる好著です。 解説・仲野徹
-
4.8あの時、あの街で、君に出会った 中国返還前の香港で、たくましく生き、様々に悩み、見果てぬ夢を追い続ける香港の人々の素顔。第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作
-
3.4
-
3.9【第97回(1987年)直木賞受賞作】 ときは戦国。海と船への憧れを抱いて対馬で育った少年笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕まり、その手下となって、やがて“海の狼”へと成長していく。日本の海賊の生態をいきいきと描いた、夢とロマンが香る海洋冒険時代小説の最高傑作。「海を舞台にした小説は外国には多い。海洋冒険小説という一つのジャンルが確立しているほどである。四面環海の日本にそれがないというのは、ふしぎな現象だ。(略)日本の海洋小説の一里塚を築けたとすれば、私としては本当にうれしい」(「著者のことば」より)
-
5.0第39回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作! 日本と中国の国交が断絶していた文化大革命のさなか、中国から奇跡の帰国を果たした日本人の戦争孤児こそ、私の父だった――。2つの国の間で翻弄された父は、どんな時代を生き抜いてきたのか。21歳で旧満州に飛び込んだ著者が、戦争のもたらす残酷な運命と、歴史の真実を鮮やかに描き出した傑作ノンフィクション。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。