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彼女は善意の名医か、患者を殺した悪魔か―― 救急医・白石ルネは、意識不明で運ばれてきた男性を、家族の同意のもと延命治療を中止、尊厳死に導く。しかし3年後、ルネを嫌う麻酔医が、ルネは積極的に安楽死を行ったと病院に告発。身に覚えのないルネだが、やがてマスコミも巻き込む大問題に発展、遺族も白石を告訴するが……医療×法廷ミステリーの新たな傑作誕生! ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
あまりスッキリできる結末ではなかったけれど、法律で安楽死、尊厳死が良しとされていない日本の現状のような気がして個人的には好きです
脳外科医の白石ルネは、担当していた患者が意識不明で運ばれて来た後、悲惨な状態になるのが目に見えていたことから、家族に延命治療の中止を投げ掛けた。 家族の同意も得たが、最後の別れの場で思いもかけない状況が起こり混乱があった。 しかし、最終的には家族の理解は得られた。 ただ、それから3年後にルネを気に入...続きを読むらない麻酔科医がやってきて、その際の延命治療に安楽死だったと焚き付けた。 そこからの病院側や遺族、治療に関わった看護師の態度に、ルネは愕然とする。 それは人間不信になるにも十分なものだった。 そして終末医療の難しさを痛感する。 2025.8.15
くも膜下出血の終末期医療を行った医師が、悪意も落ち度もなかったにもかかわらず、周辺の思惑に押し流され、殺人罪で有罪判決を受ける。 実際に起きた事件を元に書かれたという本書は、安楽死、尊厳死が制度化されていないために、終末期医療の現場で医師たちが負わされている過大なリスクと責任を如実に示した。 本...続きを読む書は返す刀で司法制度の欠陥にも切り込んでいる。 人の死をタブー視し必要な議論を避ける風潮は、防衛論議とも共通する。 悪意というか、保身と視野狭窄に陥った人物ばかり登場する展開に辟易とするが、控訴審に向かう主人公たち、特に宗旨替えした雑誌記者の存在は、そんな現実に対する作者のわずかな希望の象徴とも思える。
事実を基にしたフィクションとのこと。 それだけに真に迫った説得力があり、死を肯定する安楽死や尊厳死の問題に目を向けない世間に対し、鋭く問いかけるサスペンス。 主人公の女医白石ルネが担当する患者が、これ以上生存の見込みがない状態に陥る。延命治療を断っていた患者を思い、最善の治療を行うが、その甲斐無く死...続きを読むに至る。 その死がマスコミにリークされ、安楽死の疑いがかけられる。患者の死が発端となり、賠償金を狙う患者の家族や、死の責任を医師個人に押しつけようとする病院、同僚や看護師の裏切り、医療の専門知識が無いまま彼女に罪をかぶせる警察と検察。 様々な思惑が絡み合い、やがて起訴され裁判に持ち込まれる。己の信じるままに治療した結果、法廷で被告となった彼女は、果たして裁判に勝つことができるのか。 リークしたのは、誰なのかというミステリー性を帯びながら、予断を許さない展開は、読み進まざるを得なくなる。 患者が安らかに亡くなり、家族も感謝しているのに、主治医が殺人罪に問われるという現在の法律は不合理だと、現役の医師である著者が、作中人物に言わせる。 同時に組織を守るため事実を曲げてまで嘘の証言を医療者たちに強いる病院幹部、自分の身を守るためあえて事実から目を背ける中間管理職たちの醜さを描き出す。
法律が必ずしも正しくないことを思い知る。 医療との相性が悪いというか 本職の方には悪いけど正しさをこじつけるための 手段という印象を受けた。 有罪のままなら延命治療する医者はいなくなるな。
白黒をはっきりさせるのが裁判なのか? 判決という形で線を引いても、それはとりあえず今はとしか思えない線引きもある気がする。 生きているのと死んでいるのは はっきり違うけれど、その間には無数の状態があって、ここが境目という箇所は無いに等しいのかもしれない。 医師はどんな思いで治療をし患者はどんな思い...続きを読むで治療を受けるのか………難しいな
うーん。こう、終わるんか。 もう一歩進んで終わらんかい。 ちょっともの足らんわ。 廃用身を読んだ時のような新鮮味や驚きが無いなあ。
久坂部羊『善医の罪』文春文庫。 実際に起きた事件をモデルにしたフィクションのようだが、フィクションであるならば、このようなグレーな結末でお茶を濁さず、もっとスッキリとした結末を描いて欲しかった。 終末期医療をテーマにした医療&法廷サスペンスということで読む前には非常に興味があったのだが、いつまで...続きを読むも足踏み状態が続くストーリー展開の遅さにイライラ感が募る作品だった。 脳外科医の白石ルネはクモ膜下出血で意識不明の状態で搬送されてきた66歳の横川達男を蘇生させ、懸命の治療を行うが、数日後に多臓器不全となり、家族の同意のもと延命治療を中止する。 家族立会いのもとルネは、ほぼ脳死の状態にある横川の気管チューブを抜いて尊厳死に導こうとしたのだが、うめき声を上げる横川に動揺したルネは筋弛緩剤を点滴し、うめき声を止めようとする。横川のうめき声は収まり、ようやく死を迎える。 それから3年後、白石ルネを嫌う麻酔科医長の大牟田寿人は、看護師からルネが過去に横川という患者を積極的に安楽死させていたことを聞き、自めらの待遇改善と引き換えに、そのことを病院側に告発する。やがて、そのことはマスコミにも知られ、ルネは逮捕、起訴され、ルネの罪は裁判で判断されることになる。果たして、白石ルネは有罪なのか、それとも無罪なのか。 アメリカに尻尾を振りまくる日本のおバカな首相は、異次元の少子化と騒ぐだけ騒いでおきながら結局は何も出来ず、既に末期状態にある超高齢化社会については全く眼中に無いようだ。 そして今まさに日本は、医学の進歩、医療の高度化により、昔なら既に亡くなっていてもおかしくない高齢者を救命し、さらには延命させる一方で、高齢者をケアする手が足りないというジレンマに陥っている。高齢者施設は常に何十人、何百人という入所待ちの状態で、高齢者は命のあるうちに施設に入所出来るのかどうかという笑うに笑えない状況である。 以前、社会問題になった待機児童については異次元の少子化も手伝い、どうやら自然解決したようだ。これからは待機老人が社会問題になるだろう。 そんな中、高齢者の延命治療についてはデリケートであるが、自らが高齢者となった時に備えて、真剣に考えなければならない問題である。身体中にチューブを付けられ、自発呼吸もままならぬ状態で生きながらえるのが良いのか、尊厳死或いは安楽死を選択するのが良いのか。また、どこまでの延命治療を求めるかということも、予め自分の考えを家族に伝えておきたい。 自分の父親は、昨年、生死の境目をさまよった際に家族宛に残した書類の中に発見した『一切の延命治療は拒否する』という家族と主治医宛の書物によりその潔さに驚き、あらためて父親への尊敬の念を深めた。 自分自身も還暦を迎え、自らの死という現実にも向き合わなければならないと思い、最近、大規模な断捨離を決行した。1万5千冊以上の蔵書は全て売却し、趣味の道具なども最低限を残して廃棄した。その上で父親にもならい、5年日記を付け始めた。日記を付けながら、少しずつ自分自身の考えを整理し、来たるべき死に備えておきたいと考えたのだ。 本体価格980円 ★★★
私も医療関係者であり、患者を看取った経験と重なってこの本を読んでました。確かに日本の医療では尊厳死や安楽死は認められていない。だからといって治療を続けていくとルナ先生が言ったように、浮腫が出て外見、肌の色などが生前とは異なり、更には出血が伴い酷い状態へと変わって行きます。 ルナ先生はそのような酷い状...続きを読む態になる前にインフォームドコンセプトを家族にしてレスピレーターを外した。 人間はお金が絡むと欲望のために人が変わってしまう。患者サイドも病院サイドも利益のために責任を1人の医師に被せようとする。 読んでいてルナ先生を応援している自分がいました。
主人公が陥れられる描写を読むのが辛くて、真ん中辺りはとばして読んでしまった。 最後は前向きに終わって良かった。 どんな事で妬まれているか分からないし、お金が絡むと人は変わるのが怖い。
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善医の罪
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久坂部羊
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