命の横どり

命の横どり

2,090円 (税込)

10pt

4.1

【これは、他人事ではない。緊迫の医療サスペンス小説】

心臓病の専門病院で、適切な臓器の斡旋を行う臓器移植コーディネーターとして働く立花真知。
彼女は、五輪金メダリスト候補として注目を集めるフィギュアスケーター・池端麗を担当することになる。

麗はスケートの練習中に倒れ、拡張型心筋症と診断されていた。
副院長の一ノ瀬や主治医の市田の治療を受けながらドナーの心臓を待っているが、麗の血液は珍しく、大多数の心臓を移植することができない。
しかし、くも膜下出血で倒れ脳死判定を受けた男性ドナーの心臓が、麗に奇跡的に合致すると連絡が入る。
真知らは早速臓器の提供に向けて動き出すが、ドナーの母親が臓器提供に納得していないことが判明。真知は「禁断の方法」に手を出そうとする――。

ドナーとレシピエント、互いの思いが複雑に混じり合ってできた大きな渦は、とある男の登場によって社会問題へと発展し始める。
医師であり、これまでにも医療の現状にメスを入れてきた著者が描く「日本の心臓移植」の現実と未来。


【著者略歴】
久坂部 羊(くさかべ・よう)
1955年大阪府生まれ。医師・作家。大阪大学医学部卒業。
2003年『廃用身』で作家デビュー。2014年『悪医』で第3回日本医療小説大賞、2015年「移植屋さん」で第8回上方落語台本優秀賞を受賞。ドラマ化されベストセラーとなった『破裂』『無痛』『神の手』の他、小説に『テロリストの処方』『介護士K』『芥川症』『悪い患者』『絵馬と脅迫状』など、新書に『日本人の死に時』『人間の死に方』『寿命が尽きる2年前』『人はどう死ぬのか』『人はどう老いるのか』『人はどう悩むのか』など、著書多数。

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命の横どり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    インパクトの強いタイトルである。

    脳死は、「本当の死」なのか。
    臓器移植をめぐる、患者家族と医師、臓器移植コーディネーターたちのドラマ。

    マイナンバーカードの裏などに、何気なく臓器提供意思に丸をつけてしまっている。
    自分が死んだら、必要としている人に差し上げてもいい、と思っていたが、「何気なく」

    0
    2025年11月18日

    Posted by ブクログ

    久坂部氏の真骨頂。脳死移植がテーマとはいえ、生体肝移植を経験した身では、とても他人事とは思えない内容で興味深く拝読。和田移植や立花隆「脳死」等、脳死移植の黒歴史も取り上げ、移植手術の現状の問題点を、医者・移植コーディネーター・レシピエント・ドナー・日本の死の文化的概念的側面と多角的視点で、これでもか

    0
    2025年10月30日

    Posted by ブクログ

    フィギュアスケーターとして有望な池端麗が心臓移植を必要とする。医師から指示された移植コーディネーターの発言は。

    非常に面白かった。臓器移植についてすごく考えされられる。ドナーとレシピエントそれぞれの思い。医療関係者の思い。

    0
    2025年11月25日

    Posted by ブクログ

    脳死と判定された男性からスケーターの池端麗へ心臓移植を、臓器移植コーディネーターの立花真知が担当するが…。

    心臓移植手術の描写は細かく真に迫っているので説得力があった。
    脳死という人間の死に対するそれぞれの思いを、医師側の視点から描いているので、読者はどうしても脳死を死として受け入れてしまう。

    0
    2025年10月26日

    Posted by ブクログ

    実際に家族が突然の事故や病気で脳死となったら。
    臓器移植を待っているたくさんの人達を救うために、とは分かっていてもまだ心臓の動いている家族の臓器を差し出す決断がすぐ自分にできるのか。
    自分はドナーになりたいと思うけど、家族となると覚悟をきめるまで時間がかかるかもしれないなあ。
    色々考えさせられた。

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    臓器移植を巡る物語。

    脳死は分かっているものの、この本を読んで初めて自分事と考えると難しいなと改めて考えさせられた。

    どの立場の登場人物も、負の部分を上手く表現して人間臭さが伝わってくる。なので、もーまったく・・・と思ってしまう人ばかりが登場する(笑)決して、デフォルメされていないのである。

    0
    2025年11月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2025/08/22予約4
    臓器提供を行う側の家族と受け取る側の異なる思い。
    突然脳死と言われ心臓を奪われたと思う側、適合するドナーを待ち続ける側。レシピエント側のコーディネーター、ドナー側のコーディネーター。どれにも一理あるように感じてしまう。ダブルスタンダードにはなりたくない、だけど子どもの脳死

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルが衝撃的だったが、命の横取りではなく、命の贈り物なんだ、と終わって、物語の中で贈り先がわかったからこそ納得ができた部分も大きいのではないか、とも感じた。

    本来なら、いいのか悪いのか、贈り先はわからないし、受取先もわからない。
    レシピエント側もドナー側もどちらの気持ちもわかるだけ、センシティ

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    考えさせられる内容だった。
    今まで、ドナーになることも、ドナーを待つことも、正直意識したことがなかった。
    突然の家族の死に対して、哀しみ以外何も感じないまま、他人に臓器を提供することについて考えられる余裕はないだろう。一方で、それが故人の願いなのだとしたら、叶えたいとも思う。
    心臓が動いていても、脳

    0
    2025年10月12日

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