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日本人は二人に一人ががんになると言われる現在、できることならがんは治る時代になったと世間に伝えたく、ノンフィクション作家の中道颯子は『がん患者の命綱』を執筆するため取材を始めた。
担当編集者の岡村誠二とともに、TML社主催の福沢倫也CEOの講演会「新時代のがん医療――唾液サイトカイン検査が拓く未来」を聞き、社長室室長の小早川蝶子を介して取材をした。
TML社はがんの悪液質を引き起こすサイトカインの検査で、急成長を遂げた医療ベンチャー企業。しかし、その異常な内情が「週刊文砲」に暴かれ、颯子は疑念を抱く。
そんな折に新聞社時代の後輩で親友の林田愛美が、ステージ4の肺がんで標準治療を受けたが、副作用に苦しむ。AIメンター(助言者)の勧める、代替療法に次々とはまった。颯子は本のために、がんの四大治療の取材をはじめる。
「目次」から
第一章 人はなぜがんで死ぬのか
第二章 マイ・ライフ
第三章 百花繚乱の失望
第四章 がんでも死なない
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Posted by ブクログ
『健康の分かれ道』がすごくよかったので、こちらも。というか、山田詠美さんが久坂部先生のことを「こんなにおもしろいテーマで、こんなにつまらない小説が書けるなんて」と酷評されていたという逸話を知り、どんなにおもしろくてつまらないのかが気になって手に取りました。
たしかに・・詠美さん、言い得て妙すぎてすごい!
医療ベンチャーも、医師と病院も、代替医療も、メディアも、やっぱり信じられないなと思った。そして必死でがんを治そう死を遠ざけようとする患者も滑稽だ。私はこうはならないと思う。
最終的に、久坂部先生が他の本でもおっしゃっていたとおり【病にあらがわず、病を受け入れて共存する】という結論にうまいこと(=予想どおり)たどりつきました。
Posted by ブクログ
がんと診断された時、人はどうやって生きていくのか。
本人や家族、友だちが、がんとどう向き合っていくのか考えさせられた。考えても答えはでない問いだし、読んでいて辛い描写もあったけど、現場の医師、医療ベンチャー、研究者、がんとなってしまった人、その友だち、様々な立場からの視点とミステリーが描かれていて、とても読み応えがあった。
キュブラー・ロスの死への5段階。教科書で読んだだことがあるが、真に理解できていなかったなと実感。小説で読んだからといって、真に理解できたと言えるわけではないし、もし自分に降りかかったとしてもどう乗り越えるのか、乗り越えられるのか?受容の段階までいけるのかもわからない。
大切に日々を生きられているのだろうかと自問し、大切に生きなければと思う。
主人公が信頼する医師の言葉が心に残っている。
「治療が難しいがん患者に、どう接するべきかということ。考えているうちに患者ほうが死ぬこともある。それは必ずしも悪いことではない。終わりが見えないほうが辛いから。あるいは、心の準備もできないまま、心筋梗塞やくも膜下で突然人生が断ち切られることもある。生きていることを実感しつつ、死に向けてゆっくり準備できるがんの最後は、必ずしも最悪ではないよ」
そして主人公の到達した気持ち
「死ぬのはまちがいない。だけど今日死ぬわけではない。明日でもない。たぶん、来週でもない。だったら自分には時間がある。それを精いっぱい大事に使おう。そう思えるのが死の受容だ」
Posted by ブクログ
ノンフィクション作家の中道颯子が、がん医療の進歩と多様化をテーマに、がん克服も遠くない…ということを伝えようと思い、医療ベンチャー企業の取材をする。
その最中に元勤務先の後輩であり、友人でもある愛美が、ステージ4の肺がんに罹り、AIに頼ってしまう。
怪しい医療ベンチャー企業は、やはり…という結末だった。
中道もいいように踊らされている感じがするのと、友だち思いなのかどうかと見えるところがあり、あまり好ましく思えなかった。
ただ、榊医師だけは偏屈だけど信用できると思った。
がんは、治るか死ぬかのどちらかだったが、治らないけど死なないという第三の道があるということ。
2人に1人が罹ると言われるがんについて、どこまで治療するのが正解なのか…を自身で判断することはできず、やはり信頼できる医師が重要だろうと思った。
Posted by ブクログ
癌で友人見送ったばかり。「死ぬのは間違いない。だけど、今日死ぬわけではない。明日でもない。だったら自分には時間がある。それを精いっぱい大事に使おう。そう思えるのが死の『受容』だ」最後に榊さんのような淡々とした医師に巡り合って看取ってほしいが。「いい加減がよい加減ということもあるんだから、あまり一生懸命になりなさんな」「いのちが延びても患者に恨まれたら医療としては失敗。とにかく本人の希望を優先」死を前にして希望を明確に伝えられるか自信ない。告知の是非も。「癌は治らないけど死なない。徹底的に叩こうとしないで共存。大目に見てやる」…あれこれ考えないで充実した毎日を過ごすことか。
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