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文学賞三賞に輝いた前作『ダブル・ファンタジー』に続く、魂と官能の傑作長編小説。
脚本家・高遠奈津は、創作の鬼に導かれるようにして夫との穏やかな暮らしを捨てた。
いくつかの恋を経て、現在は物書き志望の恋人・大林一也と暮らしているが、
大林もまた奈津の心と身体を寂しくさせる男だった。自分に触れず、遊び歩くばかりの
大林に気を遣いプレゼントを捧げ続ける日々の中で、元恋人たちと逢瀬を重ねる奈津だったが――
自由と官能、孤独と愛憎の果てに、奈津がたどり着いた果てとは?
「週刊文春」連載中から「面白過ぎる」と多くの読者・執筆者を夢中にさせた強烈な吸引力のある一冊。
解説・辻村深月
※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
『ダブル・ファンタジー』の続編。
主人公の奈津の性欲はとんでもない。
そう思っていた。
でも、ただ性欲が強かっただけではないのかも。
愛に飢えていたというか。
自分のことを大事にして欲しかった。
自分のことをもっと想って欲しかった。
心から愛してくれていれば、守ってくれれば、
身体を重ねなくても安心できたのかも。
そんな風に感じた。
そして登場する男がまあなんともクズで。
つい不倫してしまう奈津も奈津なのだが。
でも、大林はとことんクズだった。
こうやって人は暴力的になっちゃうんだろうなと。
自分だってそうしたくないんだろうけど、気づいたら相手を責め立ててしまい‥。
それでも自分を選んで欲しいという気持ちが強くあるから、『あの人とは別れるから』って言葉が、その言葉だけが欲しくて。
でも不安が強くなっちゃうから、「お前が悪いことをしたよな?俺を傷つけたから、俺のいうこと聞けるよな?」みたいな上から目線が出てきてしまうのかなと思った。
2026.9.19(土)
Posted by ブクログ
ダブルファンタジーが刊行された当初、エロ目的でハードカバーで買ったが「なんだこりゃ」というかんじでした。
エロいのはエロいがそれ以外の部分が超うざい、なんだこりゃ。
今回もエロいのはエロいんですが、一言で言うと前作を上回るヒトイヤ小説でした。
(イヤミス、イヤホラー、ヒトコワとかいう言葉があるので作ってみた)
最初ずっと退屈で、太字で表記された男女のメールやりとり部分とか「駄文」として私の脳は処理を拒否。人によってはここがなかなか面白いらしいのですが、個人の認知の問題でしょう。
従弟が出てきておっやっと真打ち登場かと思ったらまた退屈なダメニゲン同士のやりとりが続いてしまい、忘れたころに従弟が再登場して、さすがに終わりが見えて一安心。
おとんがああいうことになったラストのチャプターだけは、筆力も感じたし、良い小説だなと思いました。
そう、筆力がすごいんですよねこの作者さんは。
その圧倒的な筆力を、ニンゲンのダメさを描き抜くことに全振りしていて、それがこの作品のすごさというか特長ですね。しかも本作を自伝的と広報してるっていうからまたすごい。
「私は才能があるんだから認めて!それとは別に女として肯定して!さらに性別関係なく人としてあるがままに見て!全部くれないと嫌ったら嫌!!!」という叫び、作品を突き抜けて伝わりました。痛いほど伝わったよ、あいたたたた。
内容については、世代格差を強く感じます。
60年代生まれの作者のジェンダーバイアスがガチガチにきつすぎて、主人公は従弟のおかげでそこから一定は解放されたんだろうけど、その過程における被害者的側面をしつこく描きすぎです。
しかし現代人はもはや、セックスはともかく、ジェンダーではここまで苦しまないと思います(まあこの主人公の苦しみは実は性じゃなくて、自分で自分を救おうとしない人格に原因があるように見受けられますが、それにしてもジェンダーバイアスが鼻につきました)。
本作は「ちょっと昔の価値観の作品」と言えると思います。
よって世代の近い層には刺さるものがあると思います。
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