作品一覧

  • 透析を止めた日

    小説・文芸

    4.8
    1巻1,760円 (税込)
    「私たちは必死に生きた。しかし、どう死ねばよいのか、それが分からなかった」 なぜ、透析患者は「安らかな死」を迎えることができないのか? どうして、がん患者以外は「緩和ケア」を受けることさえできないのか? 10年以上におよぶ血液透析、腎移植、再透析の末、透析を止める決断をした夫。 その壮絶な最期を看取った著者が、自らの体験と、徹底した取材で記す、慟哭の医療ノンフィクション! 解説 日本腎臓学会理事長・南学正臣(東京大学腎臓内分泌内科教授) <序章>より 「夫の全身状態が悪化し、命綱であった透析を維持することができなくなり始めたとき、 どう対処すればいいのか途方に暮れた。 医師に問うても、答えは返ってこない。 私たちには、どんな苦痛を伴おうとも、たとえ本人の意識がなくなろうとも、 とことん透析を回し続ける道しか示されなかった。 そして60歳と3ヵ月、人生最後の数日に人生最大の苦しみを味わうことになった。 それは、本当に避けられぬ苦痛だったか、今も少なからぬ疑問を抱いている。  なぜ、膨大に存在するはずの透析患者の終末期のデータが、死の臨床に生かされていないのか。 なぜ、矛盾だらけの医療制度を誰も変えようとしないのか。 医療とは、いったい誰のためのものなのか」
  • 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ

    小説・文芸

    4.8
    1巻1,045円 (税込)
    なぜ原爆は広島に落ちたのか。軍港宇品の50年を描く圧巻ノンフィクション。『教誨師』著者渾身の傑作。第48回大佛次郎賞受賞作。
  • 狼の義 新 犬養木堂伝

    小説・文芸

    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    第23回(2019年度)司馬遼太郎賞受賞作! 「極右と極左は毛髪の差」(犬養毅) 日本に芽吹いた政党政治を守らんと、強権的な藩閥政治に抗し、腐敗した利権政治を指弾し、 増大する軍部と対峙し続け、5・15事件で凶弾に倒れた男・犬養木堂。 文字通り立憲政治に命を賭けた男を失い、政党政治は滅び、この国は焦土と果てた……。 戦前は「犬養の懐刀」、戦後は「吉田茂の指南役」として知られた古島一雄をもう一人の主人公とし、 政界の荒野を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的な筆力で描く。 最期の言葉は「話せばわかる」ではなかった!? 5・15事件の実態をはじめ、驚愕の事実に基づく新評伝。 「侵略主義というようなことは、よほど今では遅ればせのことである。どこまでも、私は平和ということをもって進んでいきたい」 (1932年5月1日、犬養首相の日本放送協会ラジオ演説より) 真の保守とは、リベラルとは!? 明治、大正、昭和の課題を、果たして私たちは乗り越えられたのか??  ※本書は2019年3月に小社より刊行された単行本を文庫化したものであり、2017年に逝去された林新氏が厳格なノンフィクションでなく、敢えて小説的な形式で構想し、着手したものを、堀川惠子氏がその意志を受け継ぎ、書き上げたものです。 【目次】 序章 古老の追憶 第一章 戦地探偵人 第二章 政変とカミソリ官吏   第三章 憲法誕生 第四章 帝国議会の攻防 第五章 国粋主義の焔 第六章 孤立する“策士” 第七章 革命 第八章 「憲政の神」 第九章 「神」の憂鬱 第十章 普選の代償 第十一章 見果てぬ夢 第十二章 最後の闘争 第十三章 テロルの果て 終章 五月の空     あとがき 参考文献一覧 解説 橋本五郎
  • 戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

    小説・文芸

    4.8
    1巻990円 (税込)
    1945年8月6日、広島で被爆した移動劇団「桜隊」。著者は、その演出家・八田元夫の膨大な遺品を、早稲田大学演劇博物館の倉庫から発掘する。そこには戦中の演出ノートやメモ、草稿、そして原爆投下による悲劇の記録が書き残されていた。 八田が残した記録やメモには、大正デモクラシーの下で花開いた新劇が、昭和に入り、治安維持法による思想弾圧で、いかに官憲に蹂躙されたか。自身や俳優たちの投獄、拷問など、苦難の歴史が記されていた。さらに、桜隊が広島で遭遇した悲劇の記録――。8月6日、八田は急病で倒れた看板役者・丸山定夫の代役を探すため、たまたま上京中だった。急ぎ広島に舞い戻り、10日から仲間の消息を追う。「桜隊」9名のうち、5名は爆心地に近い宿で即死。仲間の骨を拾った八田は、座長であり名優と謳われた丸山定夫や美人女優・園井惠子ら修羅場から逃れた4名の居場所を探し当てるが、日を経ずに全員死亡。放射線障害に苦しみながらの非業の死だった。八田自身も、戦後、放射線被爆に悩まされることになる。16日、避難先の宮島で臨終を迎えた丸山の最期に八田は立ち会った。前日、玉音放送を聴いて丸山は呟いたという。「もう10日、早く手をあげたらなあ……」10日前、8月5日に降伏していれば。本書は悲劇の記録である。と同時に、困難の中、芝居に情熱のすべてを傾けた演劇人たちの魂の記録でもある。
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

    小説・文芸

    4.7
    1巻968円 (税込)
    広島平和記念公園の片隅に、土饅頭と呼ばれる原爆供養塔がある。かつて、いつも黒い服を着て清掃する「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる佐伯敏子の姿があった。なぜ、佐伯は供養塔の守り人となったのか。また、供養塔にまつられている被爆者の遺骨は名前や住所が判明していながら、なぜ無縁仏なのか。「知ってしまった人間として、知らんふりはできんのよ」佐伯敏子の言葉を胸に取材を丹念に重ねるうちに、埋もれていた重大な新事実が判明していく──。引き取り手なき遺骨の謎を追う、もう一つのヒロシマの物語。 第47回(2016年)大宅壮一ノンフィクション賞、第15回早稲田ジャーナリズム大賞受賞作がついに文庫化! 解説・平松洋子
  • 教誨師

    小説・文芸

    4.7
    1巻836円 (税込)
    半世紀にわたり、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもと、初めて語られた死刑の現場とは? 死刑制度が持つ矛盾と苦しみを一身に背負って生きた僧侶の人生を通して、死刑の内実を描いた問題作! 第1回城山三郎賞受賞。
  • 裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

    小説・文芸

    4.3
    1巻924円 (税込)
    一九六六年、強盗殺人の容疑で逮捕された二二歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。独房から長谷川は、死刑を求刑した担当検事に手紙を送る。それは検事の心を激しく揺さぶるものだった。果たして死刑求刑は正しかったのか。人が人を裁くことの意味を問う新潮ドキュメント賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 透析を止めた日

    Posted by ブクログ

    全く知らなかった未知の世界で衝撃の連続だった。その立場にならないと知らずに終わる事は多い。
    治して命を繋ぐ医療、穏やかな死へと繋ぐ医療。
    とても良い勉強になった。

    0
    2026年08月24日
  • 教誨師

    Posted by ブクログ


    とても重いテーマの本と出会ってしまった‥
    死刑囚の教誨師…

    歎異抄、自利と利他
    知らない事ばかりでとても勉強になりました。
    中でも特に心に残った文章を書き留めてみました。

    それは、軽率な言葉の刃物で相手の心をズブリと貫き、治らない傷を刻みつけ、その人生をも狂わせてしまう者を罰する法律は見当たらない。見えない傷は法律では裁けない。何より言葉を吐いた側の多くは自分がそんな大変な事態を招いている事に気づいてもいない。

    何とも心が締めつけられます。だからって殺して良いわけがない。ココが揺らぐ事は無いのだけれど‥

    0
    2026年08月22日
  • 透析を止めた日

    Posted by ブクログ

    透析のことは知人に透析を受けている人がいたり、血液透析がどんな風に行われるかは結構知っていたつもりだったが、血液透析の終末期がこんなに辛いなんて全く知らなくて、この本はものすごい衝撃だった。
    透析患者のブログなどでは途中で更新が止まってそれきり、というものばかりで、そこはブラックボックス。その先はただ『死』なのだろうと推測はするだろうが、その『死』までの間に起こることが読んでいて恐怖を感じた。
    著者の夫は難病が原因となり、血液透析を始めている。透析が続けるのが難しくなり、終末期に激痛と溺れるかのような呼吸困難がダブルで襲い、なのに緩和病棟はおろか緩和ケアもまともに受けられない。
    血液透析の導入

    0
    2026年08月16日
  • 透析を止めた日

    Posted by ブクログ

    前半と後半の二部構成。
    前半はご主人との共闘の日々。後半は、日本の医療に関する現状を述べている。

    こういう本の場合、読み手としてどこを軸にすべきか非常に迷う。読み進める中で患者たるご主人がどのように死ぬのかを読み手(自分自身)が期待しているんじゃないかと勝手な興味本位を感じたりもする。非常に複雑だ。

    しかし、筆者たる患者の妻はこれを記録として出版してくれている。読まないより読んだ方が絶対いいのだ。

    後半は正直、読み流した。前半部分が重く(充実?濃い?もちろん良い意味)どうでもよかった。

    医者も仕事。利益追求もよく理解できる。医者だけが責められることもない。毎度難しいテーマだ。

    0
    2026年08月15日
  • 透析を止めた日

    Posted by ブクログ

    腎不全の方の終末期、看取りの問題を取り上げており、透析の闇を赤裸々に綴ってくれております。
    ガンの見取り、ホスピスなどは国策として進んでいるが、末期の腎不全の方の対応は希薄な状況です。
    腎不全になったら透析をしなければならないという固定観念ができていると感じています。
    特にDrは透析はやるべきものという考えが強いかもしれません!特に血液透析ですね。
    これだけ血液透析ができる場所が増えてますし。
    腹膜透析という選択肢が、出来るように在宅で生活の質が高いまま最後を迎えられるように、どんどん増えていくべきだと感じております。
    是非、今の腎不全の医療・看取りについて知ることが出来る本です。

    0
    2026年08月13日

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