Posted by ブクログ
2019年03月22日
その「たったひとり」との出会いにすら恵まれない人生を不運と片付けるのは 何ともやりきれない。
何度も出てきたこの「たったひとり」との出会い という言葉。誰か信じられるひとや大切に思い思われるひとと どこかで出会っていたら。出会ったことに気づいていたら。
まさに最期の時まで 教誨師として走り続けた
...続きを読む篠田龍雄
自らの身を削り 迷いながらも進み続けた
渡邉普相
どちらかの僧侶もまさにこれぞ宗教家。
相手の心にそっと寄り添うあたたかさ。
その生き様の激しさに圧倒された。
買ってから 何度も手に取りながら なかなか読み始めることができなかった本。
重くて心が暗くなりそうで 日常の中で少しずつ読めるかなぁと思うと なかなか思いきれず。
新年早々読むにはなぁと思いつつ じっくり時間のあるときと
いったら 今しかないなぁと決心。
たしかに重い。たしかにつらい。
でも 読み始めたら 途中でやめる事はできなかった。
今まで たくさんの死刑に関わる本を読んできたけど 教誨師がここまで心のうちをさらけ出したのは初めて読んだ。
正直言うと 教誨師に対して ここまで熱いものがあるとは思ってなかった。あんまりいいイメージなかったし。誤解してたかも。ごめんなさいという気持ち。
だれも恨まずに その時を迎えられるように。
被害者の無念さに思い至ることができるように。
うーん そこまでの境地に至るのは難しいことだろうなぁ。
もちろん そうなってほしいけど その道の険しさに ため息が出る。