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Posted by ブクログ
大人に憧れを抱きつつも、まだ子どもでいたいような気持ちは痛いほどよくわかる。制服を着ている間は守られているような無敵な気持ちになれていた。
荒野は一人称を自分の名前で呼んでいる。実は私もかなり上の年齢まで自分のことを自分の名前呼びしていた。今でも恥ずかしながら、家族や気を許した人の前ではぽろっと一人称が名前になってしまうことがある。それが幼稚だと言うことも理解していて、「私」に切り替えないといけないと分かっていても、一人称を変えてしまったら、自分が一気に大人に近づいてしまいそうで、大人になることへの最後の抵抗のように自分を名前で呼んでいたいのだと思う。
思春期の少女の繊細な心の動きが美しく、的確に描かれていて、(恋愛パート以外は)まるで自分の物語みたいに感じた。
Posted by ブクログ
十二歳から十六歳。たったの四年間。
大人から見ればあっという間の時の中で、彼女の中身は目まぐるしく変わる。
冒頭、中学に入学したばかりで恋を知らず自分自身にも無頓着だった荒野が少しずつ、けれど急速に周りの女達の匂いに釣られ、体型も変化し恋の味を覚えて行く。
子供から女の入口へ。
自分にもそうして変わっていった過去がどこかであったはずなのに、もう今となっては思い出せない。
読んでいてとろりと甘くて水気の多い、熟れた桃を食べるような感覚だった。
予想以上に濃厚だったのに後味が悪くないのは、荒野が環境の割には比較的素直かつ奥手で、ようやく女の気配をさせ始めた所であっさり閉じられてしまうからだと思う。
思春期とか第二次性徴期とかそう言った言葉で片付けてしまうのが惜しくなる、少女の成長の物語。
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