無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
千夜一夜物語になぞらえて、誰かの物語の物語の物語…が無限に続く構造になっていて、脳がバグっちゃいそうでした。自分がどこにいるかわからなくなるような夢の中にいるような感覚に襲われます。
1〜3章の熱帯に現実が侵食されていく狂気も好きだったし、4章以降がシンプルにファンタジー冒険活劇もので、自分が度々ありえないことが起こる世界を探索してるようで、ワクワクして一気読みしてしまいました。
読んでて「君たちはどう生きるか」を初めてみたときのあの意味分かんなさすぎて圧倒される感じが思い出されました。また読んだら、1〜3章とそれ以降のつながりがもっとみつけられるのかも。失踪した読書会メンバーはそれぞれの物語の世界に入っちゃったってことでしょうか?誰か教えてください… あーでもこうでもって、誰かと考察し合いたい本です。
「熱帯」について
現代日本版の「千夜一夜物語」は、古川日出男の「アラビアの夜の種族」や星野智幸の「夜は終わらない」などの名作がありますが、森見登美彦の「熱帯」もその系譜に繋がる作品だと思う。
語り手は作者の分身である「モリミン」。小説が書けず、スランプ気味のある日、謎の本をめぐる物語を思いつく。
「汝にかかわりなきことを語るなかれ」という警句から始まる、「熱帯」という本の記憶が甦ったからだ。
見るからに、虚実の境があやしくなりそうな危ない設定だ。この本を最後まで読んだ者は一人もいない。
語り手は奇妙な「沈黙読書会」で本に再会し、「学団」がその内容の全貌をつかもうと研究を重ねている事を知るが、「熱帯」にはどうしても切り抜けられない「無風帯」がある。
謎の追求は、アラビアンナイト風の入れ子構造をもって、とんでもない展開になっていく。
因みに、作中に出てくる「虎」は作者に言わせると、自分が頭でコントロールできない何かだとか。
本は幾多の本を呼び込む。書物とは一体、誰が書くものなのか? 作者ではないかもしれません。
このモリミーの「熱帯」は、壮大な本の冒険であり、創作論でもあり、時を超える蠱惑の語りにゆったりと身を任せられるのです。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
少年・青年マンガ
小説・文芸
小説・文芸