離陸

離陸

968円 (税込)

4pt

失踪した〈女優〉を追って、平凡な人生が動き出す
時空を超えて足跡を残す〈女優〉とは何者か。
大切な人を喪い、哀しみの果てに辿りつく場所とは。
透徹した目で人生を描く感動長編。

国交省から矢木沢ダムに出向中の佐藤弘のもとへ、ある夜、見知らぬ黒人が訪れる。
「女優の行方を探してほしい」。
昔の恋人はフランスで、一人息子を残して失踪していた。
彼女の足跡を辿る旅は、弘の運命を意外な方向へ導いていく。

〈生きている者は皆、離陸を待っているのだ〉。
静かな祈りで満たされた傑作長編小説。

解説・池澤夏樹

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離陸 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    喪失にどう接するか、をテーマだと感じた。乃緒を失った複数の人々がどこかで接点を持ち、影響を与えあう。ブツゾウに視点をおいた作品も描いて欲しいと思った。

    0
    2025年10月30日

    Posted by ブクログ

    水の番人サトーサトー。ブツゾウとアカネを見守って。離陸はまだまだ。
    3年ぶりに読み返して、やっぱり凄かった。

    0
    2024年07月07日

    Posted by ブクログ

    一週目ではまだ分かりきっていない感はあるけどすごくじんわりくる良さだった。
    死を飛行機が離陸することで表していて、その表現がスッとはいってきた。

    0
    2021年05月08日

    Posted by ブクログ

    作品ごとに色を変えてくる絲山作品において、特にこれは、ジャンルとしてミステリの範疇に入れたい一冊。巻末で絲山先生が伊坂幸太郎さんに「女性のスパイものを!」と請われて書いたということを語っていらっしゃるが、まさに堂々のエスピオナージュものである。
    また文学として、語り部である主人公の佐藤だけでなく、幾

    0
    2018年01月31日

    Posted by ブクログ

    へぇ、絲山さんってこういうのも書くんだ、って感じの小説だった。ダム管理の現場から始まるから、らしいなって思ってたんだけど、読んでいくうちにミステリーのような、ファンタジーのような色合いが出てきてびっくりした。時空を超え、かつパリが舞台の一つになっていることから辻仁成の『永遠者』を思い起こさせるような

    0
    2017年07月29日

    Posted by ブクログ

    絲山秋子にしては珍しくかなりの長篇。何かを解決する類いの小説ではないので、消化不良を起こす読み手もいるかもしれない‥‥とは思った。ただ自分的には、主人公・サトーサトーの人生を生きているような主観的視点が妙に心地よくてしっくりとハマった。

    0
    2023年02月03日

    Posted by ブクログ

    2020末に橙書店にて購入。
    大人な感じの物語。
    タイムスリップなのか、ミステリなのか、全てが曖昧なままだけど、私にしては珍しく、受け止められた。
    前半、八木沢、東京、四日市、フランスの場面から
    後半は熊本、人吉、八代、唐津、福岡、馴染みのある場所が出てきて、入りやすかったのかもしれない。
    人吉の豪

    0
    2021年02月18日

    Posted by ブクログ

    不思議な本。
    ミステリーでもないし、恋愛小説でも、ファンタジーでもないが最後は、腹落ちのする本でした。

    0
    2017年04月16日

    Posted by ブクログ

     この小説は間違いなく「道中」が面白い小説でした。
     人は誰しもいずれは死という結果に行き着くものだし、そこに至るまでの道中に意味を持たせる必要はない。滑走路を走っているうちにいつかふわりと離陸していくものなんだと思った。
     作中で解決されない謎があるが、それはたまに思い起こす昔の消化不良の恋みたい

    0
    2025年07月07日

    Posted by ブクログ

    村上春樹的な訳のわからなさがある。「死とは離陸すること。みんな駐機していて、いつかは離陸する」っていうのは分かったんだけど。
    訳のわからないくせに最後まで一気読みさせるからすごい。

    0
    2022年10月11日

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