沖で待つ

沖で待つ

502円 (税込)

2pt

第134回芥川賞受賞作。待望の電子化!

仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすため、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作。待望の電子化。「勤労感謝の日」「みなみのしまのぶんたろう」併録。

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沖で待つ のユーザーレビュー

「同期」とは不思議なもの。私には十数名の同期入社がいます。助け合い、張り合ったり、時には呆れもしますが、根っこには常に信頼と感謝の気持ちがあります。友達や家族や恋人とは違う、いわば運命共同体。同時に入社しただけで、「同期」という関係は会社を出ても年をとっても変わらず、血脈のように続くのです。
「沖で待つ」は同期の絆の物語。入社直後に福岡配属になったふとっちょの「太っちゃん」とバリバリ女子「及川」が、社会人として助け合い成長する中である約束をします。
  「先に死んだ方のパソコンのHDDを、後に残ったやつが破壊するのさ。」
人に見られたくない自分の趣味嗜好の塊を託せる人、というのは同期という距離感の信頼関係があってこそ。それからしばらくして、太っちゃんは事故によって死んでしまい、及川は一人で約束を実行に移すべく彼の家へ向かうのですが…。
死によって消えるものと消えないものがそっと見えてきて、周りの人に優しくなれます。少し照れくさいけど、同期に薦めてみたい一冊。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    良い。大好き。さらっと読めるのに全部が詰まってる。
    死んだ太っちゃんが当たり前のように喋る世界。時系列が戻っていって回想のような話で進むけど、途中で、あっ、そういえば死んでいたんだった、って、死ぬシーンで思い出す。
    人々の描写が、手触りがやわらかい。極限まで削ぎ落とされた優しい文章。みんな頑張って働

    0
    2024年07月19日

    Posted by ブクログ

    3編ともおもしろいが、やはり表題作『沖で待つ』が特に良かった。登場人物、彼らの会話がおもしろく魅力的。会社の中での「同僚」という人間関係。時に共に喜んだり時には互いの失敗をフォローしたり、日々仕事の中で同じ体験を共有しており、飲むと学生時代の友人以上に話がはずんだり…。読んでいると、その人間関係がリ

    0
    2024年03月10日

    Posted by ブクログ

    好みの作品に出会えました。
    どちらの作品も仕事に焦点が当たっていて、さまざまな視点からの仕事観が描かれていてとても楽しかった。
    勤労感謝の日、凄く良い!!
    知性溢れる毒舌と皮肉混じりの後輩との会話が本当に好きすぎました。

    0
    2023年05月21日

    Posted by ブクログ

    3作とも最後にほろっとして微笑んでしまうものでした。
    図らずも都合退職してしまった恭子の話。
    同期だった太っちゃんが死んでしまった話。
    ナガタチョーで大臣だった「ぶんたろう」が南の離島に左遷されてしまった話。

    最後にふっと息を吐いてニンマリしました。

    0
    2022年10月31日

    Posted by ブクログ

    過去の記録をたどると、16年ぶりに読んだらしい。
    その間も、たまに思い出したりはしていた。
    「仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。同期ってそんなものじゃないのかと思ってました」
    この言葉が心に残りすぎていて、そんなに間が空いていたとは思わなかった。

    もう一編の「勤労感謝の日」は、年

    0
    2025年01月30日

    Posted by ブクログ

    仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる
    この「仕事のことなら」は、必要ないんじゃないか。
    現に、罪悪感を抱えながらも部屋へ忍び込むのだ。約束のために。
    気の置けない、名は体をあらわした太ちゃん。男とか女とか関係なさそう。
    二人に乾杯したい。

    他、
    「鳥飼さんのフキゲンは慣れてますからあ

    0
    2024年11月05日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作です。
    表題の、沖で待つは会社同期の男女間を超えた絆の話。
    自分自身の新人時代を思い出し、懐かしい感触が味わえる作品です。

    併録の「勤労感謝の日」もテンボが素晴らしく軽快で、気持ちよく読み進められる作品です。
    芥川賞というと純文学で難解な作品が多い印象ですが、この作品は非常に読みやすく

    0
    2024年07月08日

    Posted by ブクログ

    絲山秋子先生の作品は初めてでした。
    僕個人の感想ですが、大きく起伏のある感じではありませんでしたが、しっかり登場人物に感情移入できる作品でした。3作ありましたがどれも良い作品です。中でも1話目が好きです。

    0
    2024年06月08日

    Posted by ブクログ

    勤労感謝の日

    「あまり大袈裟じゃなく、ホームパーティーみたいな感じ」ではあっても一応お見合いで呼ばれたのに、あのナリと態度の男性の方がどうかと思ってしまう私は、主人公目線…
    いや、私が彼女の母なら、その場は取り繕っても、速やかにお断りの連絡を入れるでしょう



    沖で待つ

    太っちゃんの言葉のチョ

    0
    2023年12月15日

    Posted by ブクログ

    自分が、新入社員だったころのことを、思い出しました
    仕事が上手くできず、上司との関係が悪化して苦しみ、生きるのをやめようと思って、下を向いて働いていた時に、気づいたら隣にいて、笑ってくれた同期がいました
    勝たなくていい、負けないでいこうや
    そんな気持ちが伝わった気がします

    仕事の同期は、友達とは、

    0
    2023年07月23日

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