海の仙人

海の仙人

407円 (税込)

2pt

宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。

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海の仙人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    作者が描く風景とメッセージが胸に流れ込んできて、いい読み心地でした。絲山秋子さんの物語はどっしり背中を預けて読めます。

    0
    2024年03月18日

    Posted by ブクログ

     主人公の不思議な生活ぶりが面白い。なんでよりにもよって山陰の薄暗い地域など好んで住むのか、海の近くなら静岡などの方がずっと暮らしよいと思うのだが、そうしたくなる気持ちが読み進めると理解できる。セックスレスでありながら女性を求めるのは相手に対してひどいのではないか、しかしそうなってしまうのも仕方がな

    0
    2021年02月26日

    Posted by ブクログ

    その名もファンタジーて。ってとりあえず突っ込みたくなる本作。そのファンタジーをネタにした軽い笑いも要所要所にちりばめつつ、圧倒的リーダビリティで物語は進む。健康的に登場した彼女が、気が付けば不治の病に侵されたりとか、主人公が盲目になったりとか、展開の速さにも驚かされるんだけど、それが無理なく話の中に

    0
    2019年11月22日

    Posted by ブクログ

    日常を生きるなかで、こういう読み物が連れて行ってくれる世界がどれだけ潤いになっているか。
    あらためて感じさせられた。

    自分が読んだ本を人に薦める人がいる。今までは自分はあぁはならないぞと思っていたけど、汲々とした時を過ごしている人には何よりも、こういう世界に連れて行きたくなる。 だから、今は人に

    0
    2019年10月02日

    Posted by ブクログ

    宝くじを当てて敦賀の海辺に移り住んだ河野。自身のことを役立たずの神様と呼ぶファンタジー。岐阜から遊びに来たかりん。河野の元同僚の片桐。どれも魅力的なキャラクターで、それぞれの道をのびのびと歩んでいるの感じがとてもよかった。
    あらすじだけ読んだときは変な名前の神様が出てくるし、それこそファンタジー小説

    0
    2019年09月24日

    Posted by ブクログ

    このお話に出てくる人はみんなそれぞれ孤独なんだけど、それは自分が選択した孤独で、そのことを自分でちゃんと分かっている。孤独に対する責任感みたいなものもあって、作者の人間性?とか考え方が出てるなと思った。はじめて読んだけど、絲山さんを好きになったし作品をもっと読みたい。一番好きな登場人物は片桐だけど、

    0
    2018年07月24日

    Posted by ブクログ

    波間にいるような、砂地に足を囚われているかのような……。とてもたおやかで寂しくてりんと強い。
    過去に向き合おうとしても簡単に乗り越えさせてはくれない、悲しみは次々と自らを襲う。人は皆、自らに降りかかる孤独からは逃れられない。
    ただわたし達はわたし達として生きていくしかないのだな、と静かに淡々と突きつ

    0
    2017年12月16日

    Posted by ブクログ

    数ある絲山秋子さんの名作の中でも一、二を争う名作ではないでしょうか?物語中盤、日本海沿いにファンタジーと元同僚の女性とのドライブ旅の情景が特に好きです。

    0
    2016年03月16日

    Posted by ブクログ

    静かに風が吹くような読み心地。
    登場人物みんなしっかりとした価値観をもつ成熟した人たち。
    どっしりと構えて、多少のことでは揺らがない芯を感じ、好ましく思う。

    ファンタジーという神様のようなものの名前が秀逸。孤独と寄り添うような、夢を見せるような名前だが、実態はないという。
    実際に神様に出会ったら縋

    0
    2024年06月26日

    Posted by ブクログ

    良書☀️あの、関西弁、まったり加減、癒される。静かな物語だったけど、心に残る。また時間を置いて読みたい一冊‼️

    0
    2024年06月10日

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