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Posted by ブクログ
面白かった。
静かな、暗くはない、淡々とした文章が続く。けど、それが心地よく、読んでて癒された。
孤独は必要なもの、大切なもの、人それぞれが持ってて、それを抱えていくことを前提として生きていかないといけないもの。最近、孤独ってことについてあまり考えてなかったなと思う。忘れてた。意識してなかった。でも、普通にとても大切なことだと思い返す。
登場人物が5人くらい出てくるだけど、みんな相手に深入りをしない。それは、実際には、現実には、押しが弱いとか、逃げてるとか、相手のためじゃないとか言われがちだけど、それが肯定的に書かれてて、そういう人たちじゃないと、作れない世界もあるよね。それを否定されるのは違うよね。
とにかく面白く2日で一気に読んでしまった。
自分も来年は、40歳になり、これから先の孤独とか繋がりとか老いとか色々考えてしまって、答えはもちろん見つからないんだけど、とりあえず本は読み続けよう。
Posted by ブクログ
日常を生きるなかで、こういう読み物が連れて行ってくれる世界がどれだけ潤いになっているか。
あらためて感じさせられた。
自分が読んだ本を人に薦める人がいる。今までは自分はあぁはならないぞと思っていたけど、汲々とした時を過ごしている人には何よりも、こういう世界に連れて行きたくなる。 だから、今は人に本を薦めるお節介も許せてしまう気分だ。
読み終えて、「宝くじを買わなくちゃ」と思った人もきっといる。わたしもだけど。
河野の生き方が、生きる世界が現実の煩わしさから遠いところにあるだけでなく、彼が抱えた人生の苦難に静かに向かう姿勢、滲み出る佇まいに共感を覚え、愛してしまった人たちが、彼の世界を創っていることもわかってくる。
ここには心地よくて、頼りにならない神の寄り添う『ファンタジー』の世界がある。
Posted by ブクログ
宝くじを当てて敦賀の海辺に移り住んだ河野。自身のことを役立たずの神様と呼ぶファンタジー。岐阜から遊びに来たかりん。河野の元同僚の片桐。どれも魅力的なキャラクターで、それぞれの道をのびのびと歩んでいるの感じがとてもよかった。
あらすじだけ読んだときは変な名前の神様が出てくるし、それこそファンタジー小説なのかな?なんて思っていたけれど、決してそんなことはなかった。魅力的なキャラクターが登場するけれど、べたべた依存するような関係はなく、それぞれがそれぞれの孤独を抱えて、それを認めながら生きていた。この小説は人間の孤独さを描いていて、けれど孤独が悲しいこととして描かれていないことがいい。
Posted by ブクログ
不思議な物語だった。
今小説に出てきた『恋はあせらず』という古いナンバーを聴いている。
ファンタジーは自分のそばにもいるのかもしれない。
「誰もが孤独なんだよ」とつぶやきながら、そっと傍に佇んでくれている気がする。
「孤独ってえのがそもそも、心の輪郭なんじゃないか?外との関係じゃなくて自分のあり方だよ。背負っていかなくちゃならない最低限の荷物だよ。」という片桐のセリフが胸に刺さる。彼女の自分に厳しい優しさは魅力的だ。
主人公のあくまで自分を大切にする姿勢もいい。そのことによって、結果的に人を傷つけることになったとしても。自分を曲げて、自分が壊れていくよりも。
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