馳星周の作品一覧
「馳星周」の「殺しの許可証 アンタッチャブル2」「フェスタ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「馳星周」の「殺しの許可証 アンタッチャブル2」「フェスタ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
横浜市立大学文理学部卒。1996年『不夜城』でデビュー。『夜光虫』、『M』、『生誕祭』など数多くの作品を手がける。『不夜城』で第15回日本冒険小説協会大賞日本部門大賞、第18回吉川英治文学新人賞を受賞。映画化もされている。『漂流街』、『M』も映画化されている。
小説・文芸
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Posted by ブクログ
奈良時代、藤原氏中心の三部作もいよいよラスト。藤原氏四兄弟が疫病に倒れた後。武智麻呂の子、仲麻呂が主役。
仲麻呂は、光明皇后と阿倍内親王を後ろ盾として、様々な策をめぐらせながら、権力を独占していく。「理と権威と恐れで臣下たちを束ねて」いく。
何度も繰り返されるのは「情と理」
大宰府に追いやられる吉備真備を思う阿倍内親王に対し「たかが臣下の動向に心を痛めるとは、心根が甘すぎる。」と考える。
光明皇后には「よく切れる頭と、鋼のように強い意志を持っていても、女人は女人なのだ。理知より情を優先する。」と考える。
阿倍内親王は仲麻呂を「切れ者過ぎる故、自分より劣る者の心中を忖度することができない。」「目に見えぬ太刀を振り回し、立ちはだかる者どもをなぎ倒していく。」と見ている。
光明皇后の仲麻呂への言葉に「人はそなたのように理だけでは動きません。情で動くのです。情をないがしろにする者に誰が従いましょうか。」ともある。
そして ついには、阿倍内親王の「果てしない孤独の中をさまよっているかのような寂しさ」を気づこうともせずにいたことが、吉備真備や道鏡の持つ情によって失脚を招いていく。恵美押勝の乱。
敗走する中で、以前、石川年足に言われた「情のないものには誰もついてまいりません。」という言葉が頭の中に響く。臣下たちは次々と寝返っていく。しかし仲麻呂は、むしろ天皇と皇室を滅ぼし唯一無二の存在になることを目指すべきだったという考えに至る中で捕われ、最期を迎える。
三部作と言わずに、まだまだこの先も書いてほしいなあと思った。