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Posted by ブクログ
スリリングな歴史群像ノワール。単行本で一度読んだものを、文庫化を機に再読。大傑作『比ぶ者なき』の続編。前作の主人公藤原不比等の息子四兄弟、武智麻呂・房前・宇合・麻呂と長屋王の政争を描く。前記の五人に加えてさらに、聖武天皇、光明皇后、橘三千代、元正上皇といった面々が歴史のプレイヤーとなる。血こそ流れる分量は少ないものの、それぞれがそれぞれの思いと目的を胸に、嘘をつき、騙し騙されしつつ物語がダイナミックに動いていく、という意味ではこれもまた馳ノワールではないか。史実を元にしている上に、再読なので、事の顛末も結末も知っているのに、これからどうなるのか、これからどうなるのか、という興味、応酬される腹に一物を持つもの同士(中にはまっすぐな人物もいるのだが、そういう者 は食いものにされる)の台詞の妙が面白くて面白くて、巻を置く能わず、夢中でほぼ一気読み。
Posted by ブクログ
藤原不比等の四人の息子たちの物語
奈良時代の話
物語は藤原不比等が死去し、聖武天皇が即位するかしないかのあたりから始まります。
澤田瞳子さんの月人壮子を以前読んでいて(本書よりも少し後の話)少しだけ(ほんの少しだけ)予備知識がありましたが、現代の日本人達とは全く名前の音が異なり、中国の武将の方が覚えやすいと思える登場人物達の名前・・・
私の勝手なイメージでは藤原不比等は絶大な力を持っていたが息子達は四人でなんとか頑張って藤原氏を盛り立てていたのではと思いきや本書は全く異なる、権謀術数ひしめく宮廷劇!!!
誰が誰の仲間で誰を信じられるのか?
物語のスピード感はドロドロしした煮え切らない前半と、吹っ切れた途端に豪速球の後半でした!!
前後逆にはなりますが、同作者の『比ぶ者なき』も読みたいと思います!!!
Posted by ブクログ
私の好きな奈良時代、それも初期、藤原四子が主役とあって非常に期待して手にした作品。
感想としては期待未満。ストーリーのテンポは良いが、その分事件の掘り下げが低いように感じる。コロコロと視点が変わる(だいたい10p以内)ため、感情移入がしづらいように感じた。
それでもキャラ付けは分かりやすく、武智麻呂派か、房前派かで議論も白熱しそうな構造。私は房前の自分本位な性格に嫌悪を覚える。確かに武智麻呂は家を守ることしか考えておらず政を疎かにしているかもしれない。ただそれでも時勢を読み柔軟に策を練る努力をしている武智麻呂に好感を覚え、綺麗事だけを突き詰める房前は夢想家で、厳しい目を向けたくなる。武智麻呂派の中では麻呂が良い。何より家族を守ることを信念に持つ麻呂はこの時代において愛すべき人物だと思う。
この後の葛城王(橘諸兄)や仲麻呂の時代を知るからこそ、興味深く読めて、歴史物の良さは十分に体感できた。
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