【感想・ネタバレ】四神の旗のレビュー

あらすじ

謀略に次ぐ謀略!
有力皇族の誅殺、忍び寄る疫病の影――。
藤原家の四子がこの国にもたらしたのは、栄光か、破滅か?
直木賞作家にしてノワール小説の旗手が、古代史上最大の闇に迫る衝撃作。

藤原武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の意志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。
皇族と藤原家。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる――。

〈解説〉木本好信(元龍谷大学教授、奈良時代政治史)

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Posted by ブクログ

比ぶ者なきの続編。藤原不比等の息子達長男武智麻呂、次男房前、三男宇合、四男麻呂の政略を描く。長屋王を謀略で葬り、長男武智麻呂が権力を掌握するが呆気なく4兄弟は疫病でこの世を去る。因果応報だな。

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2024年07月04日

Posted by ブクログ

スリリングな歴史群像ノワール。単行本で一度読んだものを、文庫化を機に再読。大傑作『比ぶ者なき』の続編。前作の主人公藤原不比等の息子四兄弟、武智麻呂・房前・宇合・麻呂と長屋王の政争を描く。前記の五人に加えてさらに、聖武天皇、光明皇后、橘三千代、元正上皇といった面々が歴史のプレイヤーとなる。血こそ流れる分量は少ないものの、それぞれがそれぞれの思いと目的を胸に、嘘をつき、騙し騙されしつつ物語がダイナミックに動いていく、という意味ではこれもまた馳ノワールではないか。史実を元にしている上に、再読なので、事の顛末も結末も知っているのに、これからどうなるのか、これからどうなるのか、という興味、応酬される腹に一物を持つもの同士(中にはまっすぐな人物もいるのだが、そういう者 は食いものにされる)の台詞の妙が面白くて面白くて、巻を置く能わず、夢中でほぼ一気読み。

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2024年03月30日

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奈良時代、藤原不比等の4人の息子たちの物語。
藤原家が権力を握るための策略が恐ろしい‥

「権力は近づけは近づくほど人を魅了する。」
いつの時代も権力って本当に怖いわ‥

そして4人の最期も恐ろしい‥

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2024年12月29日

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不比等以上に知ってるようで知らない四兄弟、凄い新鮮でした。言葉遣いも呼称も時代考証無視で割り切って書き切る姿勢にも感銘。2024-046

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2024年09月28日

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藤原不比等の四人の息子たちの物語

奈良時代の話

物語は藤原不比等が死去し、聖武天皇が即位するかしないかのあたりから始まります。

澤田瞳子さんの月人壮子を以前読んでいて(本書よりも少し後の話)少しだけ(ほんの少しだけ)予備知識がありましたが、現代の日本人達とは全く名前の音が異なり、中国の武将の方が覚えやすいと思える登場人物達の名前・・・


私の勝手なイメージでは藤原不比等は絶大な力を持っていたが息子達は四人でなんとか頑張って藤原氏を盛り立てていたのではと思いきや本書は全く異なる、権謀術数ひしめく宮廷劇!!!
誰が誰の仲間で誰を信じられるのか?

物語のスピード感はドロドロしした煮え切らない前半と、吹っ切れた途端に豪速球の後半でした!!


前後逆にはなりますが、同作者の『比ぶ者なき』も読みたいと思います!!!

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2024年04月19日

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日本史で習ったはずなのに、それも遠い昔となれば、なんで藤原氏は天皇家と深く繋がってるんだっけと、訳がわからなくなっていた。この本の前に永井路子の「この世をば」を読んだので。 そして、遡ってみて、家系図を見て、そうだったなと、微かに思い出し。 本を読んで、理解できないことを調べて、頭を柔軟にしておこう

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2024年01月27日

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ネタバレ

藤原不比等の四人の息子、武智麻呂、房前、宇合、麻呂の代の物語。藤原家がさらなる権力を得ようとする。そこに立ちはだかるのは長屋の王。
橘三千代とその娘安宿部姫が入内する一条天皇も、藤原氏の一族に翻弄される。
歴史の通りと言っては元も子もないが、結末はやはり驚く。
この時代がますます面白くなってきた。
続編はまだある。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

奈良時代が面白い、と言っていた僕としては、正にドンピシャの作品である。その通り、非常に面白かった。が、またやってしまった。これを読む前に、藤原不比等を主人公にした作品を読むべきだった。早速、購入したけど、少し間をおいて読もう。

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2024年01月09日

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『続編はどうしようかな~』、と思ってたんだけど、やっぱり気になって。受験用の勉強のご多分に漏れず、聞き覚えがあるのは、主要人物や政変の名前と、大体の順番くらい。具体的な背景とかはほぼ無知だから、内実を知る楽しさが大きかった。となると、三部作完結編となるであろう次作も、当然のこと気になる訳で。

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2024年01月09日

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 私の好きな奈良時代、それも初期、藤原四子が主役とあって非常に期待して手にした作品。
 感想としては期待未満。ストーリーのテンポは良いが、その分事件の掘り下げが低いように感じる。コロコロと視点が変わる(だいたい10p以内)ため、感情移入がしづらいように感じた。
 それでもキャラ付けは分かりやすく、武智麻呂派か、房前派かで議論も白熱しそうな構造。私は房前の自分本位な性格に嫌悪を覚える。確かに武智麻呂は家を守ることしか考えておらず政を疎かにしているかもしれない。ただそれでも時勢を読み柔軟に策を練る努力をしている武智麻呂に好感を覚え、綺麗事だけを突き詰める房前は夢想家で、厳しい目を向けたくなる。武智麻呂派の中では麻呂が良い。何より家族を守ることを信念に持つ麻呂はこの時代において愛すべき人物だと思う。
 この後の葛城王(橘諸兄)や仲麻呂の時代を知るからこそ、興味深く読めて、歴史物の良さは十分に体感できた。

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2024年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

奈良時代初期の藤原四兄弟と長屋王の対立を描いた歴史小説。

長屋王の変は史実としては知っていましたが、本作は変への房前不関与説をとっているのが珍しかったです。
それにしても四兄弟の天然痘での全滅は、平安時代の兼家一族の道長以外の興亡とあまりにも類似していて恐ろしいです。
前作「比ぶ者なき」の不比等に続いての作品で、この後に藤原仲麻呂の「北辰の門」が続くので楽しみです。

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2024年04月19日

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