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疫病に荒れた世を建て直す救国の英雄か、
古代社会を破壊する稀代の逆賊か。
謎多き人物の実像に、直木賞作家の筆が迫る。
時は天平。都には天然痘が蔓延し、朝廷にて我が世の春を謳歌していた藤原一族も権勢に陰りを見せていた。その中において、ひとり異彩を放つ男がいた。藤原仲麻呂(恵美押勝)。祖父・不比等や父・武智麻呂の血を色濃く受け継いだこの男は、叔母の光明皇后や次代の天皇である阿倍内親王の寵愛を受け、急激に頭角を現していく。だが仲麻呂は、祖父や父も持ちえなかった、危険な野望を胸に宿していた。北辰の門――この国の皇帝となる道を開こうとした男の、鮮烈なる一生。
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Posted by ブクログ
平安時代に最盛期を迎える藤原一族。彼らの成り上がりを描くシリーズ3作目の主人公は藤原仲麻呂。祖父・不比等譲りの才覚、他人を敵と味方にはっきりと区分する非情さ。徹底した合理主義を持ち、天皇も凌ぐ絶対的な権力を追い求める。
一方、仲麻呂と対照的に描かれるのが阿倍内親王。権力よりも、女としての平穏な人生を夢見る。が、母親の光明皇后と仲麻呂の重圧が彼女を苦しめる。人生をあきらめていた彼女だが、母の死と僧・道鏡との出会いをきっかけに自立し、仲麻呂に正面から立ち向かう存在へと成長する。
最高権力者になったはずの藤原仲麻呂だが、その没落も早く、その最期は実にあっけなく、あっという間だった。結局は人情のなさが招いた自業自得なのだが、当の本人はそれをわからず。今も昔も人間関係は大事なのだ。
Posted by ブクログ
藤原三部作これにて終了!
今作は藤原武智麻呂の息子仲麻呂が主役。
権力の権化というべきか、天皇をも自分の持ち駒の一つとしてしか考えず皇帝を目指す様に著者お得意の暗黒小説のテイストを垣間見た。
中盤で道鏡が出てきた時にはジャブローでシャアが登場するシーンが蘇り、「奴だ。奴が来たんだ」と思わず口走ってしまったよ。
でも間違いなくシャアではない!むしろラスプーチンに近いかな。
まぁ道鏡は仲麻呂にとって邪魔な存在だったというのは間違いないのだろうけど、吉備真備の復活が致命的だったかな。海よりも深い智と思慮を持つものは強い。
最終盤に仲麻呂が天皇と皇室を滅ぼし唯一無二の存在になるべきだったという考えに至った時には少しゾッとした。
そして不比等に帰る。良い締め方だったように思う。
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