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Posted by ブクログ
中臣鎌足の子でありながら、父の死により後ろ盾を失った藤原不比等が主人公。 壬申の乱を経て激変する朝廷において、彼は類まれな知略と冷徹な意志を武器に、権力の中枢へと這い上がっていく。律令国家の完成と、藤原氏による千年続く繁栄の礎を築くため、天皇や政敵、さらには肉親さえも利用し、国家という巨大な装置を造り上げていく。。。特徴は、日本史上最大の政治家藤原不比等の生涯を野望のために歴史を捏造という新説に基づき、物語を構築した点。そして、ノワール小説の旗手である筆者が”政”のどろどろ感を圧倒的なリアリティにて表現した点かな。一気読みの5スターですよ~
Posted by ブクログ
然程、小説作品が多くはないかもしれない、古代史の世界を背景にした物語なのだが、巨大な野心を胸に大胆な活動を展開したという男の生き様という感である。
『比ぶ者なき』(ならぶものなき)という題名であるが、これは本作の主人公の名に由来するものである。「藤原不比等」という、「日本史の教科書で、とりあえずその名を視掛けたような?」という人物が主人公だ。「不比等」という名は「等しく比ばず」ということで『比ぶ者なき』(ならぶものなき)なのだ。
本作の始めの方で、藤原不比等は「史」(ふひと)と名乗っている。寧ろ不遇な状態であるが、大海人皇子(=天武天皇)の後継者と目された草壁皇子に仕えていた。この状況から、『比ぶ者なき』(ならぶものなき)となって行くまでの物語が本作だ。
古代史の世界を舞台とはしているが、理解者や敵対者との色々な交わりの中で「巨大な野心」を燃やす男の物語として、或る程度「普遍性」を帯びているのが面白い。そして、本作の中で明らかになる「巨大な野心」の正体が興味深い。
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