彼の名は藤原不比等。自らの野望のために一三〇〇年の間、日本人を欺き続けた男――。ノワール小説の旗手が放つ、衝撃の古代歴史巨編
万世一系、天孫降臨、聖徳太子――すべてはこの男がつくり出した。藤原史(のちの不比等)が胸に秘めた野望、それは「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神の一族となることで、永遠の繁栄を手にすることであった。古代史に隠された闇を抉り出す会心作。
Posted by ブクログ 2021年04月11日
ふらっと入った本屋で平積みされてたのを直観で購入。こいつぁ大当たりだった!
読んでて日本史の記憶がふわっとよみがえる瞬間が何度もあり、更に調べたくなる欲求を抑えながら読みました笑
いやぁ、書くのがうまいってことだよね。
読者の知識レベルはバラバラだろうに、それでもあっと言わせる感じは読み応え抜群です...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月18日
然程、小説作品が多くはないかもしれない、古代史の世界を背景にした物語なのだが、巨大な野心を胸に大胆な活動を展開したという男の生き様という感である。
『比ぶ者なき』(ならぶものなき)という題名であるが、これは本作の主人公の名に由来するものである。「藤原不比等」という、「日本史の教科書で、とりあえずその...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月08日
日本史で真っ先に学ぶ時代だし、残された資料が乏しいこともあってか覚える事項も少ないから、比較的記憶に残りやすい天皇黎明期の物語。なるほど、タイトルは不比等由来って訳か。天皇制にとって都合よく捏造されたという日本書紀の解釈も、かなりの説得力あり。そういった常識をひっくり返される爽快感と、テンポの良い展...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月04日
歴史小説。歴史が、物凄く苦手な私ですが、小説だと読みやすく感じるので、たまに読みます。鸕野讚良皇女(持統天皇)が、孫の軽皇子を玉座に座らせるために、藤原不比等と手を組む。藤原不比等は、自らの野心を叶えるために利用する。聖徳太子が、不比等により作られた人物だとは、驚きでした。不比等の自身の野心を叶える...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月25日
馳星周 「 比ぶ者なき 」
天皇主権の国家を作り、その国家に藤原氏を組み込んだ 藤原不比等 の黒幕史
藤原不比等の権力の用い方は 恐怖政治でなく心理操作。藤原家の栄華の野心を、天皇への忠誠という大義で隠しながら、巧みに人を動かしている
藤原不比等、柿本人麻呂、聖徳太子、日本書紀を取り上げなが...続きを読む