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清張地獄八景
みうらじゅんの清張愛炸裂! 人間の業や深い闇を暴き出す清張は、ホラー作家だ! 押したら最後、底無しの「生き地獄」へ転落してしまう「清張ボタン」とは? 松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、 「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。 数多くの清張原作作品に出演している岩下志麻、船越英一郎のインタビューや対談をはじめ、 佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫、泉麻人、春日太一……ほか、著名な作家の再録記事も多数掲載。 清張原作のNHK土曜ドラマの演出家だった和田勉の随筆、『砂の器』など清張原作映画の脚本家である橋本忍のインタビュー、 清張が井上ひさしや女性ファンに書いた手紙、清張による江戸川乱歩への弔辞、直子夫人へのインタビュー、 朝日新聞勤務時代の同僚による清張の思い出、清張が描いたエッセイ漫画や絵など、貴重な原稿や写真も収録。 松本清張の小説世界、人柄、映像作品の魅力がよくわかるので、清張ファンはもちろん、未読の人の入門書としてもおすすめ。 「清張地獄」に堕ちたくない人はぜひ! *巻末に文庫特典としてみうらじゅんのインタビューを収録。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行されたムック『みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』を文庫化したものを底本としています。 -
ミルク・アンド・ハニー
文学賞三賞に輝いた前作『ダブル・ファンタジー』に続く、魂と官能の傑作長編小説。 脚本家・高遠奈津は、創作の鬼に導かれるようにして夫との穏やかな暮らしを捨てた。 いくつかの恋を経て、現在は物書き志望の恋人・大林一也と暮らしているが、 大林もまた奈津の心と身体を寂しくさせる男だった。自分に触れず、遊び歩くばかりの 大林に気を遣いプレゼントを捧げ続ける日々の中で、元恋人たちと逢瀬を重ねる奈津だったが―― 自由と官能、孤独と愛憎の果てに、奈津がたどり着いた果てとは? 「週刊文春」連載中から「面白過ぎる」と多くの読者・執筆者を夢中にさせた強烈な吸引力のある一冊。 解説・辻村深月 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
呪われた町
モダン・ホラーを生み出したスティーヴン・キングのデビュー第2作。 恐怖の帝王のすべてはここから始まった。伝説の名作が装いを新たに復活! 「友達にも恋人にもならない。死と恐怖の王たる吸血鬼。その偉大なる碑」――小野不由美 荒れ果てた屋敷が丘の頂から見下ろす町、セイラムズ・ロット。そこに幼い頃住んでいた小説家ベンが帰ってきた。町は平穏に見えたが、ある夜、ベンは丘の上の屋敷に灯が点っているのを見る。あの屋敷を買った者がいるのだ。そしてある日、幼い少年が忽然と姿を消した……。 デビュー長編『キャリー』を刊行し、ベストセラー作家となったキングが、専業作家として初めて書き上げた作品が本書。吸血鬼譚を現代に甦らせ、現代ホラーに巨大な影響を及ぼした。「モダン・ホラー」を生み出した普及の名作。 ※この電子書籍は2011年11月に集英社文庫より刊行のものを、文春文庫より刊行した新装版の文庫を底本としています。 -
ブルーネス
〈津波監視システム〉は実現できるのか? はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ! 「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」。 東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学会で異端視されている武智に誘われる。 海洋工学や観測機器などのエキスパートだが個性が強すぎて組織に馴染めない“はみ出し者”たちと、準平は前人未到のプロジェクトに挑むか……。 研究者の情熱ほとばしる科学エンタメ! 解説・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています -
毒々生物の奇妙な進化
世にも不思議な「毒々生物」の知られざる姿とは? 「毒」は人類を救う!? ある日突然、皮膚の一部が青、赤、紫、黒と変色し、やがて壊死する。驚きの症状の原因は小さな蜘蛛だった! この世には想像を絶する「毒々生物」たちが生息している。ゴキブリの脳を乗っ取るハチ、体長3メートルの肉食トカゲ、赤血球を破裂させるクラゲ……。 読めば読むほど「毒々生物」に夢中になる禁断の書! ・インフルエンザ予防のためにヘビ毒を注射する男 ・「刺されると痛い昆虫ランキング」のために78回刺されまくった昆虫学者 ・ペットのヒルを持ち歩き、自分の血を吸わせている寄生虫学者…… 「毒々生物」に魅了された人間たちもこんなにヤバイ! 解説は『ざんねんないきもの事典』監修の今泉忠明。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
1984年のUWF
単行本刊行時に賞賛と非難の十字砲火を浴びた「UWF本の発火点」。 「プロレスから格闘技へ」の過渡期を描く傑作ノンフィクション! 1984年、UWF誕生。新日本プロレスへの復讐のために誕生した団体は 元タイガーマスク・佐山聡の大胆な構想のもとプロレスから逸脱していく。 若者はUWFを真剣勝負のプロレスとみなして熱狂した。 しかし――。 プロレスから総合格闘技への過渡期に痛烈な一閃を浴びせ、 大反響を呼んだ迫真のノンフィクション、渾身の文庫化。 文庫特典「クリス・ドールマンとの一問一答」収録。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
クリスマス・プレゼント
ひねりにひねった短篇16連発。原題もズバリ“Twisted”。これぞ「どんでん返しの魔術師」ディーヴァーの真骨頂だ! スーパーモデルが選んだ究極のストーカー撃退法、オタク少年の逆襲譚、未亡人と詐欺師の騙しあい、釣り好きのエリートの秘密の釣果、有閑マダム相手の精神分析家の野望――。ディーヴァー・マジックが次々に炸裂するミステリー短篇集。お馴染みリンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」は本書のための書き下ろし。2006年週刊文春ミステリーベスト10第8位、このミステリーがすごい!第2位。 -
不思議な宮さま 東久邇宮稔彦王の昭和史
「一億総懺悔」を説いた宮さま宰相は、いかなる人だったのか――。 太平洋戦争を終戦に導いた鈴木貫太郎の次の内閣を引き受けたのが誰か、ご記憶でしょうか。わずか50日間ですが、重責を担ったのが皇族の東久邇宮でした。日米開戦直前の昭和16年秋、総辞職した近衛内閣のあと、東條英機の対抗馬と目されたのも実はこの宮さま。日本の危機に「切り札」として期待された宮さまの実像は、しかしあまり伝えられていません。著者の浅見さんが新史料を駆使して明かすのは、波乱万丈の生涯、痛快無比の個性、勝手放題の実力者ぶり。臣籍降下騒動、女性問題、右翼との危険な関係などなど、興味津々の破天荒人生が初公開されます。 -
陽はまた昇る
20世紀最後にして最大の家電商品・ホームビデオ。VHS方式とベータマックス方式、二つの規格をめぐって、日本ビクターとソニーが死闘を繰りひろげる。規格統一はあるのか。欧州市場は、どちらを支持するのか。そしてついに、高野鎭雄という一人の男の信念が、技術者集団を引っ張り、井深大、盛田昭夫率いる巨人・ソニーとの闘いを制し、世界を相手にひとつの時代の幕を開く。NHKの「プロジェクトX」や映画化で話題をよんだ痛快無比の傑作ビジネス・ノンフィクション。 -
特攻 最後のインタビュー
特攻、これだけは伝えたい。 生還した11人からのメッセージ。 多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。 その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。 四式重爆撃機「飛龍」、 百式重爆撃機「呑龍」、 四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、 九七式艦上攻撃機、 九七式戦闘機、 人間機雷「伏龍」、 零式艦上戦闘機、 一式陸上攻撃機、 四式戦闘機「疾風」、 九三式中間練習機。 心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。 平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。 写真・図版多数。 -
悪声
「ええ声」を持つ「なにか」はいかにして「悪声」となったのか――。 ほとばしるイメージ、疾走する物語。著者入魂の長編小説。 「なにか」は、ある重みをもって、廃寺のコケの上にそっと置かれた――。 京都のはずれの廃寺に捨てられたみどりごは、コケに守られながら生をつなぎ、やがて犬のブリーディングと桜の剪定を生業とする花崎さんに引き取られる。 「なにか」の声は、居合わせた誰もがはっと振り返るような特別なものだった。 長じて歌うことを覚えた「なにか」は、アムステルダムからやってきたサックス・プレイヤーの「タマ」と「あお」の父娘といっしょに、生駒の方舟教会でライブを行う。 奔放な想像力が魅力の、現代を代表する物語作家いしいしんじが、筋立ても分量も、あらかじめ何も決めずに想像の赴くままに書き進めた、少年の一代記。 第4回河合隼雄物語賞受賞作。 解説・養老孟司 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった
アフリカの最貧国・マラウイを食糧危機が襲い、ウィリアム少年は食べていくために中学校を退学せざるをえなくなる。。 しかし、知的好奇心にあふれた彼はNPOがつくった図書館に通い、そこで風力発電について書かれた一冊の本と出会います。 電気があれば暗闇と空腹から解放される――ウィリアム少年は発電の仕組みを独学し、廃品を集めて作った風車で発電に成功、そこから大きなチャンスをつかみます。 池上彰さんも「学ぶということが、これほどまでに人生を豊かにしてくれるとは」「私たち日本人が忘れていたことを、この本は教えてくれます」と解説で太鼓判を押す、感動の実話。 -
明智光秀
2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより愉しむために! 光秀の運命は尽きず、秀吉、家康の生涯を左右する。 美濃国主・土岐氏に連なる家に生まれた明智光秀。 浪々の身となり諸国を流れ巡り、やがて尾張の織田信長の家臣となる。 歌道や故実式目、軍学を究めていた光秀は瞬く間に織田家の出世頭となる。 やがて城持ち大名にまでなるが、比叡山焼き討ちをきっかけに信長と対立、ういに信長を討つべく立ち上がった。 本能寺の変の後、光秀は秀吉に破れ死んだと思われたが、じつは……。 光秀は生きていた! それからの光秀は秀吉と家康、二人の天下人の運命に決定的にかかわっていくのだった。 光秀の知られざる波瀾の生涯を描く、伝奇歴史小説の傑作が待望の復刊。 解説・縄田一男 -
フェルメール最後の真実
2018年秋から2019年にかけて、日本史上最大規模のフェルメール展が東京と大阪で開催される。代表作「牛乳を注ぐ女」を筆頭に初来日の作品もあり、大きなフェルメール・ブームとなりそうだ。 オランダのデルフトという小さな街に生まれ、当初はまったく注目されていなかった寡作な画家が、なぜこのように人気を集めるのか。その魅力はどこにあるのか。日本におけるフェルメール展の企画プロデューサーであり、ノンフィクション作家でもある著者が、その謎に迫る。 本書では、フェルメールの評価の変遷を全作品の解説と共に紹介し、作品を動かす「フェルメール・マン」と呼ばれる15人の男たちのシンジケートの存在を初めて公開する。世界的に知られた美術館の花形学芸員たちが虚々実々の交渉を繰り広げ、ある条件が揃ったときにだけ、フェルメールは旅に出る……。読めば、展覧会を観る目が180度変わる画期的なドキュメント。全作品をカラー写真で掲載。全点踏破をめざす人に、保存版ルートガイド付き。 -
宿命 習近平闘争秘史
徹底した現場取材で、長期政権への内幕を暴露! 中国共産党の原動力は権力闘争だ。地方政治家から国家主席に上り詰め、闘う宿命を背負う男の真実。『十三億分の一の男』を改題増補。 【目次】 序 章 「習近平新時代」 第一章 愛人たちが暮らす村 第二章 習近平の一人娘を探せ 第三章 紅く染まった星条旗 第四章 ドキュメント新皇帝誕生 第五章 反日狂騒曲 第六章 不死身の男 第七章 サラブレッドの悲劇 第八章 クーデター 第九章 紅二代 終 章 宿命 特別収録 エズラ・ボーゲル インタビュー 「習近平は最強の独裁者なのか」 あとがき 文庫版あとがき -
鯨の王
圧倒的リアリティで描かれる深海の激闘! メルヴィル『白鯨』へのオマージュ的SF海洋冒険小説 マリアナ諸島海域の深海で米海軍の攻撃型原潜が襲われた。 原潜自体に傷はないのに、中の乗組員が半数以上死亡。 米海軍は海底基地に調査員を派遣する。 日本では、アル中の鯨類学者・須藤は未知の巨大クジラの骨を発見するが、採集した骨は何者かによって盗まれ、採集場所の深海は荒らされてしまう。 失意の須藤に、米バイオ企業からグアムでの研究援助の手が差し伸べられた。 グアムに飛んだ須藤は、深海調査船のパイロット・秋道炎香と性格的に反発しあいながらも力をあわせ、クジラを追う。 米海軍は事件には未知のクジラがかかわっていることを突き止め、そのクジラの能力を研究するために、米兵器メーカーが中心となってヨーロッパ、カナダの石油会社、鉄鋼メーカーなどと組んで建設した西マリアナ海領の海底熱床探査基地で調査を始める。 さらには、クジラから取れる高価な龍涎香を狙う中東のテロ組織が須藤たちに近づく。 欲にまみれ、思惑が入り乱れる人間たちに、クジラの群れが反撃に出た。 深海の巨大生物ダイマッコウ対人間のかつてない死闘が繰り広げられる! 解説・加藤秀弘 -
桑港特急
清水湊から父島、そしてアメリカへ! アメリカに憧れ、アメリカを旅した時代小説作家・山本一力のウェスタン小説登場 江戸末期の文政年間、小笠原の父島に漂着した娘とアメリカ人の元捕鯨船乗りの間に生まれた兄弟、丈二と子音。 彼らはアメリカの捕鯨船フンラクリン号の副長だった若き日本人ジョン・マンと出会ったことで、大航海への夢を募らせていく。 当時、海の向こうのアメリカ西部はゴールドラッシュに沸き、一攫千金を夢見る人々が殺到。 シャンハイの大富豪チャンタオも事業拡大を狙ってサンフランシスコへ向かう。 途中立ち寄った父島で、丈二と子音の兄弟を船に乗せ、たどり着いた新天地で作業着店を開業。 そこにやって来たのが、妻を殺したサントス一味への復讐を誓うリバティー・ジョーだった。 日米中を股に掛けた、男たちの死闘必至の大作戦が始まった――。 週刊文春に一年以上をかけて連載された、山本一力版の大西部劇。超弩級の作品がついに文庫化! 解説・縄田一男 -
ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ
旧幕府軍とともに戊辰戦争を戦い、映画「ラストサムライ」のモデルになった男・ブリュネ! 幕末、日本に軍事顧問としてやってきていたフランス陸軍士官、ジュール・ブリュネ。いわゆるお雇い外国人だった彼は、徳川幕府の精鋭部隊、伝習隊の指導にあたっていた。 大政奉還が行われ、江戸幕府の終焉とともにブリュネらも解任されるが、このあと明治新政府軍と旧幕府軍の衝突があることを知った彼は、日本に残り、自らが育てた伝習隊を指揮して新政府軍と戦うことを決心する。 陸軍士官を辞任するという手紙を残し、土方歳三、榎本武揚、大鳥圭介らとともに箱館に向かうブリュネ。彼を動かしたのは、土方歳三や伝習隊の教え子に教えられた、士道(エスプリ)だった。 後年、フランス陸軍官房長まで務め、日清戦争時の日本への貢献を認められて勲二等旭日瑞宝章を授けられた希代の軍人の精神を描いた感動大作。 解説:本郷和人 -
ずっとあなたが好きでした
「二度読み必至」を超えた、三度読み推奨ミステリー! あなたはこの企みを見抜けるか!? 年齢を偽ってスーパーでアルバイトする中学生の大和。バイト仲間の高校生・三千穂といい雰囲気になったが、正社員の宗像主任が露骨に2人の邪魔をする(「ずっとあなたが好きでした」)。 脱サラして立ち上げた会社が倒産、妻にも逃げられた五十嵐は、富士の樹海でネットの自殺サイトで知り合った男女と集団自殺をはかるドライブに出る。しかし、自殺仲間の一人、仁木智子に恋心を抱いていることに気づき(「黄泉路より」)。 弓木が通う小樽の小学校に東京から転校生がやってきた。人形のようにかわいく、裕福な生活を送る有坂弥生。風邪で休んだ弥生にプリントを届けにいった弓木は、彼女の部屋にも入る機会を得たのだが、思いがけずネックレスを持ち出してしまい……(「遠い初恋」)など13作を収録。 恋をめぐる小説集……だが? サプライズ・ミステリーの名手が書く恋愛小説集が一筋縄でいくはずがない! この企みに気づいた瞬間、あなたはまた最初から読み直したくなる。 解説:大矢博子 -
キリング・ゲーム
ディーヴァーの後継者、カーリイの超絶ミステリー登場。まったくつながりのない連続殺人の謎を解け。 街で連続殺人が起こっていた。しかし凶器も手口もバラバラ、被害者同士にもつながりはまったくない。ただ現場に1セント硬貨が残されていることだけが共通していた。被害者をランダムに選ぶ動機なき殺人なのか? やがて犯人がカーソンを名指しで警察に挑戦状を送りつけてくるに及び、事件は警察の威信をかけたものとなる。過去の経験から「動機なき無差別殺人」などないと信じるカーソンだったが、突破口は一向に見えてこず、被害者の遺族の悲しみに向き合うことしかできなかった。 一方、殺人犯は微細な証拠も残さぬように細心の注意を払って殺人を遂行していた。ルーマニアの独裁政権下で心理実験のモルモットとされた過去を持つ男の狙いはいったい何か。 「このミス」「週刊文春ミステリーベスト10」などランキング常連のミステリー作家が超絶技巧で放ったシリーズ随一のはなれわざ。意外な動機は、巧妙に敷かれた伏線とエピソードの網の目に隠されて、あなたの目の前にある! -
新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相
“二十一世紀最大の謎”を描ききった事件ルポの白眉! まさに未曾有の怪事件。発覚当時63歳の女を中心に、結婚や養子縁組によって複数の家庭に張り巡らされた、虐待し搾取する者とされる者が交錯する人間関係。その中で確認された死者11人。この複雑きわまる尼崎事件の全容を執念の取材で描いた、事件ノンフィクションの金字塔。文庫化にあたり70ページ大幅増補。 解説・永瀬隼介 -
幻肢
島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。 -
バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで
ゴールデンボンバー 鬼龍院翔、絶賛! あなたが好きだったあのバンドはなぜ解散したのか? 金の分配、ドラッグ、メンバーの死、お馴染みの音楽性の不一致。ときにはマネージャーが暴走し、メンバーが殴り合い、美しい解散宣言もあれば、泥沼の裁判沙汰に至ることも。ビートルズからSMAPまで、古今東西のバンド200組の解散事情を網羅する、音楽ファン悶絶必至の大著。 -
世にも奇妙な人体実験の歴史
マッドサイエンティストの世界へ、ようこそ 性病、コレラ、放射線、毒ガス……。人類の危機を救った偉大な科学者たちは、己の身を犠牲にして、果敢すぎる人体実験に挑んでいた! 自身も科学者である著者は、自らの理論を信じて自分の肉体で危険な実験を行い、今日の安全な医療や便利な乗り物の礎を築いた科学者たちのエピソードを、ユーモアたっぷりに紹介します。 解剖学の祖である十八世紀の医師ジョン・ハンターは、淋病患者の膿を自分の性器に塗りつけて淋病と梅毒の感染経路を検証しました。十九世紀の医師ウィリアム・マレルは、ニトログリセリンを舐めて昏倒しそうになりますが、血管拡張剤に似た効果があると直感。自己投与を続けて、狭心症の治療薬として確立するもとになりました。二十世紀、ジャック・ホールデンは潜水方法を確立するために自ら加圧室で急激な加圧・減圧の実験を繰り返し、鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発したといいます。 その他にも放射能、麻酔薬、コレラ、ペストなどの危険性の解明に、自らの肉体で挑んだマッド・サイエンティストたちの奇想天外な物語が満載。その勇気と無茶さに抱腹絶倒するうち、彼らの真の科学精神に目を開かされる好著です。 解説・仲野徹 -
転がる香港に苔は生えない
あの時、あの街で、君に出会った 中国返還前の香港で、たくましく生き、様々に悩み、見果てぬ夢を追い続ける香港の人々の素顔。第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作 -
海狼伝
【第97回(1987年)直木賞受賞作】 ときは戦国。海と船への憧れを抱いて対馬で育った少年笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕まり、その手下となって、やがて“海の狼”へと成長していく。日本の海賊の生態をいきいきと描いた、夢とロマンが香る海洋冒険時代小説の最高傑作。「海を舞台にした小説は外国には多い。海洋冒険小説という一つのジャンルが確立しているほどである。四面環海の日本にそれがないというのは、ふしぎな現象だ。(略)日本の海洋小説の一里塚を築けたとすれば、私としては本当にうれしい」(「著者のことば」より) -
あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅
第39回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作! 日本と中国の国交が断絶していた文化大革命のさなか、中国から奇跡の帰国を果たした日本人の戦争孤児こそ、私の父だった――。2つの国の間で翻弄された父は、どんな時代を生き抜いてきたのか。21歳で旧満州に飛び込んだ著者が、戦争のもたらす残酷な運命と、歴史の真実を鮮やかに描き出した傑作ノンフィクション。 -
昭和天皇伝
第15回(2011年)司馬遼太郎賞受賞作。 日本の命運を若くして背負わざるをえなかった君主はいかに歩んだのか。昭和天皇の苦悩と試行錯誤、そして円熟の日々――。我々は後年の円熟味を増した姿で昭和天皇についてイメージし語ってしまいがちだが、昭和天皇が即位したのは25歳。世間では天皇の神聖さが説かれていても、右翼や保守派の重臣たちは天皇をかなり手厳しく見ていた。本書は側近や実力者たちが残した膨大な日記など、一級の史料を丁寧に掘り起こし、生真面目で気負いのある若かりし頃から晩年にいたるまでの多面的な昭和天皇の姿を描く。「昭和」という時代を理解するために必読の評伝! -
スキャンダルの世界史
「人の恥をのぞくのは卑しい欲望と見られている。(中略)だが、人の恥をのぞくのは、人間の深層をのぞき、人間の謎を解きたいという欲望であるかもしれない」。十字軍スキャンダル、性の革命家サド、快楽王子ジョージ四世、乱交好きの王女、エロスのカルト集団、切り裂きジャック、マリリン・モンロー、ジョン・レノン暗殺、ダイアナ妃etc. 権力と欲望にまみれた真実の「裏世界史」。 -
ホモセクシャルの世界史
世界史の中で封印され続けてきたタブー「同性愛」。古代ギリシアから、ルネサンスの禁欲、帝国主義と二つの世界大戦、性意識の増大した二十世紀に花開いた美と多様な価値観。その裏側には、知られざる壮大なホモセクシャル・ネットワークがあった。女性嫌いのルイ13世、英国の同性愛文化の開花、ホモセクシャルの夢の島、ゲイの王国、ホモ狩りの50年代、ナチの同性愛etc.衝撃エピソード満載。 -
選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義
各界カリスマたちが愛読するロングセラー! 選択肢は多ければ多いほどよい、そう考えているあなたは間違っています。実は人間はあまりに選択肢が多いと逆に「選択」ができなくなる。そのことを実験によって証明したのが、この本の著者コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガーです。 24種類のジャムの売り場と、6種類のジャムの売り場では、前者は後者の10分の1の売り上げしかあがりませんでした。 「なぜ自分の選択に失望することが多いのか」「他人に選択を委ねたほうがよい場合は」「その場合は誰に委ねるべきか」「出身や生い立ちは、選択にどう影響を与えるか」等々。20年以上に渡る広範な実験と研究によって、あなたの「選択」に関する疑問に答えます。 目次 オリエンテーション 私が「選択」を研究テーマにした理由 第1講 選択は本能である 第2講 集団のためか、個人のためか 第3講 「強制」された選択 第4講 選択を左右するもの 第5講 選択は創られる 第6講 豊富な選択肢は必ずしも利益にならない 第7講 選択の代償 最終講 選択と偶然と運命の三元連立方程式 単行本 2010年11月 文藝春秋刊 文庫版 2014年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
スタッフロール
私たちは映画に魔法をかける 『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』著者が放つ、 才能や評価で悩んだことのある、すべての人へ贈る物語 圧巻のエンターテインメント長篇! 【あらすじ】 1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界で もがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。 現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに 自分の才能を見失い葛藤する CGクリエイターのヴィヴ。 映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が 一本の映画を通じて繋がり合う。 創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。 文庫化にあたり、2024年にアカデミー賞〈視覚効果賞〉を受賞した 『ゴジラ-1.0』などについて熱く語った「文庫版あとがき」を収録。 単行本 2022年4月 文藝春秋刊 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
葉村晶シリーズ
ミステリ作家やミステリファンに熱い支持を受ける“葉村晶”が帰ってきた──! タフで不運すぎる女探偵・葉村晶。 吉祥寺のミステリ専門書店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でアルバイトとして働きながら、〈白熊探偵社〉のただ一人の調査員として働いている。 「さよならの手口」(2014年4位)、「静かな炎天」(2016年2位)、「錆びた滑車」(2019年3位)、「不穏な眠り」(2021年10位)と「このミス」上位常連の人気シリーズ、5年ぶりの書き下ろし長編が文庫で登場です。 「鼻からポタポタと血を垂らしながら考えた。いったいどこのどいつだ、わたしを殺そうとしているのは……。 心当たりは、ありすぎるほどあった」(本文より) 葉村晶も五十代に突入し、老眼に悩まされるお年頃。 魁皇学園の元理事長でミステリのエッセイストとしても名を馳せた乾巌、通称カンゲン先生に、<秘密厳守>で「稲本和子」という女性の行方を捜してほしいと頼まれた晶。 彼女の一人娘は学園の理事だったが、本屋で万引きしたとして留置中に急死していた……。 高級別荘地の<介護と学園地区構想>など、さまざまな思惑が絡み合い、 やがて誰もが予想のしない結末へ! 前回の書き下ろし長編「静かな炎天」は「このミス」2位、「読書芸人」のカズレーザーさんや、のんさんも絶賛、2020年には、NHK総合で「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」として連続ドラマ化もされています。 クールでドライでシニカルで、唯一無二の強烈な魅力を放つ葉村晶が、緑の古い小型車“毒ガエル”を駆って真実に迫ります。 -
おれの足音〈決定版〉
人間味あふれる男――大石内蔵助の生涯 池波正太郎が心底ほれた男――大石内蔵助 播州赤穂、大石家の長男・竹太郎は色白で可愛げのある 顔立ちだが、評判は芳しくない。 子供の頃から居眠りばかり。剣術修行は進歩ナシ。 19歳で大石内蔵助として国家老になってからも、 ついたあだ名は「昼行燈」。 妻子と仲良く暮らし、晩酌を愛し、時には遊女とたわむれ、 弱い者にも優しい――。 著者が愛してやまなかった男の生涯。 装いを新たにした決定版! 単行本 1971年9月 文藝春秋刊 文庫版 1977年12月 文春文庫刊 文庫新装版 2011年11月 文春文庫刊 文庫決定版 2024年12月 文春文庫刊 この電子書籍は文庫決定版を底本としています。 【※2011年にリリースされた電子書籍と、本文内容に変更はありません。】 -
夜叉の都
こんな美しい日に、私は息子を殺すのだ――。 建久10年(1199)、源頼朝と北条政子の間の息子・頼家が将軍職を継いだ。 だが頼家は酒色に興じ、その期に乗じ、 政子の弟・北条義時は頼家の側近の梶原氏の失脚を画策する。 さらに北条家の危機を避けたい義時と政子の父・時政は 頼家の排斥と実朝の将軍擁立を主張、政子は武士の府を守るため、 自ら頼家に毒を盛り、最終的に頼家は謀殺される。 頼朝亡き後、弟・義時とともに、多くの政敵を滅ぼしていく北条政子。 “夜叉のごとき”苛烈さで幕府を守り抜いた政子を描く迫力の歴史巨編。 解説=本郷和人 -
雨滴は続く
芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作 連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。 2004年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。次いで、「群青」誌の編集者から、貫多は小説を依頼される。純文学雑誌に小説を発表することは、私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。 有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子に一目ぼれをしてしまう。小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなり、前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。 完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
女帝 小池百合子
誰にも知られたくなかった素顔 キャスターから国会議員へ転身、大臣、さらには都知事へと、権力の階段を駆け上ってきた小池百合子。しかしその半生には、数多くの謎が存在する。「芦屋令嬢」時代、父親との複雑な関係、カイロ留学時代の重大疑惑――彼女は一体、何者なのか? 徹底した取材に基づき、権力とメディアの恐るべき共犯関係を暴いた、衝撃のノンフィクション! 私は小池百合子という個人を恐ろしいとは思わない。だが、彼女に権力の階段を上らせた、日本社会の脆弱さを、陥穽を、心から恐ろしく思う。(「文庫版のためのあとがき」より) ※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
琥珀の夏
見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか―― 『かがみの孤城』『傲慢と善良』の著者が描く、 瑞々しい子どもたちの日々。そして、痛みと成長。 かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、 少女の白骨遺体が見つかった。 ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。 埋められていたのは、ミカちゃんではないか――。 小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。 法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。 30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。 解説・桜庭一樹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
2000年の桜庭和志
レジェンド桜庭の全貌を描く決定版! 「プロレスラーは本当は強いんです!」 グレイシー伝説を打ち破った日本総合格闘技界のレジェンドが歩んだ道。 タイガーマスクに憧れプロレスを志した少年・桜庭和志。アマレスを学び、プロレスラーになるとサブミッションレスリングに夢中になり、総合格闘技の世界へ。 そしてPRIDEの主役となり、UFCのレジェンドであるホイス・グレイシーを107分の死闘の末に下し、伝説となった。桜庭が“リアルファイトのタイガーマスク”になったのである。 2000年の桜庭の活躍を振り返りながら、グレイシー柔術とは何か、MMAとは何か、格闘技とは何か、UWFとは何か、プロレスとは何かに迫る。 桜庭への幾度にも及ぶインタビューだけでなく、石井和義やホイラー・グレイシー、ホイス・グレイシーにも直撃取材。著者自ら柔術教室にも通い、そのなんたるかを学んだ。まさに体当たりのこの作品は、著者の真骨頂であり『1984年のUWF』の続編であり、『1976年のアントニオ猪木』の最終章でもある。 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
オーガ(ニ)ズム 上
米大統領の訪日を狙った核テロを阻止せよ。 刹那的、或いは壮大な目的のために生きる者たちが織りなしてきた物語の、 思いもよらぬ結末に痺れるほかない。――羽田圭介 2014年3月3日夜、作家・阿部和重の東京の自宅に瀕死の男が転がり込む。 その男ラリーの正体はCIAケースオフィサー。 神町の菖蒲家を内偵していたが組織内での裏切りにあい、 助力を求めてきたのだ。世界を破滅させる核テロの陰謀を阻止すべく、 ラリーと幼い息子を連れた作家は新都・神町へと向かう。 破格のロードノベル! ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ
まわり道しなければ、たどり着けない場所がある――。 若き日の著者の、人生を決めた旅立ちの物語。読んだ人に深い感動と変化をもたらした話題の書。 第七回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作。 大学4年のある日、オオカミの夢を見た。自然写真家を目指していた著者は、導かれるように1冊のオオカミの写真集と出会う。「ダメもとくらいの挑戦をしないと、人生は面白くない」と語る著者は、その世界的な写真家ジム・ブランデンバーグに弟子入りを直接志願するため、単身アメリカに旅立つ。 ミネソタ州北部に広がる森と湖の世界「ノースウッズ」の入り口へたどり着き、ジムの家がその先にあると突き止めると、カヤックにキャンプ道具を積み込み、水上の旅へ。深い北国の森と無数の湖、様々な野生動物との出会い。8日間の旅の末にたどり着いた場所で、ついにジムとの対面を果たすが――。 臨場感あふれる自然描写、不安に揺れ動く心情を正直に素直に描く、著者のかざらない姿に、いつしか共感し励まされる。自分の足で歩き、自分の目で見て、人と出会うことの大切さを教えてくれる、人生の羅針盤となりうる一冊。 著者による「文庫版あとがき」追補。 解説:松家仁之(小説家) -
火の航跡
名手・平岩弓枝による長編ミステリー小説。六本木に事務所を持つ有名カメラマン・城重文夫がある日突然姿を消した。呆然とする新婚の妻・久仁子は、知人の協力を得て夫の行き先を探し始めたところ、夫が向かったと思われるギリシアで事務所で働いていた女性が遺体で見つかる。彼女と夫の間には恋愛関係があったのか? 彼女を殺したのは夫なのか? そして久仁子は、有田焼の里で窯業を営む夫の実家を訪ねたことで、いままで知らされてなかった夫の家族の陰の歴史に向き合うことになる。東京、佐賀、ギリシア、マイセン、メキシコと夫の影を追い続けた久仁子が探し出した驚愕の真実とは? 細やかな心理描写と巧みな構成で読む人をうならせる著者円熟期のサスペンスロマン。 ※この電子書籍は1980年1月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。 -
白墨人形
スティーヴン・キング強力推薦! 少年時代の美しい思い出と、そこに隠された忌まわしい秘密。 最終ページに待ち受けるおそるべき真相。 世界36か国で刊行決定、叙情とたくらみに満ちた新鋭の傑作サスペンス。 あの日、僕たちが見つけた死体。はじまりは何だったのか。僕たちにもわからない。みんなで遊園地に出かけ、 悲惨な事故を目撃したときか。白墨のように真っ白なハローラン先生が町にやってきたときか。 それとも僕たちがチョークで描いた人形の絵で秘密のやりとりをはじめたときか――。 あの夏。僕には四人の友達がいた。太り気味のギャヴ、不良を兄に持つミッキー、シングルマザーの息子ホッポ、そして牧師の娘ニッキー。 不良たちに襲撃されることも、僕がニッキーへの恋に胸を焦がすこともあったが、この日々が終わるなんて考えもしなかった。 でも町では不和が広がりはじめていたのだ。僕の母の診療所への反対運動をニッキーの父が煽り、 ミッキーの兄に悲劇が降りかかり、少女の妊娠騒ぎが起こる。大人たちにも、僕たちのあいだにもヒビが入りはじめた。 そして、あの子が殺された。森で。バラバラになって。見つけたのは僕たちだった。でも、頭部は見つからないままだ。 30年が経った現在。白墨人形の絵とともに、あの事件が甦る。あの人が死んだことで、事件は解決したはずなのに。 20年ぶりに帰郷したミッキーは言った。「おれは真犯人を知ってる」。僕は友人たちとともに、あの夏の秘密を探りはじめる……。 第2作『アニーはどこにいった』も絶賛発売中! ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
六月の雪
夢破れた30代の将来への不安、認知症がはじまった本人と周囲の驚愕。 いまの日本の現代的なテーマと、台湾と日本との現代史がからみ合う、乃南アサ台湾ものの決定版! 30代前半、独身の杉山未來は、声優になるという夢に破れ、父母、妹、弟と離れ、祖母・朋子と東京でおだやかな二人暮らし。 ある日、祖母の骨折・入院を機に、未來は祖母が台湾うまれであることを知る。 彼女を元気づけるため、未來は祖母ゆかりの地を訪ねようと台湾へと旅立つ。 ところが戦前の祖母の記憶はあいまいで手掛かりが見つからない。 そこで出合ったのはひと癖もふた癖もある台湾の人たち。 台湾が日本の植民地であったこともぼんやりとしか知らない未來は、中国国民党に蹂躙された台湾の人々の涙を初めて知る。 いっぽう、朋子は認知症を発病し、みずからの衰えに言いようのない恐怖を覚えていた。 それに追い打ちをかける、朋子の遺産目当ての実の娘、真純(ますみ)の突然の出現……。 未來は祖母のふるさとに辿りつくことができるのか。 朋子の衰えに、未來は間に合うのか。そして長い旅路の果てに、未來が下した重大な決断とは……。 『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』と続く著者の台湾ものの、決定版とも言うべき感動巨篇。 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ひかりの剣【電子特典付き】
『チーム・バチスタの栄光』でお馴染みの面々が、メスの代わりに竹刀で鎬を削る。 医療ミステリーの旗手が放つ鮮烈な青春小説! 1988年、バブル真っ盛りの頃。 いずれ医療の世界で悪戦苦闘する医学生も最初は医学の素人で、普通の大学生のようにサークル活動に部活に励んでいた、そんな時代。 桜宮・東城大剣道部の猛虎・速水晃一と天下の官僚養成大学、東京・帝華大の臥龍・清川吾郎もまだ医学生で、剣道部員だった。 医学部剣道部の象徴的大会「東日本医科学生体育大会」(東医体)。 この大会の覇者は将来、外科の世界で大成するという言い伝えがあった。 優勝校に送られる「医鷲旗」をめぐって、速水と清川による伝説の闘いが繰り広げられる。 解説・國松孝次(元警察庁長官) 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『ひかりの剣』 【関連小文】1 「ジェネラル・ルージュの伝説」自作解説より『ひかりの剣』 【関連小文】2 「夢はいつか叶う」 【関連小文】4 「すべては剣道場から始まった。」 【関連小文】5 「大学道場で剣道 体にたたきこむ」 -
ポーラースター
ゲバラ、カストロ、エビータらを活写! キューバ革命に至る壮大な物語がいま始まる。 喘息持ちだった少年エルネストは舞台女優のジャスミンとの恋など青春を謳歌しつつ、やがて医学生となる。 そして1952年、ペロン政権下の母国アルゼンチンから出発して、親友ピョートルと共に南米大陸縦断の旅へ。 そこで社会の弱者らと出会いながら、成長していく――。 ゲバラ、カストロというキューバ革命の英雄たちが躍動する著者渾身のシリーズ。 第一巻では、ゲバラ、エビータらを活写。キューバ革命に至る壮大な物語の青春編が開幕! 巻末に著者と女優・鶴田真由さんとの対談のほかに、電子版オリジナルの特典付き。 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『ポーラースター1 ゲバラ覚醒』 【関連小文】1 「キューバ・ラブワゴン」 1話「余はいかにしてキューバへたどりついたか。」 【関連小文】2 「キューバ・ラブワゴン」 2話「オラ、ハバナ」 【関連小文】3 「私の週刊食卓日記」 【関連小文】4 「ペルーに酔う」 【関連小文】5 「〈エビータ〉と〈チェ・ゲバラ〉の接点」 【関連小文】6 「テーマソングは成り行きまかせ」 -
アンネの日記 増補新訂版
「アンネは、死んでも私たちの心の中に生き続けているのです。そして、世界の歴史を変える存在になりました」(池上彰『世界を変えた10冊の本』より) ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの“隠れ家”。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。戦後、残された父オットー・フランクにより編集・公表されたこの「アンネの日記」は各言語に翻訳され、2009年にはユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。わが国も同様で、1952年に「光ほのかに」のタイトルで文藝春秋より刊行されて以来、綿々と読み継がれています。 実は、アンネの綴った日記は二種類あります。アンネが自分のためだけに書いたものと、後の公開を期して清書したもの。そのふたつを編集し直した〈完全版〉をもとに、さらに1998年に発見された5ページ分を加えたのが本書〈増補新訂版〉です。尋常ではない環境の中で、13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しく蘇り、私たちの胸を打ちます。平和を愛し、誰かを愛するすべての人に改めて贈る、永遠不滅の一冊です。 -
サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
1999年のラスベガス。ソニーは絶頂期にあるように見えた。しかし、舞台上でCEOの出井伸之がお披露目した「ウォークマン」の次世代商品は、2つの部門がそれぞれ別個に開発した、2つの互換性のない商品だった。それはソニーの後の凋落を予告するものだった。 世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何か――。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。 企業であれ自治体であれ、あらゆる組織は「サイロ化」という罠に陥りがちである。分業化したそれぞれの部門が、それぞれの持つ情報や技術を部署の中だけでとどめてしまい、隣の部署とのあいだに壁を作ってしまう。日本語では「タコツボ化」と呼ばれるこの現象は、どんな組織でも普遍的に存在する。 経済学的な観点からすれば、身内での競争を生むような「サイロ」は無駄であるから、トップが「サイロ撲滅」の掛け声をかければ解決に向かう、と思いがちだ。ソニーの新しい経営者・ストリンガーも最初はそう考えた。しかし、彼は失敗した。壁は極めて強固で、一度できたサイロは容易には壊れない。 文化人類学者の視点を持つ著者は、「サイロ」が出来るのは人間に普遍な原因がある、と説く。人間に求められる技術が高度で専門的になればなるほど、サイロはむしろ必要とされるからだ。 人間は必ずサイロを作る、ならば、その利点を活用しつつ、その弊害を軽減する方法を探ろうとする画期的な論考が、本書である。 -
物理波矢多シリーズ
あの真っ暗闇の奥から、何かが私を凝っと覗いている! ホラーミステリーの旗手による新シリーズ、ここに開幕。 戦後まもない混乱期。 主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。 波矢多は同じ炭鉱で働く美青年・合里光範(あいざと・みつる)と意気投するが、彼もまた朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。 やがて同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。 現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。 敗戦に志を折られた波矢多は、相次ぐ変死体と“狐面の女”の謎を解けるのか。 細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。 本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った、著者の本領発揮の傑作長篇。 解説・辻真先 -
みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記
海を渡った宣教師と、命を賭した信徒たち。 殉教をめぐり400年の時を駆ける旅へ! 16世紀後半、織田信長の時代にローマに送られた天正遣欧使節の4人の少年たちは、帰国後、秀吉による伴天連追放令。キリシタンが迫害される世に何を思い、どう生きたのか。 また、日本で布教に携わって殉教した外国人の神父たちは、どんな思いで最期を迎えたのか――。 あらゆる資料・文献を丁寧に読み込み、自ら迫害にまつわる土地を旅して、当時のキリシタンの生き方に迫る。 長崎、島原城、日野江城、原城跡、大村、鈴田牢……さらには、殉教した外国人神父たちの故郷であるスペインの小さな村の教会まで。 果たして、日本人にとってキリシタンとは何だったのか――。 著者は4人の少年たちが8年にわたる訪欧の旅から戻った直後に、秀吉の前で奏でたリュートに強く興味をひかれ、東(日本)と西(ヨーロッパ)の狭間で翻弄された少年たちの気持ちに近づくために、自らリュートを習得した。 400年前、その時代を切実に生き抜いたキリシタンの息吹を新たな視点で現代に伝える野心作。 解説・若松英輔 「時空と距離を超えて、人々の心が結びつく瞬間が、著者の情熱によって到来する」(三浦しをん) -
捏造の科学者 STAP細胞事件
iPS細胞を超える夢の万能細胞として、華々しく発表されたSTAP細胞。そのニュースに日本中が熱狂したのも束の間、論文には次々と疑義が浮上する。一流科学者が揃いながら、なぜ捏造が起きたのか。そしてSTAP細胞の正体とは。独自取材を重ねた記者が掴んだ全貌。大宅賞受賞作に新章を追加した完全版。解説・緑慎也 -
王家の風日
商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩。 歴史小説家・宮城谷昌光の実質的デビュー作! 六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。 希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。 それまで活動してきた純文学系同人雑誌が終刊することになり、作家としての岐路に立った宮城谷氏が、以前から興味のあった中国の歴史に材を取り、限定500部の私家版で刊行。 そのうちの1部が司馬遼太郎氏の目にとまり、励ましの葉書を受け取る。 その後、名古屋の海越出版社から刊行され、94年3月に文春文庫化。 解説・平尾隆弘 -
あかんやつら 東映京都撮影所血風録
ヤクザとチャンバラ。熱き映画馬鹿たちの群像―― 型破りな錦之介の時代劇から、警察もヤクザも巻き込んだ「仁義なき戦い」撮影まで。 東映の伝説秘話を徹底取材したノンフィクション。 東映京都撮影所。『旗本退屈男』『仁義なき戦い』など名作誕生の場所には 破天荒な映画人たちの歴史がある。 破格のスター・中村錦之助、鬼と呼ばれた製作者・岡田茂、 「緋牡丹博徒」藤純子の心意気、照明。殺陣師ら裏方の職人たち――。 エロとヤクザとチャンバラと。熱き映画馬鹿たちを活写した決定版ノンフィクション。 解説・水道橋博士 【登場する主な作品】 「赤穂浪士」 「大菩薩峠」 「日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声」 「旗本退屈男」 「酔いどれ無双剣」 「幕末残酷物語」 「十三人の刺客」 「大殺陣」 「十兵衛暗殺剣」 「忍者狩り」 「宮本武蔵」 「緋牡丹博徒」 「仁義なき戦い」 「やくざの墓場 くちなしの花」 「北陸代理戦争」 「山口組三代目」 「柳生一族の陰謀」 「魔界転生」 「蒲田行進曲」 「鬼龍院花子の生涯」 -
ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争
十年の歳月をかけて取材執筆、ハルバースタム最後の作品 1950年、北朝鮮軍の南進により勃発した朝鮮戦争。反共の名の下に、参戦を決定したアメリカだったが、それは過酷極まりない戦争への突入だった。スターリン、金日成、トルーマン、マッカーサー、毛沢東―時の指導者たちが抱いた野望と誤算、彼らに翻弄され凍土に消えた兵士たちの血の肉声…その全てから、あの戦争の全貌に迫る。 【目次】 第1部 雲山の警告 第2部 暗い日々―北朝鮮人民軍が南進 第3部 ワシントン、参戦へ 第4部 欧州優先か、アジア優先か 第5部 詰めの一手になるか―北朝鮮軍、釜山へ 第6部 マッカーサーが流れをかえる―仁川上陸 第7部 三十八度線の北へ -
秋好英明事件
昭和51年に福岡県で発生し、日本列島を震撼させた「一家四人惨殺事件」。満州で生まれ、極貧のなかに育ち、あらゆる辛酸を嘗め尽くしたあげく事件に至った一人の男の姿は、読むものの心を揺さぶらずにはおかない。ミステリー界の雄が渾身の力で対象に肉薄し、その謎と背景とを解き明かした、日本版『冷血』ともいうべき大著。 -
負けへんで 東証一部上場企業社長vs地検特捜部
冤罪ですべてを失った社長、戦いの全記録 2026年11月、映画化決定! 冤罪事件に巻き込まれた上場企業社長。 創業した会社を失い、248日間にわたり勾留された男が、最強弁護団とともに完全無罪を勝ち取るまで。 【作品概要】 ◎タイトル:『負けへんで』 ◎出演:内野聖陽 松本若菜/北村一輝 ◎監督:本木克英(『空飛ぶタイヤ』『超高速!参勤交代』) ◎脚本:吉川次郎 ◎公開:11月13日(金)公開 ◎配給:ギャガ -
越境
北海道は無法地帯と化した。迫真の軍事小説 舞台はロシア軍の侵攻を受けた北海道。 日本国は、戦場と化した最北の地を見放した――。 国家とは何か。戦争とは何か。生きるとは何か。 『小隊』の著者にして、元自衛官の芥川賞作家が描き尽くす、驚異のミリタリー小説。 侵攻後、北海道はロシア軍や自衛隊の残党、民兵、マフィア、ヤクザなどが群雄割拠する無法地帯と化していた。 陸自「支援飛行隊」のイリキは、釧路近辺で何者かの襲撃に遭い、墜落。 奇跡的に一命をとりとめた彼は、山縣という男に救われ、極寒の地を奥へ奥へと進んでいく。 彼らの進む血なまぐさい道は、帯広、釧路を抜け、旭川へ至り、やがて札幌へ続く。 「人を殺した。人を殺した。おれが、人を殺したのだ。」 戦闘は、人の心をどのような形に歪めるのか。 戦争は、地をどのような姿に変えゆくのか。 全てが崩壊した後に、イリキが目にした光景とは――。 本の雑誌が選ぶ年間ベスト10で1位に輝いた、暗黒の軍事巨編。 (解説・辻田真佐憲) 単行本 2024年7月 文藝春秋刊 文庫版 2026年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
斧
パク・チャヌク監督、イ・ビョンホン主演映画『しあわせな選択』原作。 アメリカン・ミステリーの巨匠の代表作。 2001年度「週刊文春ミステリーベスト10」第3位、「このミステリーがすごい!」第4位。 ゼロ年代ミステリーの戦慄の名作。 リストラで長年勤めた製紙会社をクビになったわたしは、妻子のために、ある犯罪計画を決意した。わたしと同じようなキャリアを持つライバルを一掃する計画である。わたしだったらきっと応募するだろう中途採用の求人広告を出し、届いた履歴書の中から自分より優秀な者たちを選び出し―― 殺す。そうすればライバルは減る。 こうして優秀なビジネスマンにして心優しい夫であり父であるバークは、殺人に手を染める。恐怖に震え、段取りを間違え、返り討ちされそうになり……そうした殺しを重ねるうちに、彼のなかの殺人者が目覚めはじめる。果たして彼と彼の家族に穏やかな幸福の日々は戻ってくるのか? -
新・競馬
英国スリラーの正統。競馬シリーズ再始動! 伝説の名シリーズ、復活。 英国スリラーの誇り高き正統。 ミステリー史に残るヒーローとともに〈新・競馬シリーズ〉の幕が開く。 落馬事故で左手を失った元騎手シッド・ハレー。その不屈の意志で競馬界最高の調査員として名を馳せた彼は、6年前に命がけの仕事から引退し、現在は妻子とともに平穏な生活を送っていた。 だが競馬界の重鎮スチュアート卿から不正の疑惑のあるレースが頻発しているという相談を受ける。調査依頼を固辞したハレーだったが、翌朝、卿は変死を遂げた。自分は依頼を断るべきではなかったのか――? スチュワート卿の遺志を継ぎ、ハレーは卑劣な敵のひそむ闇に敢然と踏む込んでゆく。だが調査を阻止しようとする敵の魔手は彼の身辺に及ぶ……。名作『大穴』『利腕』『敵手』『再起』に登場した名キャラクター、シッド・ハレー登場。 英国スリラーを代表する伝説の名作、〈競馬シリーズ〉。日本でも著名人や作家はじめ多くの読者に愛されたディック・フランシスの名シリーズが、長らく執筆の協力を務めてきたフェリックス・フランシスの手でよみがえる。〈新・競馬シリーズ〉、ここに始動。 -
螺旋墜落
墜落まで60分。 タイムループが尽きる前に 大惨事を食い止めろ。 英タイムズ紙 2024年度ベスト・スリラーに選出! 一気読み以外ありえない ノンストップ航空SFサスペンス! 数学教師チャーリーの乗った旅客機は午前0時に墜落、乗客乗員は死亡した。 だがチャーリーは23:00に目を覚ます。そして機は再び午前0時に墜落した。 次に気がつくと時刻は23:01。彼女はタイムループに囚われたのだ。 墜落を阻止できるのは彼女ただひとり。 だが失敗のびにループ開始が11:02、11:03、11:05、11:08と繰り下がってゆく――。 英タイムズ紙〈2024年度ベスト・スリラー10選〉に選ばれた傑作。 -
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
第53回大宅壮一ノンフィクション賞、第21回新潮ドキュメント賞、第44回講談社本田靖春ノンフィクション賞受賞。 史上初、前人未到の三冠達成! 令和最高のノンフィクション この本は一体、何人の人生を変えるのだろうか── 各界から感動の声、続出! 中日はなぜ「勝てる組織」に変貌したのか? スポーツ・ノンフィクションの枠を超え、社会現象を巻き起こし、2022年のノンフィクション賞を総なめにした大ベストセラー。 文庫化にあたり、完全試合目前での“非情采配”山井大介投手降板劇の真相に迫る新章「それぞれのマウンド」を書き下ろし。 新たに川上憲伸に取材、2007年日本シリーズ、幻の第六戦に登板予定だったエースは、あの夜、何を見たのか──? ※ なぜ 語らないのか。 なぜ 俯いて歩くのか。 なぜ いつも独りなのか。 そしてなぜ 嫌われるのか――。 中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。 それでもなぜ、落合博満は“嫌われた監督”であり続けたのか。 謎めいた沈黙と非情な采配。そこに込められた深謀遠慮に翻弄されながら、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった男たちの証言から、孤高にして異端の名将の実像に迫る。 著者の鈴木忠平氏は中日の番記者として8年間担当。新たな落合監督像を浮かび上がらせると共に、中日が「勝てる組織」へと変貌していく様をドラマチックに描く。 ※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の、文庫版を底本としています。 -
エイレングラフ弁護士の事件簿
エラリイ・クイーンも太鼓判! ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場! 不敗の弁護士エイレングラフは言う、 「私の報酬は法外ですが、有罪になったら一銭も支払わなくて結構。でもあなたが無罪放免となったなら、もし私が何もしなかったように見えても、必ず報酬を支払っていただきます」 そして依頼人は 必 ず 、無罪となる。たとえ真犯人であっても! エラリイ・クイーンが大いに気に入って雑誌に掲載した第一作「エイレングラフの弁護」から38年。アメリカン・ミステリーの巨匠ブロック(『八百万の死にざま』『殺し屋』)がじっくり書き継いだシリーズ短編を完全収録。本邦初訳の作品もふくむ全12編。これぞ珠玉。ブラック・ユーモアとヒネリとキレが絶妙にブレンドされた短編ミステリー集。 -
[真珠湾]の日
開戦の姿を克明に描いた傑作ドキュメント 1941年12月8日、日本軍は真珠湾を奇襲攻撃した。なぜ「必敗の戦争」を始めたのか。7カ月に及ぶ熾烈な外交交渉の内幕、その果てに訪れた開戦の日の24時間の詳細な推移とは。膨大な公刊資料、証言、日記などを元に、東京、ワシントン、ホノルル、マレー半島と舞台を移しながら、克明に記録した傑作ドキュメント。 「昭和史の語り部」が遺した、もうひとつの「日本のいちばん長い日」。精緻に記録された「開戦の日」 〈その安全のために、あるいは国益という名の打算行為から国家がなりふり構わず立ち上がることは、これからもありうるのである〉(「あとがき」より) 解説・砂川文次(芥川賞作家・元自衛官) 単行本 2001年7月 文藝春秋刊 旧版文庫 2003年12月 文春文庫刊 新装版文庫 2024年7月 文春文庫刊 【※この電子書籍は新装版文庫を底本としています。旧装版文庫を底本とした電子書籍(2014年4月配信)と本文内容は同一であり、新たに砂川文次さんによる解説を付したものです。】
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