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「アンネは、死んでも私たちの心の中に生き続けているのです。そして、世界の歴史を変える存在になりました」(池上彰『世界を変えた10冊の本』より)
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの“隠れ家”。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。戦後、残された父オットー・フランクにより編集・公表されたこの「アンネの日記」は各言語に翻訳され、2009年にはユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。わが国も同様で、1952年に「光ほのかに」のタイトルで文藝春秋より刊行されて以来、綿々と読み継がれています。
実は、アンネの綴った日記は二種類あります。アンネが自分のためだけに書いたものと、後の公開を期して清書したもの。そのふたつを編集し直した〈完全版〉をもとに、さらに1998年に発見された5ページ分を加えたのが本書〈増補新訂版〉です。尋常ではない環境の中で、13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しく蘇り、私たちの胸を打ちます。平和を愛し、誰かを愛するすべての人に改めて贈る、永遠不滅の一冊です。
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Posted by ブクログ
1番印象に残ったのは1944-2/23の「これが存在しているうちは、そして私が生きてこれを見られるうちはーこの日光、この晴れた空、これらがあるうちは、決して不幸にはならないわ」という一節でまずいつ殺されてもおかしくない中学生がこんなに前向きに生きていけるんだということに驚きましたし、今僕は幸せなので、何かきっかけがないとこのような当たり前に存在している自然に感謝する機会というのはなかなかありませんが、苦しい時何か不安な時には当たり前の日常への感謝やそれこそ自分が日々愛を受け取っているという自覚をしていくことは生きていくゆうきになるのかなと思いました。また終わり方も印象的でしたね。アンネ自身が終わりを演出することは残念ながらできませんでしたが、そこにこそナチドイツ、戦争、ファシズムなどの残酷さが滲み出ていると感じます。アンネは日記のほんとに終盤でヒトラーの暗殺が計画したことに大きな希望を抱いていました。そんな時にアンネたちは連行されほとんどが収容所に送還され命を落としました。この惨事はかわいそうの一言で決して片付けることはできません。幸運にもアンネは「死んだ後もなお生き続け」ています。アンネが残した記録をもって私たちは個々人がなにをできるか、社会がどうあるべきかを考えていかなければならないと思います。
Posted by ブクログ
読み終わった。
戦争の無惨さという焦点だけではなく、人と生きること、すなわち、自分とは、世界とは、愛とは、を常に考えさせられる素晴らしい日記であった。
素晴らしかったというのは、美しかったという意味を含んでいる。
現実は、戦争という美しいとは対極の内容。
しかし、アンネの心にわたしは、愛と生きるという意思を強く感じ続け、その美しさを身体で受け取ったような感覚を覚えている。
その心の隣には、戦争というあまりにも愚かな現実が常に同居しており、わたしの身体には少しもわかるわけがないものが、散りばめられていた。
日記を読みながら、何度か手で文字をなぞったのは、アンネの思いを自分の皮膚に、身体に伝えたかったからかもしれない。
自然を慈しむ言葉に、そして世界から目を背けず、生命と向き合う言葉に何度涙しただろうか。
アンネの繊細さ、感受性、鋭さ。
そして、逞しくも、深い慈悲深さを持った言葉たちに触れられて、本当によかった。
この日記は、無惨な戦争の状況を伝えるだけではなく、生きている人に大切な想いを響かせてくれるものだと感じている。
Posted by ブクログ
1番印象的だったのは、一歩も外へ出ることを許されない《隠れ家》での生活が1年以上過ぎた日に、
「この生活がいつまで続くのか分からない恐怖にただ耐え続けるだけの時間を過ごすのなら、それが良い結果であれ悪い結果であれ、この際何か変化が起きてほしい」
と明かすところです。
この“悪い結果”というところには、
勿論SSに連行される、その先の地獄まで想像した上で、それでも現状の閉塞感から抜け出したい、と綴っている。
迫り来る外世界からの恐怖と、
思春期故の、家族との密過ぎる精神的制約、
両方が日記から明白に伝わってきます。
『また、桜の国で』や『ベルリンは晴れているか』『ユダヤ人の歴史』等を併読する中で
オランダの戦禍を想像することは初めてで、
けれどこの時代、“オランダ”という国の隔ては無いに等しいぐらい他の欧州国と変わらぬ惨状だったことが分かる。
生き残ったお父さんも、どんな思いで、
この作品に光を灯したのだろうか。
愛する子どもが巣立つ時と同じような気持ちだっただろうか…
Posted by ブクログ
何も言うことはありません。
読めばわかります。
一人の少女が、戦争と人種差別の渦中で、生きたいと願う気持ちを誰が受け止めるのでしょうか?
今生きる我々が、15歳で命を失った少女から学ばなければいけないことは、多々あると思います。
戦争のない国で生活できていることの感謝。
大人になっても健康に生きていられる感謝。
銃を持たなくていいことの感謝。
銃を向けられることのない環境への感謝。
毎日死ぬかもしれないと思わずに生活できることへの感謝。
とにかく、アンネは犠牲者、可哀想、戦争は嫌だ、など、ネガティブなことだけを受け取らず、そこから色々な自分の環境への感謝を改めて感じて欲しいです。
2年間の日記が、世界中の多くの人たちに平和とは何かについて考えさせたということが本当に素晴らしいです。
子供がもう少し大きくなったら、読んで欲しい一冊です。
コロナで色々と制限が続いている中でも、きちんと生活できていることに感謝しながら、今日も一日頑張ろうと思います。
Posted by ブクログ
購入から1年ちょっと、ようやく読み終えました。私は買ってから一度、この本を挫折しました。それはこの本が、戦争とかのことではなく恋愛とか母親への愚痴とか普通の女の子の日記であったからです。(しかも580ページある分厚い本)
今回友達に「夜と霧」を貸してもらい、そちらを読むより先にアンネの日記を読もうと決意することができました。ありがとう笑
普通の女の子の日記と書きましたが、空に戦闘機が飛び、街のどこかでは爆撃の音がする、自分たちは外に出ることはおろか、窓を開けること、部屋で大きな声を出すことすらままならない隠れ家生活の中で、恐怖に支配され続けるよりかは少しでも希望を持って明るく生きようというアンネの気持ちが見えてきます。
また、この14歳の少女の精神の強さに驚くと共に、思春期である14歳らしい一面をたくさん見ることができます。
短縮版はアンネの日記の性に関することや母親への批判などが削除されているそうですが、確かにその部分を削るとユダヤ人迫害における人種差別問題についての本となりそうです。しかし、こちらの増補新訂版を読むことで、アンネ・フランクという1人の少女についてより深くについて考えることができると思います。
アンネのその後はご存知のとおりですが、それでもあとがきで心が抉られました。
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