「アンネは、死んでも私たちの心の中に生き続けているのです。そして、世界の歴史を変える存在になりました」(池上彰『世界を変えた10冊の本』より)
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの“隠れ家”。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。戦後、残された父オットー・フランクにより編集・公表されたこの「アンネの日記」は各言語に翻訳され、2009年にはユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。わが国も同様で、1952年に「光ほのかに」のタイトルで文藝春秋より刊行されて以来、綿々と読み継がれています。
実は、アンネの綴った日記は二種類あります。アンネが自分のためだけに書いたものと、後の公開を期して清書したもの。そのふたつを編集し直した〈完全版〉をもとに、さらに1998年に発見された5ページ分を加えたのが本書〈増補新訂版〉です。尋常ではない環境の中で、13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しく蘇り、私たちの胸を打ちます。平和を愛し、誰かを愛するすべての人に改めて贈る、永遠不滅の一冊です。
Posted by ブクログ 2020年02月19日
数ヶ月かかってようやく読めた本。あとがきを事前に読んでいたほうが内容が理解しやすいかな。
思春期の女性からみた日常を描いた日記である。しかし感性が鋭く、自分の考えが聡明なアンネが記述する日記には色々な感情が読み取れる。
非常に苦しい体験をされた方であるため、生き延びていたら世界が平和になるための活動...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月04日
池上彰の『世界を変えた10冊』で紹介された本の一冊目、アンネの日記(増補新訂版)。
最初から三分の一くらいは幼い子供が書いてる日記を読んでる感じで退屈だった。
アンネの家族がオランダへ脱れて隠れ家での生活が始まってからは日々の様子は世界情勢が書かれ始め興味深い内容になってきた。
隠れ家には他家族も...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月04日
日記の日付が進むごとに
一つ一つ言葉の重みが増し、自然と頁をめくる手に汗がにじむよう感覚があった。
“戦争”や“ユダヤ人大虐殺”という
凄惨な背景を常に意識させられるのにもかかわらず
ティーンエイジャーの揺れ動く心や
あまりに達観したアンネの家族観、恋愛観、
そしてなにより、素晴らしい表現力に引き込...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月26日
名前だけ知っていた名著だが、色んな著名人が紹介する本になっていたので読んでみた。
国際的な政治問題にも影響を及ぼす名著であるとも紹介されていた。
ひたすらアンネ・フランクの表現力の素晴らしさに感銘を受けた。
また、彼女の物事を言葉で捉えるうまさ、当時の情勢の過酷さ、危機感も充分に伝わった。
思春期...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月31日
アウシュビッツに見学に行った際、日本人ガイドの中谷剛さんの解説にアンネが度々出てきたので、30歳になって初めて読んだ。1ヶ月ほどかけてゆっくりと読んだが、彼女の心のうちが繊細に鮮明に、また情熱を持って語られており、読んでいる途中から、彼女のいなくなったことを示す最後の日記が近づいていることが非常に残...続きを読む