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Posted by ブクログ
田舎町に引っ越してきた医者のルイス一家。妻と子供たちが帰省した時、娘の可愛がっている飼い猫のチャーチルが死んでいるのを、ルイスは見つけてしまう。
ルイスは隣人のジャドと共に、猫の死体を自宅の近くにあるペットの霊園に埋葬しに行くことにするのだが…。
キング作品はなかなか動きだしの遅いイメージや、文章がボリューミーだったりと、エンジンのかかりだしの遅い作品もちょくちょくあるのですが、この作品は入り込みやすかったです。
登場人物の平和なやり取りをはじめとした人物描写や、子どもたちの可愛らしい様子はもちろんですが、いいタイミングで恐怖描写が入ってくるのもまたいい! そして怖い!
大学の治療室での一幕、そして猫を埋めに行った土地での不穏な雰囲気、そこで語られるジャドの過去…、派手に来るホラーの描写ももちろん怖いのですが、ひたひたと迫りくる怖さもしっかりと描いているあたり、キングの凄さがあるとあります。
そして命や死をめぐる物語としても秀逸です。娘のエリーがふと生物の命や死に興味を持った時、父のルイスがやさしく語り聞かせているところも、しっかりと描かれていて、こうした一家がこれからどういう運命に襲われるのか、ホラーとしての楽しみもあるのですが、一方で不安でもあります。
舞台は整った、という感じがあるので、下巻もとても楽しみです。
Posted by ブクログ
メイン州の田舎に越してきた一家と老人の交流。そして家の裏地にある古より伝わるペット専用の墓地を巡る物語。しかしながら、ペット専用の墓地という題材にしてはペットロスを取り扱ってるわけではなく、話もペット中心の物語ではない。
ホラー作品の恐怖というのは必然的に結果としての死に直結してるが故の恐怖であり、死なないホラーで恐怖を演出することは難しい。それ故に結果としての死か、もしくは物語の導入としての死を語ることに偏りがちで、「死」そのものをテーマとしたホラーは案外珍しいものである。そんな中、本作はキング作品の中でもかなり直接的かつ広範に「死」というものをテーマとして取り扱った作品であり、そのせいかどことなく物語の根底には物悲しい悲哀が漂っている。
死に接することの多い医者という職業である主人公。幼少期の姉の死がトラウマになっている妻という設定もまた魅力的で、それ故に否応なしに死というものを意識してしまうのだ。そんな中、飼い猫チャーチの死と、そのチャーチを甦らせてしまうミクマク族の墓地という流れは非常に面白く、帰ってきた猫が「猫なるもの」と言っても過言ではない不気味な存在なのもまたゾワゾワする怖さがある。それでいながら埋めたペットが帰ってくるなら死んだ人間を埋めたらどうなる?という匂わせを出しているのも上手い。
上巻はまだ恐怖の予兆にすぎず、不穏さのみを残して終わったわけだが、これが下巻でどう展開するか楽しみである。
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小説・文芸
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