言い寄ってきた老人を灰皿で殴り倒した未亡人のリナ
エイドリアン(リナの娘)は愛人のリッチーがマフィアから金を強奪する計画に乗ろうとする。
助けを求め娘の家を訪ねるも
娘はリナに反発しているため、リナはエイドリアンの家から追い出されてしまう。そこにたまたま隣に住んでいた元ポルノ女優のウルフスタイン
...続きを読むがリナを家に招き入れる。
エイドリアンと愛人の計画に反発したリナの孫娘ルシアもウルフスタインの家に転がり込み…
「ウルフスタインに騙された男」や
突然現れた「ハンマーを持つ殺し屋」達がでてきて、話しがどんどん悪い方に転がっていく…
思っていたよりも暗い話に向かうかと思いきやそうでもなく、ウルフスタインのユーモアと下ネタで緩やかに進む。
マフィアのボスだった夫の悪事に目を背けてきたリナの苦悶、ルシアの自由になりたい!けどまだまだ若いので…寂しい"お金で買えるもの"しか想像のつかない自由とか、ウルフスタインの豪胆だけど過去の栄光に縋り付いてしまう…けど、負けてたまるか!みたいな強さが熱かったです。
ただ出会って「気が合いそうだから」で始まった「ドライな友情、でも熱い」物語でした。
解説にありましたが、スマートフォンが現れる前の時代に設定したことにより、全体的に逃走劇の緊迫感を緩めて「女達の友情」に焦点を当ててたのが良かった。
一人一人(リナ、ウルフスタイン、ルシア)を主人公にして書いてもいいのですが三人の視点に切り替えて全く違う考え方で物語が進んでいくのが面白かったです。スピード感は前述の通り緩めてるので「勢いを止めてしまう」みたいな感じもしなかったのが上手い。
追記:ポルノ男優の話で、ジャクソン・ポロックの名前が出てくるとは思いませんでした…
本にはミステリーって書いてあったけど、なんだろ?ルシアの親が誰か?ってことかな?
ラストシーン、良い…(お腹すいた)