中谷友紀子の作品一覧
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ユーザーレビュー
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超★5 五歳児テディが描く可愛らしい絵に不気味な女性が… 極上エンタメなホラーミステリ #奇妙な絵
■あらすじ
薬物依存症の治療をうけ回復中の主人公マロリーは、裕福な家のベビーシッターとして雇われることに。その家に住む夫婦は意識が高く、テディは優しく無邪気で、お絵かきが大好きな子どもであった。ある
...続きを読む日マロリーは、テディがスケッチブックに奇妙な絵を描いていることに気づく。そこには不気味な女性が描かれており…
■きっと読みたくなるレビュー
面白い!★5
本作は物語が進むにしたがって、五歳児テディがスケッチブックにしたためる絵が挟まれる。昨今は本に興味を持ってもらえないご時世のためか、こういった変わった仕掛けがよく見られる気がしますね。個人的にですが、こういった作品はどうも面白味を誤魔化される気がして、小説として邪道っぽく感じちゃうこともあるんです。
でも本作は違いました。単に世界観を作り上げるだけの効果ではなくて、しっかりと物語に組み込まれて意味を成し、小説としてのエンタメ要素を倍増させてくれているんです。いやー上手でした。
表紙とあらすじから、ホラーっぽいお話ですよね~と思って読み始めます。幽霊ものかしら?とあたりはつけるのですが、なかなかどうして一筋縄ではいきません。想像した以上にいろんな要素が仕込まれていて、しかもプロットが抜群にうまいホラーミステリーに仕上がってます。
薬物依存症から復帰したマロリーをはじめ、両親や子供、その他様々な登場人物がでてきますが、まぁ魅力たっぷりに描かれてます。夫婦は鼻につくけどテディは可愛いし、隣人は怪しすぎるし、そしてなんといっても絵に描かれている人物ですよ。こえーよ、マジ怖い。
ぷるぷる震えながら物語を読み進めると、単なるホラーでないことがわかってきます。描かれる絵の内容、それぞれの背景や過去が見え始めると…もうミステリーファンとしてはたまらない展開に!
中盤からは一気読みだし、終盤なんてマジかよオイって感じで最高。読み終わった後も納得感もあり心地イイ。詳しくは言えないのでぜひ読んで楽しんでください。
ちなみに私がお気に入りの絵は、エイドリアンが芝刈り機を運転している一枚(69ページ)です。可愛すぎだろうと…
最後に、読む前にパラパラと本をめくらないようにご注意を。
■ぜっさん推しポイント
私は大学を途中退学しています。当時アルバイトに精をだし、中途半端に手に入れたお小遣いで夜な夜な友人たちと遊んでばかりいたためです。その後、後悔とともに社会復帰のため苦労を重ねるのですが、今になって思えばよい経験でしたね。子供たちが社会に出て手を離れたら、もう一度大学に入って、世界中の文学を学んでみたいなーと夢みたいなことを思ってたりしてます。
そんな未来の可能性を感じたり、やり直す勇気をもらえるような素敵な物語でした。
Posted by ブクログ
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ヨルン・リーエル・ホルストのヴィスティング警部、未解決事件シリーズ第二弾。
検事総長直々に、死んだ政治家の家から出てきた高額な紙幣の謎解きを依頼されるヴィスティング警部。秘密の指令のため、必要最小限のメンバーで事件に臨むことが求められる。娘のリーナ等と共に捜査を開始するが、前作で出会った正反対の捜
...続きを読む査方法で事件に迫る国家犯罪捜査局のアドリアン・スティレルも絡んできて。。。
今作も読みやすく、ページターナーなところは相変わらず。単純な事件かと思いきや、複数の事件が絡んできて非常に登場人物が多くなる中、収まるところに手堅く収める。派手さはないが、警察小説のお手本のような作品。
コールドケースを扱うシリーズといいつつも、前作以上に現在進行形のサスペンスもあり。読み応え十分。鍵穴に合う鍵さえ見つければ、とんとん拍子にことが進む、納得の題名。
Posted by ブクログ
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「変な絵」と似た構造ではあるけどもっとホラーテイストが強く、スティーヴン・キングが帯を書いているのが納得。最後の絵で特に心を揺さぶられた。
Posted by ブクログ
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ヨルン・リーエル・ホルストの初読。
ヴィスティング警部の未解決事件シリーズ第一弾。
静かな物語だった。
派手な事件が起きるわけでもなく。外連味があるわけでもない。だけどとんでもなく面白い。
24年前にカタリーナという女性が数字の羅列を残して消えた。ヴィスティング警部はカタリーナの夫マッティン・ハ
...続きを読むウゼンと、被害者の親族と捜査官を超え、ある種親友のような付き合い方をしている。
一方、26年前の大学生行方不明事件に新たな証拠が出る。その証拠から、カタリーナの夫が容疑者として浮かび上がり。。。
北欧の小説によく見られる、重く暗く残酷な感じは一切せず。ヴィスティング警部らが地道に、コツコツと捜査を重ねて真実を特定する、静かな作品。アン・クリーヴスのような。
途中の場面でもあるが、波一つ立っていない湖面に向かってボートを漕いでいく、オールで水をかく音しか聞こえない、そんな静けさと寂しさが感じられる作品だった。
Posted by ブクログ
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超推し★5 閉鎖的、抑圧、混乱、暗闇… おどろきと重い体験ができる名作 #ニードレス通りの果ての家
■あらすじ
アメリカの田舎町、ニードレス通りの果てに一軒の家があった。そこにはテッドが娘ローレンや猫と住んでいた。
テッドはかつて近くの湖で発生した少女失踪事件の容疑をかけられてしまったこともある、
...続きを読む訝しげな人物。その後嫌疑は晴れるも、失踪してしまった少女の姉ディーは未だに彼を怪しんでいた。
ディーはテッドの隣に引越し、彼の様子を伺うのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
めちゃくちゃ面白い!★5
それなりに読む力が求められますので、時間をしっかりとって、よい環境で読むことをおすすめします。
本書を読み進めるとまず思うこと。
私はいったい何を読まされているんだ…
テッドなど登場キャラクターによって各章第三者視点で物語が語られていくのですが、随所にみられる不可解なセリフや言動が良く分からない。話の筋や展開もそれなりに理解できるが、どうなっていくのかがさっぱりわからない。ただ閉鎖的で陰鬱とした世界観で、何もかもが抑圧された雰囲気なのは伝わってくる。
そして登場キャラクターたちの意思も、無秩序かつ、乱暴で排他的なんです。何処まで読んでも救いがどこにも見えずに真っ暗で、不安要素のオンパレード。
特に私が痺れたのは、死に対する描写です。生命としての追い込まれてしまうほどリアルさで戦慄が止まらない。
本書一部引用 P293:
真っ暗で海の底に沈んでいくような感じだ。暗い土の中をどこまでも下りていきながら… お願い、早く終わりにして。
なにこれ怖いんですけど! なんなの、この話!
なにより未来が見えないのが怖いっ
ところが、ある地点を過ぎると徐々に真相が見え始めてきます。
果たして失踪事件の真相は明るみになるのか、そしてこの物語にはどんな背景があるのか…
おそらくは皆さんが想像していた以上の展開が待ち受けています。
読者に訴えかけてくる衝撃度では、今年一番かもしれません。
しかも細部も丁寧に書かれており納得性も高い。
そして最後まで読者を裏切らない。怖いけど、控えめに言って名作でした。
おまけ:
あまりに怖い怖いと書きすぎてしまったので、超ステキな装画についても一言。黒猫が鬼のように睨んでるんですが、猫好きとしてはめっちゃ可愛くてたまらない。ナデナデしたくなりました!
■絶賛!推しポイント
読んだ方は分かると思いますが、あるテーマが本書の軸となっています。
今まで話で聞いたことはあっても、理解や経験ができなかったことを、なんと本書は実体験をさせてくれるのです。
本を読むことで、こんなにも重みのある体験をするのは初めてでした。
人間の行動がどんな悲劇をもたらす可能性があるか… 人生勉強をさせていただきました。
Posted by ブクログ
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