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英訳北欧ミステリ最高賞受賞作、第2弾!
2019年、英訳された北欧ミステリに与えられる最高賞「ペトローナ賞」を受賞した前作『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』は、国内でも、2021年「このミステリーがすごい!」海外編第7位を獲得した。
本作は、その待望の続編である。
本作もまた、英国「ペトローナ賞」最終候補作に選ばれている。
閣僚を歴任してきた大物政治家バーナール・クラウセンが心臓発作で急逝した。
直後、ラルヴィク警察の主任警部ヴィリアム・ヴィスティングは検事総長に呼び出される。
クラウセンの臨終に立ち会った労働党幹事長が、機密文書の有無を確認するため故人の別荘を訪ねた際、大金のつまった段ボール箱を発見したのだという。
クラウセンは外務大臣を四年務め、議会の防衛委員会の重鎮でもあった。見つかったのは巨額の外国紙幣であり、汚職につながる可能性があった。
鑑識員のエスペン・モルテンセンに声をかけ、ヴィスティングは別荘に向かった。問題の段ボール箱は全部で9箱。紙幣は米ドル、英ポンド、ユーロの三種類で、総額はノルウェーの通貨で8000万クローネを超えていた。
翌日、クラウセンの別荘が放火に遭う。
ヴィスティングは全焼した火災現場で、検事総長から一通の手紙を渡される。
その手紙は、過去に起きたある若者の失踪事件に、当時保健大臣だったクラウセンが関与したことをほのめかしていた。
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Posted by ブクログ
『猟犬』『カタリーナ・コード』といい作品を連打しているのに、昨年のこの作品を見逃してしまっていた。今春、新作が出たのを機会に順番に読まねば、との反省読書。とりわけ前作から版元を変えて翻訳出版となった本シリーズは続けての未解決事件四部作である。『猟犬』からは、ヴィスティングの娘リーネの立ち位置、職業、家族環境等が変わっているので、四部作まとめて邦訳とは小学館さん、グッドジョブ!
また『刑事ヴィスティング』(ドラマタイトルは警部ではない)の旧作二作(『猟犬』含む)を取りまとめたドラマ・シリーズをWOWWOWオンラインで視聴することができたので、同時に楽しませてもらっている。原作とはイメージが異なるものの、日本の低予算TVドラマに比べると相当に秀逸の映像で、鑑賞に値する。本も動画も人気が出て、他の邦訳も進むと有難い。
ちなみに『猟犬』では警察官としての職務停止中という境遇だったが、本作では何と、検事総長から直々の特命責任者を命じられ、好きなスタッフを集結させて極秘捜査の任務に当たるという、またまた例外的な境遇で物語をスタートする。このアレンジの幅は、本シリーズの特徴かもしれない。
本作では、大物政治家が急死した後に遺された大金の謎を極秘裏に究明する任務をヴィスティングが与えられる。情報収集役としてフリーの記者である娘リーネの他、鑑識のモンテルセンを加えて捜査をスタートするが、徐々に事件の裏闇が広がる中、過去の事件の捜査責任者や、未解決事件を専門に扱う機関クリポスの捜査官スティレルも加わってゆく。
過去を洗い出すと、空港での大金強奪事件、失踪事件、それに纏わりそうな未解決事件が繋がりを見せてゆく。一方で大金を回収した直後、政治家の別荘は放火される。という具合にヴィスティングが関わると、張り巡らされた導火線に一気に火が着くのは、本シリーズの特徴らしい。
例によってページターナーぶりを発揮させながら、絡み合った複雑な糸のもつれを即席のチームワークで解いてゆくプロットの豊かさは並ではない。
著者のホルストは、現職警察官として二十年のキャリアを持つという。その経験から生まれるストーリーには、現場リアリズムのような特性がおそらく顕著なのだろう。派手な事件と緻密な捜査、事件を探る個性的メンバーたちの勘どころなど、読むべき点、楽しむべき箇所が随所に見られ、飽きることなく身を任せられるストーリー運びである。
人の個性をぶつけ合いながら、すべての謎と伏線をしっかりと回収してゆくエンターテインメントの完成度に拍手を送りたく思う。
Posted by ブクログ
ノルウェーの警察小説。
ヴィスティング警部物としては13作目だそう。
「警部ヴィスティング カタリーナ・コード」に続く作品。
未解決四部作(コールド・ケース・カルテット)の2作目とのこと。
大物政治家のクラウセンが急逝。
ラルヴィク警察の主任警部ヴィスティングは検事総長に呼び出される。
クラウセンの別荘で多額の金が詰まった箱が発見されたという。ヴィスティングは現場に向かい、箱を自宅地下に移動するが、翌日別荘のほうは放火されてしまった。何者が動いているのか。
フリーの記者であるである娘のリーネとも協力体制を敷き、鑑識のモンテルセンも加えたチームでの極秘捜査。
過去のいくつかの事件との関係を探っていきます。
極端な設定ではなく、地に足がついた感じが読みやすい。
作者は20年も警察官だった経験があり、地道な描写は安定感があります。
一方では、自宅地下に資料を置いたり、警戒態勢が半端なところが‥いかにもラストの危機のためという設定に見える。
盛り上げるためにはしょうがないのか?(笑)
父と娘の関わりは、ミステリの世界では最後の希望みたいなところもあるようで。
奥さんは警官の仕事が(不規則で危険で忙し過ぎるから)不満で離婚してることが多く、でなければ、殺されたり犯人だったりするから?
警察と記者とが協力し合う形、というのも、現実とは違う展望を描こうというものかもしれませんね。
Posted by ブクログ
ヴィスティング警部シリーズ第13作、邦訳3作目にして、コールド・ケース・カルテットの2作目である。
「今回はいつもと次元の違う捜査になりそうだ」、冒頭でヴィスティングはそう独りごちる。それもそのはず、検事総長に直々に呼び出されたヴィスティングは、先般心臓発作で亡くなった大物政治家バーナール・クラウセンの極秘調査を命じられていた。彼の別邸から、段ボールに詰め込まれた530万ドル以上の、出所不明の大金が発見されたのだ。国内外に知られるこの政治家は不正を働いていたのか。ヴィスティングは部下のモンテルセン、娘のリーネとチームを組み、捜査を開始する。
事件の鍵穴にしっかりはまる鍵は果たして見つかるのか。クラウセンの息子の死、現金強奪事件との関連など、様々なことが絡んできて、最後までまったく読者を飽きさせない。今回も未解決事件ということで、前作でヴィスティング親娘を振り回した国家犯罪捜査局のスティレル捜査官が再登場する。出番はさほど多くないが、味のある役柄を演じている。
本シリーズは親娘の物語でもある。本作のリーネは報道の立場ではなく、非公式ながら捜査協力というかたちで捜査に加わる。父の指揮下に入ることで、普段とは違う父の一面に接し戸惑うものの、随所で父をも超えたひらめきを見せる。しかし…、毎度ながら捜査機密をマスコミの娘に簡単に開示して、あまつさえ捜査チームに加えてしまうヴィスティングはいかがなものかと思うが…。
それはともかく、おもしろい。次の作品が早く読みたい!
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