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「恐怖の帝王」がデビュー40年目にして初めてミステリーを書いた! 暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終わった。 そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。 「こいつをこの手で捕らえてやる」。決意したホッジズは、孤独な調査を開始する――。 退職刑事VS卑劣な殺人鬼。米最高のミステリー賞・エドガー賞を受賞した巨匠の傑作。
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Posted by ブクログ
「ミスター・メルセデス」(上・下) スティーブン・キング。白石朗訳。文春文庫。アメリカでは2014年発表のようです。 2019年1月に読みました。 スティーブン・キングさんは凄い。らしい。とずっと思っていました。 「スタンド・バイ・ミー」とか、いくつかの短編は読んだんです。 それだけでも凄みは伝わ...続きを読むります。 ただ、個人的に「怖い話」が怖くて・・・敬って遠ざけていましたが、数年前に「11/22/63」を読んであまりの面白さにぶっ飛んでしまいました。脱帽。 そして、今回「ミスター・メルセデス」。 売り文句として「ホラーでは無い!SFでもない!とうとうキングが本格ミステリに降臨!」という感じでしたので、 「これは、読まねば」と。 # ビル・ホッジスさんという、定年退職した元刑事が探偵役として活躍する話なのですが、 キングさんはその後、続編、続続編として、 「ファインダーズ・キーパーズ」「任務の終わり」を上梓されていて、「ホッジス三部作」なんだそう。 いずれ読むのが楽しみ。 # もうだいぶ失念して居ますが。 とにかく田舎町で。何かの雇用イベントがどこかのホールで行われます。 仕事が必要な人が、夜明け前から大行列を作って並んでいます。 そこに、ベンツがやってくる。 その行列に突っ込んで、轢き殺しまくって、去って行く。 その、犯人を捜す。追い詰める。というお話し。 (世故なことをつい。ベンツ社に、事前にOK貰うのかな・・・絶対拒否されると思うんだけどなあ・・・良いイメージ、ひとかけらも無いですから) スティーブン・キングさんのコリコリした個性は、結局どこまで行っても、弱者、苛められるものたちの皮膚感覚とでも言うべきものを、 本当にヒリヒリと描くことにあるのではと思います。 もちろんそこにエンタメ技術がドンっと乗っかるわけですが。 もう冒頭の、就業イベント会場の外で、寒中行列をする人々の切なさ、痛み。 そして、襲来するベンツ。 この対比と語り口のエグみだけで、白いご飯が三膳は食べられます。ごちそうさまです。 主人公も、当然ながら全くヒーローでは無い。 むしろ人間としての弱み、情けなさを垂れ流しながらとぼとぼと犯人と対決を強いられる。 迫り来る脅威、相手の分からない圧力。うーん、ヒッチコック。出来の良いときのデパルマ。 どうでもいい感想ですが、「ああ、肉食の文化だなあ」という読後感。 書き手の、とにかく最後は体力だ!みたいな、圧倒的な力感、と、でも言いますか。 なんかこう、芥川の朱儒の言葉とか田山花袋の蒲団だとか、城之崎にて小僧が神様だったり咳をしてもひとりだったりするような、 そういう何だか米と野菜とせいぜい魚を食べてきた文化の生み出すブンガクなるものとは、全く違う競技というか。 もっと荒々しく、喧嘩上等、互いに片腕同士を結わえた殴り合い、とでも言うべきフィジカル感。 まあ、咳をして分け入っても青い山だったりするのも、大好きではあるんですけれど。 精進料理も漬物茶漬けも絶品なんですが、たまに食べると上等な牛肉の味わい、その快楽にたじたじとなる・・・という読書でした。
キングが書いたミステリー。 いきなり、エドガー賞、とってるよ。 仕事を求める人の列の中に、暴走車がつっこみ多数の死者を残して立ち去る。事件は未解決のままであったが、担当していた退職刑事のもとに犯人からの挑戦状が届く。 とりあえず、あれだ「雉も鳴かずば撃たれまい」だな。 元刑事のホッジ...続きを読むズは昔かたぎって感じで、昨今のアイテムに弱い。そこをフォローする高校生や、犯行に使われた車の持ち主の妹や、彼を助ける人物像がどれもいい。 人の善良性や人生の光を信じている感じがある。 だからこそ、犯人の醜悪さや闇に向かう心が、いやな汗のようにまとわりついてくるのだけどね。 また、事件によって人生を狂わされた人々の哀れが切ない。 昨今のミステリーは、犯人にもこういう事情があって、とちょっと同情的なものが多い気がするのだけど、そういうのはない。確かに、幸せな生い立ちとはいえない。が、それがどうした。犯人の罪と人となりは、とにかく醜悪だった。 と、後半に向かって、急展開になっていくあたりは、さすがにキングって感じだった。 が、そうきたか。 そうなのと、ちょっと…。 年齢重ねてキングも丸くなったと思っていたのにww 実際、推理小説としてはどうなの、って思わないではい。基本、犯人がボロを出すって動きだからね。 が、小説としては、群像小説としては、最高だと思う。 続編もすでにあるみたなので、楽しみ!
引退した刑事に手紙が届く。それは担当したものの未解決で終わってしまった事件の犯人と思わしき者からの挑発的な手紙だった。元刑事のボッジズはそのことを警察に知らせず捜査を再開する。 元刑事と犯人の視点が交互に変わるかたちで話は進む。アクシデントが余裕ぶった犯人にふりかかり犯人も追い詰められていく。もう少...続きを読むし頭脳戦があると良かった。
キングをけっこう読んでいるつもりでいたが、今世紀に入ってから書かれた長編を読むのは初めて。彼の作家生活の半分以上が未踏と言える。まだ楽しみがあるものだ キングにミステリーを書かせてもうまいであろうことは全然想像に難くなかったのだが、それにしてもお見事 舞台はオハイオかインディアナあたりのイメージ...続きを読むだろうか キングはassholeは単純にthe assholeとして描くことが多かった気がするが、ややそれへの反省というか少し変えたところもあるのかも
上下一括感想 下巻にて キングはやっぱり根っからの物書きだよね…… ミステリーよりも登場人物が面白くてたまらない。ホントしつこいぐらいで……
続編の『ファインダーズ・キーパーズ』を先に読んでいたので結末はわかっていたけれど、それでも最高に面白かった。序盤はスローペースで読んでたけど、ホッジズとブレイディの攻防が始まったあたりからぐいぐい読み始めて、気が付いたらあっという間。ジェイミーも素敵な女性だけど、ホリーのことも大好きになってしまった...続きを読む。
(上下巻あわせた感想です) 2009年4月、とある市民センターで催された就職フェアにて、職探しをするために並んでいた大勢の人たちの列にメルセデス・ベンツSL500が突っ込み、多数の死傷者を出す事件が起こります。 犯人は逃亡し、未解決のまま事件から1年が経過したある日、当時捜査に携わり、今は退職して...続きを読む「元」刑事となったホッジズの元に、犯人である「メルセデス・キラー」ことブレイディから、自身が犯人であること、そしてホッジズを挑発する内容の文章が書かれた手紙が届きます。 妻と別れて生きる意味を見出せなくなっていたホッジズですが、この手紙を見て刑事時代の猟犬魂が蘇り、犯人を独力で捕まえるべく、警察を頼らずに捜査を開始し・・・という展開で物語は始まります。 登場人物はみな饒舌で面白く、会話も地の文もとても楽しく読めます。特にホッジズとブレイディのチャットのやり取りは大いに笑えました。さすがキングというか、相変わらず飽きさせずに一気読みさせるだけの力のある作品だなあという印象です。 しかしミステリの権威であるエドガー賞の受賞作としてふさわしいかと問われると??で、一つにブレイディの犯行動機が弱いこと、二つにブレイディがホッジズにあそこまで執着する理由がよく分からないこと、三つに毒餌の扱いがやや中途半端に思えること、そして最大の問題は、登場人物や警察の行動に不自然で理に適っているとは言い難いところがある点で、例えばコンサート当日、ホッジズが警察を頼るのを諦めるシーンなんかはいくら何でもあり得ないと思いました。 犯人がコンピュータを駆使して犯行に及ぶ割には、行き当たりばったりな行動をとることが多い点も違和感があります。 そしてジャネルについて、うーむ、ああするしかなかったのでしょうか。まあこれは個人の好みの問題なのかもしれませんが、あの終わらせ方はちょっと残念です。 というわけで、全体としては十分に楽しめはしたのですが、そこまで大絶賛するほどではないかなあ、というのが正直な感想でした。話の筋は分かりやすいので映像化には向いていると思います。
霧雨の降る夜明け前、求職者の行列に車が突っ込む。残ったのは多数の死傷者。退職した元刑事は犯人からと思われる手紙を読むと、消えかけていた刑事魂が燻り…燃え始める。 犯人と刑事の生活や心情が並行して表れる。対立する両者の内面を感じながら読み進むのは面白い。 犯人が次に起こす行動は??
アウトサイダーを先に読んでいてビルとホリーの話が読めるとのことでいざ読み始め、やっぱり面白い…そういえばキング先生の人間vs人間の話はこれが初めてかもしれない…!!!犯人に同情しちゃいけないけど、社会の理不尽さ、やりきれない怒りや運命を呪いたくなる心情はリアル。
上巻はまだ登場人物たちの紹介に終始。ぶっ飛んだ展開はなく元刑事と犯人の心理戦もまだ鞘当て程度のやり取り。下巻への期待が高まるが大丈夫か?期待していいのか⁉︎さあどうなる⁉︎
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