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Posted by ブクログ
かつて鉄道によって栄えた「静原街」
乗り換え路線の廃止、高速列車が通過する事になり、町は衰退の一途を辿っていった。三崎流町おこし小説。
三崎亜記さんの他作品に出てくる「都」や本物の象が引退後の職として遊具となる「象さんのすべり台」、人が消える「消失」の現象(今作では列車ごと消える)、有り得なさそうな職業などが登場します。
現実の中には微妙に現実とは違う「ありそうでないモノ」を散りばめてくるので毎回ネタの濃さ、複雑さにむせ返ってます(褒め言葉)
衰退した町の復興という題材ではあるものの、物語に配置された要素
「処置」として影を失った男や、無いのに有るとされているタワー、トンネルとは違う「種」から育てて作り上げる隧道と呼ばれる設備、それを育て上げる職人達など、今回も濃いめです。
影なき者、新参者、町長、町長と対立する隧道師、類稀なる才能を持ちながら町のために暗躍する若者、そして全てを見つめてきた駅長…
各章、登場人物一人に焦点を当てて進み、町の過去、謎、現在と未来について少しずつ全体像(鉄道風にいうと路線図)が見えていく構成でした。
「列車」や「駅」はモチーフとして人々が交差する要素が強くなりますが、交差する中で心の支え(終着)となるような町の姿になっていく過程が描かれているように感じました。
Posted by ブクログ
面白かったです。
鉄道と共に生きてきたけれど、乗り換え路線の廃止でほとんどの電車が通過するようになって寂れた町のお話でした。
光陽台ニュータウンや、象さんすべり台のあった公園、駅を通り過ぎる下り451列車の光…と、これまでの三崎作品に出てきたワードがたくさんあって嬉しいです。
80kmの駅、影を無くした「影無き者」、見えないタワー、隧道を種から作る隧道士、鉄道原理主義者や鉄道愛好者、という不思議な要素も三崎さんっぽいです。
それぞれの登場人物の視点でお話が進んでいくので、この人はこういう考えを持っていたのか…と思わされます。
消失した下り451列車の結末はじーんとしました。短い短編がこんなにふくらんだお話になるなんて。
でも町長さんはもっと別の方法があったのではないか、と悲しくなりました。
町興しの光と影をみました。
良い方法、悪い方法…リアリティありました。
町に留まる人、町を出ていく人…でも、彼らのターミナルタウンはずっとここなのだろうな、と思いました。
Posted by ブクログ
三崎氏らしい独特の世界観。
ただ本作は、「隧道を種から育てる隧道士」と
「影を失った者」という異様な設定以外は、
割とまとも(失礼!)か(^ ^;
事故で乗客もろとも行方不明になった列車が、
光だけの存在となって毎日同じ時間に線路を通る...
というファンタジー要素も入ってくるが、
この程度は過去に何度も描かれている。
代表作は「X電車で行こう」とか?
前提となる設定・世界観は「異常」だが、
その中で描かれていることは「政治の駆け引き」や、
「家族を喪った哀しみと復讐」「人生の進路」
「地方都市の過疎化」「世代交代」などなど
しごく「まとも」なストーリー。
そのため、異様な世界観の中でも
うっかり感動させられてしまうのが三崎節(^ ^;
ただ、今回は、設定の「後出し感」が
やや強いような印象で...(^ ^;
そのためか、説明くさい描写が多い気も(^ ^;
その分★一つマイナスしてみました(^ ^;
Posted by ブクログ
停まる列車はないのに駅。その終着駅の街、ターミナルタウン。ないのにあることになっているタワー。住民がいないのに閉鎖されないニュータウン。訪れる人のいない商店街。閉鎖されて行き来できない自由通路。
そういう矛盾をかかえた存在が本書の舞台。三崎亜記らしい「ごく普通の日常なのに一箇所だけ異様」な状況を楽しませてくれる。クライマックスのタワーの「ないのにある」を解決するシーンは一発逆転奇想天外それでいてそれしかなかったという悲しみと安堵のカタルシスになっていて、さすが三崎亜記、と嬉しくなる。
ただし、登場人物たちが極端な性格付けをされていて、そのキャラのおかしさでストーリーを進めているようなところがある。テレビアニメっぽいというかラノベっぽいというか、安っぽいところがあり少々残念。
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