作品一覧

  • アンソロジー 料理をつくる人
    5.0
    1巻836円 (税込)
    どんな料理であっても、そこにはつくり手の感情が込められているものです。プロが提供する料理は支払われた報酬と引き換えにお客さまを満足させるために、家庭料理は同じ食卓を囲む家族の健康や団らんのために、たとえ自分以外に食べる者のいない簡単なものであったとしても、そこには自分への思いが注ぎこまれているのです。本書では、そのような様々な立場の「料理をつくる人」たちをテーマにした短編を、文芸の最前線で活躍中の六名の作家に執筆していただきました。心とお腹を満たす極上の物語のフルコースを、どうぞご堪能くださいませ。/【目次】西條奈加「向日葵の少女」/千早茜「白い食卓」/深緑野分「メインディッシュを悪魔に」/秋永真琴「冷蔵庫で待ってる」/織守きょうや「対岸の恋」/越谷オサム「夏のキッチン」
  • カミサマはそういない
    3.5
    1巻660円 (税込)
    目を覚ましたら、なぜか無人の遊園地にいた。園内には僕をいじめた奴の死体が転がっている。ここは死後の世界なのだろうか? そこへナイフを持ったピエロが現れ……(「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」)。僕らはこの見張り塔から敵を撃つ。戦争が終わるまで。しかし、人員は減らされ、任務は過酷なものになっていく。そしてある日、味方の民間人への狙撃命令が下され……(「見張り塔」)。現代日本、近未来、異世界――様々な舞台で描かれる圧倒的絶望。この物語に、救いの「カミサマ」はいるのか。見たくない、しかし目をそらせない、人間の本性をあぶり出すダークな全7編の短編集。
  • この本を盗む者は
    3.5
    1巻902円 (税込)
    “本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父を持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していく……初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー。
  • 空想の海
    3.3
    1巻1,815円 (税込)
    「緑の子どもたち」 植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――。 「空へ昇る」 大地に突如として直径二爪ほどの穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。 SF、児童文学、ミステリ、幻想ホラー、ショートショート etc. 書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。
  • この本を盗む者は (1)
    完結
    -
    全3巻704~726円 (税込)
    書物あふれる“本の町”読長町に住み、巨大な書庫「御倉館」の設立者を曾祖父に持つ高校生の深冬。 ある日、管理人である父が不在の際に御倉館から蔵書が盗まれ、深冬は残されたメッセージを目にする。“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”――それは、防犯のために施された魔術的な言葉だった。そして町は、物語の世界へと姿を変えていき…!? 呪われた町を救うため、少女たちの冒険が始まる――!!
  • 百合小説コレクション wiz
    3.4
    1巻1,100円 (税込)
    実力派作家の書き下ろしと「百合文芸小説コンテスト」発の新鋭が競演する、珠玉のアンソロジー。百合小説の〈今〉がここにある。 【著者略歴(五十音順)】 ・アサウラ 1984年生まれ。TVアニメ『リコリス・リコイル』ストーリー原案など。 ・小野繙(おの・ひもとく) 1996年生まれ。第4回百合文芸小説コンテスト・河出書房新社賞受賞。 ・櫛木理宇(くしき・りう) 1972年生まれ。『ホーンテッド・キャンパス』『死刑にいたる病』など。 ・坂崎かおる(さかさき・かおる) 1984年生まれ。第4回百合文芸小説コンテスト・大賞受賞。 ・斜線堂有紀(しゃせんどう・ゆうき) 1993年生まれ。『恋に至る病』『楽園とは探偵の不在なり』など。 ・南木義隆(なんぼく・よしたか) 1991年生まれ。『蝶と帝国』「月と怪物」など。 ・深緑野分(ふかみどり・のわき) 1983年生まれ。『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』など。 ・宮木あや子(みやぎ・あやこ) 1976年生まれ。『雨の塔』『ヴィオレッタの尖骨』など。 ◎カバー装画=めばち ◎カバーデザイン=名和田耕平デザイン事務所
  • ベルリンは晴れているか
    3.9
    1巻935円 (税込)
    1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。圧倒的密度で書かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!
  • スタッフロール
    3.6
    1巻1,800円 (税込)
    戦後ハリウッドの映画界でもがき、爪痕を残そうと奮闘した特殊造形師・マチルダ。 脚光を浴びながら、自身の才能を信じ切れず葛藤する、現代ロンドンのCGクリエイター・ヴィヴィアン。 CGの嵐が吹き荒れるなか、映画に魅せられた2人の魂が、時を越えて共鳴する。 特殊効果の“魔法”によって、“夢”を生み出すことに人生を賭した2人の女性クリエイター。その愛と真実の物語。
  • Voyage 想像見聞録
    値引きあり
    4.3
    1巻300円 (税込)
    さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 様変わりした生活、奪われる自由――。 でも大丈夫、私たちには「小説」がある。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。
  • 注文の多い料理小説集
    3.8
    1巻710円 (税込)
    小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ とびきり美味しいアンソロジー。 うまいものは、本気で作ってあるものだよ―― 最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス…… おやつに金平糖はいかがですか? 物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。 「エルゴと不倫鮨」柚木麻子 「夏も近づく」伊吹有喜 「好好軒の犬」井上荒野 「色にいでにけり」坂井希久子 「味のわからない男」中村航 「福神漬」深緑野分 「どっしりふわふわ」柴田よしき 【本書登場の逸品たち】 塩むすびと冷たい緑茶 ハルピンのイチゴ水 全粒粉のカンパーニュに具を挟んだサンドイッチ きときとの富山の海の幸・ゲンゲ汁 生クリームと栗の甘煮のパンとアイスコーヒー 食堂のカレーライスと福神漬 星屑のような白い金平糖
  • 分かれ道ノストラダムス
    3.3
    1巻803円 (税込)
    中学時代に好きだった少年の三回忌で彼の日記を譲り受けたあさぎ。それを機に、少年が死なずに済んだ可能性を探り始めるが、協力者の級友とともに宗教団体を巡る陰謀に巻きこまれてゆく。度重なる窮地に立たされた二人が下す決断と、その先に待つ未来。十代のまっすぐな想いをのせて描く、鮮やかなノンストップミステリー!
  • 戦場のコックたち
    4.2
    1巻1,018円 (税込)
    1944年6月、ノルマンディー降下作戦が僕らの初陣だった。特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエドら同年代の兵士たちとともに過酷なヨーロッパ戦線を戦い抜く中、たびたび戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件、塹壕戦の最中に聞こえる謎の怪音――常に死と隣あわせの状況で、若き兵士たちは気晴らしのため謎解きに興じるが。戦場の「日常の謎」を連作形式で描き、読書人の絶賛を浴びた著者初の長編ミステリ。【目次】プロローグ/第一章 ノルマンディー降下作戦/第二章 軍隊は胃袋で行進する/第三章 ミソサザイと鷲/第四章 幽霊たち/第五章 戦いの終わり/エピローグ/主要参考文献ほか/解説=杉江松恋
  • ベルリンは晴れているか
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。
  • オーブランの少女
    3.9
    1巻693円 (税込)
    比類なく美しい庭園オーブランの女管理人が殺害された。犯人は狂気に冒された謎の老婆で、犯行動機もわからぬうちに、次いで管理人の妹が自ら命を絶つ。彼女の日記を手にした「私」は、オーブランに秘められた恐ろしい過去を知る……楽園崩壊に隠された驚愕の真相とは。第7回ミステリーズ!新人賞の佳作となった表題作の他、醜い姉と美しい妹を巡るヴィクトリア朝犯罪譚「仮面」、昭和初期の女学生たちに兆した淡い想いの意外な顛末を綴る「片想い」など、異なる場所、異なる時代を舞台に“少女”という謎(ミステリ)を描き上げた、瞠目のデビュー短編集。/解説=瀧井朝世
  • アンソロジー 料理をつくる人

    Posted by ブクログ

    読むのを楽しみにしてた。好きな書き手の人が私が好きな料理をつくることをテーマにアンソロジーって…!
    いやー、どれもおもしろかった。ほんとに。さすがでございます…
    西條奈加さんの『向日葵の少女』は舞台設定で上品が雰囲気が漂いながらもミステリーっぽい話の進み具合で、大きなテーマを複数かけあわせてまとまったひとつの話にできるのすごすぎるし結末には心があたたかくなった
    千早茜さんの『白い食卓』は主人公がいけ好かないやつすぎるのだけど話が進んでいくごとに料理の恐ろしさというか、食事を他者に委ねることってそういうことだよなあ…生きるための手段のひとつを他者へ委ねるというのは尊いとされたり愛情の証左とされた

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    2024年11月24日
  • ベルリンは晴れているか

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦で敗戦後間もないドイツでの物語
    幕間として、主人公視点で戦前、戦中、そして物語の冒頭に繋がるまでが断片的に描かれる

    以下、公式のあらすじ
    ---------------------
    戦争が終わった。
    瓦礫の街で彼女の目に映る空は何色か

    ヒトラー亡き後、焦土と化したベルリンでひとりの男が死んだ
    孤独な少女の旅路の果てに明かされる真実とは――
    読後、きっとこのタイトルに心が震える。

    1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含ま

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    2024年10月30日
  • 戦場のコックたち

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    第二次世界大戦中、アメリカ軍の志願兵で特技兵(コック)となったティムのお話

    以下、公式のあらすじ
    ---------------------
    1944年6月、ノルマンディー上陸作戦が僕らの初陣だった。特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエド、お調子者のディエゴ、調達の名人ライナスらとともに、度々戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。不思議な謎を見事に解き明かすのは、普段はおとなしいエドだった。忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件など、戦場の「日常の謎」を連作形式で描く、青春ミステリ長編。 
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    2024年09月26日
  • 戦場のコックたち

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     子供のころからレシピ帖を眺めるのが大好きで、自宅の雑貨屋の店先で売るお惣菜が大人気の祖母の手料理で育ったティモシー。だけど、世界恐慌になると、食材は貧しくなり、父親は店を畳まざるを得なくなった。
     第二次世界大戦にアメリカが参戦し、募兵ポスターが貼られるとティモシーは多くの若者と同様「給与」ともし自分が戦死した場合の「家族への見舞金」に惹かれて志願した。
     しかし、訓練期間に早くも自分が軍人に向いていないことを悟ったティモシーは「コック兵増員」の貼紙を見て、志願した。コック兵、衛生兵、主計兵、通信兵など後方支援担当の「特技兵」は一般の兵から疎んじられ、軽んじられたが、彼らは気の合う仲間となっ

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    2024年09月22日
  • 戦場のコックたち

    Posted by ブクログ

    南極料理人みたいな感じで戦場で供給される物資をなんとか算段つけてお料理するユーモア系の小説かと思ったら全然違った。

    戦場にふとあらわれる小さな謎を解きながら、軽快なおしゃべりとユーモアも交えながら、深まりゆく戦況につれこのお話のテーマがゆっくりと姿を表す。
    戦争というものについて。
    失われた者は2度と戻らないということ。
    人生について。
    失われた信頼は2度と元通りにはならないということ。


    読み始めてみて、どうみても翻訳小説なんだけど、あれ?作者の名前日本人じゃなかった?翻訳者の名前だっけ?と表紙を二度見しました。
    ちょっとこの重厚さと背景描写の丁寧さは日本人の書いた小説とは信じられない。

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    2024年09月17日

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