深緑野分のレビュー一覧

  • 戦場のコックたち
    臨場感あふれる描写、詳細な書き込み、魅力的なキャラクター、ミステリとしての面白さ。
    これらを兼ね備えつつも、決して単なるエンタメ小説ではないと感じました。

    本作はノルマンディー上陸作戦に始まり、第二次世界大戦のヨーロッパを進軍するアメリカ陸軍のコック兵、ティムの視点で進みます。

    次第に語られる登...続きを読む
  • スタッフロール
    難しくてよく分からないところも多く、特に後半の中盤はなかなか進みませんでしたが、終盤はいっきに読まされ、さすが深緑さんでした。「名前を残したいと憤っていた時期もあった。でももう、またか、と失望したくない」…分かります。私も同じでした。既に人生のそのような時期は過ぎてしまいましたが、春の今頃は少しだけ...続きを読む
  • この本を盗む者は
    説明難しいんだけど、本の呪い(ブック・カース)がテーマのファンタジー。本の蒐集家系で、何十万冊の本が集まる御倉館の継承者、本嫌い高校生の深冬が巻込まれる想像力豊かな物語世界。門戸を閉ざした御倉館から本が盗み出されるとブック・カース発動、その物語世界どおりに、町と町民が変幻、犯人は狐にされ街から逃げ出...続きを読む
  • 百合小説コレクション wiz
    宮木あや子さんのファンとして、宮木さんの小説ベストだと思っている「雨の塔」の続編が読めたことに感動しての☆5です。

    全体的には......百合小説アンソロジー「彼女。」でこういったものが面白いな、と感じて同じような趣旨のこのアンソロを買ってみたのですが、小説に性的な表現が入ると嫌悪感を抱いてしまう...続きを読む
  • ベルリンは晴れているか
    「ベルリンは晴れているか」(深緑 野分)を読んだ。

    人間という生き物の際限のない愚かな行いを真正面から描く衝撃の怪作。

    ヒットラー時代の幕開けから、終戦後の東をソ連、西を米・英・仏に分割統治されたベルリンを舞台に繰り広げられる物語の中で、驚くべきひとつの真実が明かされるミステリー小説でもある。
    ...続きを読む
  • ベルリンは晴れているか
    第二次世界大戦の頃のドイツ。本編では戦後になっていたのでホッとしていたけど、幕間ではガッツリと戦中。なかなかにしんどかった。「同志少女よ敵を撃て」がソ連側の話だったので、本書と対になっていて面白い(ソ連軍の女性狙撃手の話です)

    遠い国、過去の出来事をまるで自分が体験したかのように感じられ、世界が広...続きを読む
  • この本を盗む者は
    面白かった。
    主人公の性格、最初は可愛げないなと思うのだけど
    どうしてそうなったかが分かってくると気にならなくなる。
    長さの割に、何だか物足りなくて
    もっと読みたかったとなる物語だった。
  • この本を盗む者は
    めちゃくちゃ面白かったです。
    久しぶりに物語(SF)チックなものを読みたいと思っていて、たまたま目に入って購入しました。
    現実から離れているからこその面白さと没入感が堪らなかったです。また、本というだけでなく、人間として大事なものに少し気がつけた気がします。
    本書にもあるように、本が自分のとこにやっ...続きを読む
  • ベルリンは晴れているか
    名作や 出会えてよかった
    この夏、ソ連 ドイツ 日本 それぞれが舞台の戦争小説を読んでみて これまで小中高の授業で学んだ歴史の知識だけではなにひとつ戦時中のことを想像できなかった てことに今さら気付いたし、
    新しい小説や映画に触れる度に ニュースで世界情勢を知る度に、自分の知識の足りなさに絶望するし...続きを読む
  • この本を盗む者は
    深緑さんの本を初めて読んだ。まず、この町、どこにあります?って交番で聞きたい!行ってみたい、本の町!
    お店に並ぶ食材や料理はどれも美味しそうで、焼き鳥食べたくなってきたし、本に囲まれて死ねるなら本望だと言いたくなる御倉館にも足を踏み入れてみたい!サンルームなんて憧れるじゃないか。眩しそうだけど。
    ...続きを読む
  • 戦場のコックたち
    解説の『限りなく膨らむ憎悪と、それでも捨てられない人間への信頼』が本当にその通りと感じる一冊だった。
    非常に魅力的なキャラクターの数々、話が進むにつれて凄惨な戦争の描写、どれも読み進めずにはいられなかった。
  • ベルリンは晴れているか
    映画を見てるみたいだった。
    辛い描写も多かったけれど、まるでその場の空気を感じられたような気がしました。
    面白かった。
  • この本を盗む者は
    ずっと好き。
    ブックカースの世界、映像化したらどんな風だろと思うけど、本だからこそ表現できるとも思う。
    主役のズバズバ言うところと善性が良かった。
  • ベルリンは晴れているか
    1945年7月のベルリンを舞台に、主人公の17歳の女性が、ソヴィエト側の命令を受け恩人の男性が毒殺された犯人を探す旅に出るというストーリーです。

    章の合間に主人公の過去が振り返られ、徐々にナチスドイツの勢いによって一般人の主人公やその家族周辺の人たちが生き方や考え方を変えないと生きていけなくなって...続きを読む
  • 戦場のコックたち
    何故かノンフィクションと思い違いして購入した本作。普段小説はあまり読まないのでどうかなと思ったけど、案外ハマり、比較的分厚い本だがあっという間に読み終えた。

    タイトルと表紙のイラストから、戦場メシ的なのほほんな話を想像していたが全く違った。しっかり戦争小説。ノルマンディー上陸作戦からベルリン崩落ま...続きを読む
  • 戦場のコックたち
    戦争の凄惨さだけでなく、兵士として従軍した人の精神の変化も感じられて辛くなった。
    でも、今読むことに意味のある本だと思ったし、読んでよかった。
    とりあえず今はクラムチャウダーが食べたい。

    解説に感じたことがまとまっていた。
  • カミサマはそういない
    私はどうもこの人の少し薄暗く昔作られた近未来の映像みたいな世界がとても好きらしい。
    意味のわからない一日がある世界。陸が沈んで波音に包まれた世界。実は選ばれた人々が集められた町。好きだなー!
  • スタッフロール
    特撮映画好きの俺にはもうたまらん1冊、ディズニーの「不思議の国のアリス」から「スパイダーバース」まで実在の映画と実在の映画関係者がもりだくさん出てくることでリアルさもバッチリ。

    これがヘタな小説家だと現実側に気圧されてスカスカな小説になりがちなんだが、そこは深緑野分、きっちり小説世界にのめりこませ...続きを読む
  • ベルリンは晴れているか
    描写とかすごくリアルでエピソードもかなりキツくてこれがリアルなんだなとかんじました
    描写とかはすっと入ってくるものばかりで難しい内容だけど文体とかははいってきやすかったです
  • ベルリンは晴れているか
    ストーリはもちろんのこと、戦時中、戦後のドイツのことが詳しく書かれていて、とても良かった。
    何年も前だけれど、アウシュビッツ強制収容所を見学したときのことを思い出した。
    国のせい、戦争のせいにすることは誰でもできるけど、その道を進む政治家を選ぶのは国民である自分たちなのだと言われたこと。