深緑野分のレビュー一覧

  • ベルリンは晴れているか

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    大作であり名作。
    人によっては涙を止め処無く流しながら読むことになるだろうし、そうでなくとも胸を痛めずに読むことのできる人はいないのではないだろうか。
    現在進行形の物語と幕間の両輪で描かれた本作。
    現在進行形の方では、戦後の物資が乏しい時代に必死で生きた人たちの姿に絶句し、幕間では戦前戦中の目耳を疑うような出来事のオンパレードに、何度も胸を詰まらせた。
    読み切るのが本当に辛かったが、この本に出会えて、読むことができて本当に良かったと思っている。

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    2025年11月26日
  • スタッフロール

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    この作者の作品を順番に読んでいるが、丁寧な描写にいつもホッとする。
    読者として丁寧に読もうと思っていたのに、いつものごとく、中盤から加速するようにして読み終えてしまった。

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    2025年11月12日
  • ベルリンは晴れているか

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    読中読後、頭や心の中に衝撃を受けてそれが尾を引く。ナチス台頭と敗戦を迎えたドイツをドイツ人少女の目線で描く大作。ミステリとかエンタメのジャンルで括れる作品ではなく、深く重い。
    フェイクニュースの発信や大衆煽動の怖さは、遠い昔の遠い国の話ではない。自分は正しく生きられるのか、子供に正しい行動をとるように教えられるか。色々と考えさせられた。

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    2025年10月05日
  • ベルリンは晴れているか

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    平和というものは死に物狂いで維持しなければ維持できない。選民思想はこころえぐられるけど、いまアメリカファーストとか言って選民思想やろうとしてると思うと嘆かわしいわ。障害を持った人たちまで連れ去られて、殺されてしまう世界。日本の経済ってまだまだ豊かだからSDGだか、DEIとか言ってられるけど、瀕してきたらそんなこと言ってられないし、平和はやっぱり一人ひとりが全力で守らなければと思った。

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    2025年09月30日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    「ごちそうさまでしたがきっと身に染みる」
    食糧問題を解決した画期的なスープに隠された驚愕の事実、食事を通して寄生する何か、食べ物が作られなくなった未来で発見された遺物、異世界にもたらされた現世の料理...
    人が生きていく上で欠かせない食事は当たり前にあるものではない。そして欠かせないからこそそこには様々な物語が生まれる余地がある。
    不気味なお話から面白い話、考えさせられるお話、三者三様の食事にまつわるアンソロジー。

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    2025年09月20日
  • この本を盗む者は

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    本の町を代表する名家の本嫌いな女子高生が主人公。
    この名家の本には呪いがかけられていて本を盗むと呪いが発動し町ごと本の世界に引き込まれてしまう。
    呪いがかけられた理由は?
    主人公は呪いから脱出できるのか?
    読み進める内にどんどん引き込まれていくお話でした。

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    2025年09月11日
  • ベルリンは晴れているか

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    ネタバレ

    ドイツでのユダヤ人への差別や排除などは異常な域に達してて読んでてずーんと落ちた。警察に見つかるかも?隣人に密告されるかも?って生きるのは苦しくて辛すぎ。悪事を犯したわけでもないのに。だって顔立ちだけで判断されるのっておかしいし、みんな同じ人間やのに国が違うだけでこうも対立してしまうのかと怖くなる。
    色々細かく書かれていて作者はドイツに詳しい人なんかな?と思ったけど文献の数とかすごくて、ここまで調べ上げて書き上げたのがただただすごいなと思った。

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    2025年09月04日
  • この本を盗む者は

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    色んな本の中に入っていくのだけど、物語ひとつひとつが一冊読み終えた重厚感があり、自分も彼らと一緒に冒険している気持ちになる。

    本を読む時には、冒険のようなハラハラワクワクする感覚を求めているからファンタジー作品大好き。

    物語を愛する気持ちを忘れないようにしたい。
    そして、その物語を自分だけ独占するんじゃなくて、色んな人と共有しながら広めていきたい。本について話がしたい。

    ファンタジー作品だと、結構子供向けというか子供しかいけない世界がたくさんあって、衣装箪笥を開けてもその先に行く資格を失ってしまった大人は、いつか物語自体楽しむ資格を剥奪されてしまうのでは?だとするとものすごく悲しいなと思

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    2025年09月03日
  • ベルリンは晴れているか

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    夏の今この時に読めた事がとても良かったと思っています。  面白いと言う言い方をしていい物語の内容か分かりませんがとても面白いです。そして素敵です。
     翻訳の作品と思ってしまう空気感でした。

     深緑野分さんの他の作品も手にしたくなりました。

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    2025年08月14日
  • カミサマはそういない

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    ネタバレ

    初めて読む作者さんの作品でどんなのかドキドキしたけど、短編集でほとんど救いがなくて恐ろしかったー!面白かった。場面表現で言ったら「饑奇譚」が好き。ネオンの看板があって、雨で薄暗くて九龍城みたいなアパート、上と下という謎のシステム、放出日という設定の中で主人公がもがく話。あの時助けた兄がおじいさんになって、助けるシーン、すごく良くて金魚頭の人とかも出てきて不思議な世界観を助長してて良かった。。(良かったしか言えへん)また結局救いがないのがね…お母さん、、悲しい「潮風吹いてゴンドラゆれる」は本当に怖い!こんな夢とか見たら怖くて寝られなくなりそう。まあでもマッディーはこれ以上に怖い思いをしたんだから

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    2025年08月03日
  • ベルリンは晴れているか

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    良かった。日本の小説でここまでドイツの戦時中のことの物語が読めるのも凄い。
    そしてこれこそ、再読したくなるミステリー(私はこの小説、ミステリーとはあまり思っていない)だ。

    ジギは憎めないやつだな。
    ダニーもいい人だ。
    ギゼラのことを庇ってあげるように教えてくれたお父さんの話かたはとても好きだった。

    この小説は素晴らしいと思う。
    ドイツの歴史を知りたくなる小説でもあった。

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    2025年07月23日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    ネタバレ

    E.ルイスがいた頃(竹岡葉月)
    装備する火力と平均年齢が高すぎるのが良かった。
    笑ったけどかっこいい。

    最後の日には肉を食べたい(青木祐子)
    怖いと思ったのは私だけだろうか。
    まるで**の為の人。

    おいしい囚人飯(椹野道流)
    紫人参によってポトフがポトフに見えなかったのを思い出した。
    視覚効果って大切ですね。
    囚人飯とは言えないけど楽しめそう。

    しあわせのパン(須賀しのぶ)
    管理官が手を貸していた事に驚いた。
    管理官の心の次元は違うけどいいと思う気持ちは同じなのが嬉しい。

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    2025年07月21日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    ネタバレ

    SF良いよね。
    食をテーマにしたアンソロジー。
    素子さん目当てで買いました。
    新井素子「切り株のあちらに」
    怖いよー。
    ゾワゾワしてひえーってなる。
    どこに繋がるのこれ?って思ってたら、人類の種としての晩年って、怖すぎるだろ。
    さすがだよー大好きだよー。
    農業のとらえ方とかね、新鮮で、素晴らしい。

    その他のも秀逸で、面白かったです(^^)

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    2025年06月05日
  • オーブランの少女

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    海外の作品かなと思ってしまうくらい異国の描写がうまいです。かと思えば明治の文豪の作品みたいなのもあるし…ミステリーの内容も短編ながらもしっかりと組み立てられてます。

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    2025年06月04日
  • スタッフロール

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    特殊造形師とアニメーター、映像に関わる仕事をする草分と現役の二人の女性
    リアルとCG 手法は違うけれど自身の感性が物を言う世界なんだろうなと思う

    二人の女性をとおして、
    懐かしい世界であり深くは知らない仕事の世界に浸っていられたし
    一人一人の思いに寄り添っていられた

    読み終わってからしばらくボーーッとなったのは久しぶり
    映画を見る時は最後までみて、席を立つのは照明が明るくなってからだったなあ

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    2025年05月12日
  • 戦場のコックたち

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    アメリカ軍の若い兵士の視点から見た第二次世界大戦。
    第二次世界大戦の話というと、日本の視点からの話を目にすることが多いので、アメリカの視点、しかもヨーロッパ戦線というのが新鮮でした。
    アメリカ軍の後方基地様子では、こりゃ日本は負けるわと思うほど余裕のある設備や物資の数々がありました。
    ヨーロッパにも焼夷弾を使った空襲があったのだということを知りました…あたり前だけど、焼け野原になった街は日本だけではなかったのだと改めて意識しました。一般人同士の疑心暗鬼や飢餓…国が違っても戦争中の様子はあまり変わらないのだと思いました。
    軍の最前線で戦っているのは20歳前後の若い兵士ばかり…やっぱり戦争は嫌です

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    2025年05月03日
  • 百合小説コレクション wiz

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    スマホよ、鳴るな。大人しくしていろ

    どうして彼女が嘘を愛していたのか、その理由はわかる気がした。


    百合という同性恋愛小説という文化に最近触れてこんなにも面白いのかと思うようになった。

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    2025年04月30日
  • ベルリンは晴れているか

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    書いてあるのは文字だけのはずなのに、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、そして味覚までもがとてもリアルに感じられる作品。情景描写はもちろん、音、その場の空気の表現まで細かくて本当に戦後のベルリンにいるような感覚になった。特にすごいのが、食事の表現。戦前の温かい家族の食卓も、夏至の日のアイスクリームも勿論だが、特に驚いたのは戦後のそれ。作者はワニ肉とかカエルのスープを食べたことがあるのか?と思った。
    文章自体はそれほど難しくないので中学生でも読みやすいです。(少々大人向けの表現はありますが。)

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    2025年04月21日
  • スタッフロール

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    何より、描写がすごくて、制作の現場が丁寧に描かれていて、特殊造形の舞台裏を覗かせてもらっているようだった。
    ヴィヴがなぜそんなに落ち込んでいるのか、マチルダがなぜ辞めてしまうのか、少し納得できない気もしたけれど、そんなことは気にならなくなるような臨場感だった。
    あらためて、『2001年宇宙の旅』を見てみたいと思った。

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    2025年03月25日
  • 戦場のコックたち

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    タイトルから、戦火をくぐり抜け壮絶な環境で料理をする主人公の想像をしていたが、裏表紙および本文扉で「日常ミステリ」を描いたものだと知り、一体どんな話になるのだろうと期待半分、怖さ半分で読み始めた。
    一章ごとにひとつの謎が提示されそれを解いていく形となるが、なるほど確かに戦場という非日常にありながらも、戦場という独自の環境ゆえの「日常の謎」が描かれており興味深く読み進めることができた。
    一方で塹壕などの過酷な環境や次々といなくなっていく友人たちなど、戦場の悲惨さも、しかし読者の心の負担になりすぎない形ではありながらしっかりと描写されており、エピローグでは終戦後に残った友人たちで集まり過去を振り返

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    2025年03月21日