深緑野分のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色んな本の中に入っていくのだけど、物語ひとつひとつが一冊読み終えた重厚感があり、自分も彼らと一緒に冒険している気持ちになる。
本を読む時には、冒険のようなハラハラワクワクする感覚を求めているからファンタジー作品大好き。
物語を愛する気持ちを忘れないようにしたい。
そして、その物語を自分だけ独占するんじゃなくて、色んな人と共有しながら広めていきたい。本について話がしたい。
ファンタジー作品だと、結構子供向けというか子供しかいけない世界がたくさんあって、衣装箪笥を開けてもその先に行く資格を失ってしまった大人は、いつか物語自体楽しむ資格を剥奪されてしまうのでは?だとするとものすごく悲しいなと思っていた。
そんなことはないんだけどね。なんなら大人になってから本を読むようになったし、楽しみがわかってきた。読書のスタートには早いも遅いもないね。
それから、ファンタジー作品ほか物語を文化人類学とか民俗学的にみたり、科学とか人類の歴史とか「今生きている自分たちの世界」に絡めて学問的に考える楽しみ方を知ってしまい、そっちメインになりつつあったから最終的に「人間は愚かや…」っていう結論に至りがちだったんだけど、忘れちゃいけないよね、子ども心。。
じゃあ子ども心ってなんだっけ?、
大人になって失ったものは何かな?って考えたときに、たぶん失ったんじゃなくてむしろ多くを持ちすぎてしまったんじゃないかと考えました。
私たちは何も失ってなくて、むしろいっぱい背負っちゃってるから降ろすことを考えた方が案外解決するかもね。ただ純粋に面白いを求めて読みまくる本の虫になれるようにこれからもどんどん読むぞい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読む作者さんの作品でどんなのかドキドキしたけど、短編集でほとんど救いがなくて恐ろしかったー!面白かった。場面表現で言ったら「饑奇譚」が好き。ネオンの看板があって、雨で薄暗くて九龍城みたいなアパート、上と下という謎のシステム、放出日という設定の中で主人公がもがく話。あの時助けた兄がおじいさんになって、助けるシーン、すごく良くて金魚頭の人とかも出てきて不思議な世界観を助長してて良かった。。(良かったしか言えへん)また結局救いがないのがね…お母さん、、悲しい「潮風吹いてゴンドラゆれる」は本当に怖い!こんな夢とか見たら怖くて寝られなくなりそう。まあでもマッディーはこれ以上に怖い思いをしたんだから、報復するのはしょうがないよね…もしかしたら主人公の子が好きだったのに裏切られてあんなことをされてより苦しかったのかもなと思った、、ループグロエンド怖すぎるな。初っ端に「伊藤が消えた」の話があるのはずるい、こんなの読んだらどんどん読みたくなって買っちゃう。まんまと買ってしまった。たしかに男が出てくるドロドロ胸糞ミステリーって少ないかも?新しいけど、なんかリアルで救いなし、お金盗んでたら同罪だし、伊藤はどんだけ不憫な目にあうの…
「見張り塔」胸糞、鬱、グロ、怖、裏切り、戦争、嘘、いろんな酷いもん詰まってる!短編なのに見てて苦しかった…早く終われとも思うけど、1番はどうなるの?って気になっちゃった。みんな狂ってるよ…。
「朔日晦日」は「カミサマはそういない」の話ってことなのかな、いや今月カミサマいないよって言ってたの兄ちゃんなのに、カミサマと一緒に行ってくるよって言ってるの何!今月いないんでしょ??いないんだから、見えてるのそれカミサマじゃないよ!て教えてあげたかった!!
「新しい音楽、海賊ラジオ」めっちゃくちゃかわいい、良い話かーい。いつ鬱展開くるかとドキドキしたわ、海賊ラジオはみんなで作りあげてくもんなんだね!登場人物みんなかわいい。山へ行った子達は無事かな…? -
Posted by ブクログ
アメリカ軍の若い兵士の視点から見た第二次世界大戦。
第二次世界大戦の話というと、日本の視点からの話を目にすることが多いので、アメリカの視点、しかもヨーロッパ戦線というのが新鮮でした。
アメリカ軍の後方基地様子では、こりゃ日本は負けるわと思うほど余裕のある設備や物資の数々がありました。
ヨーロッパにも焼夷弾を使った空襲があったのだということを知りました…あたり前だけど、焼け野原になった街は日本だけではなかったのだと改めて意識しました。一般人同士の疑心暗鬼や飢餓…国が違っても戦争中の様子はあまり変わらないのだと思いました。
軍の最前線で戦っているのは20歳前後の若い兵士ばかり…やっぱり戦争は嫌ですね…
ティム達が心に傷を負いながらも身近な仲間や戦争で傷ついた人々を大事にするための行動が素敵でした。
敵兵に対する葛藤もきっと末端兵士はどこの国もこんな感じなのだろうなとリアルに感じました。 -
Posted by ブクログ
タイトルから、戦火をくぐり抜け壮絶な環境で料理をする主人公の想像をしていたが、裏表紙および本文扉で「日常ミステリ」を描いたものだと知り、一体どんな話になるのだろうと期待半分、怖さ半分で読み始めた。
一章ごとにひとつの謎が提示されそれを解いていく形となるが、なるほど確かに戦場という非日常にありながらも、戦場という独自の環境ゆえの「日常の謎」が描かれており興味深く読み進めることができた。
一方で塹壕などの過酷な環境や次々といなくなっていく友人たちなど、戦場の悲惨さも、しかし読者の心の負担になりすぎない形ではありながらしっかりと描写されており、エピローグでは終戦後に残った友人たちで集まり過去を振り返る描写から平和の重さも噛みしめることができ、大変厚みのある作品であった。
途中で「これからどうなってしまうんだ」と思わされるストーリー展開もありハラハラさせられもし、内容が内容だけに「楽しい」というと語弊があるのだが、読み応えのある書籍であった。 -
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現在、ドはまり中の深緑野分。様々な書評を見ると、単行本デビューとなる本書「オーブランの少女」を推す声が多数見られたので読みたくなった。だいぶ出版が古くて書店では入手できなかったので、困った時のBOOKOFFで探したところ・・・ありました。
深緑野分のことについては殆ど何も知らないまま作品にのめり込んだので、巻末の瀧井朝世の解説は本当に参考になった。やはりこの本の位置づけはかなり重要なので、この時点で読んでおいて良かった。本としての全体像は実に多岐に亘っており、作者の文章構成力の高さを目の当たりにした。どんなジャンルの作品でも書ける実力が確実にある。本書は短編集なので、一つの作品を読み終える度に、次の作品では私をどの様な世界に連れて行ってくれるのかワクワクしながら作品を読み始めることができる。さて、個別に感想を述べたい。
〇 オーブランの少女
最初は普通の秘密の花園的な世界から入るのだが、急に不穏な世界に引きずり込まれてしまう。この良くあるパターンに知らず知らずのうち引き込まれ、結果として初めに戻る。
〇 仮面
もうアトキンソンが可哀そう過ぎる。医者になるくらい頭がいいはずなのだが、小娘に簡単に騙される。医者に必要な記憶力をいくら持っていても、頭の回転が悪いのではいずれ滅びる。まあ、結果的には嵌められて犯罪者となった訳だが、自分の能力をきちんと把握していないとこうなってしまうのだな。
〇 大雨とトマト
店主、いるよね、こんなオヤジ。でも、オヤジの色っぽい話で終わるのかと思ったら、よもやの募金箱の話で締め括るとは、これもどんでん返しの一種か?募金箱から金を抜いた犯人は、読者は判った。しかし、オヤジや妻は犯人を知らないまま今後も生きていく。オヤジが写真について息子に聞いても、普通なら息子がしらばっくれて終了。
〇 片思い
岩様は江戸時代だったらお岩さんか。でも名前の方が薫子さんとはね。あまりにもギャップが大き過ぎる。お岩さんだと、あまり良いイメージではない。最初は暗くて寡黙だったが、物語の後半では一転して迫力のある台詞が続く。さぞかし水野環ならぬ杉浦友子さんは怖かったでしょうね。題名から考えてもてっきりGLの話かと思ったのだが、さすがのどんでん返しが後半を盛り上げてくれた。
〇 氷の皇国
ありの~ままに~♪の世界の話かと思ったら、なんと、こてこてのミステリー、謎解きミステリーとは全く予想できなかった。しかし、杉下右京ばりの皇后陛下の推理で一件落着となるとは・・・もう素晴らしすぎて感動です。後日談も痛快痛快、満足の極みです。
深緑野分も麻薬・覚醒剤の様な作家。最近の私はいろいろな薬に手を出している。彩瀬まる、村山早紀、そして深緑野分。誰が大麻か、コカインか、LSDかは言及しないが、とにかく禁断症状を抑えるのに心底苦労している。うっかり連続摂取するものなら、知らないうちに長時間読み続けて睡眠時間が削られる・・・やっぱり麻薬・覚醒剤じゃないか!最近ではちょっとしたきっかけで伊坂幸太郎も使ってしまった。一時期やめていたのに・・・脱法ドラッグか?依存症って怖いですよね。もう抜け出せない。誰か助けて。おねがい。 -
Posted by ブクログ
国家が、名も無き大衆が、冷静に考えれば違和感のある方へ、道義的ではない方へと歩み始めた時。暴走しだした時。
あなたは、私は、それを止めるべく動けるか。
それとも日常に埋もれて、考えることを放棄するか。力なき一市民にできることなどないと、我が身を守るだけか。
Noと言える人、立ち向かえる人が多数派になったとき、きっとようやく人類世界から虐殺や戦争がなくなるのだろう。
いや、どうだろうな。結局のところ、変えられるのは自分の言動だけで、ひとたび何かを強く思い込んだ他人を説得することは、同じ風土の中に暮らしている人同士でさえこんなに難しいのに、そんな日は来るのか。来て欲しいのだけど、正義はそれぞれにあって、だからこそ人間は、たとえ善人でも残酷になることがある。
ならばせめて、お前は何を選択し、どう振る舞うのかと、自問自答を放棄しないべきか。
戦争を決断する時、負けた場合を考えないやつらに、舵取りを任せてはいけない。どんな時でも、最もひどく犠牲になるのは、私たち庶民なのだ。民主主義に生きるなら、私たちは考え、主張することを放棄してはいけない。
他人に刃を向けるとき、その刃がいつか自分に向くかもしれないことを、忘れてはいけない。なぜ人はいつも自分は迫害できる側だと思ってしまうのだろう。
そんなことを思った、考えた作品だった。
ナチスが政権をとる前夜から、戦中、降伏後のドイツを舞台に、それぞれの情勢下に生きる人々が克明に描かれる。大きな政治や軍事の話ではない。日々を生きる一人一人の姿だ。監視され、密告され、飢え、連行され、殺されていくユダヤ人。反ナチズムの人たち。"アーリア人"でない民族。社会の役に立たないと決めつけられた人々。
違和感を感じつつ、ナチズムの過激化をついに止められなかったドイツ人。そして爆撃に脅え、飢え、過激に批判され、陵辱されていくドイツ人。
膨大な資料を元に、史実に誠実に、敬意をもって書かれた作品であることが分かる。
簡単に善悪を語らない点も素晴らしいと思った。
深緑さん、お見事でした。