深緑野分のレビュー一覧

  • ベルリンは晴れているか

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    名作や 出会えてよかった
    この夏、ソ連 ドイツ 日本 それぞれが舞台の戦争小説を読んでみて、これまで小中高の授業で学んだ歴史の知識だけではなにひとつ戦時中のことを想像できなかったてことに今さら気付いた 新しい小説や映画に触れたりニュースで世界情勢を知ったりするたび、自分の知識の足りなさに絶望する

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    2023年10月17日
  • ベルリンは晴れているか

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    1945年7月のベルリンを舞台に、主人公の17歳の女性が、ソヴィエト側の命令を受け恩人の男性が毒殺された犯人を探す旅に出るというストーリーです。

    章の合間に主人公の過去が振り返られ、徐々にナチスドイツの勢いによって一般人の主人公やその家族周辺の人たちが生き方や考え方を変えないと生きていけなくなっていく過程が描かれていきます。

    一人ひとりの思想が統制される時代を経て、敗戦によって立場が逆転したり自分のしてしまったことに後悔を抱える人など、それぞれの生き方が戦争によって左右されていく様が、読んでいて辛く感じる場面もありました。

    本編の流れは中盤以降一気に動いていきます。
    それも私は驚きながら

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    2023年07月04日
  • 戦場のコックたち

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    何故かノンフィクションと思い違いして購入した本作。普段小説はあまり読まないのでどうかなと思ったけど、案外ハマり、比較的分厚い本だがあっという間に読み終えた。

    タイトルと表紙のイラストから、戦場メシ的なのほほんな話を想像していたが全く違った。しっかり戦争小説。ノルマンディー上陸作戦からベルリン崩落までのヨーロッパ戦線を、コック兵の視点から描く。

    序盤は謎解き部分含め比較的穏やかな感じだが、物語が進むにつれ、謎解きの内容も次第に重くなっていく。ショッキングな出来事が起こると、もちろん重々しい感じになるが、それと同時に淡々と進む印象もあり、もしかすると戦場の兵士たちはこんな感じなのかなと想像させ

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    2023年05月09日
  • 戦場のコックたち

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    戦争の凄惨さだけでなく、兵士として従軍した人の精神の変化も感じられて辛くなった。
    でも、今読むことに意味のある本だと思ったし、読んでよかった。
    とりあえず今はクラムチャウダーが食べたい。

    解説に感じたことがまとまっていた。

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    2023年05月04日
  • 注文の多い料理小説集

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    食がテーマの本を読むと幸せになる気がする。
    自分の食事もとても大切に思えて、人生が豊かになる気がする。
    なので、最近は食事の本をよく手に取ってしまう。
    パン好きとしては、やはり「どっしりふわふわ」が好き。

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    2023年01月31日
  • 戦場のコックたち

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    ロシアによるウクライナ侵攻が勃発してしばらく経った時、書店で今読んで欲しい本として並べられていた本作。

    物語はノルマンディー降下作戦で初陣を果たす合衆国陸軍のコック、19歳のティムと彼の仲間たちが戦地で起こる不可解な出来事を謎解いていくミステリー。表紙の絵とあらすじから、もっとポップなものかと思いきや、ずっしりしっかり重い戦争の物語でした。

    前半は比較的ライトで、ティムを始めとするコックたちの日常や戦地での謎解きが楽しいと感じました。ただ後半に進み、戦況が悪化していくにつれ、ティム自身もどっぷり戦争に浸かっていってしまい、こちらも本当にキツかった。ある種ティムたちの成長と青春群像劇のようで

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    2022年09月06日
  • 注文の多い料理小説集

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    7人の作家が「料理」をテーマに描いた短編小説集です。今迄に他の作品を読んだことのある作家もいれば、この小説集が初めての作家もいます。読んでみたい作家の作品を、この様な作品集を読んでからと、思う人もいるかもしれません。この短編集では柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」が最初に登場します。柚木麻子さんの作品は数冊読んでいましたが、この作品は今迄で一番笑った作品です。柚木麻子さん以降の作家の作品は、どのような物語なのか興味が出てきたので、どんどんと読み進んでいきました。

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    2022年08月28日
  • ベルリンは晴れているか

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    日本の戦中、戦後の話は、この身におびただしく浴びている。
    そして、まずはアメリカのベトナム戦争、ソ連側の戦中、戦後の話も読んできた。
    しかし、ドイツの物語は、どれもユダヤ人の側から見た話しばかりだった。”アーリア人種”からの物語は初めてだった。どの人にも戦争はあったのだ。

    そして、本作。圧倒的なリアリティと謎解きを駆動力として、物語は進む。
    最後に作者が書いたのは、良心?
    オチが着いたとは思えないが、説得力はある。

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    2022年07月04日
  • ベルリンは晴れているか

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    1944年、ナチスが崩壊した直後のベルリンが舞台の小説。日本人が日本語で書いたからというだけではない力があるんじゃないだろうか。ぐんぐん引き込まれて最後まで面白く読んだ。
    たぶんジャンル的にはミステリーになるんだろうけど、ミステリーとしてよりは、書かれている描写に引き込まれた。ナチスが崩壊した後の貧しく荒んだ様子の臨場感がすごい。ベルリンに西側勢と東側勢がそれぞれ入ってきて、明日をも知れない感じ。考えもしなかった一時期がベルリンにあったんだなあ。

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    2022年07月03日
  • ベルリンは晴れているか

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    占領された国で生活する、という圧迫感笑とてもリアルに感じた。
    今までドイツの歴史は知っていても、その時の生活がどんなに恐ろしいものであったか、想像力が足りていなかったことを知った。

    そしてソ連軍の体質、今のウクライナでも同じことが起こっているのだろうかと思った。

    お父さんが話してくれた、薔薇見学禁止の立て札を引っこ抜く話、絶対に忘れない。

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    2022年05月17日
  • オーブランの少女

    少女にまつわる幻想的で耽美な作品集。こう書くと、同じような短編が並んでいるように思えますが、一つ一つのベクトルが違っていて飽きないし、どれも独自の世界観で深くおもしろいです。深緑野分さんは初めて読みましたが、いい作家に巡り会えたと感じました。

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    2021年04月11日
  • オーブランの少女

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    オーブランの少女(表題作)を含めた短編集です
    オーブランの少女は描写が美しくてそれでいて残酷で最後までストーリーに意外性があるのに全体として纏まっているというかなりハイレベルな作品でした
    これがデビュー作とは、、、才能があるのでしょうね。

    とくに"オーブランの少女"と"氷の皇国"は美しい描写と残酷さ、起承転結の巧さが光っていました。

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    2020年11月16日
  • 戦場のコックたち

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    ネタバレ

    2019/8/11 喜久屋書店北神戸店にて購入。
    2025/5/20〜5/31

     2016年度のミステリランキングを賑わした本作。ようやく読むことができた。ノルマンディー上陸作戦からドイツの降伏まで、コックとして兵役についたキッドことティモシーを主人公に、戦争の悲惨さ、兵士の複雑な感情などを描きながら、周辺で起こる不思議な事件を、キッドの親友エドが解き明かす。
     単なる謎解きに収まらず、重厚なテーマをぐいぐい読ませる。エピローグがあることによって作品の厚みがさらに増している。名作。

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    2025年05月31日
  • ベルリンは晴れているか

    購入済み

    映像の世紀

    読了したのは、もうずいぶん前の事ですが、数年後テレビ放送を見ていて、ある種の既視感を覚えました。
    それは「NHKスペシャル映像の世紀」という番組でした。
    ヒトラーやナチスドイツをフィーチャーした再放送でしたが、以前に観た記憶は無く不思議でした。
    しかし番組が進むにつれ、それが漸く本書「ベルリンは晴れているか」の幾多の文章が紡ぎ出した舞台だという事に気づきました。
    白黒フィルムが映し出す、ベルリンの悲惨な光景……
    それは、本書を読んでいた時に頭の中で描いた世界と寸分違わぬ物でした。
    おそらく深緑野分さんは、この映像をご覧になっていくつかの場面を執筆されたのでしょう。巻末の主要参考文献一覧に、この

    #感動する #アツい #深い

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    2023年10月18日
  • 注文の多い料理小説集

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    食べ物や食事にまつわる短編のアンソロジー 読後感はすっきりとして続きを読みたいと思うものから、うーんなんだかモンヤリ⋯というものまで様々。 季節の移ろいを感じられる「夏も近づく」と、形を変えてもパンへの情熱を持ち続けた人生の途中を描いた「どっしりふわふわ」が好み。

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    2025年11月28日
  • 旅する小説

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    帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。

    〇 国境の子/宮内悠介
    講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範

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    2025年10月23日
  • 旅する小説

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    国境の子:宮内悠介/月の高さ:藤井太洋/ちょっとした奇跡:小川哲/水星号は移動する:深緑野分/グレーテルの帰還:森晶麿/シャカシャカ:石川宗生

    それぞれの時、それぞれの場所で
    旅が生まれ物語りになる
    不思議な感じのする物語たち
    「シャカシャカ」の切り取られる世界のイメージは見た気がする……夢かな??

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    2025年10月22日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    「台所は嫌いなの」
    と、高齢女性に言われてびっくりした事がある。
    料理は苦手なんて言っちゃいけないと思ってた。
    女性がそんな事言ったら存在価値がなくなっちゃう、
    みたいな変な思い込みに囚われてたって気づいた。

    台所は私も得意ではない。
    ので好きじゃないけど、夫はもっと料理出来ないから
    ごはん作りは私の仕事になってる。
    余計に嫌いになるじゃないか。

    アンソロジー「舞台」と並んでたので一緒に借りた。
    楽しそうに作る人が多くてよかった。
    お一人、怖かったけど。
    どうせなら私も楽しく作りたいものだが。

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    2025年10月13日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    ネタバレ

    *極上の物語と絶品の料理で、至福の読書を。
    誰かのために、あなたのために思いを料理に込める人々を描いた文庫オリジナル・アンソロジー!*

    ・西條奈加「向日葵の少女」
    ・千早茜「白い食卓」
    ・深緑野分「メインディッシュを悪魔に」
    ・秋永真琴「冷蔵庫で待ってる」
    ・織守きょうや「対岸の恋」
    ・越谷オサム「夏のキッチン」

    「料理をつくる人」と言うひとつのテーマで、こんなに味付けの違う物語たちが一気に読めるなんて得した気分。
    お目当ての千早茜さんのブラックさ、織守きょうやさんのベタ展開が想定以上に振り切っていて特に面白かった。

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    2025年10月02日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    豪華作家陣が想像力と食欲を刺激する、新世紀のごはん小説。
    日常SFから遠未来SFまで8編を収録。


    「人類と食」にまつわるSF小説アンソロジーです。

    「食」は人間が生きるうえで欠かせない大切なもの。生きるのに不可欠……というだけでなく、いつしかそれは娯楽となり、美食を求め奇食を追い、飽食に飽き、ある種の歪さを孕んでいるようにも感じる昨今。食のポジティブな面だけではない部分に目を向けた一冊。
    具体的に言えばディストピア飯やオルタナティブフードなどをテーマに扱ったものが多いです
    美味しいものが大好きな私としては、こんな未来が来ないことを祈るばかり。

    個人的に好きだった話は、『E・ルイスがいた

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    2025年09月07日