あらすじ
“本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父を持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していく……初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー。
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Posted by ブクログ
本の町を代表する名家の本嫌いな女子高生が主人公。
この名家の本には呪いがかけられていて本を盗むと呪いが発動し町ごと本の世界に引き込まれてしまう。
呪いがかけられた理由は?
主人公は呪いから脱出できるのか?
読み進める内にどんどん引き込まれていくお話でした。
Posted by ブクログ
色んな本の中に入っていくのだけど、物語ひとつひとつが一冊読み終えた重厚感があり、自分も彼らと一緒に冒険している気持ちになる。
本を読む時には、冒険のようなハラハラワクワクする感覚を求めているからファンタジー作品大好き。
物語を愛する気持ちを忘れないようにしたい。
そして、その物語を自分だけ独占するんじゃなくて、色んな人と共有しながら広めていきたい。本について話がしたい。
ファンタジー作品だと、結構子供向けというか子供しかいけない世界がたくさんあって、衣装箪笥を開けてもその先に行く資格を失ってしまった大人は、いつか物語自体楽しむ資格を剥奪されてしまうのでは?だとするとものすごく悲しいなと思っていた。
そんなことはないんだけどね。なんなら大人になってから本を読むようになったし、楽しみがわかってきた。読書のスタートには早いも遅いもないね。
それから、ファンタジー作品ほか物語を文化人類学とか民俗学的にみたり、科学とか人類の歴史とか「今生きている自分たちの世界」に絡めて学問的に考える楽しみ方を知ってしまい、そっちメインになりつつあったから最終的に「人間は愚かや…」っていう結論に至りがちだったんだけど、忘れちゃいけないよね、子ども心。。
じゃあ子ども心ってなんだっけ?、
大人になって失ったものは何かな?って考えたときに、たぶん失ったんじゃなくてむしろ多くを持ちすぎてしまったんじゃないかと考えました。
私たちは何も失ってなくて、むしろいっぱい背負っちゃってるから降ろすことを考えた方が案外解決するかもね。ただ純粋に面白いを求めて読みまくる本の虫になれるようにこれからもどんどん読むぞい。
Posted by ブクログ
本の町 読長町に住む主人公深冬は、本が大嫌いな高校生。物語の世界に取り込まれた町を取り戻すため、大嫌いな本を開く。ファンタジックな本の世界にのめり込んでしまいました。これもブック・カース?泥棒を捕まえなきゃ、、、
Posted by ブクログ
説明難しいんだけど、本の呪い(ブック・カース)がテーマのファンタジー。本の蒐集家系で、何十万冊の本が集まる御倉館の継承者、本嫌い高校生の深冬が巻込まれる想像力豊かな物語世界。門戸を閉ざした御倉館から本が盗み出されるとブック・カース発動、その物語世界どおりに、町と町民が変幻、犯人は狐にされ街から逃げ出せず、主人公と謎の少女ましろが追い詰めていく。このルーチンが徐々に物語を動かし、大きな奔流となり語られる真実は何か。深緑さん作品の懐の深さが活かされ素晴らしい。本を読むのが好きな若い人に強くおすすめしたい。
Posted by ブクログ
物語の世界に入り楽しませてもらった。
ところどころのユーモアも好きだった。
「話を聞いてもらえること。自分の意思を尊重しようとしてくれる人が今目の前にいるかもしれないこと」
を大切にしたいと思った言葉であった。
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本嫌いの少女が、本泥棒を捕まえるビブリアファンタジー
以下、公式のあらすじ
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「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。
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本嫌いの深冬と不思議な少女真白のファンタジー冒険物語
さらに「御倉館」の過去にまつわるミステリ要素もある
ただなぁ……
深緑野分さんは「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」の洗礼を受けているので
で歴史の一部に入り込んだかのような写実的なミステリを期待してしまっていた
なので、かなりの肩透かし感がある
設定の作り込みや終盤の展開は好きだけれども
中盤のあたりは読み進めるのが大変だったかな
とりあえず、読み終わって思ったのが「報連相、大事」w
Posted by ブクログ
村上春樹の作品のような世界観でした。
ファンタジーもあり、深冬の行動力に惚れ惚れしながら読めました。
少し描写が分かりにくい部分がありましたが面白かったです。
Posted by ブクログ
小学生の頃、ファンタジーを読み漁っていた時の気持ちが思い起こされた。
主人公の深冬が四苦八苦しながら物語の真相に迫っていく過程は、もどかしさを感じながらもワクワクしながら読むことができた。
主人公の祖母のキャラクターが強烈で。本好きを超えてもはや狂気。深冬が読書嫌いになってしまったのも頷ける。
Posted by ブクログ
舞台は読長町にある御倉館。
主人公は、御倉一族であり、本嫌いの御倉深冬と真白という不思議な女の子。
御倉館には、先代御倉嘉市が集めた膨大な蔵書があった。
この本には、本について厳格な考えを持ち一般公開されていた御倉館を閉鎖した祖母御倉たまきの手によってブック・カースという呪いがかけられていた。
ある日、本が盗まれ、本の世界になった読長町。
その中で、元の世界に戻るべく、泥棒を探す、深冬と真白。
物語終盤には、ブック・カースの謎やましろの正体などが解決され、面白い。
ただ、本の中に複数の別の話があり、設定も様々に複雑なので、結構ファンタジー好きで、且つ、本を読み慣れている人でないと難しく良さに気づきにくいと感じた。
Posted by ブクログ
私としては珍しく つっかえつっかえ 休み休み読みました。
不思議なくにのアリス 苦手だったなあ!
なんて思い出しました。
不可思議な登場人物
犬になっちゃう真白
お父さんの妹のはずの ひるね
主人公の深冬のおばあさんの たまき
そして一番変じゃないはずなのに 核心を握っている父親の あゆむ
有名なほんのコレクターで 御蔵館を作ったのが曽祖父
おばあさんのたまき は 本がぬすまれるのにがまんができずに 呪いをかけた。
本が盗まれると 現実の世界が 父親の書いた本の世界になってしまう。
何冊も書いているので 今度はこんな物語か!
となってしまう。
町の人たちみんなを巻き込んで 本の世界が繰り広げられる。
その中で 深冬は 本を盗んだ犯人を見つけ出さないといけない。
見つけ出すと やっと元の町にもどることができる。
結局 曽祖父が神社に本を200冊寄贈し それをたまきに伝えなかったために 呪いが発動した。
深冬は 家の圧力から 本を読むのが嫌いな子に育つ。
いろんなものと戦って 自分は本が嫌いじゃなかったことを 思い出す。
大好きな犬の耳をもつ真白は 深冬が小さい頃 何回も描いたイラストだった。
私って本当は こんなのが好きだったんだ!
と 自分を取り戻していく。
違う世界になる回数が多く その本の内容がよくわからないため 結構疲れました。
でも げっつらばったら 読んだ本のほうが 心に残るかましれません。
Posted by ブクログ
単行本の時から気になっていたので読んでみた。
んんん、濃ゆいファンタジー小説でした!
舞台は読長町という、古書店や新刊書店、ブックカフェ等々溢れる本の街。
主人公は本の蒐集家御倉家に生まれた本嫌いの深冬。
おばあちゃんがかけた本の呪い、”ブックカース”から街を救うために、嫌々本と向き合います。
読長町がいろんな雰囲気の種類に様変わりする様子が事細かに描かれていて、色んな世界観を楽しめました。
本のことを愛している人ならワクワクするような光景が沢山出てきます。
読むのに時間がかかりましたが、こってりこってり楽しめました。
Posted by ブクログ
本を盗んだどろぼうを追いかけ、さまざまな本の世界を冒険するという帯の文を読んで『文学刑事サーズデイ・ネクスト』のような話かと思ったのですが、違いました。
本の世界に入っていくサーズデイ・ネクストが本の世界に入り込んでいくVRの世界だとしたら、こちらは現実世界に本の世界が重なりあうMRのような感じ。
時代といえば時代なのかも。
それにしても、ファンタジーというのは難しいジャンルなんだなあと思う。
現代小説も時代小説も上手い宮部みゆきも、ファンタジー小説となると今一つといつも思ってしまうけど、深緑野分もファンタジーは向かないかも。
書き込みが丁寧過ぎて、読者の側の自由度がないんだなあ。
特に視覚情報が細かいから、角川書店発行ということもあって、メディアミックスを念頭に置いた作品だったのかもしれないなどと、メタ読みまでしてしまう。
そういう外側の事情はさておいて、この作品。
本嫌いの主人公深冬は、膨大な蔵書をもつ家に生まれ、しかも祖母の強い意志で、一家の者以外は本の持出禁止であり、それを破ったものは呪われる…などという突拍子もない事態を日常として過ごしている。
祖母が亡くなり、父が入院した矢先、その呪いが発動した。
本を読むことしかできない叔母のひるねは役に立たず、どこからともなく現れた真白という少女とともに深冬は盗まれた本を探す冒険を繰り返すことになる。
設定は面白かったんだけど、作品ののめり込むほどではなかったのは、作中作があまり魅力的ではなかったから、かな。
真白の正体は、はじめ亡くなった祖母たまきの良心かと思ったんだけど、違ったね。
でも、極端なたまきの性格ではあったけれど、彼女は彼女なりに読書好きであり、しかも娯楽小説ばかりを集めた「御蔵館」であるとすれば、娯楽小説を愛していたのだろうから、だとすると本来人間嫌いではないと思うのよ。
何かで人間という存在にがっかりしたのかもしれないけれど、人間を好きでなければ小説は読めない。
そんなたまきの血を引いたあゆむの娘である深冬を支える真白は、ある意味たまきの良心と言っていいと思う。
で、「この」本を盗む者の話ではないよね。
この「本」を盗む者への呪いの話。
本を読まない人が増えた現在、だけど万引きは増えている。
本屋さんが続けられなくなり閉店するというケースが多々ある現状を、作者は訴えたかったのかもしれない。
そして、読書の世界ってこんなに多種さまざまで、きっとどこかに自分に合った本があるかもよっていう話なのかもしれない。
それはわかるけど、激しく同意するけれど、まずその前に、読みやすくあれ、と思った。
Posted by ブクログ
この作家さん、いろいろと書き分けられるとは分かってましたが何とこれは思ったよりも
ファンタジー色が強かった。
好き嫌いは分かれるけれど、もっとミステリー寄りだと思ってた、勝手に。
Posted by ブクログ
まず「ベルリンは晴れているか」の作家さんの作品とは思えない!作風全然違う!となった。
一作品で違う世界に飛べるの面白い。情景描写からアニメで見たいとなる。
作中の読長町行ってみたいな。
Posted by ブクログ
「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」を以前に読んだことがあり、ヒロインが、日本人のおはなしもあるのか、と、文庫になったのもあって読んでみました。なんだかアニメっぽい感じのファンタジーでした。中学生向きなのかも。
Posted by ブクログ
主人公と一緒に追体験しているような作品だと思う。何が何やらな状況からこのファンタジーの世界が理解できるようになり、最後にはどんな結末が待っているのかワクワクさせてくれる。
Posted by ブクログ
個人的には詰め込みすぎ感があって、もう少しあいだあいだにひと休みがあれば読みやすかったと感じました。
作中の物語とか、話の基盤にはわくわくしました。
映像になった方が頭に入って行きやすそうな気がするので、映画化はいいと思います。
Posted by ブクログ
ちょっと変わったファンタジーだな〜、と思いました。現実とファンタジーが入れ替わって、本嫌いの主人公がファンタジーな世界に魅せられて行って、誰もが知らないファンタジーな世界を自分で紡いでいきたくなるのは創作活動に似てるな…と思いました。
Posted by ブクログ
普段ファンタジーはなかなか読み進められないのだけれど、この小説はサクサクと読めた。情景を想像しやすくて、ワクワクしながら読んだ。
ハリー・ポッターも読めない自分が唯一読破できたファンタジー小説。
読みながら頭の中で、自分なりの登場人物や景色や状況を思い描きながら読む。ファンタジーの面白さってこういうことかな?と感じられる本だった。
Posted by ブクログ
盗まれると物語の世界に変わり、泥棒を捕まえないと元に戻れないという呪いをかけられた、本がたくさんの御倉館。主人公の深冬が泥棒を捕まえるために入る、さまざまな世界が現実離れのファンタジーで楽しい。理屈を考えると、えぇ、と思うところもあるけど、冒険譚として楽しめました。深冬が本が嫌いな等身大の高校生で、身近に思えました。
Posted by ブクログ
設定もストーリーも世界観も
全ておもしろかった!
なのに読むのに時間がかかった。
それでも色んな世界を渡り歩くと、その世界観がしっかりしているから物語に入り込めるし
次はどんな世界に行くのかわくわくできた。
Posted by ブクログ
新刊案内で気になってはいたものの、なかなか読まずじまいだった『この本を盗む者は』(深緑野分)。
412ページあってやーーーーーーーっと読めた……長かった………。
物語の中で、主人公が核心を掴めずにいる状態がもどかしくてもどかしくて…
でも時間だけが過ぎていくあの感じが正直ちょっとつらくもあったけど、現実だって変わりないなとも思ったなぁ。
何やったらいいかわかんなくて日々をただただ過ごすだけの状態が続くのは同じなのに、
物語のキャラクター見て思っちゃうのは、私もそんな状態だからだろうなとも思うんだけど、
物事は一気には進んでいかない事もまた現実で、
マンガのようなスピード感のある生活は、実際には送りづらいとも思うのよ。
………と、ついつい物語と現実を比べたがるクセがあります。
それがひと段落して今、登山並みの程よい達成感感じてる。
けど、目の前に次の5冊がいる‥笑
Posted by ブクログ
本泥棒が現れると呪いにより様々な世界観の本の世界に町が変わってしまうという趣向のファンタジー小説
後半の物語全体の真相に迫っていくあたりは面白かったが、コミカルなキャラクター描写が自分にはあまり合わず少々読みづらさがあった
このテーマであればもう少し本を読む楽しさが湧き出るような楽しさが欲しかったが
深冬が最終的に没頭したのも、どちらかというとファンタジー世界そのものでは…?
Posted by ブクログ
本を貯蔵する館を管理する一家の娘が主人公。館の本が盗まれるとファンタジーの世界に入り込み、犯人を見つけないと出ることができなくなってしまうという話。ファンタジーの世界の話は面白いところがあるが、戻ってからの現実世界での話の展開はそこそこ。
Posted by ブクログ
面白い話だな、と思って読んだのだが、ラストになってそもそもの設定が今一つ。全部神社のせい?ひるねって何者?なんで深冬だけすべての記憶が残っているの?疑問ばかりが浮かぶ。
Posted by ブクログ
書店などの売り場で、このタイトルの本が置いてあるのは面白かった。そうゆう意味でタイトルのつけ方はユーモアがあり上手いと思う。思わず盗みたくなってくる。(しないが)
内容としては、主人公が現実主義者で、ヤング向けによく登場する「そんなのありえないでしょ!」とファンタジー要素に否定から入るキャラクターなので苦手だった。
章が進むごとに理解が深まって否定は少なくなるが、それでも精神的に幼いなと思ってしまう。
ブック・カース。
盗まれた古書の世界観に入っていき、盗まれた本と盗んだ者を探し出せば元の世界へ戻れる。
何故か盗む者は毎回狐の姿になっている。
そして世界が変わる時、真白という少女であり犬の姿にも化ける者も助手として現れる。
その各話のあらすじなどはそこだけ異なる文体で書かれたりしており面白かった。
ネタバレ↓
ブック・カースという仕組みを作ったのは本の管理にこだわっていた叔母・たまきが神社で神と約束を交し、ひるねという子を貰ってきたものによる。ひるねは蔵書を眠らず読み続け全て読破し、その後は殆ど寝るようになった。父・あゆむは話を作るのが得意だったため、本が盗まれるとあゆむの作った話のうち、ひるねが選んだ世界(話)に入ることになる。
神とまで契約してこのような仕組みを作ったたまきのきっかけが、祭りの日に数百冊もの本がまとめて盗まれていたこと。
祭りの日は屋台が並んで賑わっており、その日の当番だったあゆむも気が散っていた。
主人公が神社に全て保管されているのを発見する。その箱には、寄贈と書いてあった。祭りは亡くなった叔父の誕生日であり、亡くなる前に神社と取り決めしていて、あゆむは当時12歳であり気が散っていたのもあって、運び出しに関して適当に返事をしていて、業者側も12歳だからそこまで厳格に対応しなかったりで把握できなかったのだろう〜という話だった。
ちょっとここは都合が良すぎるが。
各物語が一番面白く感じた。
しかし、きっかけとなる事件の理由が微妙。
主人公の本嫌いは叔母たまきの影響だと終盤で判明して納得しているが、そう忘れてしまうものかとも思う。アニメ化したら面白そうだが、どうしても主人公の言動の軽さが苦手だった。