深緑野分のレビュー一覧

  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわるアンソロジー
    どのお話もひとくせ、ふたくせあって
    興味深いおはなし
    中でも、伊吹有喜さんの
    「夏も近づく」がおいしそうでたまらなかった
    塩おにぎりや、水出しかぶせ茶、ブロッコリーのオリーブオイル漬け、春キャベツのピクルス、たけのこご飯、手作りベーコン
    どれも自家製で少し地味かもしれないけど
    間違いなく美味しいってわかる
    食をきちんと考えられる人に悪い人はいないですね

    この頃はどんなに単純な料理でもいいから
    自分で家で作って食べたいと思うようになった
    なんでだろうな
    けして美味しいものを作れるわけでもないのに
    この本を読んでさらに思う
    食に対して考え直すいいキッカケになりそう

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    2025年04月07日
  • 戦場のコックたち

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    ネタバレ

    食べることと料理が好きなティムが特技兵(コック)として戦場に出る物語。
    料理を提供し、仲間と過ごし、不可解な謎を解き、時には敵を殺す。

    死はいつ訪れるかわからないが、この瞬間にも死ぬかもしれない戦場は現代人からしたら遠い話のようで想像できなくはない現実だなと思う。

    抗えないことに対抗するのではなく、
    抗えないことの中で必死に生き(そして染まっていく)、非日常を日常に昇華する兵士たちは、帰還後に見慣れていたはずの生活に違和感を覚えるのは当然なのか。

    何というのか、言語化できない思いが残る小説だった。

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    2025年04月03日
  • スタッフロール

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    映画に夢を見た女性たちの物語。ところどころ、本当の話、特にスターウォーズまわりの話がたくさんあって、良かった。
    解説を著者自身が書いていて、ゴジラ-1.0のことについていっぱい書かれていたのも良かった。

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    2025年03月22日
  • ベルリンは晴れているか

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    濃い、濃い、濃い。あなたは戦争を経験したドイツ人ですか?ってくらいにみっちりと戦前、戦中、戦後のドイツが描かれている。2箇所の誤植(文字化け)もご愛嬌。これはたまらん本です。

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    2025年03月06日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわる短編のアンソロジー。
    小洒落た創作寿司屋、土鍋ご飯、金平糖、蕗の薹(ふきのとう)、パン…。
    どれも美味しそうで、お腹がすいてくる本だ
    ★5が2本
    ★4が2本
    ★3が3本
    やはり大好き作家さんのは面白かった!

    男たちの下心が渦巻く隠れ家的な高級寿司屋。
    男たちが落としたい女性にお寿司のウンチクをスマートに披露している場面に、唐突にのしのしと現れたのは…。
    乳児を抱っこ紐で抱え、母乳で汚れたカットソーにスウェットを履いた体格良い中年女性。
    ドスンとマザーズバッグを置き、ツウなお料理を野太い声で次々と注文し始める。
    お母ちゃんに支配されていく店内の様子が痛快!
    このストーリーは柚木麻

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    2025年03月02日
  • この本を盗む者は

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    本嫌いの少女が、本泥棒を捕まえるビブリアファンタジー

    以下、公式のあらすじ
    ----------------------
    「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
    書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
    “この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
    本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨

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    2025年02月20日
  • ベルリンは晴れているか

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    終戦直後の分割統治されたベルリン。一つの死を解く道程と過去の回想が交互に現れる。語り口は素直で読みやすく、衣食住や町並みや会話や空気の匂い、圧力や苦痛や死までが等身大で入ってくる。だからこそ、タイトルとラストが、眩く、目に沁みる。

    読みながら同じ時期に、ポッドキャスト「COTEN RADIO」の「オスカー・シンドラー」のシリーズを聴いていた。アウグステとカフカ、レオン少年とシンドラー、ルートとマリア。創作と現実を往来しながら同じ時空に存在していた人たちの関係性、意志や行動に思いを馳せる、それも物語の解像度を高めるのに役立ったと思う。

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    2025年02月07日
  • ベルリンは晴れているか

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    はじめて、戦時中のドイツを題材にした物語を読んだ。
    最初は少し時間がかかったが、ベルリンの街、その当時の空気感がとてもイメージしやすく、途中からは一気に読み進められた。
    話は重いけれど、読み終わったあとは満足感があった。

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    2025年01月12日
  • ベルリンは晴れているか

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    きちんと取材されているんだろうなと感じる。戦火の中とあと。ナチスドイツの前と後。キャラも魅力的。とても面白かった。

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    2025年01月03日
  • 注文の多い料理小説集

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    読後感が良く楽しかった!
    もっと前後を読みたくなるようなお話もあり、おいしいとこどりできるアンソロジーの良さだなと思いました。柚木麻子さんが好きで手に取ったけれど、読んだことのない作家さんのお話も良かったです。

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    2024年12月29日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    なかなか良かった。
    千早さん目当てで購入したけど、なんか幻想的で求めていたものではなかったのが残念。
    とはいえ、1番印象に残ってるのはやはり千早さんの作品だった。
    好きだったのは初作家さんの松永さん。
    深縁さんも良かったな。
    織守さんのはさすが。晴れやかな雰囲気から一気にそんな展開に!という感じです読み応えあった。

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    2024年12月24日
  • ベルリンは晴れているか

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    戦時中のドイツでの生活がすごく詳細に調べられていて、それを読み進めるのがすごく勉強になると思った。

    本当に戦争したら、いかんなと思う。

    日本が戦争をする準備を進めているのが、チラチラ頭をよぎりながら読み進めた。

    戦勝国の言い分としては
    罪なき民間人とかはなくて、国の代表(ここではヒトラー)を選んだ国民全員に罪があるみたいな事を言われているところがあって、ゾッとした。

    国会議員ほんまにちゃんとした人選ばないとーって。

    本当に戦争になったら
    国のプロパガンダ以外の情報が手に入らなくなったり、外国語を学べなくなったり、
    配給になったり、つげ口が横行したり、国と違う考えを口に出たりすると、連

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    2024年12月19日
  • この本を盗む者は

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    村上春樹の作品のような世界観でした。
    ファンタジーもあり、深冬の行動力に惚れ惚れしながら読めました。
    少し描写が分かりにくい部分がありましたが面白かったです。

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    2024年12月10日
  • この本を盗む者は

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    小学生の頃、ファンタジーを読み漁っていた時の気持ちが思い起こされた。

    主人公の深冬が四苦八苦しながら物語の真相に迫っていく過程は、もどかしさを感じながらもワクワクしながら読むことができた。
    主人公の祖母のキャラクターが強烈で。本好きを超えてもはや狂気。深冬が読書嫌いになってしまったのも頷ける。

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    2024年12月06日
  • カミサマはそういない

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    おまえは、善人か?

    ハッピーエンドではない物語を集めた
    七編からなる短編集。
    ミステリー、SF、ホラー、オカルト?
    一編一編、時代も世界も違う、
    まさに深緑野分ワールド。

    毎日、寝る前に一編ずつ読んだら、
    読後、唸って、
    眠れば、魘される。
    確実に寝不足になるだろう。

    どうしようもない現実。
    何で、こうなってしまったんだ!!
    カミサマはいない。
    と、言い切らないところに、
    まだ救いはあるのかも。

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    2024年12月04日
  • ベルリンは晴れているか

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    「同志少女よ、敵を撃て」を読み、同じ時代のドイツ側の物語を読みたいと思い手に取った。

    ベルリンが舞台。ドイツが降伏して間もない頃と、ドイツがナチスに傾倒してやがて破滅に向かう1928年から1945年までを交互に描く。

    とにかく重い。普通の人たちがじわじわとナチスの考えに染まり、熱狂し、やがては優生思想や民族排除を何とも思わなくなる様がリアルで怖い。

    更に敗戦国の悲惨な現実も描かれている。

    ナチスを誰も止められなかったのかと非難するのは簡単だが、いざその状況になったら、不可抗力な気もする。日々高まる生活への不満の中、あの男がじわじわと力をつけてきた。気がつかないうちに思想を植え付けられ、

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    2024年11月29日
  • カミサマはそういない

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    ネタバレ

    色んなパターンの終末世界のお話。
    カミサマ=神≠上(解説より)
    好き嫌い別れそうな作品だけど、個人的には好き。
    崩壊したようなヒドイ世界の中でもなんとか生きてる人たちの物語であり、もがいてる感じがなんか良い。
    世界そのものを救うとか変えるとかいう気概が一切ない感じが面白い。
    とは言え、最後の「新しい音楽、海賊ラジオ」が少し希望見いだせそうな終わり方だったので、暗い気持ちで読み終わることなく済んだのは良かった。

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    2024年11月05日
  • カミサマはそういない

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    何の音もしない。靴音も、笑い声も、唱和も、歌も。
    ただ、ただ、静かな見張り塔の中で、僕の咀嚼音だけが響いた。

    (伊藤が消えた/潮風吹いて、ゴンドラ揺れる/朔日晦日/見張り塔/ストーカーvs盗撮魔/饑奇譚/新しい音楽、海賊ラジオ)

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    2024年11月02日
  • ベルリンは晴れているか

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    アウグステの生き様に色々と考えさせられました、戦争後を舞台としていますが、回想シーンでは戦時中の悲惨な様子もありありと描かれており胸が痛くなるようなシーンも多かったです。結末には色々と驚かされました。
    文章構成が難しい本だったのでなかなか読み終わるのに時間を要しましたが、読んでおいて良かったと感じます

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    2024年10月25日
  • 戦場のコックたち

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    美味しい食事でも紹介してくれるような本なのかと思ったら...
    浅はかな思いで読み始めた自分を一喝したい。

    戦禍の中で起こるちょっとした謎をコック仲間と一緒に解きながら話が進んでいく。

    戦争は、なんでも奪っていってしまう。
    家族も家も居場所も思い出すらも。

    戦い、引き金を引くということは
    誰かの家族を奪うこと。
    それに気づいた時の気持ちなんて、私には一生わからない。

    読んでいて凄く胸が苦しくなる話だった。
    それでも、希望を見出せる結末もいくつかあってよかった。

    胸にグッと来た文章

    「家族が笑っていられるのは、レンズの先にはお前がいると知っているからだ。お前がこの世からいなくなったら、

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    2024年10月13日