【感想・ネタバレ】ベルリンは晴れているかのレビュー

あらすじ

1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。

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Posted by ブクログ

読中読後、頭や心の中に衝撃を受けてそれが尾を引く。ナチス台頭と敗戦を迎えたドイツをドイツ人少女の目線で描く大作。ミステリとかエンタメのジャンルで括れる作品ではなく、深く重い。
フェイクニュースの発信や大衆煽動の怖さは、遠い昔の遠い国の話ではない。自分は正しく生きられるのか、子供に正しい行動をとるように教えられるか。色々と考えさせられた。

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2025年10月05日

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平和というものは死に物狂いで維持しなければ維持できない。選民思想はこころえぐられるけど、いまアメリカファーストとか言って選民思想やろうとしてると思うと嘆かわしいわ。障害を持った人たちまで連れ去られて、殺されてしまう世界。日本の経済ってまだまだ豊かだからSDGだか、DEIとか言ってられるけど、瀕してきたらそんなこと言ってられないし、平和はやっぱり一人ひとりが全力で守らなければと思った。

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2025年09月30日

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ネタバレ

ドイツでのユダヤ人への差別や排除などは異常な域に達してて読んでてずーんと落ちた。警察に見つかるかも?隣人に密告されるかも?って生きるのは苦しくて辛すぎ。悪事を犯したわけでもないのに。だって顔立ちだけで判断されるのっておかしいし、みんな同じ人間やのに国が違うだけでこうも対立してしまうのかと怖くなる。
色々細かく書かれていて作者はドイツに詳しい人なんかな?と思ったけど文献の数とかすごくて、ここまで調べ上げて書き上げたのがただただすごいなと思った。

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2025年09月04日

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夏の今この時に読めた事がとても良かったと思っています。  面白いと言う言い方をしていい物語の内容か分かりませんがとても面白いです。そして素敵です。
 翻訳の作品と思ってしまう空気感でした。

 深緑野分さんの他の作品も手にしたくなりました。

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2025年08月14日

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「ベルリンは晴れているか」(深緑 野分)を読んだ。

人間という生き物の際限のない愚かな行いを真正面から描く衝撃の怪作。

ヒットラー時代の幕開けから、終戦後の東をソ連、西を米・英・仏に分割統治されたベルリンを舞台に繰り広げられる物語の中で、驚くべきひとつの真実が明かされるミステリー小説でもある。

見事!

『次は誰を船頭にすればいい? 誰に舵取りを任せればいい? 誰が誰を裁き、自分たちはこれからどんな国旗を掲げればいいんだ?』(本文より)

(ネタニヤフやプーチンにこの本読ませたいぞ)

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

名作や 出会えてよかった
この夏、ソ連 ドイツ 日本 それぞれが舞台の戦争小説を読んでみて、これまで小中高の授業で学んだ歴史の知識だけではなにひとつ戦時中のことを想像できなかったてことに今さら気付いた 新しい小説や映画に触れたりニュースで世界情勢を知ったりするたび、自分の知識の足りなさに絶望する

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2023年10月17日

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1945年7月のベルリンを舞台に、主人公の17歳の女性が、ソヴィエト側の命令を受け恩人の男性が毒殺された犯人を探す旅に出るというストーリーです。

章の合間に主人公の過去が振り返られ、徐々にナチスドイツの勢いによって一般人の主人公やその家族周辺の人たちが生き方や考え方を変えないと生きていけなくなっていく過程が描かれていきます。

一人ひとりの思想が統制される時代を経て、敗戦によって立場が逆転したり自分のしてしまったことに後悔を抱える人など、それぞれの生き方が戦争によって左右されていく様が、読んでいて辛く感じる場面もありました。

本編の流れは中盤以降一気に動いていきます。
それも私は驚きながら読み進めることができ、ミステリー的な面白さもあって読めて良かったと感じました。

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2023年07月04日

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日本の戦中、戦後の話は、この身におびただしく浴びている。
そして、まずはアメリカのベトナム戦争、ソ連側の戦中、戦後の話も読んできた。
しかし、ドイツの物語は、どれもユダヤ人の側から見た話しばかりだった。”アーリア人種”からの物語は初めてだった。どの人にも戦争はあったのだ。

そして、本作。圧倒的なリアリティと謎解きを駆動力として、物語は進む。
最後に作者が書いたのは、良心?
オチが着いたとは思えないが、説得力はある。

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2022年07月04日

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1944年、ナチスが崩壊した直後のベルリンが舞台の小説。日本人が日本語で書いたからというだけではない力があるんじゃないだろうか。ぐんぐん引き込まれて最後まで面白く読んだ。
たぶんジャンル的にはミステリーになるんだろうけど、ミステリーとしてよりは、書かれている描写に引き込まれた。ナチスが崩壊した後の貧しく荒んだ様子の臨場感がすごい。ベルリンに西側勢と東側勢がそれぞれ入ってきて、明日をも知れない感じ。考えもしなかった一時期がベルリンにあったんだなあ。

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2022年07月03日

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占領された国で生活する、という圧迫感笑とてもリアルに感じた。
今までドイツの歴史は知っていても、その時の生活がどんなに恐ろしいものであったか、想像力が足りていなかったことを知った。

そしてソ連軍の体質、今のウクライナでも同じことが起こっているのだろうかと思った。

お父さんが話してくれた、薔薇見学禁止の立て札を引っこ抜く話、絶対に忘れない。

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2022年05月17日

購入済み

映像の世紀

読了したのは、もうずいぶん前の事ですが、数年後テレビ放送を見ていて、ある種の既視感を覚えました。
それは「NHKスペシャル映像の世紀」という番組でした。
ヒトラーやナチスドイツをフィーチャーした再放送でしたが、以前に観た記憶は無く不思議でした。
しかし番組が進むにつれ、それが漸く本書「ベルリンは晴れているか」の幾多の文章が紡ぎ出した舞台だという事に気づきました。
白黒フィルムが映し出す、ベルリンの悲惨な光景……
それは、本書を読んでいた時に頭の中で描いた世界と寸分違わぬ物でした。
おそらく深緑野分さんは、この映像をご覧になっていくつかの場面を執筆されたのでしょう。巻末の主要参考文献一覧に、この番組名がありました。
観たものを忠実に言葉に表すという事が、どれだけ難しいかは人それぞれかもしれませんが、深緑野分さんは見事にそれをやり遂げています。
脱帽です。
もちろん、ストーリーも素晴らしいので是非ご一読ください。
「オーブランの少女」、「戦場のコックたち」も併せてお勧めします。

#アツい #感動する #深い

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2023年10月18日

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第二次世界大戦後のドイツと大戦前のドイツを交互に、アウグステというドイツ人少女を中心に話が進む。

戦中のドイツというとナチスのユダヤ人大量虐殺、ぐらいしか知らなかったけど、ユダヤ人だけでなく、ドイツ人にも当然辛い戦争体験があったわけで。
家族と暮らしていた普通の日常と、両親を亡くしてから少女が死と隣り合わせの中で1人で生きていくとてつもない日々と。。。
もう絶対に二度と戦争をしてはいけない
どこの国も何人でも同じ、
今本を読んだり、コーヒーを飲んだりしている暮らしがどれだけ幸せなことか、実感し続けるのは難しいけど、
平和で平凡な毎日を過ごせることをありがたいと思いました。

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2025年09月03日

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ドイツ人の視点から見た、第二次世界大戦の戦中・戦後の話に初めて触れました。
やっぱりどこの国も国民は教育と報道から洗脳されていくのですね…
ドイツも日本とそんなに変わらない流れで戦争に突き進んでいたんだなと思いました。

戦後、ベルリンが4つの国に分断されていたのは初めて知りました。日本がそうならなかったのは、島国だったからですかね…
そして、治安の悪さとドイツ人が蔑まれる様子が、日本より酷かったのでは?と思わせられる描写が多かったです。

ユダヤ人に起きたことの描写は辛いものでしたが、今ガザで起きている事については、彼らはどう思っているのか、あの頃されていたことと今していることの違いはあるのだろうかと疑問に思いました(◞‸◟ㆀ)

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2025年09月02日

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ある男性を探す旅にでたアウグステ。
旅の中で見られる戦時中のドイツの人、街が妙にリアルで引き込まれた。
一緒に旅をしている気分になりました

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2025年06月22日

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読み始めは難しいのかなと思っていたけど、当時のベルリンのこと細かい情景描写に心奪われ圧巻でした!後半も怒涛の読み進めで面白かったです♩

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2025年04月30日

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戦時中のドイツでの生活がすごく詳細に調べられていて、それを読み進めるのがすごく勉強になると思った。

本当に戦争したら、いかんなと思う。

日本が戦争をする準備を進めているのが、チラチラ頭をよぎりながら読み進めた。

戦勝国の言い分としては
罪なき民間人とかはなくて、国の代表(ここではヒトラー)を選んだ国民全員に罪があるみたいな事を言われているところがあって、ゾッとした。

国会議員ほんまにちゃんとした人選ばないとーって。

本当に戦争になったら
国のプロパガンダ以外の情報が手に入らなくなったり、外国語を学べなくなったり、
配給になったり、つげ口が横行したり、国と違う考えを口に出たりすると、連行されたり拷問にあったり、レイプが当たり前にあったり
戦勝国の言いなりにならざるを得なかったり。

人は歴史から学ばないといけないと思う。

ストーリーとしては
話がやや出来すぎていると感じてしまったけど
すばらしい本だと思います。

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2024年12月19日

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『同志少女よ、敵を撃て』を読んだあとに、この本を読んだ。この時代に起きていたことを、小説を通して知る。日々、勉強です。

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2024年04月20日

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登場人物一人一人の生い立ちが回想として語られ、シリアスな場面では外国語としてのロシア語の会話に訳がなく、臨場感のある演出にハラハラさせられる。後半にかけて、先の見えない曲がりくねった下り坂のように罪が次々暴かれていくが、爽快に感じるよりも、戦時中ドイツの過酷な環境への憐憫の情を禁じ得ず、戦争への関心を強く持たねば、と思いを改めた。

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2023年09月27日

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人捜し×1945年7月のベルリン。殺害された人間の甥を探しながら、当時の様子がむざむざと伝わってきた。私は何も知らなかった。むしろ知らなかったことの罪悪感が大きい。そうか、ベルリンは連合国が分割して統治してたのか。戦争は女の顔どころか人間の顔をしてない。いや、、これが本当の人間の顔かもしれない。

ヒトラー率いるナチスによるユダヤ人の迫害は誰もが知っている。ナチスを支持するドイツ人もまたユダヤ人を迫害し、逆にナチスを支持しないドイツ人を非国民扱いしていた。そしてドイツ人にもユダヤ人にも密告者はいる。自分が信じたいものを信じられなくなる悲惨な時代だ。特に、本当はアーリア人なのにユダヤ人を演じていたジグの告白は強烈だった。生きるためにそうせざるを得ない。滑稽に語る口調からの痛々しさはこれまでに味わったことがないくらい、悲しいものだった。

あと、話の合間に出てくるワニのスープとペリカン。動物園を守ろうとしたヴィルマはかっこよかった。戦争を乗り越えたベルリン動物園はいまだ現役だ。この本を読み、ドイツ、特にベルリンに訪れてみたいと思った。

あとあと!深緑野分さんが描く少女は強い!「この本を盗む者は」に出てくる主人公もそうだし、17歳のアウグステもそうだし、バイタリティがすごい。やられたらやり返すくらいの気概を持ってないと。そう力強く思った。

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2023年03月27日

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巻頭の地図がありがたい。小説としても楽しめますが当時の資料をよく調べて描かれたのが分かりますしベルリンの惨状、ドイツ国民の置かれた状況など色々なことが勉強になりました。

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2023年02月09日

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ミステリーというより戦争文学。
前半は「卵をめぐる祖父の戦争」と似ている。
「戦場のコックたち」の方が好み。

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次世界大戦敗戦直後1945年7月のドイツ。
ヒトラーは自死を遂げ、英米仏露の連合軍に分割統治されるベリリン。

幼い頃から英語版『エーミールと探偵たち』を読み耽っていた主人公アウグステは、その英語力のおかげでアメリカ領のダイナーで職を得ることができ、なんとか食いつなぐ生活基盤を持つことができた。
くたくたに疲れて帰ったある夜中、ロシア軍管轄の警察に有無を言わさず連行され、NKVDの将校ドブリギンに告げられたのは、かつて世話になったクリストフの毒殺死。
クリストフは戦時中はその富を隠蓑に反ナチ地下活動を支持し、戦後は同志文化部のチェロ奏者としてロシア軍の庇護下にあった。

妻のフレデリカが疑わしい人物としてアウグステの名を挙げたこと、毒である青酸カリはアメリカからの配給品の歯磨き粉に混入されており、アウグステが数日前に支給された同一品を闇市で売っていたことから、アウグステは執拗な事情聴取を受ける。
確たる証拠がないため、ほどなく解放されたが、翌日ドブリギンからフレデリカの付き人の取り調べから、クリストフには生き別れた甥エーヒリがいるこが判明し、殺害に関わっている疑いがある、軍は人手が割けないので探し出してきて欲しいとかなりの無理難題をふっかけられる。
敗戦直後の関係性のなせるわざなのか、アウグステは断ることもできず、前日の取り調べの際に、偶然関わったコソ泥カフカと共にエーリヒ探しの旅が始まる。

戦前、戦後ドイツ国内の移ろいゆく描写に冒険ミステリ風味を混ぜ込むなんとも独特な読み応え。
そこまでどぎつい表現はないものの、共産主義からナチズムへの傾倒、優生思想や情報統制と生き抜くための盲目的な忠誠心、戦争へ導いたもの、結果として訪れたもの、繰り返される愚行、日本国内とはまた別の色合の”戦争”をとり巻く数多の理不尽が頭をぐるぐると行き交う。

ミステリー仕立てとやがて訪れるポツダム会議への機運がアクセントとなり物語へ引き込みつつ、その実”戦争”の残すものを考えさせられる一冊。

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2022年08月20日

Posted by ブクログ

あたかもその時代に生きていたような1945年前後のドイツの描写に驚かされる。その描写ゆえに戦争の悲惨さがひしひしと伝わる。
ドイツがポーランドに不意打ちで侵略した際の話で、作中に下記のような記述がある。
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ゴミ捨て場の前にいた婦人たちは「だって、ポーランドが悪いんでしょう。総統は『平和のための攻撃』とおっしゃったし、国を守るためにやむなくよ」と話していた。
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現在のプーチンの発言とプロパガンダに汚染されたロシア人と全く同じ。
まさにプーチンは現代のヒトラーだ。

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2022年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あなたに伝えないといけないことがある。

連合国に占領されたベルリンで、アウグステはある人を探していた。お供は元俳優。アメリカ、ソビエト、ナチス、ユダヤ。戦争で家族を失い、自分を守るために人を殺した。「戦争」を終わらせるために、アウグステは行く。

アウグステが殺したというのはある程度わかるとして、その理由や方法が問題である。最後にジギの手紙があるのが救いのひとつ。アーリア人でありながら、ユダヤ人のように見える風貌を活かしてナチスのプロパガンダ映画に出ていたジギ。彼は自分かわいさのためにいつも逃げていた。最後の手紙でも迷っている。読者が一番共感できる人物ではないか。

皆脛に傷を持つ。戦争だから。自分の身が大事だったから。上に立つ者が変わっても、人間は変わらない。それならば戦争であっても許されない悪もあるはずだ。生きるために犯す罪もあれば、生きるために償わないといけない罪もある。アウグステは罪を犯し、その罪を償う。正しくはない。しかしその姿は眩しい。

『エーミールと探偵たち』が重要なアイテムとして出てくる。勇気と正義感とそしてちょっとした無謀な冒険の物語。それがアウグステを奮い立たせ、道を選ばせたなら。物語の力の大きさを思う。

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2022年05月08日

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海外の話は人名や地名が頭に入ってきにくいので読むのに時間はかかったが、読み切った。

戦争はどの国においても良いことなど無いもないのよね。

アウグステは生きづらそうな性格をしているなぁ。

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2025年07月14日

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面白かったと義理のお母さんからオススメしてもらい読む。

海外の翻訳作品のようだ。
外国人の名前、外国の地名はどうも頭に入りづらい。

「あれ?この人誰だっけ?」と、何度もなる。
私が阿呆なだけなのだが。

なかなか読み進めるのに時間がかかってしまった。

面白いのだが、頭に入ってくるまで時間がかかる。

一気読みとは、いかなかった。

星は3つ。3.7くらいか。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

同じ敗戦国でも島国の単一民族である日本とは幾重にも違うものがある。民族間の憎しみ、密告、力関係の逆転…そこにヒ素を使った殺人犯。辻褄が合わなかったところをジギの手紙で一気に合わせて締めくくった感じがあるが、ドイツの終戦を読むのは勉強になった。

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2025年01月10日

Posted by ブクログ

ミステリーを普段読まない方にも、おすすめしやすい戦争小説でした。時代背景もよく見えてきて、戦時中の市民の心境や置かれている状況など、学べるものが多かったです。

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2023年02月01日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦敗戦後のドイツ。ある人物の死を起点として、物語が進み始める。物語が進行する傍で、読者は主人公の半生を振り返ることになるが、戦時中の混乱に翻弄され苦悩する人々の様子が描かれており、ミステリ+歴史物といった内容になっている。
登場人物それぞれの思惑が交錯し、最終的に綺麗にまとまるのだが、綺麗なまとまりを重視するあまりリアリティに欠ける印象を受けた。
冒頭に死んでしまったある人物の描写が極端に少なく、後半の展開が腑に落ちなかったり、主人公の心を惹きつけたイーダとのつながりが薄っぺらかったり、人物の心理描写にはかなり課題が残る。
また、登場人物の個の弱さが目立ち、舞台はヨーロッパなのに、人物の名前や風景の描写以外はほぼ日本風であったことが悔やまれる。
いっそミステリと割り切って、戦争の苦悩などに言及しないほうが作品としての完成度は高かったかもしれない。 

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2022年03月31日

Posted by ブクログ

敗戦直後のベルリンが舞台のミステリー小説。事件自体は戦争とは無関係だが、時代背景の描写が圧巻で、ミステリーとしてより歴史小説として読み応えがあった。日本も敗戦国なので、あの時代を生きていたらこんな思いをしてたかもと考えると、読んでいて苦しかった。

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2022年07月05日

Posted by ブクログ

本屋大賞ノミネート
日本人がこれだけ第二次大戦中のベルリンについて描けたことに驚嘆
ミステリーとしては少し弱いか

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2022年08月03日

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