深緑野分のレビュー一覧

  • ベルリンは晴れているか

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    これはミステリか?
    確かにそうだな。
    ミステリとしては大したことないな。
    しかしな…
    そんなことどうでもよくなるよ…
    これは、圧倒的な取材の上に、緻密に築かれた、渾身のクロニクルだよ。

    17歳の少女は、奪いつくされ、死を見つめ、怒り、恨み、絶望し、それでも生きていく姿が、淡々と語られていく。
    すべてを諦めたようで、でも、何かを信じるように。
    彼女のその行動の理由は最後に明かされる。
    絶望の戦時下、戦後のドイツで運命に翻弄されアウグステのその後には、祝福がありますように。

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    2026年04月26日
  • ベルリンは晴れているか

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    ネタバレ

    ベルリンに3ヶ月くらい短期留学していたことがあったので、知っている場所が出てきて、戦時中・戦後はこんな感じだったのか!と知れて面白かった。
    あの地域はソ連であの地域はアメリカだったんだ!とか。
    でも、面白いと思ったのは最初だけで、戦時中の描写が残酷すぎる…。ユダヤ人の虐殺で、まず泣いている赤ちゃんを殺されて、その後妻を裸にされて殺されて、そして夫(しかも目撃者の同級生)も殺されるシーン、残酷すぎて読んでいてキツかった。ほかにも、ユダヤ人ではなくドイツ人だけど障害者の姉を弟が密告して安楽死させる収容所に送り込むとか…。そんなことが起きてたのか…と衝撃だった。
    本編のストーリーの合間合間に、色々な

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    2026年04月25日
  • カミサマはそういない

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    ネタバレ

    まさか本のタイトルが、全ての話に共通しているとは思っておらず、解説を見て思わずもう一度読み返してしまうぐらい衝撃を受けました。解説を読むことで、より深く本編を理解できるので、2度読みたくなる短編集でした。

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    2026年04月22日
  • 注文の多い料理小説集

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    それぞれ全く違う味わいの作品ですがそれそれ大変、力作ぞろいで私はかなり好きですね

    概要

    「料理」をめぐる極上の7つの物語

    うまいものは、本気で作ってあるものだよ――
    最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス……
    おやつに金平糖はいかがですか?
    物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。

    小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ
    とびきり美味しいアンソロジー。

    【本書登場の逸品たち】

    塩むすびと冷たい緑茶
    ハルピンのイチゴ水
    全粒粉のカンパーニュに具を挟んだ
    サンドイッチ
    きときとの富山の海の幸・ゲン

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    2026年04月17日
  • カミサマはそういない

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    ピエロと遊園地の話と、兵士の話、最後の海賊ラジオの話が好きだ。
    海賊ラジオは一番救いがある。
    ピエロには救いがない。
    一人残った兵士にも。
    こういうなんとも言えない後味が残る話って好きだなぁ

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    2026年03月27日
  • 戦場のコックたち

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    17歳の少年ティムがノルマンディー上陸作戦から始まるヨーロッパ戦線を通じて、兵士として人間として成長していく物語です。連合国軍の兵士がナチスの収容所を見つけた時の反応や戦場の描写など、とても細かく書かれていると思います。最後の祖母との会話のシーンが私のお気に入りです。

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    2026年03月26日
  • ベルリンは晴れているか

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    ネタバレ

    ラスト、物語がはじまる前、かつすべてを終えている彼女の元に、救いとしてのケストナーが戻ってくるところが印象的だった。
    戦争とか、大きな暴力の前に、われわれはたいへんに無力だけれど、やっぱりさいごのちいさな希望みたいにして、本があってくれて、人間は人間でいなきゃだめだよと言ってくれる。

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    2026年03月23日
  • オーブランの少女

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    ネタバレ

    少女を主軸においた短編集。
    歴史モノで面白い。
    が、謎が解けた後は嫌ミスっぽい感じがある作品もあり。
    特に、オーブランの少女は、読後にどっと疲れた。

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    2026年03月07日
  • 注文の多い料理小説集

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    よいーーーーー暖かな気持ち
    苦かったり甘かったりピリ辛だったりほんのり優しかったりして奥深い味わいでした

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    2026年02月26日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    SF作品。ほっとんど読んだことなかったので、短編集から読んでみた。

    意外と、あっこう言うのもSFなのか。と言ったようなのもあったけれど、近未来的な話に、ちょっと手間取ることもあり。
    でも、書いているのがSF作家のなかでも、かなり有名で、食べ物、に絞ったものということもあり、楽しかった。不気味だけれど、どんどん読んでしまう作品も。
    一番印象に残ったのは、
    「最後の日には肉を食べたい」
    主人公が、「ルカ」への依存度が高いことに恐怖を覚えたと同時に、これこそ、静かなる侵略?なんて思った。最後、「ルカ」の仲間を意識していなかったタカアキが、『生まれた』と主人公にキスをする。これは一瞬の洗脳?支配?こ

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    2026年02月23日
  • 空想の海

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    いろんな味わいで彩り豊かなドロップスみたいな(それより少しダークでビターな)物語がぎゅっと詰まった作品集。
    SF、幻想ホラー、児童文学、戦争の話、ミステリ…『この本を盗む者は』スピンオフ短編も。「イースターエッグ」のお話が優しい気持ちになれて好きだったな。

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    2026年02月21日
  • 注文の多い料理小説集

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    フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
    タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。

    特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!

    伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
    拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
    まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。

    『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしり

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    2026年02月13日
  • 百合小説コレクション wiz

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    『選挙に絶対行きたくない 家のソファーで食べて寝て映画観たい』『パンと蜜月』『エリアンタス・ロバートソン』『嘘つき姫』が好みで、南木義隆氏はさすがの力量だった。選挙〜はどちらの気持ちも分かる。選挙は行くけど、雑に生きる権利欲しいよね。 現代百合からファンタジー百合まで幅広く、どの話も短編ながらずっしりとした質量があり良質なアンソロジーで、読めて良かった。

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    2026年02月11日
  • この本を盗む者は

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    本屋大賞ノミネートのファンタジー小説。気になってはいたものの初読みの著者。なるほどアニメ映画原作になるわけだ。面白いギミックたっぷりのストーリーに、絵に描かれたらわくわくが止まらなそうな情景の描写が続く。それでいて、本の街・読長町と本の屋敷の設定は、小説読みの心をもくすぐるような設定だ。

    本の収集家だった曾祖父さんが集めた本を納めた館がある。この館を継いだ父を持つ高校生の娘が主人公。厳しかった祖母の影響もあり、娘は本が嫌いだ。ある日館に足を踏み入れたところ、館の本が盗まれたことがわかり、かつて祖母がかけたらしい本の呪い「ブック・カース」が発動していた。この呪いにより、なんと盗まれた本の世界に

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    2026年02月08日
  • 空想の海

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    海/髪を編む/空へ昇る/耳に残るは/贈り物/プール/御倉館に収蔵された12のマイクロノベル/イースター・エッグに惑う春/カドクラさん/本泥棒を呪う者は/緑の子どもたち

    深緑野分さんの頭と心から生まれたお話たち
    素材も味も風味もいろいろで、残り香も違う

    美味しいお茶で一服しようか

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    2026年02月07日
  • ベルリンは晴れているか

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    色んな意味で、重くて、長くて。
    少し疲弊。

    『また、桜の国で』とは少し年代が後になり、
    45年以降にも光が当てられている。
    戦時が舞台となるとやはり戦禍中の大人たちにフォーカスされることが多いけれど
    この作品では地下活動の様子や、家族のいない子どもたちの奮闘に視点が行く。

    旧友に偶然再会できるところや、主要なキャラクターが最後生き延びているところはいかにも小説だなぁと感じるけれど、
    米兵の制服を着てたとしても本当にアメリカ人なのか、味方なのか敵なのか、善なのか悪なのか
    外面だけでは判断できない複雑さに飲み込まれていく。

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    2026年02月04日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    映画を観たので原作も。
    謎解き要素を含んだファンタジー作品。
    主人公が作中作を読み歩く物語でありながら、この本自体が主人公の書いた小説という二重構造が面白い。

    真白の扱いが映画と大きく異なるのが最大の特徴。
    映画では常に隣にいた真白だが、小説では現実世界には現れないし、本の世界でもよくはぐれてしまう。
    真白という存在の不確定さが強調されており、それが物語のメリハリとなっているし、それを積み重ねた先にあるラストの重みが映画よりも増しておりこれはこれで良い扱いだと感じた。

    次々訪れる冒険のなかで過去を取り戻し、過去に向き合い、自分と向き合った深冬に訪れるハッピーエンドは結末を知っていても幸せな

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    2026年01月30日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理が出てくる本が読みたくて借りた1冊。伊吹有喜さんの『夏も近づく』で泣いてしまった。拓実も葉月も穏やかに幸せであれ。最後の柴田よしきさんの『どっしりふわふわ』はすごーく色んなパンが食べたくなった。

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    2026年01月28日
  • ベルリンは晴れているか

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     戦争は悲惨であり国が独裁化すると日常が全て奪い取られ奴隷のような扱いを受けることになります。もみ消しや謀略が当たり前の世界は恐ろしいです。
     世界中の人が「過去から学び、それぞれの正義を議論して、協力して明るい未来を築ける」ようになると良いです。平和と公正がすべての人に届くことを願っています。

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    2026年01月21日
  • この本を盗む者は

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    巨大な書庫の「御倉館」を運営する父を持つ学生の深冬
    亡くなった祖母のたまきのかけたバックカーストの呪いで、本の物語の世界になってしまった街を元に戻すため、謎の女の子の真白と街に飛び出す。

    ハードボイルドな世界から機械仕掛けの巨大な魔物が闊歩するファンタジーの世界観まで、世界は目まぐるしく変わるけど、普段街で見かける人たちが役割を変えて登場するというのは、不思議な気分だろうなと。
    真っ直ぐに深冬を思う真冬の犬っぽい忠実な性格が、学校でも、友達付き合いが苦手な深冬を暖かく包み込む。
    何でも悩み事を話せる、そんな友だちはいないので、余計に深冬が羨ましく思えました。

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    2026年01月18日