藤井太洋の作品一覧
「藤井太洋」の「マン・カインド」「まるで渡り鳥のように 藤井太洋SF短編集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「藤井太洋」の「マン・カインド」「まるで渡り鳥のように 藤井太洋SF短編集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
国際基督教大学中途退学。『Gene Mapper -full build-』などの作品を手がける。
Posted by ブクログ
藤井太洋(大洋ではない)、初めて読むSF作家。普通、初めて読む作家の場合は短編小説から読んで様子を見るのだが、今回はタイミング良く早川書房から新刊書が出版されたのをきっかけに思い切って読むことにした。帯を見ると、第53回星雲賞日本長編部門受賞作という華々しい勲章付き。例によって、素晴らしい作品は読む速度に加速度が付く。読み始めて早速、藤井太洋の書籍を集めにかかり、読み終わる頃までには殆ど揃えた。余りにも強烈な感動が私を襲ったので、この勢いで他の2つの長編に行くか?ちょっと待て。明後日、東京創元社から叢書短編集が出るとのこと。読むならそっちだな。
この小説の重要なテーマの一つに「公正戦」があり
Posted by ブクログ
舞台は2045年。2030年代に横行した自動機械による殺戮応酬、非対称戦争への反省から、ORGAN(限定銃火器行使単位)という兵士部隊を運営する組織は、あらかじめの約束事に従う公正戦なるハンデを自らに課している。
そんな公正戦という概念が一般的になった世界で、独立宣言した企業都市〈テラ・アマソナス〉の排除の依頼を受け、公正戦を受諾したのが、アメリカ最大の軍事企業〈グッドフェローズ〉。公正戦の終わり、〈テラ・アマソナス〉の公正戦コンサルタントであるチェリー・イグナシオが捕虜の兵士を虐殺する。明確な戦争犯罪の真意を、その第一報を届けようとしたジャーナリストが追う。
というのが物語の導入
Posted by ブクログ
長らく積んだままになっていた本書に取り掛かってみたが、「誘拐殺人事件」の謎で興味を引っ張りつつ、個人情報照合システムの問題点に切れ込んでいく構成が素晴らしい。
もっと早く読んでおけばよかった、と思う面白さであった。
ギークの生態もよく描写されており、個人情報保護法の問題点の指摘も的確である。
また、IT業界で横行しているといわれる多重請負問題についても、中抜きやブラック労働だけが問題なのではなく、個人情報の取扱いについても問題があることが指摘されている(本書では明示されていないが、政府や企業の秘密情報も同様であろう)。
それにつけても、日本そのものが巨大な虎にのまれることがないように願いたいも