マン・カインド

マン・カインド

小説・文芸
2,420円 (税込)

12pt

2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。この虐殺をレポートしようとした迫田城兵は事実確認プラットフォームにより配信を拒否されてしまう。果たして人類に何が起こっているのか?

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マン・カインド のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    最高でした! 2045年の戦場ジャーナリストが主人公の、ミリタリーSF、なのですけれど、とにかく近未来への解像度が高くてワクワクする!

    たとえば「年寄りのエンジニアは、音声エージェントをわざわざ名前を呼んで立ち上げがち。HeySiriだのOKGoogleだの、当時の製品名で呼ぶのを好む人も多い」みたいなちょくちょく挟まる『近未来ありそうありそう』がいちいち絶妙。

    ラスボスが『チェ・ゲバラの扮装をしてハバナ葉巻を嗜む現代戦争コンサルタント』なのも、みょーに男心をくすぐる!

    クライマックスの王道的な盛り上がりと、エピローグの余韻もたまらない……。

    専門家同士のよくわからない専門的な会話で妙にわくわくする感覚は、アレだ。『シン・ゴジラ』に似てるんだ! 兎に角お勧めです!

    0
    2025年08月13日

    Posted by ブクログ

    活字の本がまだまだ得意ではない自分でもこの本は楽しく読めた。
    ヒデミスで知って買った。ミステリーをあまり読んだことはないけど、こういうミステリーもあるんだなと感じた。
    読み進めながら脳内アニメ化して楽しんでました。いつか本当にアニメや映画になってほしい作品。

    0
    2025年06月24日

    Posted by ブクログ

    現在の技術の延長線上にある遺伝子編集でニュータイプを作るお話。作為的な進化という話はエヴァンゲリオンの人類補完計画を思い出させるが、更にその淵源を辿れば「地球幼年期の終わり」にルーツを見出すことができるだろう。
    実はうちの子もIVFで生まれたのだが、文系脳の両親には似ずに読書はあまり好きではなく、理数系を得意としている。いや、まさかね。

    ちょうどこれを読み始める前に映画「シビル・ウォー」を観ており、更に本書を読むのと同時並行的にアニメ「サイバーパンク:エッジ・ランナーズ」を観ていた。
    本書内での政治状況や、「インプラント」などの技術についてはこれらの映像作品と共通するものがあり、これがいわゆる共時性(シンクロニシティ)というものなのだろう。

    本書を読んで思い出したのはヴィレム・フルッサーの「サブジェクトからプロジェクトへ」で、ディテールは忘れてしまったものの、「人体を任意にデザインすることはグロテスクに思えるかもしれないが、未来の人間はそれをするだろう」というようなことが書いてあった覚えがある。

    本書のテーマからは外れるが、本書の「叙述記憶」についての叙述を読んで思ったことがあるので記しておく。
    「起きた出来事を、些細な前後関係などを無視して脳が合理的なストーリーにまとめてしまう」という叙述記憶は、夢の中の時間が早く進行すると感じられることと関連しているかもしれない。夢を見ているとき(レム睡眠時)は、脳の複数の箇所が活性しているという。その間には、無意識の中で複数のストーリーが進行していると思われる。それが、覚醒に近付くにつれて、意識を駆動する脳の理性的な部分がバラバラのストーリーを合理的にまとめてしまうのではなかろうか。レム睡眠時には幾つかの出来事が短い時間の中で同時並行的に起こっているが、脳がこれを後から一本のストーリーにまとめるので、覚醒後の私たちは長い時間が経過したように感じられる、というわけである。これは検証の方法も思い付かない仮説なのだが、叙述記憶という概念は、この仮説の補強に使えるように思う。

    0
    2025年01月30日

    Posted by ブクログ

    傑作だった。

    最初は理解できない単語の連発で戸惑ったが、話が進むにつれて少しづづ分かるようになるのが良かった。

    内容は自信を持って満点を付けれます。それほど面白かった。いつか分からないほど遠い未来で実現しそうなテクノロジーに、興奮と少しの怖さを感じました。

    新しい人類が誕生する場合は、自然にではなく人工的に作られる。そう確信させられるほど、本小説に魅入られてしまいました。

    本屋大賞を是非取ってほしい。
    万人受けする内容じゃ無いから難しいかもしれないけどね。

    大おすすめです。



    0
    2025年01月20日

    Posted by ブクログ

    藤井太洋(大洋ではない)、初めて読むSF作家。普通、初めて読む作家の場合は短編小説から読んで様子を見るのだが、今回はタイミング良く早川書房から新刊書が出版されたのをきっかけに思い切って読むことにした。帯を見ると、第53回星雲賞日本長編部門受賞作という華々しい勲章付き。例によって、素晴らしい作品は読む速度に加速度が付く。読み始めて早速、藤井太洋の書籍を集めにかかり、読み終わる頃までには殆ど揃えた。余りにも強烈な感動が私を襲ったので、この勢いで他の2つの長編に行くか?ちょっと待て。明後日、東京創元社から叢書短編集が出るとのこと。読むならそっちだな。

    この小説の重要なテーマの一つに「公正戦」があり、既に発表した作品からこのテーマを引き継いでいるとのこと。この世から戦争が無くなれば良いのだが、どうしても戦争で決着を付けたい国同士で極めて平和的に戦う(限られた土地で、限られた人数で、限られた時間内で戦う等々の限定付きで国を代表して戦争を行う)ことができる考え方。これと比べると、いかにロシアやイスラエルが無駄な事をやっているのが判る。近未来では、ようやく戦争の愚かさを学んだようだ。また、恐らく現在からこの間は幸運にも核戦争は起こっていないようだ。

    また、この作品にはいろいろな科学的要素が内包されていて、読み進めるうちにどんどん脳が活性化して読書スピードが加速度的に上昇した。特に私が気になったテーマについては簡単にコメントしたい。
    〇 事実確認サービス
    これを早く日本のIT産業で行って欲しい。そして早く日本の政治に適用して欲しい。なになに、そのためには「大規模言語モデル」と「量子コンピューティング」が必要なの?量子コンピューティングの方は最近良く耳にするけど、現在の進捗状況は実際どうなのかな?成功事例あるの?
    〇 精子洗浄剤
    不妊治療に使う薬品「精子洗浄剤」はファルキのP&Zが開発したとのこと。でも、このP&Zってアメリカの洗剤メーカーP&Gのパクリじゃないの?発音も殆ど同じ。洗剤だけに、精子まで洗っちゃうんだ。本当は洗浄じゃなくて遺伝子組み換えだけど。精子をピッカピカに磨き上げてスーパー精子にするなんて、どこまで皮肉たっぷりなの。それと、このファルキという創始者はコロナですっかり世界的に有名になったファウチのパクリ?
    〇 CRISPR-Cas9
    2020年ノーベル化学賞を受賞したこの技術。そりゃこの遺伝子組み換え技術を使ってDNAに新しい遺伝子を追加できるけど、SFだから入れた分だけ機能は追加できるけど、やり過ぎだよ。少しは予測できない不具合も発生するけど、ガンガン有能遺伝子を盛り込むなんて、ちょっとハメ外しすぎ。ここで、おもしろ情報を一つ。CRISPRを初めて文献に載せたのは石原良純だって?良く見たら石野良純でした。ああ、ビックリした!

    一つ謎が湧き出て来た。この作品はSFマガジンにて2017年8月号から2018年8月号まで連載されたものを単行本化したものだが、2022年に第53回星雲賞を受賞してなぜ直ぐに出版されなかったのだろうか。どうして2年間も据え置かれたのだろうか。本当に謎です。

    また最近、早川書房と東京創元社の仁義なき戦いが実に興味深い。似た様な題材で早川書房から8月に春暮康一の「一億年のテレスコープ」が、東京創元社から同じ8月に宮西建礼の「銀河風帆走」が出版された。そして、今回は同じ藤井太洋で早川書房から9月に本書「マン・カインド」が、東京創元社から11月明後日に「まるで渡り鳥のように」が出版される。もう、ライバル関係バッチバチやな。まあ、こういった戦いはウェルカムのウェルカム。

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    2024年11月27日

    Posted by ブクログ

    「マン・カインド」(藤井太洋)を読んだ。

    これは見事!

    近未来の戦争のあり方に「公正的戦闘規範」で答えを出したのかと思っていたら実はさらにその先を見据えていたのだな。

    藤井太洋さんが描くちょっと先の未来って(変な言い方だけど)地に足がついた揺るぎないものに思えるんだな。

    意思を強く持たないと徹夜をしていまいそうな面白さなので要注意。

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    2024年11月05日

    Posted by ブクログ

     舞台は2045年。2030年代に横行した自動機械による殺戮応酬、非対称戦争への反省から、ORGAN(限定銃火器行使単位)という兵士部隊を運営する組織は、あらかじめの約束事に従う公正戦なるハンデを自らに課している。

     そんな公正戦という概念が一般的になった世界で、独立宣言した企業都市〈テラ・アマソナス〉の排除の依頼を受け、公正戦を受諾したのが、アメリカ最大の軍事企業〈グッドフェローズ〉。公正戦の終わり、〈テラ・アマソナス〉の公正戦コンサルタントであるチェリー・イグナシオが捕虜の兵士を虐殺する。明確な戦争犯罪の真意を、その第一報を届けようとしたジャーナリストが追う。
     
     というのが物語の導入……という認識で良いのかどうか、自分が上手く作品を理解できているのか大変心配になりますが、壮大な謎あり、緊迫感のあるアクションあり、とすごく心に残る作品でした。

     ネタバラシを避けるために曖昧な言い方にはなってしまうのですが、チェリー・イグナシオの〈動機〉を知った時、〈人類とは〉と考えさせられ、そして彼らはどこへ行くのか、と考えさせられる作品でした。よく人類史の話の引き合いに出される、ゴーギャンの絵画のタイトル『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』のあの言葉が、まさに、という感じで胸に迫ってくる壮大さが魅力的でした。

    0
    2024年11月05日

    Posted by ブクログ

    遺伝子操作で生み出された超人とSFと、詰まりに詰まった怪作。

    公正戦闘の概念が世界に浸透した2045年。ジャーナリストの迫田城兵は、
    国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが
    軍事企業グッドフェローズの捕虜を銃殺する場面に遭遇する。
    この不可解な虐殺を世界にレポートしようとする迫田だったが
    何故か事実確認プラットフォーム『コヴフェ』により配信を拒否されてしまう。
    チェリー本人から遺族訪問を依頼された迫田は、
    グッドフェローズ唯一の生存者レイチェル・チェンと共に
    熾烈な第二内戦を経た北米の自由領邦をめぐる。
    やがて二人に合流したコヴフェのトーマ・クヌートは、
    虐殺に関する迫田のレポートが軽視された原因を解析。
    グッドフェローズのメンバーに秘められたある秘密を知る。

    あらすじを見ただけではちんぷんかんぷんだが、
    本編を読んでも専門用語のオンパレードで少し気を緩めると
    たちまち置いていかれてしまう。SFあるあるの一種がこの作品にもある。

    両親の人種とは懸け離れた肌や目や髪の色を持って生まれてきた子供たち。
    チェリー・イグナシオは何を以て公正戦と言われるルールを破り虐殺したのか、
    そして、迫田に課した遺族への慰謝料や謝罪の真意。
    ざっくり言えば、この辺りの謎を追っていく物語。

    設定はかなり複雑だが、面白さは担保されている。
    戦闘描写など、目を覆いたくなる残虐さはあるのだが、
    次々と襲いかかる展開には思わず息を呑んでしまう。
    とっつきにくい難解さはあるものの読んで損はない、そんな一作。

    0
    2026年08月07日

    Posted by ブクログ

    単行本の作品で、AI動画や画像が跋扈する現代の延長線上にありそうな作品。もし文庫化するのであればもう一度読みたい。

    0
    2026年05月05日

    Posted by ブクログ

    遺伝子操作で超人類を作れるのか…
    でも、インプラントを埋め込んだり他の様々な技術で、人間の能力をどんどん拡張する世界観では、現時点で超人類だとしても、すぐに差はなくなるのではないか? という気もする。そもそも人間である必要性はどこに? という問いもあって、大仰な表現に相対するほどの深刻さが見当たらない。

    0
    2026年01月18日

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