面白かったです!
華道部だったので、花ってやっぱりいいなと改めて思わせてくれるような物語でした。
川原崎花店の店頭に置いてある黒板の看板に、その日イチオシの花にまつわる詩とか短歌、俳句などが書かれてあるのはいいな〜と思いました。
紫陽花だったら、正岡子規の「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」。
向日葵
...続きを読むは、寺山修司の「列車にて 遠く見ている 向日葵は 少年のふる 帽子のごとし」。
菊は、紫式部の「菊の花 若ゆばかりに 袖ふれて 花のあるじに 千代はゆづらむ」。
スズランは、日野草城の「すずらんの リリリリリリと 風に在り」
など。
花にまつわる豆知識や、同じ花でも色や本数によって花言葉が変わることとか、重陽の節句、スズランの日など知らなかったことが読みながら楽しく知れて面白かったです。
家族や友達に花を贈ってみたくなりました。
話の内容だけでなく、登場人物も魅力的で良かったです。
ラストは、キクちゃんのコンペと恋の行方が気になりました!
キクちゃんの事務所「ワンダフル・フレンド」も実現するのかドキドキします!
最後まで楽しく読めました!
あらすじ
24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っ払った勢いで働くことに。やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていく。花を求めるお客さんの事情はそれぞれ。誰かを祝う花もあれば、少し切ない花もある。いろんな想いが詰まったお花を届けているうちに、紀久子は自分の心にもう一度向き合いはじめ―。
古典や、歌、花言葉、友情と恋……。
絶妙にミックスされた花束のような物語。
Ⅰ 泰山木
Ⅱ 向日葵
Ⅲ 菊
Ⅳ クリスマスローズ
Ⅴ ミモザ
Ⅵ 桜
Ⅶ スズラン
Ⅷ カーネーション