深緑野分のレビュー一覧
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ネタバレ起承転転承結みたいな感じ?笑
期間を開けて読んでしまって、話が抜けかけた。戦争描写、心理描写が本当に美しい。
個人的理解としては、ユダヤ人や障がい者が犯罪者として迫害されてるとき、本当に犯罪者だったのはアーリア人、ドイツ人だったってことだよね。人種なんて不確定なもので、人を決めることはできない。結局のところ、何人だろうが極悪人はいるし、聖人はいる。
物語的驚かされる起承転結ではなかったけど、、導入が好きだったかな。読み終わった時、見返したらあの導入は必要だったのかは疑問だけど笑
あと、アウグステのお父さんのギゼラの薔薇の話は涙無しに読めなかったわ。刺さった。
第二次世界大戦後のドイツが分割されるまでの歴史をほとんど理解していなかったから、それまでの混乱について勉強になった。
どこの国も、戦後に抱える問題は似たものがあるよね。誰に支配されたとか、どんなものが足りなかったとかじゃないものが。
戦争というものが生み出す、言葉で書き表せない残酷さを、体験していないのに、本や映像から知ることができるって今生きてる人の特権だよね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ全体的にホラー、もしくはホラー一歩手前のミステリーを集めた小説集。
「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」とか、「朔日晦日」とかはもうホラー。だって悪夢が無限ループしてたり、兄ちゃんがやばい奴に連れてかれてたりしてるもん。
個人的に好きだったのは「鐖奇譚」。なんとなく千と千尋っぽい。物を食べると大放出で消えるのを免れる的な話とか、主人公の親がやってる店の雰囲気がそんな感じ。台湾の九份をイメージしながら読んだ。
過去の自分の行動が実は別の人の命を助けることに繋がってた、とわかって、なんだかイイ話?と途中まではなるのだが、最終的には自分が望む未来に向かってその人たちを簡単に見捨てるし、そんなことしたのに結局自分が望んだ未来にはならないし、元の世界線の自分を自ら消してじゃあ今の自分って何?みたいな、「ほんとにそれでよかったんかなぁ」という後味の悪さがなんともいい感じ。
「鐖奇譚」ってどういう意味なんだろう?と思って調べたら、「鐖」はかえし(釣り針の先によくついてるやつ)、「奇譚」は不思議な物語ということらしい。
この話でいうと、トリガーみたいな意味合いなのかなぁ。過去の事象にまつわる不思議な物語。
最近パラレルワールド的なお話はよくありますが、バッドエンドってあんまりない気がするので、おもしろい結末だな〜と思いました。 -
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戦場のコックたち
**著者**: 深緑野分
1944年6月、ノルマンディー降下作戦**から始まるこの物語は、特技兵(コック)として戦場に立つ新兵ティムと同年代の兵士たちの過酷なヨーロッパ戦線での経験を描いています。冷静沈着なリーダーのエドとともに、彼らは戦場や基地で奇妙な事件に遭遇し、時には謎解きに興じます。
ティムたちは戦場で、忽然と消えた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件、塹壕戦の最中に聞こえる謎の怪音など、様々な不可解な出来事に直面します。死と隣り合わせの状況で、若き兵士たちは戦場の「日常の謎」を解き明かすことで気晴らしを見つけます。
戦場という過酷な背景の中で、登場人物たちの人間らしさや仲間思いの姿が描かれ、心温まるシーンが多く含まれています。その一方で、戦争の悲惨さをリアルに描写し、読者に歴史の重みを伝えます。深緑野分氏の初の長編ミステリとして、戦争とミステリの融合が見事に表現された作品です。
※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん、英: World War II、略称:WWII)は、1939年(昭和14年)9月1日から1945年(昭和20年)9月2日[35]まで約6年にわたって続いたドイツ・イタリア・日本などの日独伊三国同盟を中心とする枢軸国陣営と、イギリス・フランス・中華民国・アメリカ・ソビエト連邦などを中心とする連合国陣営との間で戦われた戦争である。また、中立国も存在した。最終的には連合国陣営の勝利に終わったが、第一次世界大戦以来の世界大戦となり、人類史上最大の死傷者を生んだ。 -
Posted by ブクログ
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アメリカの俳優ニック・オファーマンが出演作品について、「なぜ同性愛者の物語にする必要があったのか?」と訊かれて「そういうくだらない質問するやつがいるからだ」って言い返したというニュースを気に入ってたんだけれど消えてる…フェイクだったのかな?
久々に百合アンソロジーなどを。百合でなきゃ得られない養分が…とかってわけではないけれど、やはりなんというか、この関係性じゃないと生まれない痛み、のようなものがある。でもそれって普通の恋愛小説と何が違うの? と思うことも。純度の問題なのだろうか? LGBTQに配慮も忖度もしないオレのような者が、しかしなぁ。
全8編。特に気に入った(そして気に入らなかった)ものだけを掻い摘んで…と思ったけれど毎度、ほとんど全部。それだけ良作揃いではあるのだけれど、残念な部分もあります。
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選挙に行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい/斜線堂有紀
普通に考えて頭がこれって失敗でしょう。1編読んで一旦お腹いっぱいになっちゃうよぉ←
やっぱりストーリーテラーとして飛び抜けているなぁと思う。面白いんだよなぁ…選挙を切り口に、これくらいの世代なら誰もが持っている素材をこんなふうに料理できる小説家はこの世代にはなかなか居ないでしょう。斜線堂全肯定botになりそう。嘘です。
エリアンタス・ロバートソン/宮木あや子
なんとも純度の高い百合小説だなぁ、と思ったらとても書き慣れてらっしゃるようで。流石だな、と思いました。こういう、自分の作品群の中に確固たる百合枠、みたいのを持っているひとが書くキャラクタはいいなぁ、と楽しく読んだ。
嘘つき姫/坂崎かおる
斜線堂が書いたのが日常の中の地獄なら、やはり戦争という真物の地獄の中での百合もまた、映えるもので。次に出てくる南木義隆が「ソ連百合」で名を馳せたように、大戦中を舞台にした百合小説は十指に余るだろう。
どうしても写実的になりがちな戦争ものでありながら、物語的な細工が全体に光るこれも良作。個人的に、おすすめの百合作品が萩尾望都『半神』で同い年、というのもまた痺れた…謎の嬉しさったら。
魔術師の恋その他の物語/南木義隆
エンタメばくはつ、という感じ。「月と怪物」、『蝶と帝国』など、重厚な作風のイメージが強くあったのだけれどこれはもう、逆のベクトルに突き抜けていてとっても面白かったです。中編程度の頁数の間、ずっとワクワクしていた。嬉しい。
運命/深緑野分
これだけはマイナス評価。
こういう、小説家を志す思春期の少年少女が必修で書きました、みたいな物語を直木賞候補になるような作家さんに書かせてちゃいけない。もっとあるやろ、というのが正直なところである。残念。
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ところで小説、漫画を問わず若いひとたちの作品を読んでいると、いまの世の中ほんとに何でバズるか解らないからペンネームだけはまじでちゃんとつけておきなさい、と思う。まじで。
粒ぞろいのアソート。☆3.4 -
Posted by ブクログ
百合って何ーっ!?という気持ちになった。
海外が舞台だったり、ファンタジー設定だったり、メタフィクションだったり、バリエーション豊かな短編集。ちょっとラノベっぽい作品が多いような。BLの女性版みたいな作品を想像していたら、全然違った。表紙から抱いていたイメージとも違った。性描写が激しい、というわけではないけど、なんだか感情が重くて読んでいてちょっと疲れてしまった。
斜線堂有紀の「選挙に絶対行きたくない 家のソファーで食べて寝て映画観たい」と宮木あや子の「エリアンタス・ロバートソン」がよかった。
また、著者の紹介や、それぞれの著者による百合作品紹介のページが充実していて、興味をそそられた。巻末の河出文庫作品のラインナップも見事に百合作品で、こだわりがすごい! -
Posted by ブクログ
ネタバレアニメや漫画や映画に関しては百合大好物だが、百合小説には疎い。
カバーイラストを「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」に関わるめばちさんが描いているので、手を伸ばした。
気になっていた作家さんも多かったし。
ネット発の作家さん多し。
とはいえ、カバーイラストが具体的にどれかの作品を表しているかといえばそうではないし、むしろ半分くらいがファンタジーや歴史モノやメタモノなので、イラスト詐欺といえなくもないが、まあ変化球を含んでいるということ。
絵はいい。断然いい。→このイラストの路線を求める方には、むしろ漫画の「エクレア あなたに響く百合アンソロジー」をお勧めしたい。
以下、私的好み度をA、B、Cで。
ちなみに帯の
〈名前をつけたい関係も、
名前のいらない紐帯も。〉
は名作。
■斜線堂有紀「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」
B
それこそ「スタァライト」の古川知宏監督と、脚本としてタッグを組んで「ラブコブラ」というか「タイトル未定作品」を待ちわびている。
本作はギスギスというか、彼我の政治意識差が、読んでいて辛かった。
今鑑賞中の「私の百合はお仕事です!」もそうだが、私が個人的に百合にギスギスを求めていないということなのかしらん。
■小野繙「あの日、私たちはバスに乗った」
A
独特……。そしてそこが面白い。
西尾維新とか舞城王太郎とかの文体芸を思い出した(もはや古いか)。
■櫛木理宇「パンと蜜月」
C
純文学風な舞台立てか? やや類型的な印象。
■宮木あや子「エリアンタス・ロバートソン」
ー
スピンオフらしいので、いったん保留。
■アサウラ「悪い奴」
B
「リコリス・リコイル」のストーリー原案として知ったが、実は「メルヘン・メドヘン」の脚本も手掛けられていたのだった。「ベン・トー」は未見。
タイトルの意味が都度都度判明するのが面白い。
■坂崎かおる「嘘つき姫」
A
これはいい小説だ……。
皆川博子的本格西洋ではないが、スピリットは通じ合っている。
■南木義隆「魔術師の恋その他の物語(Love of the bewitcher and other stories.)」
S!
以前からネット上の記事で気になっていた作家さん。
「アステリズムに花束を」収録の「月と怪物」を読みたいと思っていたところ。
今野緒雪「マリア様がみてる」をもじって、〈僕は自分で百合小説を書くとき、「これは『マリみて』のシェアード・ワールドです」と時々言うんですよ〉〈もちろん冗談ですよ(笑)。けれど、僕は『マリみて』も僕の作品も、同一の世界で起こっている話なんだとしばしば思い込んでしまうことがあるんです。同じ世界なんだけど、「マリア様が見ている」部分で起きているのが『マリみて』。対して、僕が書くべきなのは、そこからこぼれ落ちた「マリア様が見ていない」「マリア様が見過ごしている」部分の話だと思っているんですよ、勝手に。〉という発言で、信用度を高めていたところ。
津原泰水の小説講座を受講していたという経歴も目を引いた。
で、実際読んでみたら、文体のマジック! たとえば【薔薇子1】冒頭部の、
《家は帰るべき場所ではないから街に午後五時を告げるチャイムが鳴り響くのを背にきみは、他に人影のない冬の海に佇んで空になった猫用缶詰を片手に煙草をくゆらせている。歳は十三。》
とか、まさに津原泰水の文章を読んでいるかのようで、嬉しくてちょっと涙ぐんでしまったわ。
津原全作品の冒頭部分を最近読み直したので、この感想は間違いない。
会話文の粋さも通じている。
作者ご当人はおそらく、過剰に津原の弟子みたいに言われたら嫌だろうけれど、題材や筋もさることながら小説って文章の芸よねと再確認させてくれた点で、やっぱり津原泰水を強烈に思い出してしまったんだから仕方がない。
また、たとえば、宮崎駿「魔女の宅急便」とか新房昭之「魔法少女まどか☆マギカ」とか、典型的魔女描写という点で「魔女の旅々」とかを連想させておいて(たぶんわざと)、別ベクトルに読者を拉致せんとする豪腕さ。
さらに、冒頭と終盤で「痛み」の意味を別次元に転化された、驚きと、嬉しさとで、うっとりしてしまった。
敢えて大袈裟に言ってしまうが、この小説は額装して部屋に飾っておきたい。
■深緑野分「運命」
B
このアンソロジーに深緑さんが加わるのは確かにと思ったのは、「オーブランの少女」という弩級の名作をものした作家さんだから。
が、むしろ坂崎かおる「嘘つき姫」に深緑っぽさを感じた。
かたや本作は今敏ふう?
油圧カッターという無骨なモノを持って走る姿は、実にいいが。 -
Posted by ブクログ
全体的に上手くまとまっている雰囲気。
『選挙に絶対行きたくない(略)』はセクシャルマイノリティによるヘテロセクシュアリティへの反旗の話でもあると感じる。だって確かに選挙にも行かず期日前投票の日すらダラダラ過ごしてても、好きな人との日々を確約されてるなんて、それこそ""ずるすぎる""。二人をすれ違わせたのは結局信条の違いなんかじゃなくて、いつまでも同性婚を認めない政府の方針なんだなと思った。
ガッツリめのファンタジーが苦手なタイプで、ちょこちょこ挟まるファンタジー要素たっぷりのお話を読み進めるのが大変だったので、この評価。
宮木あや子さん目当てで買ったけど、やっぱり宮木あや子さんの書く愛の話は強烈で鮮烈で、それでいて儚く強く、最強だと思う。