作品一覧

  • 鎌倉茶藝館
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    夫も仕事も失い、生きる気力をなくした美紀。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の片隅で、台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」を見つけ、魅入られ、働き始める。お茶や着物、古都の穏やかな日常に触れ、明るさを取り戻す美紀。そんな彼女に、年齢も性格も違う二人の男性が好意を持ち始めた。今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い? ――苦みを知るから、決められない。名手が描く、大人の恋。
  • 常夏荘物語
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。 時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思いもよらない理由に耀子は驚くが、それを機に自分にとって本当に大事な人が誰だったのか、思いを巡らし始める―。 耀子の葛藤、娘・瀬里の巣立ち、義母・照子の愛。 激動の時代に遠藤家の三代の女たちが守り抜いた家と暮らしは、峰生に暮らす人々にとってもかけがえのない居場所になっていく。 伊吹有喜デビュー15周年記念作品。
  • 娘が巣立つ朝
    3.9
    1巻1,900円 (税込)
    どうしてなんだろう―― それでも人はつながろうとする 高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が噛み合わない。 真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。 そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。 智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。 娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。 父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき…… つむがれていく家族の物語。
  • 犬がいた季節
    4.4
    1巻880円 (税込)
    夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。生徒の名にちなんで「コーシロー」と名付けられ、その後、ともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら……。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の友情や恋、逡巡や決意をみずみずしく描く。2021年本屋大賞第3位に輝いた、世代を超えて普遍的な共感を呼ぶ青春小説。
  • 雲を紡ぐ
    4.5
    1巻800円 (税込)
    壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるのか? 第8回高校生直木賞(2021)受賞作! 羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。 いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。 ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行ってしまう。 美緒は、祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。 一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。 「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。 その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語るように、読む人の心を優しく包んでくれる1冊。 文庫版特典として、スピンオフ短編「風切羽の色」(「いわてダ・ヴィンチ」掲載)を巻末に収録。 文庫解説・北上次郎 ※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • なでし子物語
    4.5
    1~3巻792~836円 (税込)
    ずっと、透明になってしまいたかった。でも本当は「ここにいるよ」って言いたかった―― いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。
  • BAR追分
    3.6
    1~3巻572円 (税込)
    新宿三丁目の交差点近く――かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。そこは、道が左右に分かれる、まさに追分だ。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテル、ハンバーグサンドなど魅力的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔がかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン!
  • 彼方の友へ
    4.5
    1巻935円 (税込)
    友よ、最上のものを。 戦中の東京、雑誌づくりに夢と情熱を抱いて―― 老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、小さな箱が手渡された。 「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。 そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった―― 戦前、戦中、戦後という激動の時代に情熱を胸に歩む人々を、あたたかく、生き生きとした筆致で描ききった感動傑作。 巻末に、文庫のための書き下ろしスピンオフ「ポラリス号の冒険」を収録。 第158回直木賞候補作。 解説/瀧井朝世 装画/早川世詩男
  • 今はちょっと、ついてないだけ
    3.7
    1巻660円 (税込)
    バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、ブームが過ぎると忘れられ、所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに40代になった。カメラも捨て、すべてを失い。自分が人生で本当に欲しいものとは、なんだったのか? 問い返すうち、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった浩樹は、思いがけない人生の「敗者復活戦」に挑むことになる。
  • カンパニー(新潮文庫)
    3.8
    1巻880円 (税込)
    あなたって、どこでも傍観者なのね。家を出た妻にそう告げられ、47歳の会社員・青柳誠一は呆然と佇む。そして災厄は会社でも――。窓際部署に異動か、社が後援するバレエ団への出向、どちらかを選べと迫られた青柳は「白鳥の湖」公演の成功を目指すことに。スポーツトレーナーの瀬川由衣や天才バレエダンサー・高野悠らと共に突き進むが、次々と困難が……! 読めば力湧く崖っぷちお仕事小説。(解説・藤田香織)
  • 注文の多い料理小説集
    3.9
    1巻710円 (税込)
    小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ とびきり美味しいアンソロジー。 うまいものは、本気で作ってあるものだよ―― 最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス…… おやつに金平糖はいかがですか? 物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。 「エルゴと不倫鮨」柚木麻子 「夏も近づく」伊吹有喜 「好好軒の犬」井上荒野 「色にいでにけり」坂井希久子 「味のわからない男」中村航 「福神漬」深緑野分 「どっしりふわふわ」柴田よしき 【本書登場の逸品たち】 塩むすびと冷たい緑茶 ハルピンのイチゴ水 全粒粉のカンパーニュに具を挟んだサンドイッチ きときとの富山の海の幸・ゲンゲ汁 生クリームと栗の甘煮のパンとアイスコーヒー 食堂のカレーライスと福神漬 星屑のような白い金平糖
  • 四十九日のレシピ
    4.1
    1巻660円 (税込)
    妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。 そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。 乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。 大切なひとを亡くしたひとつの家族が、再生へ向かうまでの四十九日間を描いた、感動の物語。
  • 風待ちのひと
    4.1
    1巻924円 (税込)
    “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。 哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。 疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。 喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。 癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。 少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。 人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、伊吹有喜デビュー作。
  • なでし子物語
    4.5
    1~3巻1,650~1,760円 (税込)
    ずっと、透明になってしまいたかった。 でも本当は「ここにいるよ」って言いたかった―― いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。 三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。 言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。
  • ミッドナイト・バス
    3.6
    1巻815円 (税込)
    男が運転する深夜バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。 壊れた「家族」という時計は再び動き出すのか―― 家族の再出発を描く感動長篇。 第151回直木賞候補作! 故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。 子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。 会社を辞めた長男、結婚と仕事の間で揺れる長女。 人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。 バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。 解説・吉田伸子

ユーザーレビュー

  • 娘が巣立つ朝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    50代の親の気持ちで読みました。

    娘の結婚、という急変した身辺はひとまず横に置いて、学生の頃から長い年月をともに過ごしてきた夫婦の様子がやけに胸に迫り、息苦しさをおぼえるほどでした。下り坂にある体の不調、自身の親のことなど老いへの不安・・・漠然としたものも含め気づくといつも曇り空の下にいるような自分にますます嫌気がさして・・・。

    本を読みながら、そうか、こんな心持ちはわたしだけじゃないのだな、と思いつつ、彼らのストーリーを追う中で、それでも、次々とふりかかってくるものと対峙していくしかないのだな、と奮い立つ気持ちも抱きました。

    もう取り返しがつかないと思われた亀裂からのラストの展開に、な

    0
    2026年02月23日
  • 犬がいた季節

    Posted by ブクログ

    なんて素敵な青春小説。
    青春のキラキラしたところだけでなくて、進学の悩み、家庭環境による足枷、登場人物それぞれの心の葛藤や機微がとても繊細に丁寧に描かれている。そしてそれをぜんぶ含めて、眩しく、美しく、心地よい余韻に浸ることができる物語でした。
    平成の出来事や流行が物語に散りばめられていて、時の流れの速さを感じたり、“私もこれ好きだったな〜“と読んでいて楽しく、懐かしかったです。
    コーシローが可愛く、犬がもっと好きになりました。

    0
    2026年02月22日
  • 犬がいた季節

    Posted by ブクログ

    何の前情報もなく、なんとなく手に取った1冊。なんて素晴らしい本だったんだろう。

    私にも高校生の頃があったはずだ。忙しい日常に流されて生きてきた気がする。でも確かに、悩み、苦しみ、そして大声で笑った高校生の頃の自分を思い出せた。私にもそんな時間が確かに存在していた。

    短編連作はすごく好きだけれども、そこに時間軸がつくとこんなにも豊かになるんだと感動した。同じ時間を生きることも、とても素敵なことだ。
    しかし、時の流れの中で、変わっていったもの。そして変わってないもの。そんなことをすごく感じた。
    人とのつながりで、涙がこぼれた。私は3章の『明日の行方』が1番好き。おばあちゃん子やったから。

    0
    2026年02月22日
  • 鎌倉茶藝館

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初めて読む作家さんで、自分が鎌倉好きなのと、緑が映える爽やかな装丁に心惹かれて手に取りましたが…いい意味で裏切られました笑

    ただ、大人の恋愛模様に戸惑いながら読んでいくと、美紀が直哉に溺れるかのごとく、物語に前のめり気味でのめり込んでいっている自分に気付き、苦笑い。

    美紀さんは、よっぽど美人で雰囲気のある人なんだろうなぁと推測。
    今の40代は若いと言いますが、20〜30代をどう生きたかの通知票が40代で帰ってくると言うように、それまでの人生にどう向き合ってきたかが表情に出ますよね。
    学生時代の恋人との突然の別れから、結婚生活、死別、その後の姪とのいざこざ。
    すべて一筋縄ではいかないながらも

    0
    2026年02月20日
  • 鎌倉茶藝館

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     うひゃ~、伊吹さんの大人の恋愛小説。官能小説ともいえるじゃないですか。伊吹さんが書くとこんなに上質になるんですね。
     台湾のお茶に関する知識が豊富で、これだけでも読む価値ありです。
     紫釉を演じられるのは井浦新さんしかいないなあ、とか主人公に合う女優さんは誰かなあとかいらぬことをずっと考えていて、けっこう時間がかかりました。
     今の40代後半って、まだまだ綺麗でいけてますわよ。更年期を迎える人たちへの応援歌でもありますね。

    0
    2026年02月15日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!