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夫も仕事も失い、生きる気力をなくした美紀。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の片隅で、台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」を見つけ、魅入られ、働き始める。お茶や着物、古都の穏やかな日常に触れ、明るさを取り戻す美紀。そんな彼女に、年齢も性格も違う二人の男性が好意を持ち始めた。今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い? ――苦みを知るから、決められない。名手が描く、大人の恋。
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Posted by ブクログ
古都鎌倉と大人たちの恋模様は、壊れそうなほど儚く、それでいて鮮やかで美しかった… そしてお茶や着物の端麗さに圧倒され、鎌倉のまちを含めてもっともっとそれらのことを知りたいと思った。 たくさんの趣や恋の美しさを教えてもらえた。 まさに茶藝館のお茶たちのように、 スゥーっと自分の養分になってくれた気が...続きを読むする。 次鎌倉に行くときは、聖地巡礼をして美紀たちと同じ空気感を味わってみたいなぁ。 美しい恋物語をありがとう
台湾茶のことをもっと知りたいと思った。 1膳目だけでなく、5膳目くらいまで茶を入れて、それぞれの香りや味の違いを楽しむのは有意義なんだろうなと感じた。
「鎌倉茶藝館」を読み終えたあと 台湾茶の湯気の向こうに、 人の孤独や再生、過去との和解が そっと描かれている物語だった。 物語の舞台は古都・鎌倉の一角に佇む小さな茶善館。 そこに集う人は、何かしらの過去を抱えている。茶葉が開く時間とともに、人の心も少しずつほどけていく描写だった。 特に印象的だった...続きを読むのは、「待つ」という行為の意味だ。台湾茶は急いで淹れても本来の香りは立たない。湯の温度、蒸らしの時間、茶器との対話。その丁寧な工程があってこそ、茶葉は真価を発揮する。人物たちもまた、すぐに答えを出すのではなく、時間をかけて自分自身と向き合っていく。その姿は、忙しさに追われがちな現代の私たちに、立ち止まる勇気を教えてくれるようだった。 また、台湾茶の描写がとても繊細で、香りや味わいが文章から立ちのぼるように感じられた。焙煎のぬくもり、口に含んだ瞬間の柔らかな渋み。五感で読む小説とはまさにこのことだと思う。茶藝館という空間そのものが、”避難所”のような役割を果たしているのも良かった。物語を通して感じたのは、「失われたものは戻らないけれど、その事実と向き合った先に、新しい一歩がある」ということだ。過去に囚われるのではなく、抱きしめたまま前に進む。その静かな決意が、最後の一頁に込められていた。 心を温める一杯のお茶のような物語だった。読み終えた今、私は誰かのために丁寧にお茶を淹れたくなっている。 そしてその時間の中で、自分自身の心の声にも、もう一度耳を澄ませてみたいと思った。 私にとっても大切な時間でした。 私も、待つことにしよう ゆっくりと丁寧に暮らしながら。 台湾茶藝師 藤田安代 @formosa_tea_
京都も好きだけれど、鎌倉も好き。 一口に古都と言っても、その町々によって違った雰囲気をまとっているもの。 鎌倉の特徴はやはり、湘南の海に面していることだろうか。 海はキラキラと輝いて、いつでもサーファーが浮かんでいる。 そして、さしたる距離もないところに小山の間の谷戸や切り通しといった仄暗い場所があ...続きを読むる。 光と闇のコントラストを強く感じるのが鎌倉だろうか。 仕事を失った、48歳の美しき未亡人・相生美紀(あいおい みき)は生きる意味を見失い、東京の自宅を片付けて身辺整理をし、初恋の人との思い出の地である鎌倉に向かった。 そこで、『鎌倉茶藝館』という店にたどり着き、マダムから心と身体を癒やすお茶のもてなしを受ける。 お茶は、一煎目、二煎目と味を変えた。六煎目、七煎目もまた違った味わいがある。 でもいつかは出がらしになるでしょう? するとマダムは「香りや味が薄れても、良いお茶はどこまでも美しい味わいを残すのですよ。女が死ぬまで女であるように」と言い切った。 物語を彩る男たち。鎌倉出身の、昔の恋人・伊藤智也(いとう ともや)三つ上。 茶藝館の離れに住む、美紀と同年代の男性・高橋紫釉(たかはし しゆう)はマダムの孫で、普段は和装で過ごしている。 そして、伊藤智也とそっくりな青年実業家・篠崎直哉(しのざき なおや) 紫釉に求婚され、直哉との肉欲に溺れ、常連客の元カメラマンの老人にはセクハラをされ・・・(いや、「カメラの先生」はこの際どうでもいい) 美紀って、魔性の女? 堅物が四十を過ぎて恋に溺れると始末に追えない、と昔から言われ、ある種の皮肉と憐憫と滑稽味を持って描かれてきた。 「いい歳してみっともない」と。 そうやって描かれる対象は、多くは男性だった。 台湾茶の香りと、和服の描写、日本古来の色を表す名前、七十二候の言葉といった優雅なものに彩られているが、美紀の恋も四十過ぎて開花した悪あがきである。 死の「陰」への反動は「陽」の官能に向かうと紫釉は言っていた。 女としての死への反動で、燃え上がった欲求なのかもしれない。 それとも、鎌倉の「光と影」がなせる技なのか。 物語に登場する女たちは、美紀も大概だが、彼女の元夫の姪・玲奈や、直哉の母親・志津子は強烈なキャラクターである。 元夫を慕っていたらしき玲奈は、美紀を蛇蝎の如く嫌い、「おばさん」」と呼び(続柄的には正しい)とことん金を吸い上げようとする。 直哉の母親はセレブ。ミュージカルに通い詰め、マツエクで容貌を盛り、甘ったれた声で息子を言いなりにしようとする。 押しも押されもせぬ大物はやはり、鎌倉茶藝館のマダムこと林淑恵だろう。「はやし としえ」と読んでいるけれど、中国語読みもできそう。 美紀の女性としての生き方に、道案内の灯りを掲げてくれる人でもある。
いわゆる人生に疲れたアラフィフ女性が、鎌倉の人里離れた?場所に佇む場所で、人々と交わりながら自分を取り戻していく話でした。和服にも茶にも全く知識がないですが、楽しく読めました。最後の言葉が良かったな。
読み始めは、情景描写が多く 『ん?外れたかな?』と思いましたが、少し読み進めるとページをめくる手が止まらず一気に読んでしまいました。 GWに鎌倉に観光に行っていたのもあり 鎌倉の景色を想像したり、Googleマップで地図を見ながら読むのも楽しかったです。 主人公の美紀は… 一般的には『可哀想なかよ...続きを読むわい女性』というイメージなんですが 直哉の母が言う『女友達がいない』女性に嫌われるタイプなのかなとも思いました。 周りの男性がついひかれてしまう。 当の本人はそんなつもりはなくても つい心配してしまう、気にかけてしまう。 登場人物の誰にも感情移入することなく 感動!とか共感!とかそういうものは全くなかったけど 私自信が50歳になったこともあり マダムの言葉はジーンと胸に染み入るものがありました。 人生もまだまだこれからだなと。 何故が続きが気になって読み進めてしまうような そんなお話でした。 私は残念ながら紅茶が苦手なので お茶の良さはあまりわからないのですが そんな私でも、こんなカフェがあったら、 丁寧にお茶を飲んで 花を咲かせたいなぁと思いました。
大人の恋。成熟した男と初恋の人の面影のある若い男から想いを寄せられ揺れる更年期な年頃の成熟した女性。語り口に引き込まれて胸キュン。風景とシチュエーションに引き込まれて映画のよう。風景や手触り香りも伝わってくる。女が死ぬまで女であるようにと言うマダムの言葉が美しい!一気読みした素敵な作品
初めて伊吹有喜さんの本を読みました。 すごく読みやすく、背景が浮かびます 鎌倉の台湾茶が飲みたくなる、40代後半の恋愛 の物語
久しぶりに超速読で読んだ。面白かった。熱中した。 大人の恋の話。 相生美紀、紫釉(しゆう)、直哉、マダム。 鎌倉茶藝館。こんなお店に是非行ってみたい! 今私が1番探し求めてるのはこんな店な気がする。 ゆっっっくりしたいな。 もっと続きが気になる。 ここまでの恋愛の本はなかなか読まないので、とて...続きを読むも面白かった。 やはり、マザコンの男の子、子離れしてない母親はすっごい嫌悪感。「きもちわるい。」と私と思った。 川端康成の本、読んでみたいな。 伊吹有喜さんの本もまた読みたい。
人は何か大きな壁にぶち当たった時、絶望しても前を向くしかない、と。 それが一縷の希望の光になるのならそこにすがりつきたい、と。 主人公が辿り着いたお茶との出会いがきっかけになったのは良かったと思った。 そこに恋愛が絡んだのは良し悪しかな? 主人公の幸せを願って······ 私としてはオーナーを選んで...続きを読む欲しいけど。
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