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Posted by ブクログ
リストラ対象になったサラリーマンが、クビをかけて畑違いのバレエ団の公演をマネージメント。そこで出会うダンサーたちの、華やかさからかけ離れた境遇や、ひとつの舞台に向けた真剣勝負に、『縁の下の力持ち』としてどこまでも裏方のまま奔走する彼。
公演の目玉となる世界的トップダンサーに、もう一人の『力持ち』として付き従うのは、こちらもリストラ対象のトレーナー。持てる知識と経験を駆使して、若く熱い闘志で支えようとする彼女。
二人とも、職にしがみつくために出向いたはずなのに、立場そっちのけでダンサーたちのために、自分に出来る最大限の事をしようとする。そんな彼らを、読み手はひたすら応援してしまう。
脇役であるはずの、主役級、準主役級のダンサーたちが放つ強烈な個性も、とても魅力的に描かれていて、それぞれ目が離せない。
もう一度読みたい。エピローグの先の彼らを見たい。
Posted by ブクログ
勤務先の企業からバレエ団(カンパニー)への出向を命じられ、妻からも離婚届を突きつけられた青柳誠一。そんな崖っぷちの冴えない中年男性がバレエ団で調整役として働き始め、次第に仕事も出来て、気遣いも出来るイケてる男性に見えて来る所が面白い。
更にあまり知られていないバレエの世界の裏側も興味を引く所ではないでしょうか。
いわゆるお仕事小説なのですが、プロとしてのプライド、半端ない精神力、そしてそんな彼らを支えるスタッフやスポンサー企業の大切さもこの小説は描いていたと思います。
公演のチケットの売れ行きが良くない為に企画されたフラッシュモブのシーンはとてもワクワクしたし、バレエの公演も一度観てみたいと思いました。
巻末に伊吹さんとこの小説を舞台化した宝塚歌劇団のお二人の座談会の模様も収録されています。
Posted by ブクログ
宝塚の演目の原作とあるが、テレビドラマにもなった作品のようだ。
ストーリー、キャラクターが魅力的で、絵になる場面も多い。
なるほど、人気があるのもうなずける。
主人公は二人いる。
製薬会社勤務の青柳は、リストラ寸前。
おまけに妻子に見捨てられる。
そんな彼にとってはまったくお門違いのバレエ団運営に出向させられる。
もう一人は、青柳と同じ会社のトレーナーの瀬川由衣。
彼女も会社が後援していたマラソンランナーのマネジメントに失敗し、崖っぷち。
初期状態がこれなら、浮揚するしかないわけで。
新たに担当となった世界的バレエダンサー、高野のマネジメントにがむしゃらに取り組む由衣。
悩みながらも「王者の才能」を持つ人を支えることに自分の存在意義を見出していく様はすがすがしい。
一方の青柳。
命じられたことは完璧にできるが、それだけだ、と上司に切り捨てられた彼も、新しい仕事場でバレエに出会い、その美しさに開眼する。
抜群の才能がありながら、いざという時に力を発揮できない美波に導かれるように。
抜け目のない上司に手柄を横取りされても、自分は裏方に徹して仕事を完遂する。
この仕事ぶりもまた、すがすがしい。
ボロボロバレエカンパニーにボーカル&ダンスユニットのアイドルが乗り込んだり、世界的なプリンシパルを迎えたりと、にぎやかで華やかなお話ではある。
が、こういった世界の人たちが、自分の能力を冷徹に測ったり、自分の体の感覚に神経を研ぎ澄まして調整している様も描かれていて、興味深い。
トップに立つ人たちの苦労ばかりではない。
バレエダンサーたちが、本業だけでやっていけず、コンビニやホテルの配膳のバイトなどを掛け持ちしている現状も描かれている。
こんな細部が、物語の奥行きを作りだしている。
私にとっては本作が最初の伊吹作品。
実は以前、ご本人の声を聞く機会があった。
とても美しい声の人だったことが印象に残っている。
来月にはウェブ配信でトークショーを見ることになっているので楽しみだ。
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